準決勝が終わり、W杯も残り2試合

前回の更新が今月8日で、女子セブンズのワールドセブンズシリーズの結果報告で、だいぶ空いていました。W杯に女子関東大会に観戦は重ねていましたが、ブログは書いていませんでしたね。U18全国女子セブンズもこの週末に行われましたが、触れられず・・・

準決勝1試合目はイングランドが絶対王者NZを破るベストゲーム

ハイライト、トライは両チーム1本ずつでしたが、イングランドはNZの強みを出させない粘りのDFで相手の反則を得点につなげて、解消しました

準々決勝が終わり、試合を迎えるまで連日チームはメディアへのインタビューを行いますが、エディーHCがメディアの注目を集める発言をしていましたね。NZ相手にプレッシャーをメディアを通じてかけに言ったかもですが、NZのハンセンHCも上手くいなしているようで面白かったです。

試合のほうは多くの人が見たと思いますが、開始のキックオフからイングランドがキッカーがパスをして逆方向に蹴るなど奇襲みたいなスタートを仕掛けて、開始2分も経たずに攻め込んで先制トライを奪いました。その後もNZのアタックに対して、倒したプレーヤーにしつこく絡みにいったりして、ターンオーバーを何度も獲得するなど、素晴らしい前半でした。後半もNZの反則からPGを重ねて、NZはラインアウトのミスボールを取って飛び込んだ1トライのみ。19-7の得点差以上に、イングランドがNZ対策がはまって素晴らしいプレーを見せて決勝進出を決めました。

さっき上に載せたYoutubeの画像も1日で再生回数が100万回を突破していました。エディーさん、4年前は日本代表を率いて南アフリカを破る大番狂わせを見せて、世界を驚かせましたが、今大会でもしっかり驚かせてくれました。決勝を残しているとはいえ、また株を上げましたね。本人は満足していないとは思いますが(苦笑)

この写真は3年半くらい前のコーチングセミナーのとき、試合ではないので笑顔です

2試合目は大接戦をものにした南アフリカがウェールズに勝利

準決勝2試合目も最初から最後まで激しいぶつかり合いで目が離せない試合でした

先ほど行われた準決勝、南アフリカとウェールズの試合。下馬評というか、試合前は南アフリカ優位と思っていましたが、そんなことはなかったですね。南アフリカが試合残り5分からPGを決めて、19-16で勝利しましたが。ウェールズが最後まで粘りを見せていました。両チームとも狙ったキックは全て成功。勝敗を分けたのは、南アフリカのFWの強さ、そしてSHのデクラークのキックを含めたゲームメイクですかね。

ラグビーをあまり見る機会がなかった人には「なんでそんなにキックを蹴るんだ」と思われるような試合だったかもしれません。おそらく予選プールでは見たことのない試合展開だったと思います。それくらい1点差でも勝つ、そのためにまずは敵陣に入る、反則をしない、ということを両チームとも意識していたと思います。この試合、テレビマッチオフィシャル(TMO)が一度もなかったと思います。イングランドとNZの試合は結構あったと思いますが、個人的には両チームがそれくらい危険なプレーをせず、激しいぶつかり合いをしていたことに驚きました。

そんなこれまでとは違った次元の戦いを見せた準決勝、見ているファンは楽しめたのではないでしょうか。W杯も残り2試合、3位決定戦NZvsウェールズ、そして決勝イングランドvs南アフリカ。楽しみしかないですね。

サクラ7sは招待参加のワールドシリーズ米国大会でフィジーに勝利し、10位で終了

ラグビーW杯で全国各地で盛り上がる日本ですが、その裏で女子セブンズ日本代表、サクラセブンズはWorld Women’s Sevens Seriesの第1戦米国グレンデール大会に招待チームとして参加、東京五輪まであと290と数日を前に世界の強豪国に挑んでいました。

大会を振り返る前に、4月に行われた北九州大会について書いたブログを読み返してみました⇒「サクラ7s、北九州シリーズ大会を12位で終了

1勝して順位は上げましたが、全体で考えると北九州では5試合で奪った得点は57点(9T6G)、失点は139点(21T17G)。そして今回の米国グレンデール大会では得点は56点(7T7G)、失点は145点(23T15G)でした。各試合のスコアなどは下記の協会HPのリンクからチェックできます。
結果報告と稲田HC、キャプテンのライチェル選手のコメントはこちら

強豪国との差を感じるもポジティブに振り返ることが出来た大会

大会2日目の試合映像その1、フィジーに逆転勝利した試合は2:00:00過ぎから

まず時差もあり日本時間の深夜から朝にかけて行われた大会。FacebookページからLIVE中継されていたので観戦することが出来、予選のイングランド戦以外はほぼ見れました。

初戦は前回シリーズ王者、NZ女子代表BlackFernsを相手に前半から臆することなく全力でアタックを仕掛けていた印象です。最終的なスコアは7-40と引き離されましたが、前半は攻守にプレッシャーをかけていたし、NZから奪ったトライは大会ベスト7トライの1つに選ばれました⇒「黒木選手のランからチャンスを作り大竹選手が奪ったトライは1:50過ぎから

2戦目のイングランド戦は起きれませんでしたが、スコアは14-21の接戦に。Twitterで見つけた平野選手のトライ場面は「 (本文から)息のあったパスワークと丁寧なハンドリング」で、個人的には日本が狙っているアタックの形が出たように感じました。その一方で日曜の朝に起きて観戦した3試合目のロシア戦は疲れもあったのか、勿体無いミスが目立ちアタックが継続できず、DFでも粘れずにトライを重ねられて0-29の完敗でした。

予選プールの結果、8強のカップ戦に進出するには1勝して得失点差をあと20点は減らしたい・・・日本に大勝できなかったイングランドは得失点差で全体9位でした

2日目はフィジーに勝利も、最終戦はゲームを支配できず完敗

最終戦は再びイングランドと戦い相手のアタックを倒しきれず完敗、試合映像は8:00過ぎから。

2日目のフィジー戦ではトライの奪いあいから後半に逆転されるも残り1分で逆転、そのあとのキックオフを再獲得してボールを30秒キープして逃げ切るはずがラックファイトで負けて残り10秒を切ってターンオーバーされるピンチ。それでも必死にタッチ際を追いかけてミスを誘い何とか勝利。最終戦は日本時間で朝6時半過ぎ、仕事に出かける準備を前に観戦しましたがアタックはミスから継続できず、DFでもタックルミスが目立ち、12-36で完敗でした。2日目の最終戦で接戦に持ち込めないのは力不足ですね。

試合の経過ばかりであまりポジティブに振り返れませんでしたが、強豪国相手に個々の選手での奮闘が目立ちました。懸命にトレーニングを重ねているからこそ、自信を持ってプレーしているんだと感じます。

まだ高校生の香川メレ優愛ハヴィリ選手、それまではほとんどプレーを見る機会がありませんでしたが、この大会ではかなりの時間で出場し頑張っていました。これからの成長と活躍を期待したくなるプレーでした。黒木選手のアタックでDFラインを突破するラン、大黒田選手の攻守にわたる奮闘も目立っていました。以前より集中しているというか、勿体無いミスが減り、自ら仕掛けながらも周りを見てチャンスメイクをしていた印象です。

世界の強豪国との実力差はまだまだありますが、4月の北九州のときと比べたら、良くなってきているのかなと。そして代表復帰を目指すリハビリ組もいますね。今日で東京オリンピック開幕まであと290日です!毎日がチャレンジ、頑張れサクラセブンズ!

W杯はサモアから4トライを奪い快勝、国体女子セブンズは茨城が初優勝

昨日は東京スタジアムでイングランドとアルゼンチンの試合を観戦しましたが、隣のアミノバイタルフィールドのファンゾーンでは日本とサモアの試合が見れないということで、後半途中で移動しました。

結果は38-19で快勝、途中から4トライのBPは厳しいかと諦めていましたが、残り10分を切ってからの猛攻で2トライを奪った日本代表、強いですね。最後の1プレーにリスクを背負ってスクラムを選択したサモア代表も、過去の2試合から規律の面を修正、ブレイクダウンでプレッシャーをかけてきて日本のテンポを遅くしたり、反則を誘ったりして、苦しめました。

https://www.youtube.com/watch?v=YwPl6BLNE-Y
試合はPG合戦でもやもやしがちだった前半から、後半残り10分の攻防で一気に盛り上がって4トライを取って快勝。強いぜジェイミーJAPAN。

キックを多く蹴るゲームプランで負けない戦いを徹底した日本

この試合、前回のアイルランド戦と比べてSHからDFの後ろに蹴るプレーが目立ちました。具体的にはタッチライン際にいる相手のWTBを狙っていたと思います。おそらくサモアの選手が後ろのキックに対して戻りが遅いと分析して、そこでの再獲得を狙っていたかと思います。前半にキャッチした相手を捕まえて倒して出来たラックに素早く寄ってボールを再獲得した場面もありました。

後半に入ると、敵陣でのプレーが更に増えました。サモアは自陣でのアタックを見るとオプションがほとんどなかったですね。SHから1パスでのコンタクトを何回か重ねてからキック。日本はそれに対してしっかり準備して攻める、無理なアタックはせずに、苦しい状況であれば蹴り返す。そんな展開だったのでサモアは後半にトライを奪うまでG前でのチャンスはほぼなかったと思います。サモアは勝ちたいのにチャンスは作れなかったのが、正直な気持ちではなかったか、日本は負けない戦い方を実戦していたと感じました。

後は接戦に持ち込んだとしても最後にはサモア相手に走り勝てるイメージはあったと思います。リザーブに堀江選手、田中選手というキープレーヤーがいたのも大きかったでしょう。実際、後半途中で田中選手が入ってからはアタックで展開する場面が増えました。チームのプランにはまりましたね。

予選は13日のスコットランド戦で最終戦、そして悲願のベスト8進出をかけた戦いになります。トーナメントの進出条件についてはラグビーリパブリックの記事を貼り付けますね ⇒ どこよりも詳しい! シチュエーション別 日本代表決勝トーナメント進出の条件

3日に行われたゆめ国体の女子セブンズは茨城が初出場初優勝!

2日に観戦した島根県、三重県を相手に快勝した茨城女子、決勝では延長で優勝経験のある埼玉に勝利し、見事な戦いでした。

私は2日は現地で観戦していました。全12試合を見る限り、決勝は茨城と埼玉かなと思っていましたが、そのとおりになりました。茨城は登録メンバー全員がRKU龍ヶ崎GRACE、埼玉はアルカスクイーン熊谷と自衛隊体育学校(PTS)の2チームからの選抜チームでした。埼玉はリオ五輪の代表選手をはじめ、ほぼ日本代表もしくは日本選抜やユース代表などその下のカテゴリーを経験した選手で構成されていました。

そんな埼玉を相手に延長戦を制して優勝した茨城は予選の2試合を見ても、仕上がっていましたね。深いアタックラインでしっかり走りこんでボールを展開し、サポートもサボらず、国体での地元優勝を目指してトレーニングを重ねてきたのがわかりました。当たり前ですがミスがないチームは強い。その上でBKの内海選手、鹿尾選手らキープレーヤーが活躍していました。内海選手は優勝を決めるトライのほか、トライ後のキックの成功率も高く、MVP級の活躍でしたね。

13日は女子ラグビーの関東大会第2節も行われます。W杯も盛り上がっているので、女子ラグビーの選手たちも毎日ラグビーが見れて楽しいと思います。10月もEnjoy Rugbyで観戦に運営に頑張ります!

W杯の参加チームのピーキングを考える

前回のブログでは、ジェイミーJAPANのアイルランド戦に向けての準備について、「犠牲」という言葉をキーワードに書きました。時間なり、体力なりを目標達成のために費やす、 簡単に使えない言葉だなと。

タイトルに出てきた「ピーキング」という言葉。先日、お世話になっている平林泰三レフリーのお話を聞く機会があったときに出てきました。「アイルランドはおそらく決勝トーナメント進出を見据えて、ピーキングをそこに合わせてくるはず。ジェイミーJAPANは開幕戦のロシアも重要だったと思うが、ピーキングはこのアイルランド戦に持ってきたはず」という内容。

そして今朝、この記事を読んだときに色々と納得できました。⇒ 【清宮克幸】アイルランドに勝利する準備はできていた リンク先の文中から「 事実、この数カ月のあいだ、清宮は「ベスト8は達成できる」とメディアの前でも話し続けている。 」

格下の日本を相手に、対策という準備はなかったアイルランド

https://www.youtube.com/watch?v=eGC1nVslrPY
巧手に迷いのない素晴らしいプレーを見せた日本、途中から思い通りにいかずに攻め切れなかったアイルランド、準備の差がはっきり現れた試合でした

先日の平林レフリーの言葉を引用させてもらうと「じゃあNZ相手にも日本のときと同じプランで戦うのか」ということでした。アイルランドは4年前の南アフリカを破った日本代表のイメージはありましたし、警戒はそれなりにしていたでしょう。ただ「それなりに」です。おそらくはスコットランド相手にも圧倒した自慢のFWとフィジカルで、日本にも圧倒できると思っていたのではないか。しかし、そう思うようには進まなかったですね。

リンク先の清宮副会長の言葉には様々な理由が詰まっていました。「選手のコンディションが良すぎた」「試合経験を積まずに準備する」「できるところまで追い込みたい」「アイルランドというチームがこの数年間で出している傑出したパフォーマンスというのは、準備にこそ秘訣があった。」その上でアイルランドのキープレーヤー、10番セクストン選手の欠場や、夕方の蒸し暑さによる走り負け、などいくつかの要因が重なっての番狂わせ。

で最初に戻りますが、ピーキングをどこに持ってくるか。優勝を目指すチームであれば、それは決勝トーナメント、理想は決勝戦にベストパフォーマンスを持っていきたいと予選から考えてくるでしょう。しかしいわゆる格下の参加国は予選4試合でいかにして勝つか、どの相手に勝利を狙うかにピーキングを合わせているはずです。4年前の南アフリカ戦も大会初戦でコンディションはお互い万全でしたが、ピーキングは間違いなく違ったはずで、エディーJAPANはベスト8進出をめざし、予選の1戦1戦が勝負でした。

今大会の組合せを見ると大会序盤に決勝トーナメントを狙うもの同士の組合せが多かったと思います。例えば大会2日目のNZと南アフリカ、フランスとアルゼンチン、そして3日目のアイルランドとスコットランドですかね。だからここにまずはピーキングを合わせたはずです。そして2戦目はどうしても下がる。平日にも試合が組まれる予選の日程、高い強度、常にベストメンバーでベストゲームは出来ないのがW杯です。

その中で日本代表は毎試合ベストで戦いきるための厳しいトレーニング、鍛錬を重ねてきて迎えた母国開催のW杯。ロシアとの開幕戦も、アイルランド戦の先発メンバーと比べると3番具、4番トンプソン・ルーク、8番マフィらが先発から外れていました。本当のターゲットは2戦目のアイルランドだったはずです。

優勝を目指すNZは2日のカナダ戦で先発11名を入れ替え

初戦でライバル南アフリカに勝利したNZは、カナダ戦に先発11名を入れ替えて63-0の大勝

わかりやすくメンバーを大幅に入れ替えて、4トライのBPを奪って計算どおり勝ったのがNZ代表AllBlacksですね。バレット3兄弟全員がトライを奪うという話題つきでした。南ア戦でまずピーキングを迎えて、残りの予選は決勝トーナメントを見据えて、選手のコンディションや組合せを考慮して戦うはずです。

こうやってピーキングをキーワードに平林レフリーや清宮副会長の言葉を引用して振り返りましたが、今のジェイミーJAPANは間違いなく、過去最強の日本代表だといえます。予選全40試合も明日から後半戦です。我々ファンは日本代表が決勝トーナメントに進出するために、BP含めた勝ち点の計算をしがちですが、最終戦のスコットランド戦を終えたときに「そんな余計なこと考えなくても全勝して1位通過したんだな、強いぜジェイミーJAPAN」と言える様な活躍を期待せずにはいられません。

まずは次のサモア戦で4トライ以上奪っての勝利、勝ち点5を掴みとってもらいましょう。私は5日は注目のイングランドVSアルゼンチンを現地で観戦します!