10月に入り、いよいよ大学ラグビーが開幕。今日は対抗戦Aとリーグ戦1部、合わせて4試合が行われました。そして秩父宮ラグビー場もスーパーラグビー以来の試合ですかね。数少ない有料で観戦可能な機会なので観戦してきました。
筑波と慶應義塾の試合は予想通りの好ゲーム、筑波の3トライはどれも見事でした
どの会場よりも早い11:30KOのまさに開幕戦、今後の戦いも考えると両チームはこの試合での負けが上位争いに加われるかどうかの試金石と言えるでしょうか。開始早々、筑波のキック処理のミスから攻め込むとラックサイドを攻め続けて先制トライ(この後のキックをポストに当てて外したのは残念)。その後はお互い裏へのキックを中心にエリア中盤を行ったりきたり。その中で慶應は素早いラインアウトから良いアタックを見せるも、僅かなハンドリングエラーが目立ちました。
筑波は敵陣でのラインアウトから順目にアタックして、FWを当ててから素早く逆目に折り返してSH鈴村選手がループを挟んで抜け出したところに11番仁熊選手が走り込んでポスト下にトライし逆転。振り返るとこれは試合の流れを掴んだトライだったと思います。その後は両チームともしっかりとしたDFを見せて、ボールキャリアーにしっかり身体を当てて倒した場面では、2人目が素早く絡んで反則を奪うシーンが目立ちました。
ハーフタイムを挟んでどう修正してくるかと思いましたが、結果的には筑波がよい修正を見せました。スクラムでも粘り、キックのエリア争いでも上手くプレッシャーをかけていました。中盤でのアタックから急遽スタメンに入ったFB植村が素晴らしいランで裏に抜け出して2トライを奪い、その後も敵陣でのアタックでPG2本を追加して30点を奪いました。慶應はラストプレーで得点差を縮めるも30-19で筑波が快勝。慶應は接点で負けている印象はなかったですが、ハンドリングエラーの多さが目立ちました。ただ後半に足がつる選手が目立った筑波に比べると、慶應はしっかり走っていた印象です。
個人的に筑波で目立ったのは13番谷山選手、福岡高校の出身で2年前のU17日本代表にはFLで選ばれていました。この試合ではボールを持つと倒れずにずらして上手く前に出たり、ハイパントをチェイスしてジャンピングキャッチしてチャンスを拡げたり、観客を驚かせていました。2トライを奪いMOMを獲得したFB植村選手については、私と同じ地元がつくば市、小学生の頃から知っています。茗溪の時も素晴らしいランニングを見せてくれたので、今日の活躍は驚きと言うよりもよくやった、と言う感じです。ナイス陽彦!! ヤフーで見かけた毎日新聞のレビュー記事はこちら。
早稲田と青山学院の試合は、後半の途中まで青山学院の粘りが目立ちました
昨年度はライバル明治に勝利して日本一になった早稲田、青山学院には過去2シーズンとも完封で大勝していました。今年も大勝するかと思っていましたが、始まってみると最初のアタックでノットリリースをとられる等、青山学院の動きが非常によかったです。早稲田は青山学院のタックルを受けてボールをこぼす場面があったり、敵陣でのアタックでパスをインターセプトをされてトライを奪われるなど、前半を終えて19-10と9点差のリード。
後半も早稲田がトライを奪って点差を拡げれば、青山学院はエリア中盤で早稲田のパスミスからのこぼれ球を蹴り込んで自ら拾ってチャンスに繋げてトライを奪うなど、中盤までは競った展開に持ち込みました。早稲田はラックを作った際に、オーバーに入った選手が反則を取られるのが目立ったり、なかなかやりたい形を作れなかった印象です。途中でアタックを上手く修正したのか、その後は敵陣に攻め込むと外への素早い展開など3トライを奪って、最後は47-21という点差でした。
青山学院はDFの場面でバックローの選手が素早く間合いを詰めて相手を倒すタックルを見せるなど、この試合に向けて特に接点でのファイトで戦えるよう、鍛えてきたのを感じさせる戦いでした。一方で早稲田は少し残念な印象もありますが、昨年に活躍した4年生が卒業して抜けたり、BKの河瀬選手や長田選手がこの試合は不在だったので、まだまだこれからと言ったところです。「今年の早稲田はダメそうだね」なんてコメントもSNSで見かけましたが、そんなことはないだろうと(苦笑) スタッフ陣はこの試合からいかに修正して成長に繋げるか、シーズン開幕したばかりですから、長い視野で考えているはずです。
試合レポートが長くなってしまいましたが、他の試合ではリーグ戦で専修大学が大東文化大学を破りました。監督の村田さんは戸塚にいた頃にお世話になった方なので、嬉しいですね。帝京大学も日本体育大学を相手に98点(トライ後のキックは全て成功)を奪うなど楽しみですね。
トップリーグは来年1月に開幕ですし、今年の秋は大学ラグビーと高校ラグビーでしっかり盛り上げて欲しいですね。そしてコロナの感染拡大防止に取り組む協会の皆さま、選手スタッフの皆さまに感謝して楽しんでいこうと思います。