明日にアジアセブンズを控えたセブンズ日本代表の話

ここ数日の間に夕方からの冷え込みがぐっと強くなりましたね。夜はグランドにいたのですが、急にダッシュしたときに怪我をしないよう、気を付けてました。このブログ、年内で終了しますが、それまでに観戦記や代表の話など更新の頻度を増やしていけるよう頑張ります。今日は週末にタイで行われるアジアセブンズシリーズのお話です。

男子は代表経験の少ない若いメンバーで決勝まで勝ち上がれるか

リーグワン以外のチームからも選出されている男子、写真はJRFUのポストから拝借

まず男子ですが、これまでの2大会で3位、2位という結果でライバルの香港を追いかける状況です。このアジアセブンズシリーズの結果が来年に行われるであろう、ワールドセブンズシリーズへのチャレンジ大会への出場権にも影響すると思うので、タイ大会では韓国や中国に勝利して決勝まで進まないといけません。その中で選ばれた13名の登録メンバー、JRFUのHPにもUPされています。来日したり帰化した海外出身の選手がいないのはここ数年ではほとんど見たことがないですね(数年前のセブンズW杯アジア予選では海外出身の選手を多く選んで挑んでW杯出場を逃したこともありました)。

正直、名前と顔が一致しないメンバーばかりでセブンズ代表での大会出場数も全員が3以下とまるで生まれたばかりのような男子代表。12月に開幕を控えているリーグワンのチームからの協力(代表活動への理解や連携など)は十分に得ているとは言えません。それでも選ばれた選手は代表のプライドをしっかり見せてくれるはずです。三重ホンダヒート所属の植村選手は過去にもセブンズ代表経験があり、久しぶりのセブンズ代表復帰。彼が小学生の頃に指導したこともあり茗溪学園の後輩でもあるので、植村選手の強みである鋭いランに期待しています。

女子はパリ五輪に出場した4名が加わりライバル中国に勝てるか

スポ大出場を経てセブンズ代表に復帰したパリ五輪代表の4名、写真はJRFUのポストから拝借

そして女子ですが、これまでの2大会は東京、パリと五輪に向けて国際大会での経験を重ねてきた主力メンバーを休ませて、新しい若手メンバーを中心に挑みました。香港に延長戦の末負けることもありましたが、男子と同じく3位、2位という結果でライバル中国に惜敗という結果です。またタイ代表とも接戦になるなど、優勝を目指す中でタフな戦いを重ねてきたと思います。そこから10月上旬に佐賀で行われた国民スポーツ大会を挟み、熊谷、久留米での代表合宿を重ねてきました。

JRFUのHPで大会登録メンバー13名が発表されていますが、セブンズ代表キャップ数が1桁台が6名、パリ五輪に出場した選手が4名と見た感じはバランスの取れたメンバーになりました。一方で個人的に懸念しているのはこれまでサクラセブンズでFWを引っ張っていた梶木選手や三枝選手らの不在です。おそらくFWには大橋選手や秋田選手、もしかしたらユーティリティーの田中選手や辻崎も加わるかもしれませんね。BKにはオリンピアンの内海選手、大谷選手、堤選手が並ぶこともできますが、そこに谷山選手、迫田選手や代表復帰した永田選手が銅絡んでいけるかに注目しています。

そして女子は今月末から始まるワールドセブンズシリーズに向けての戦いが始まると言ってもいいでしょう。数日前にドバイ大会の予選プールの組分けも発表されました。今年のシリーズは中国も参戦しますし、このタイ大会でどれだけ成長して強さを見せてくれるか楽しみです。

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ラグビーマガジンを読んで面白かった話

先週から予想進路がどんどん変わる台風10号による大雨の影響で日本中が悩まされましたね。昨夜の雨が過ぎ去って今日は良い天気になりそうです。この台風の影響は仕事にもあって、先週は自宅で過ごす時間が増えて、久しぶりにラグビーマガジンをじっくり読みました。

パリ五輪の振り返りが面白い

先日発売したラグビーマガジンは付録で大学ラグビー写真名鑑があり、ボリューム増してますが中身も高校ラグビーは全国セブンズにコベルコカップ、大学ラグビーは夏の合宿の話題など盛りだくさんでした。そして女子ラグビーの話題もたくさんあったので、いくつか自分の感想も踏まえながら紹介していきます。

まずパリ五輪、見たのはほぼ日本代表の試合で海外の強豪国のメダル争いは男子の決勝しか見てなかったです。母国開催で連覇を狙うフィジーを破って金メダルを獲得したフランス、決勝戦は15人制でも活躍するSHのデュポン選手の大活躍が目立ちましたが、フランスではラグビーといえば15人制という空気があったとのこと。7人制の強化策としてはセブンズ代表でハイレベルの試合を経験し、選手も成長できるとメリットを話して能力の高いクラブのアカデミーの若手選手を代表にリリースしてもらうことに成功したとか。ただセブンズをステップに15人制での活躍を目指す、という流れは今後も続きそうです。一方で国内ではU16やU18などのユースレベルで今後はセブンズの大会を増やしていく計画だそうです。

日本は以前からセブンズユースアカデミー合宿を重ねてタレントのある有望な中高生を発掘し、鍛えてきました。ユニバーシアードなど学生レベルの世界大会では金メダルを獲得する成果もありましたが、海外の強豪国と戦うトップカテゴリーでは、ほかの国々の強化スピードに追いつけず苦しい状況。以前はアジアで勝つのは当たり前のような空気もありました。東京五輪の前もワールドセブンズシリーズのコアチームに入って、世界トップレベルの経験を増やすかというのが目標でしたが、パリ五輪を控えた去年はそのシリーズの下のカテゴリーでも勝てずにプレーオフにすら進めない現状。最下位で終わった後のエイモーHCのコメントにも「特に運動能力的に相手に及びませんでした」とありました。

エイモーHCのコメントの中にはポジティブに振り返って「素晴らしいアタックシーンを作ることはできた」というのもありました。キックをうまく使ってのトライは鮮やかだったかもしれませんが、それ以外でアタックからトライまで繋げるパターンがない印象でした。リスクを背負って前に出るDFを試みて失点が多かった戦いは、何となくリオ五輪での女子と重なる印象です。「自分たちの戦いが出来れば勝てる」と自信を持っても、結局はその舞台まで辿りつけない。力の差を感じる、悔しい思いしかない。

男子と比べて女子は目標とするメダル争いはできなかったもののリオの10位を上回る過去最高の9位という成績で終えました。その内容については以前のブログでも書いていますが、振り返っての平野主将や内海選手のコメントが面白かったですね。「(五輪を意識しすぎずに)通常通りのマインドでやろうと言ってきましたが、オリンピックではほかがいつもと違う」、こういう感じ方が出来るのも、初日の苦しい2敗から立て直して、自分たちの戦いが出来てこそだなと。東京五輪後に就任した鈴木HCがパリ五輪までの3年で、ワールドセブンズシリーズのコアチームに昇格、そこからセブンズW杯、シリーズ大会でも過去最高の成績を残すまで強化を着実に進めてきました。後任にはリオ五輪を経験し、ここ数年はユースアカデミーを中心に担当してきた兼松さんに決まりましたが、今後はどう強化を継続していくか、ですね。

パリ五輪を前にフランスで開催された学生セブンズ大会で見事優勝した日本、ここから代表入りする選手に期待

パリ五輪については先日、日本協会からもオンライン会見で振り返りがありました。東京中日スポーツでも記事があったので、紹介します ⇒ 「パリ五輪ラグビー7人制 女子9位、男子最下位に岩渕健輔専務理事、女子「前向き」男子「厳しかった」と総括
男女ともに新体制はさっそく今週末のアジアセブンズシリーズ韓国大会から始まるので、まずは見守りたいです。

サクラ15の国内テストマッチの振り返りが面白い

深掘りでのハイライト、個々の選手の活躍がわかって面白い

そして8月のサクラ15のテストマッチ2試合の記事も読みごたえがありました。大友信彦さんが書いていますが、強豪のアメリカを相手に2試合合計で25-28というトータルスコア。本当によく戦った、そして勝てなかった、勝つべき試合だった。8-11に終わった2試合目については私も現地観戦しましたし、以前のブログでも触れています。

サクラ15については、毎年のようにチームが成長しているのを感じますし、それは選手(特にFW)のサイズアップからも感じます。海外遠征などテストマッチの機会が増えて、強豪国とも戦えるステージまで来たと感じます。春から合宿を重ねてきたFW陣がセットプレーでも奮闘し、ラインアウトからのモールにもトライという結果は示せなかったものの、拘りを感じました。この2試合で特にDFに成長を感じる一方で、感じたのは得点力不足。去年のWXVでも見せたワイドに展開して外のスペースを攻略するアタックが見えなかったです(これは温度湿度が高い日本の夏でボールがスリッピーな状況もありますが)。

ラグビーマガジンではSHの津久井萌、CTBの弘津悠もピックアッププレーヤーで紹介されていました。津久井選手は以前にサクラ15でもBKコーチを務めていた藤戸さんに個人レッスンをお願いした話がありました。弘津選手は以前はセブンズを主戦にしていましたが、そこから15人制に移った経緯を話していました。女子は以前に比べればテストマッチの増加含めて話題に出る回数が増えてきたし、今はYoutubeで地方のマスコミがニュースとして扱った映像が見れたりもしますが、個人にフォーカスした記事を見かけることはまだ少ないので、この2人の話は面白かったです。個人的にはともに200年3月生まれで日本代表で10代から活躍している平野優芽、津久井萌の対談とか見てみたいですね。

サクラ15ではないですが、パリ五輪を終えた原選手の地元里帰り動画

そのほか、コベルコカップの記事もあり今年から男子と同様、全国9ブロックを3つのプールに分けて行う予選、そして順位リーグで順位を決める形になりました(昨年までは強化、育成の2リーグ)。女子は出場した選手の顔写真付きプロフィール紹介が今年もありました。出場する選手にとってはきっと思い出になりますね。今後もより多くの選手が高校卒業後もプレーを継続してほしいと願っていますが、そのためには国体を含めた各地域の強化策はもちろん、セブンズユースアカデミーに加えて、15人制に向けたユース選手の合宿だったり、環境をもう少し整えていかなければと思います。

今はコベルコカップの後に、菅平女子セブンズ大会が行われていて、中学生のカテゴリーも開催されるために、多くの女子ラグビー選手が集まる機会になっています。全国のタレントある選手を発掘する機会にもなると思いますし、今後のサクラ7s、サクラ15の強化を継続するためにはユース選手からの発掘、育成が求められると思うので、頑張ってほしいです。個人的には、今の女子代表はセブンズ含め1999年、2000年生まれの黄金世代が20代前後で代表に選ばれて、経験を重ねて成熟し、この数年がピークになるのかなと。その辺りはまた別の機会にかければなと。

女子代表選手が地元の子供たちと一緒に入場、こういう機会が将来につながるかもしれませんね

本当は週末に始まるアジアセブンズシリーズや遠征メンバーが発表されたサクラ15にも触れたかったのですが、長文になったのでまた大会が始まる前に更新出来ればと思います。

パリ五輪、男子は12位で終了、そして次は女子セブンズ

日本時間の27日23時半から行われたウルグアイとの11位決定戦、日本は前半に3トライを奪われて追い上げるも10-21で敗戦。前回の東京五輪では韓国に勝って11位となりましたが、パリでは勝利を挙げられずに終わりました。

試合内容についてもキックオフで競りに行った後、ショートに走り込んできた相手にラインブレイクを許していきなり先制されると、さらにDFで粘れずに追加のトライを許す展開に。追い上げる後半、ウルグアイにシンビンが出て数的優位な状況の中で得たチャンスにもトライに繋がるアタックが出来ず。言い方は良くないですが、日本としてどんな戦いを見せて勝ちにいくのかよくわからない、伝わってこないそんな3日間でした。それでも選ばれた選手は必死に頑張ったと思います。お疲れ様でした。

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選手は全力で挑んだと思いますが、ほかの国との力の差は明らかでした。悔しい。

そして決勝に進んだのはリオ、東京に続いて3連覇を目指すフィジーと開催国としても大会初の金メダルを狙うフランス。予選プールではフィジーが勝ちましたが、決勝で再戦することになりました。前半を7-7で折り返した後半、交代出場した15人制代表でも活躍するSHデュポンが全てのトライに絡む大活躍を見せて、スタンドの大声援を受けたフランスが28-7で勝利。スコアほどの差はないですが、後半のフィジーはDFで反則が目立ったのが敗因ですかね。

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デュポン選手、まさにキングといった活躍でした。大会を盛り上げる金メダルおめでとう!

8強入りを目指しての戦いが始まるサクラセブンズ、期待は高まります

そして今日28日の夜から女子セブンズが始まります。大会の登録メンバーも発表されました。バックアップに大竹選手、辻崎選手というワールドセブンズシリーズでも活躍を見せる選手が控えているほど、充実している印象。最下位に終わった東京からの3年間、鈴木HC体制でワールドシリーズへの昇格、セブンズW杯など結果を出し続けてきた中で迎えるパリ五輪、活躍を期待せずにはいられません。初戦の米国戦は23:30から、そして3時半から開催国フランスと。

大友さんのポストから、一部の選手はワールドシリーズとの背番号が変わっていますね
昨日UPされていました、いいトライばかりだ

昨日の開会式、今日の男子セブンズと雨が降っていたのが心配になったのでYahooで調べてみましたが、今日からの3日間は晴れ予報(最高気温は30℃弱)。コンディションはだいぶ良さそうです。このシーズンの試合を見ていても、日本は簡単にトライを与えない粘り強いDF、ATでも素早い球出しからラインブレイクを見せるなど、強豪国にも攻守に渡ってしっかり戦える印象です。なので勝負の分かれ目として大事になるのがキックオフの攻防ですね。男子はここでレシーブが出来ずにトライを奪われてしまう場面が少し目立ちました。

予選プールの初日に戦う米国、フランスはともにフィジカルとサイズに優れていて、1対1の戦いになると正直分が悪い。このシーズンでも中央スクラムからの1次ATで止められずにトライを奪われたりしました。相手の国から見れば、日本にはシンプルに個々の勝負に持ち込んでくるはずなので、日本としては強みの連携を崩さず、DFではいつも以上に素早いプレッシャーをかけて良いアタックをさせず、ゲームの流れを掴みたいところ。ATでは素早い球出しからの仕掛けでチャンスは作ると思うので、あとは接点で絡まれた際にボールをミスせずリサイクルしたいですね。

協会HPの合宿レポートから、立動戦の文字に注目

パリ五輪、男子セブンズは4連敗で11位決定戦へ

前回の更新から1か月ほど空きました。今月上旬にはパリ五輪の男女登録メンバーが発表されたりしましたが、気づけば今日の深夜にパリ五輪の開会式が行われます。3年前の東京五輪からあっという間の3年間という気がします。開幕前に始まった球技種目、男女のサッカーの初戦が話題になる中、男子7人制ラグビーは24日と25日に試合が行われ、4試合とも大敗という残念な結果になっています。日本協会HPの2日目の結果お知らせは、こちら

https://twitter.com/JRFUMedia/status/1816549209904152990
サモア戦後に行われた決勝トーナメント、南アがNZにリベンジするなど白熱した試合ばかり

もともとあった強豪国との実力差がそのまま結果に現れた男子セブンズ

全ての予選プールの結果を見ましたが、3戦3敗の日本の得失点差は-107、同じ3敗でもケニアは-59、ウルグアイは-51でした。日本のプールに入った国がNZ、アイルランド、南アフリカという15人制の現在の世界ランクの上位3か国という厳しい組み合わせとはいえ、未明に行われたトーナメントのサモア戦も含めてどの試合でも40失点以上取られています。私は南アフリカ戦を除く3試合をLIVEで見ましたが、ボールを大きく動かしてアタックするものの、相手DFにターンオーバーされてしまうとそのままトライまで持っていかれる場面が目立ちました。

https://twitter.com/SVNSSeries/status/1816489025986789662
予選プールの勝敗と得失点差はこちら

パリ五輪を前に日本代表はワールドセブンズシリーズのコアチーム昇格を目指してチャレンジャシリーズに参戦していましたが、シリーズの合計ポイントで8位に終わり上位4か国が進む昇降格プレーオフに進めませんでした。東京五輪で11位に終わってからパリ五輪を目指した3年間、アジア予選は突破したもののそれ以外では正直思うような結果が得られないまま、パリ五輪本番でも強豪国を相手に厳しい試合ばかりです。

個人的な印象ですが、チームとして以上に個々の選手の力が大きく差があるのかなと。1対1のDfではボールキャリアーを止められずハンドオフで飛ばされたり、ステップで抜かれてそのまま独走されたりする場面を見ました。トライ場面もDF裏のスペースへのキックをチェイスして鮮やかに奪ってはいるものの、裏を返せばそれまでの仕掛け、継続からインゴールまでもっていく力が足りないのかもしれません。男子セブンズは開会式のある26日に試合は行われず最終戦は27日土曜の23時半から南米のウルグアイと戦います。日本代表が目指してきたプレーを見せて勝利して欲しいです。

激闘のアルゼンチン戦、本当に素晴らしい試合でした

昨日の夜に行われたW杯予選プール、日本の最終戦の相手は格上のアルゼンチン。これまでの対戦で勝利したのは1度のみ(勝利は1998年の秩父宮、平尾JAPANで村田選手と岩淵選手のHBにTVの前で興奮しながら見ました)。前半を1点差で折り返して勝負の後半、突き放されても追い上げて接戦になりましたが、最後に突き放されて27-39の負け。それでも奪ったトライはどれも素晴らしいものでした。得点など試合経過のレポートはRUGBY JAPAN 365で。試合後の選手のコメントもどれも勝ちたい気持ちが伝わってきました。

World RugbyのYoutubeチャンネルからハイライト3分少しです

もう著名な方々が試合の振り返りコメントをSNSで出したり、試合後のジェイミーHCや選手のコメントもたくさん出ていますね。日本協会HPの試合経過は、こちら振り返れば勝てるチャンスもあると感じましたが、日本がリードする展開はなかったです。そして後半に追い上げた直後のキックオフからアルゼンチンにすぐにトライを返された(56分にJPNレメキDGの直後、58分ARGトライ/65分にJPNナイカブラトライの直後、68分ARGトライ)。ここが勝負の肝だったと思います。得点した後のキックオフで相手の気迫の籠ったアタックを何とか止めて、連続得点につなげられるか。

このW杯では振り返れば強豪を相手に、後半の大事な時間帯で得点を奪って勝負を決める流れを掴み切れませんでした。日本協会HPにある2戦目のイングランド戦の試合経過を見れば、12-13の1点差に追い上げてからイングランドに3T3Gを許して12-34で負け。サモア戦の試合経過を相手の11番がレッドカードを受けて退場になってから25-8とリードを拡げるも、そこから2T2Gを奪われて25-22で逃げ切り勝利。勝負所に関しては試合翌日の藤井雄一郎ナショナルチームディレクターがオンライン会見でもこう話していました。

やっぱり勝負所で取ったらすぐに取られるという、頑張らないといけないときに頑張れなかったのが昨日の敗因やと思うが、選手は頑張っていると思うが、勝負の力を入れないといけないところは経験を積んでいかないと、その部分は埋まっていかない。チーム内での競争も含めて選手層を厚くしていかないといけない。

本当に強度の高い試合を重ねることで得られる経験かもしれません。4年前はSUPER RUGBYにサンウルブズが参戦することで、日本代表で戦う選手の経験を底上げしました。アルゼンチンはサンウルブズと同様に、コロナ禍でSUPER RUGBYからは離れましたが、選手の大半はヨーロッパのリーグに移籍してタフな試合経験を重ねたようです。そこは本当に選手、スタッフの頑張りでは補いきれない、強化体制や仕組みのところですね。その辺はSNSでいろいろ見れると思います。

https://twitter.com/jsports_rugby/status/1711146252212318488
試合後のリーチマイケル選手のコメント、この大会でのパフォーマンスは素晴らしかったですね

いずれにせよ、日本代表の選手、スタッフは本当に頑張ったと思いますし、アルゼンチン戦の戦いも本当に勝つための準備を重ねてきたと感じさせてくれる戦いでした。後輩の福田はリザーブに入るも出ることなく終わり、悔しい思いもあるでしょうが、チームのために頑張っていました(今回の代表チームでは試合に出られないノンメンバーを柱と呼んでいました)。スタッフでロッカールームでは試合前の姫野キャプテンの隣で通訳をしていたジョシュも本当にお疲れ様でした。

男子のW杯の戦いは2大会連続の決勝トーナメント進出を果たすことなく終えましたが、女子は金曜にWXV2の初戦が、セブンズ代表はタイでのアジアシリーズが控えています。引き続き日本代表の活躍に期待しましょう!