日体大で行われたOTOWAカップのお話

11月23日、勤労感謝の日は天気の良い日が多い。今日は北風が吹いて肌寒くはなりましたが、晴れの中で行われた女子関東大会。日体大で行われた2試合は東京山九フェニックス、日本体育大学ラグビー部女子がそれぞれ快勝しました。

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日体大はアルカスを相手に後半の6連続トライを含めて7トライの快勝でした

フェニックスは攻守に強さを見せてアルテミスターズに勝利

フェニックスはアルテミをノートライに抑えて快勝しました

まず第1試合は東京山九フェニックスと横河武蔵野アルテミスターズとの試合。ともに初戦に勝利しての2試合目、全国大会出場に向けては連勝したい中で迎えた試合はフェニックスが31-3で勝利しました。前半は風上になるアルテミスターズが開始から猛攻を仕掛けますが、フェニックスのDFは固かったです。少し反則が目立ったもののG前で球を奪えばSO黒川選手やFB松村選手のキックでエリアを挽回。敵陣でアタックを重ねるもトライに結び付けられず、HO谷口選手が正面に近い位置から先制のPGを決めたのは前半20分でした。

ゲームの流れを掴む上で大事なのはもちろん先制点ですが、その直後のキックオフの攻防も大事になります。ここでフェニックスが相手のキックからアタックを継続して敵陣G前に迫ると、右に展開してWTB山本選手が逆転トライ。そして風下の中で松村選手が難しいコンバージョンを決めて7点を奪ったのが大きかったです。そこからハーフタイムまではこれまでとは逆の展開になり、フェニックスがアタックする時間が増えました。敵陣22mに攻め込んでチャンスを作ると、しっかり得点に結びつける決定力の高さを発揮し、前半ラストにもトライを重ねたフェニックスが17-3とリードしました。

後半のフェニックスは敵陣でのプレーが多く、サクラ7s、15のメンバーが並ぶBKラインは脅威でした

後半は開始早々、キックのカウンターからFB松村選手、そして後半に交代出場したCTB松田選手が仕掛けて一気にG前に攻め込みチャンスメイク。そこからはアルテミスターズのDFが必死にファイトして、ミスもあり簡単にトライを奪うことはできませんでしたが、風上に立ったフェニックスが終始優位に進めました。後半23分、そしてラストプレーとG前のラックの混戦から最後はPR髙木選手がDFを押し込んでインゴールに飛び込み2トライを追加しました。

振り返ればフェニックスが攻守に渡って鍛え上げたプレーを見せ、リザーブの選手も含めた総合力の高さを見せた印象ですね。反則の多さが気になりますが、もったいないミスが少なく、強いセットプレー、高いスキルと連携を見せてくれました。アルテミスターズも奮闘しましたが、フェニックスのアタック、特に日本代表経験者が並ぶBKのライン攻撃を前で止め続けることは出来ず、風下の後半は敵陣でのアタックがほとんど出来なかったと思います。来週30日にホーム武蔵野陸上競技場で行われる試合に向けて、出た課題を修正していかないとですね。

接戦から勢いに乗ってプレーした日体大が後半にアルカスを圧倒

そして第2試合はホームの日本体育大学ラグビー部女子と立正大学アルカスとの試合。日体大は前の週でYOKOHAMA TKMに5トライを奪われる負け、アルカスは2週間前のRKUグレースとの試合で後半終了間際に逆転を許すもそこからアタックし続けて後半50分に再逆転トライを奪って26-22で勝利。試合登録メンバーを見ても日本代表の選手が並ぶアルカスが優位に戦うかと予想していましたが、試合は日体大が48-10で大勝しました

前半は風下の日体大がキックの攻防を徹底した結果、ほとんど敵陣でプレーする予想外の展開に

この試合に関しては後半16分まで観たのですが、まず最終スコアほどの実力差はなかったと思います。ただ最終的にこのスコアになったのは先週の負けからこの試合にかけてきた日体大の結束力というか、迷いのない戦いだったと思います。今後のリーグ戦もあるので細かい解説はしませんが、日体大は先発15人のそれぞれの役割がはっきり決まっていると感じました。選手はその役割を果たすことに徹する、迷いないプレーはアルカスを相手に常に先手を取っていた印象でした。結果として前半のアルカスは風上からキックを使って優位に進めていくプランだったと思いますが、日体大のキックリターン、素早いプレッシャーで劣勢になり、リードするどころか敵陣に攻め込んでの得点チャンスすら作れずに0-8で折り返しました。

迎えた後半は逆転を狙うアルカスが4分にFL谷口選手がDFを押し込むようにインゴールに飛び込み3点差に迫ります。そしてこの試合でもこの直後のキックオフの攻防がゲームの流れを動かすきっかけとなりました。日体大がチャンスを作ると8分にトライを奪い返してゲームの流れをアルカスに渡しませんでした。ここから日体大が16分、20分、29分、35分、そして39分と5連続トライを奪って48-5と大量リード。試合は観れていませんが、アルカスは日体大の迷いないプレーに後手後手になり、飲み込まれたのかもしれませんね。

またこの試合、日体大の登録メンバーは20名。サクラセブンズの合宿参加メンバーが不在でした。一方でアルカスは23名で挑みましたが、リザーブの選手はみな学生の若手。前半の主力メンバーとの力の差は否めないかもしれませんし、そんな劣勢の状況から流れを再び引き寄せるような強い、もしくは上手いプレーが出来なかったのでしょう。結果的には前の試合から日体大が大きく成長して、自信をつけた試合になったと思います。

最後に今日は流通経済大学でもう1試合が行われており、RKUグレースがPiecesを相手に前後半合わせて9トライを奪い55-19と大勝しました。そして関東協会HPにある星取表は、こちら全勝はフェニックスのみ、5チームが1敗の大混戦。先週の関西大会は2試合とも100点ゲームでしたが、関東大会はこれから更なる接戦が見れそうです。来週30日は武蔵野陸上競技場でフェニックスとPieces、アルテミスターズとTKMの2試合が予定されています。今日はサクラ15のレスリーHCも観戦に来ていましたが、面白い試合が見れるのは本当に楽しみですね。