先週末の全国U18女子セブンズまとめ

あっという間に10月も終わりに近づき、すっかり秋になりました。インフルエンザやコロナに感染しないよう、身体を冷やさないように防寒やうがい手洗いに注意しないとですね。

今年唯一の高校女子の全国大会、制したのは京都成章でした

2日間の大会は無観客で行われ、日本協会側がYoutubeでLIVE中継してくれました。日本協会主催の全国大会は2月に決勝が行われた全国女子ラグビー選手権以来でしょうか。選手、関係者の感染防止に努めた大会だったかなと思います。その中で全国から予選を勝ち抜いた12チームが集まり、優勝したのは京都成章でした。(東京中日スポーツ)「京都成章が3年でスピード優勝」

関東学院六浦と京都成章の決勝戦は3:57:00過ぎからです

カップ戦準決勝はどちらも接戦、強豪以外でも全体的にレベルの高さを感じました

女子ラグビーの取材でお世話人っている大友さんがRUGBY JAPAN 365のWebマガジンで記事をアップしています。

大会ギャラリーとトライ・得点ランキング

大会ドリームセブンとベストトライ、タックル(ドリーム7は有料記事)

私も大会の試合は数えるほどしか見れていませんが、それでもカップ戦に進出した石見智翠館、國學院栃木、京都成章、関東学院六浦以外のチームでも良いプレーがたくさん見られました。例えばボウル戦で優勝した北信越選抜、予選では福岡レディースと関東学院六浦と同じ厳しいプール戦でしたが、どの試合でもトライを奪うアタックを見せました。石川県で指導する金島さんのブログを紹介します「結果報告【第3回全国U18女子セブンズラグビーフットボール大会】

予選の動画では1:58:50過ぎ、PEARLSの選手が京都成章との試合で見せたタックルが印象的

それ以外でもトップチームが太陽生命女子セブンズで活躍している追手門学院やPEARLSもやはりパスやタックルなど全体のスキルが高い印象を受けました。トップチームと一緒に練習出来ているかはわかりませんが、上の世代のプレーを見て真似ることが出来る環境があれば、今後はさらに強化が進むと思うので楽しみです。

また女子セブンズ大会を終えて、活躍した選手を選抜したであろう女子セブンズユースアカデミーが11月1日にオンラインで行われます協会HPの記事はこちら。アカデミー生に加えて、候補生も多く選ばれていますが、身長170cmがある子もいて楽しみです。15人制の大会がない今年度ですが、若い世代を見つけ、育て、鍛えて、より多くの選手が日本代表に育つよう、継続してフォローしていきたいですね。

実はまだ3位決定戦や決勝戦を見れていないのですが、この大会が保護者も入れない、無観客だったのがやはり残念ですね。今の時点では観客数の制限をかけながら、LIVE中継も行うのが理想かもしれません。早くコロナが収束して、当たり前に観戦できる日が来て欲しいですね。

釜石メモリアルマッチのはなし

9日から岩手県釜石市に行ってきました。10日に行われる釜石シーウェイブスとクボタスピアーズのW杯1周年記念試合が行われると決まった頃から、一度は釜石市を訪れてみたいと思い、今回は応援も兼ねて遂に実現することが出来ました。

JR釜石駅を出て目の前は新日鉄釜石の製鉄所「鉄と魚とラグビーの町 釜石へ」と迎えられました
釜石市がラグビーW杯開催都市の招致から実現するまでのストーリーはこちらの動画で

宿泊したホテルは港から数百mほどの距離でしたが、近くを散歩すると建物の壁に津波の到達点を示すものがありました。軽く頭の上、3m以上はありましたかね。それだけの津波が来たことを想像するのは難しかったです。会場の鵜住居復興スタジアムに向かう途中では仮説住宅を見たり、高い堤防を見たりするたびに、様々なことを思います。

会場の周りには食事のブースや海上自衛隊のブース、クボタのトラクターが展示されているブース、オーストラリアのブースなど様々なブースがありました。当日はマラソン大会も行われており、鵜住居復興スタジアムが多くの人が集まっていました。

クボタのトラクターを前に昨年のW杯にも出場し、今はクボタスピアーズに所属しているNZのライアン・クロッティ選手(左)と豪州のバーナード・フォーリー選手(右)が記念撮影をしていました
バックスタンドの脇には大きなモザイクアートが飾られていました

メモリアルマッチは序盤から強力FWがトライを重ねたクボタが大勝

両チーム入場時にはW杯さながらに大きな太鼓が用意されるなど素晴らしいオープニングでした

雨が心配される中、13:30にキックオフされたメモリアルマッチは開始早々に攻め込んだクボタがゴール前のラックサイドを攻め込んで先生のトライ。その後も相手の反則から敵陣深くでのラインアウトでモールを押し込んだり、G前のペナルティーから大外の選手にキックパスをしてインゴールに飛び込むなど、得点を重ねました。クボタは昨年日本一になった早稲田大学の10番岸岡選手など1年目、2年目の若手が多く出場しましたが、釜石相手に堂々とした戦いを見せていました。個々の動きの良さが印象的でしたね。釜石は厳しい戦いでしたが、後半に2トライを返すなどホームでの声援を受けて、奮闘しました。

赤いジャージを着た釜石は紺のクボタを相手に終始厳しい展開でしたが、チャレンジしていました

試合はYoutubeでライブ配信もされていたので、ここで観れます。また当日の記事もYahooで見つけましたので紹介します ⇒ 「釜石は特別な場所」W杯戦士のクボタ・ラブスカフニ感慨「ここで久しぶりにラグビーできてうれしい」

今回は本当に短い滞在になりました。天気も釜石市に来たときからずっと曇りで、当日も試合途中から雨が降ってきて、バタバタしてしまいました。もっと地元の店を訪ねて買い物したり、美味しいものを食べたりしたいですね。どうやらトップリーグも開催されるようなので、また機会があれば訪れたいと思います。今回は乗れなかったJR釜石線にも乗って、のんびり旅したいものですね。

大学対抗戦A開幕、秩父宮観戦レポート

10月に入り、いよいよ大学ラグビーが開幕。今日は対抗戦Aとリーグ戦1部、合わせて4試合が行われました。そして秩父宮ラグビー場もスーパーラグビー以来の試合ですかね。数少ない有料で観戦可能な機会なので観戦してきました。

体温チェックを行い入場、スタンドの座席は隣の観客との間隔をあけて観戦。対戦チームの部員はメインスタンドではなく、インゴールの立見席でした。

筑波と慶應義塾の試合は予想通りの好ゲーム、筑波の3トライはどれも見事でした

https://www.youtube.com/watch?v=o0hnC-1sonw
JSPORTSさんのハイライト、鮮やかに3トライを奪った筑波が慶應義塾に快勝

どの会場よりも早い11:30KOのまさに開幕戦、今後の戦いも考えると両チームはこの試合での負けが上位争いに加われるかどうかの試金石と言えるでしょうか。開始早々、筑波のキック処理のミスから攻め込むとラックサイドを攻め続けて先制トライ(この後のキックをポストに当てて外したのは残念)。その後はお互い裏へのキックを中心にエリア中盤を行ったりきたり。その中で慶應は素早いラインアウトから良いアタックを見せるも、僅かなハンドリングエラーが目立ちました。

筑波は敵陣でのラインアウトから順目にアタックして、FWを当ててから素早く逆目に折り返してSH鈴村選手がループを挟んで抜け出したところに11番仁熊選手が走り込んでポスト下にトライし逆転。振り返るとこれは試合の流れを掴んだトライだったと思います。その後は両チームともしっかりとしたDFを見せて、ボールキャリアーにしっかり身体を当てて倒した場面では、2人目が素早く絡んで反則を奪うシーンが目立ちました。

ハーフタイムを挟んでどう修正してくるかと思いましたが、結果的には筑波がよい修正を見せました。スクラムでも粘り、キックのエリア争いでも上手くプレッシャーをかけていました。中盤でのアタックから急遽スタメンに入ったFB植村が素晴らしいランで裏に抜け出して2トライを奪い、その後も敵陣でのアタックでPG2本を追加して30点を奪いました。慶應はラストプレーで得点差を縮めるも30-19で筑波が快勝。慶應は接点で負けている印象はなかったですが、ハンドリングエラーの多さが目立ちました。ただ後半に足がつる選手が目立った筑波に比べると、慶應はしっかり走っていた印象です。

筑波は今年も粘り強いDFを見せていました。反則もほとんどなく、慶應にクリーンなラインブレイクを許したのは最後のトライの場面だけだったと思います。

個人的に筑波で目立ったのは13番谷山選手、福岡高校の出身で2年前のU17日本代表にはFLで選ばれていました。この試合ではボールを持つと倒れずにずらして上手く前に出たり、ハイパントをチェイスしてジャンピングキャッチしてチャンスを拡げたり、観客を驚かせていました。2トライを奪いMOMを獲得したFB植村選手については、私と同じ地元がつくば市、小学生の頃から知っています。茗溪の時も素晴らしいランニングを見せてくれたので、今日の活躍は驚きと言うよりもよくやった、と言う感じです。ナイス陽彦!! ヤフーで見かけた毎日新聞のレビュー記事はこちら

早稲田と青山学院の試合は、後半の途中まで青山学院の粘りが目立ちました

https://www.youtube.com/watch?v=puU8l4xdj0w
早稲田が大勝するかと予想していましたが、青山学院は接点でしっかりファイトして早稲田のノッコンを何度も誘い、後半16分にはPGを決めて5点差に迫るなど粘りを見せました。

昨年度はライバル明治に勝利して日本一になった早稲田、青山学院には過去2シーズンとも完封で大勝していました。今年も大勝するかと思っていましたが、始まってみると最初のアタックでノットリリースをとられる等、青山学院の動きが非常によかったです。早稲田は青山学院のタックルを受けてボールをこぼす場面があったり、敵陣でのアタックでパスをインターセプトをされてトライを奪われるなど、前半を終えて19-10と9点差のリード。

後半も早稲田がトライを奪って点差を拡げれば、青山学院はエリア中盤で早稲田のパスミスからのこぼれ球を蹴り込んで自ら拾ってチャンスに繋げてトライを奪うなど、中盤までは競った展開に持ち込みました。早稲田はラックを作った際に、オーバーに入った選手が反則を取られるのが目立ったり、なかなかやりたい形を作れなかった印象です。途中でアタックを上手く修正したのか、その後は敵陣に攻め込むと外への素早い展開など3トライを奪って、最後は47-21という点差でした。

青山学院はDFの場面でバックローの選手が素早く間合いを詰めて相手を倒すタックルを見せるなど、この試合に向けて特に接点でのファイトで戦えるよう、鍛えてきたのを感じさせる戦いでした。一方で早稲田は少し残念な印象もありますが、昨年に活躍した4年生が卒業して抜けたり、BKの河瀬選手や長田選手がこの試合は不在だったので、まだまだこれからと言ったところです。「今年の早稲田はダメそうだね」なんてコメントもSNSで見かけましたが、そんなことはないだろうと(苦笑) スタッフ陣はこの試合からいかに修正して成長に繋げるか、シーズン開幕したばかりですから、長い視野で考えているはずです。

試合レポートが長くなってしまいましたが、他の試合ではリーグ戦で専修大学が大東文化大学を破りました。監督の村田さんは戸塚にいた頃にお世話になった方なので、嬉しいですね。帝京大学も日本体育大学を相手に98点(トライ後のキックは全て成功)を奪うなど楽しみですね。

https://www.youtube.com/watch?v=LHKnJI2boRU

トップリーグは来年1月に開幕ですし、今年の秋は大学ラグビーと高校ラグビーでしっかり盛り上げて欲しいですね。そしてコロナの感染拡大防止に取り組む協会の皆さま、選手スタッフの皆さまに感謝して楽しんでいこうと思います。