はじめてのラグビー教室の講師を務めました

先日23日土曜に駒沢オリンピック公園第二球技場で行われました。今回は東京都のトップアスリートふれあい事業の1つだそうです。数日前から天気予報はあまり良くなかったですが朝のうちに雨は止んで、写真のようにきれいな晴天の下で走り回ることが出来ました。

開会式、子供の参加者は小学生16人にお父さんが数名加わりました。サクラセブンズの伊藤優希選手、バディカカロロ・ライチェル海遥選手と。写真は駒沢オリンピック公園のTwitterから拝借

サクラセブンズの2人は数日前まで豪州での強化遠征でした

今回、サクラセブンズからバディヴァカロロ・ライチェル海遥選手(立正大3年)と伊藤優希選手(日体大4年)が講師役で来てくれました27日から来月まで熊谷で行われているSDS合宿にも参加しています。教室の前に色々と話をしていたのですが、現地は気温が35度を超える日もあったとか。寒いよりも暑いほうが好きです、と言っていました。代表選手は海外遠征でもコンディションをしっかり維持してパフォーマンスを発揮する強さを身につけないとですね。

私は当日の流れ作りから全体のリードを担当、流れは下記の通り。参加した子供は低学年が多かったので、タグを用いて試合まで行いました。
10:00 講師紹介とスケジュールの説明
10:05 ウォームアップ(ストレッチとランニング)
10:15 タグ鬼ごっこ
10:30 ボールを使った遊び(リレー、パス)
11:00 タグを使った遊び(1対1の抜きあい、2対1の攻防)
11:15 タグラグビーで試合
11:35 代表選手との質疑応答 ⇒ 閉会式

講師3人のほか、東京都協会の関係者数名にもサポートに加わって貰いました。事前の打合せで、上記の流れと参加者(未経験者と年齢)のスキルなどをしっかり確認出来たので、試合まで段階を踏んで本当にスムーズに進みました。後半は試合を楽しんで貰えるよう、質疑応答をなくして時間を増やしました。試合もルールを簡単にして少人数でのチームから始めて、最後は優希先生チームとライチェル先生チームに分かれて試合を行い、先生2人の的確なコーチングとアドバイスもあり、白熱した展開で終わりました。

最後のタグラグビー試合はなかなかトライが生まれず接戦に、講師2人も子供たちに声をかけてお父さんたちも一緒に白熱しました。写真は駒沢オリンピック公園のTwitterから拝借。

最後に講師から感想と記念撮影をして終了(全体の記念写真が手元になくてすみません)。終わった後に代表選手から「白馬さん、子供の扱いが上手ですね」といわれました。社会人1年目から地元のスクールで小学生を指導してきたり、アジアの国で未経験者に普及活動したり、昨年は柏市の幼稚園でラグビー教師のお手伝いをしたり、色々な経験を積み重ねての今がありますね。

2013年にJICA隊員としてスリランカのウバ州バドゥッラに派遣されて普及活動をした時のもの。

こういったラグビー教室など普及活動は本当に勉強になるし面白いですね。今回はご縁があって声をかけてもらいましたが、またお手伝いできればと思いました。

男子7人制代表アメリカ遠征と最近の女子7人制

男子セブンズ代表チームが3月1日からラスベガスで行われるワールドセブンズシリーズ第5戦アメリカ大会に出場します。協会HPのリンクはこちら

メンバーも発表されてすでに渡米していますが、驚きは常翔学園3年の石田吉平の選出ですね。2000年4月生まれの18歳、以前から花園でも注目される選手でしたが、練習生で合宿に参加して代表入りするとは正直思っていませんでした。おそらくリザーブで後半の途中からインパクトで出場する可能性が高いと思いますが、167cmのサイズでどれだけやれるのか期待せずにはいられません。

写真右が石田吉平、真ん中がユース五輪代表チームの梅田HC、左が茗溪学園の後輩でもある植村陽彦。写真は協会の合宿レポートから拝借

一方で代表チームとは別で男子SDS、男子セブンズU25も渡米しています。協会HPのリンクはこちら。現地ラスベガスで行われる国際大会「ラスベガス インビテーショナル」に出場します。詳細(英語)はこちら

この大会は女子含め様々なカテゴリーの大会が行われているようです。確か昨年の大会にARUKAS QUEEN 熊谷も参加したと思います。リンク先の大会のHPを見ましたが、組合せなどは発表されていないようです。

今回、男子セブンズU25という今まで聞いたことのないカテゴリーの代表チームが出来ました。メンバーを見るとこの時期、試合のない大学生がほとんどでそれに社会人と高校生(先ほどの写真左の植村)が加わった17名。おそらくこれにSDSの7名を加えた2チームで大会に参加すると思います。男子は国内シーズンのスケジュールもあって、代表以外で遠征含め国際試合を経験する機会が非常に少ないです。厳しい戦いになりそうですが、今後の代表入りを目指してアピールするには良いですね。

女子の7人制代表は先日、SDSとしてオーストラリアに強化遠征を行っていました。協会のHPにあるレポートはこちら。現地ではオーストラリア代表のトップとディベロップメントの混成チームと練習試合を行ったようです。メンバーを見ると昨年のアジア大会で金メダルを獲得した選手がだいぶコアで固まっていますね。現地は気温が35度近くの猛暑日もあったそうです。

海外で強豪相手に試合経験を重ねて4月の大会に備える女子SDS、写真は遠征レポートから拝借

4月には香港で行われる来年度のシリーズ大会のコアチーム昇格大会、そして北九州で行われるワールドセブンズシリーズに招待チームとして参加します。それに向けて3月にはまた海外での強化遠征も予定されているようです。国内では15人制のシーズンが終盤ですが、7人制サクラセブンズの動きも追っていきたいと思います。

関東女子大会 日本体育大学ラグビー部女子 VS RKUラグビー龍ヶ崎GRACE

まず25日から28日まで和歌山で行われる女子15人制合同合宿の参加メンバー41名が発表されましたリンクはこちら。今回はTIDキャンプのメンバーにセブンズユースアカデミーに選ばれている選手など高校生が増えています。一方で全国選手権の会長杯を控えた日体大、パールズからはチーム事情からか、今回選ばれていませんが、若い選手にとってはトップレベルを体験する素晴らしい機会で、面白い取り組みだと思いました。

関東女子大会の最終戦、1位の日体大ともし大差で負けた場合は全国選手権への出場を逃すことになるRKUグレースとの試合。お互い大学のプライドがぶつかり合う激戦になりました。結果は先日のブログでもお伝えしましたが、日体大女子が25-12でRKUグレースに勝利し、全勝優勝を達成しました。

風上の前半にキックを上手く使い、敵陣で優位に進めた日体大女子

前半6分、14分と開始から日体大に勢いを作るトライを奪った11番高崎真那、後半途中からはFLに変更するなどユーティリティープレーヤーとして大活躍。写真はせんしさんのTwitterから拝借

日体大のキックオフでスタートした前半、日体大はこの試合でも積極的にキックを使い敵陣深くにに攻め込むと、前半15分で2トライを奪う素晴らしい入りでした。RKUグレースも堅い守りで抵抗しますが、日体大は相手のペナルティーからクイックで仕掛けてどんどん前進します。3トライ目はキックをキャッチしてカウンターを仕掛けると、9番新原選手が裏へ転がすキックで前進し、チャンスを作ると最後は再びBKラインにいた新原選手が右の大きなスペースへグラバーキックで転がし追いかけた14番名倉選手が悠々とトライ。練習してきた形で追加点を奪いました。

RKUグレースは風下の状況でも、粘ってボールをキープしたり、スクラムでは優位に立ち日体大を押し込んでいました。相手の反則からG前でラインアウトのチャンスを作って攻め込むも、あと少しでボールを奪われてエリアを戻されます。前半は日体大がピンチとチャンスにミスなく力を発揮して15-0とリードしました。

鍛え上げたモールで2トライを奪ったRKUグレース

RKUグレースはキャプテン高橋選手を中心にひたむきなプレーを見せて、スクラムやラックのファイトでは優位に立つなど最後まで激しい攻防を見せた。写真は高木哲也氏

後半、15点差を追いつこうとRKUグレースが反撃。G前のラインアウトからきれいなモールを組んでインゴールまで押し込み7点を返しますが、日体大もすぐに相手G前に攻め込んでラックから6番大竹選手が飛び込みトライ。日体大は風下でも慌てることなくアタックを継続、ペナルティーは迷わずクイックで攻め込み、DFをずらせばオフロードで繋いで前に出ますが、RKUグレースもラックではチャンスがあればファイトし、日体大を楽にプレーさせません。この試合に向けても男子学生相手に練習をしてきた成果を所々で発揮していました。

この日は本来の10番で出場、味方を前へ進めるキックやアタックでも自分から積極的に仕掛けて引っ張った山本選手。写真は高木哲也氏。

RKUグレースがG前のチャンスからモールでトライを奪ったのは後半35分、20-12と8点差まで追い上げましたが、残り僅かな時間でも日体大の集中力は途切れません。敵陣でボールを奪ってG前に攻め込むと細かく繋いで裏に抜け出し最後は13番鵜川選手がインゴールに飛び込みトライ。キックが外れて25-12。大事な試合開始と終了間際の時間帯でゲームを支配して得点に繋げて勝利しました。

日体大は目標の完全制覇に向けてあと1試合、課題は反則の多さか

日体大は全勝で優勝しましたが、決して楽な戦いではなかったと思います。今回のRKUグレース戦、12月アルカス八戸アルテミ戦は後半40分だけのスコアを見ると1G差で負けています。それでも4試合全てで前半15分以内に先制のトライを奪うなど、相手をしっかり分析し対策を練り、チーム皆で良い準備を重ねてきたのだと思います。大会の個人成績を見ると4Tの選手が3人いるなど個人の力に頼ることなくチームで戦う意識が他のチームよりも優れていたと感じました。

課題はあえて言えば反則の多さでしょうか。ラック周りで際どいボールに対して働きかけて反則を取られてしまう場面が多くありました。またスクラムでは劣勢になることもありましたが、RKUグレース戦では下がりつつもまとまって崩壊することなく我慢していました。小田原での全国選手権会長杯でも、山本キャプテンら4年生がチームを引っ張り、集大成を見せてくれると思います。

15人制のシーズンも残り僅かですが、そのあとに東西対抗戦。そしてすぐに春の7人制のシーズンになりますね。本当に女子ラグビーはオフらしい期間がないです・・・

関東女子大会 Sweets VS Arukas八戸Artemi-Stars

17日に行われた関東女子大会最終節の第1試合、勝ったほうは全国選手権への出場が決まる試合は後半ラストプレーで得点が動くなど、最後まで目の話せない1戦でしたが、結果は先日のブログでもお伝えしたとおり、アルカスアルテミが19-11でSweetsに勝利しました。

風上のチームが主導権を握る攻防の中、キックの重要性を感じた

前半は風上のSweetsのキックオフでスタート、そのまま敵陣で攻め続けると前半6分、11分と正面のPGを15番ヴェロニカ選手が決めて6-0とリード。アルカスアルテミは風下でキックを蹴らずに継続して攻めるも、FWが前に出てフォローが遅れたところではSweetsのDFが素早くジャッカルし、反則を誘うなど良い判断を見せて序盤を優位に進めました。ヴェロニカ選手のキックもあり、前半はSweetsのアタック時間が多かったです。

アルカスアルテミはリスタートのKOから敵陣に攻め込むもチャンスのラインアウトをキープできなかったり、得点に繋げられず。しかしスクラムでは先日の日本代表候補合宿にも呼ばれた選手が多くいるFWが、常に押し込んでプレッシャーをかけていました。前半は風の影響もあって自陣でのプレーが多かったですが、ATを修正して自陣G前での反則を減らしました。得点のチャンスは作れなかったものの我慢して前半はそのまま1T1Gで逆転できる得点差で終えました。

風上の後半、得点チャンスをトライに繋げたアルカスアルテミ

攻撃の起点として球をテンポよく捌いたSH津久井、DFでは的確なポジショニングで相手のキックをダイレクトでキャッチして素早いカウンターに繋げた。写真は高木哲也氏

後半は風上のアルカスアルテミが積極的なアタックを見せました。敵陣でのプレーを増やしチャンスを作ると10分にスクラムから10番古田選手がDFのギャップを抜け出してポスト下にトライ、15番田坂選手のゴールも決まって7-6と逆転。その後も相手のキックを9番津久井選手やBK3が上手く処理して攻めるなどSweetsにプレッシャーをかけ続けてチャンスを伺います。

G前のチャンスにトライを奪ったNo8高野選手、後半36分にはスクラムから持ち出してインゴールに飛び込むなど、大会通算6トライでトライ王と得点王になりました。写真は高木哲也氏

アルカスアルテミはスクラムで優位に立ったことがで、気持ちが常にアタックマインドをキープすることが出来たかもしれません。FWを中心に個々のフィジカルは強く、ATを継続して後半21分にペナルティーからスクラムを選択すると、そこから継続して前に出てG前に攻め込み、ラックから最後は8番高野選手が持ち込んでトライを奪い12-6.そして36分には攻め込んでG前のスクラムから再び8番高野選手が持ち出してインゴールに飛び込み、19-6と勝負を決めました。

Sweetsは後半は相手G前に進めない苦しい展開でしたが、リスタートのKOから相手ボールを奪って前進すると、敵陣22m右でスクラムを獲得。時間的にもこれがラストチャンスでしたが、ボールを左に展開すると外を11番平野選手が抜け出して左中間にトライして11-19と追い上げます。最後のキックが決まると、6点差となりBPを1獲得しますが、風下のキックは残念ながら外れて終了。結果的に勝ち点が並んだRKUグレースと得失点差の争いになり、4位になりました。

振り返ると風の影響がプレーや試合の流れに反映して接戦になりました。全体のキックスキルは上がっているものの、飛距離が男子ほど伸びないので、女子はキックでエリアを大きく挽回するのは難しい部分があります。その中でキックチェイスだったり、キックに対してどうポジショニングしてカウンターアタックを仕掛けるかが勝敗を分けるようになってきています。優勝した日体大はその部分が他のチームよりも上回っていました。それについては次回の観戦記で書きますね。

関東女子大会、最終結果

17日に熊谷ラグビー場Bグランドで行われた大会最終節、熊谷らしい冷たい風が時折、本部のテントも煽られるくらい強く吹きました。その中で行われた2試合、来月3日の小田原への出場権争いは最後まで白熱しました。試合結果は以下。
(今までと同様、公式の試合結果をリンク付けしています)
第1試合 Arukas八戸Artemi-Starts 19-11 Sweets
第2試合 日本体育大学ラグビー部女子 25-12 RKUラグビー龍ヶ崎GRACE

4試合全てで4トライ以上のBPを獲得、2トライ以下に抑えた日体大

前節で日体大の優勝は決まっていましたが、最終結果はこちら。
1位 日体大女子 勝点20、得失点差+116、トライ数25
2位 アルカス八戸アルテミ 勝ち点10、得失点差+16、トライ数14
3位 RKU龍ヶ崎グレース 勝ち点9、得失点差+5、トライ数12
4位 Sweets 勝ち点9、得失点差-19、トライ数8
5位 フェニペガルーヴ 勝ち点0、得失点差‐118、トライ数4

日体大女子は運動量豊富なアタック、ハードタックルと粘り強いDFを見せて関東大会2連覇、目標の7人制と15人制の完全制覇にむけてあと1勝。写真は日体大女子のFacebookページから拝借

日体大は4試合全てで4トライ以上獲得のBPを獲得し、総失点は36点と相手を2トライ以下に抑える圧倒的な力を見せました。驚くのはサクラセブンズの選手たちを除いたメンバーで獲得したこと。最高学年の4年生を中心に目標に掲げた、7人制(太陽生命WSSの総合優勝)と15人制(関東大会、全国選手権)の完全優勝、それに向けてチーム皆でハードワークを重ねてきたのだと思います。負傷者が出てポジションを変更した試合もあるなど、決して楽な状況でない中、下級生含めた総合力が他のチームを上回り、結果に繋がったのだと思います。

また外部のスポットコーチを練習に招いて、強化を図りました。私の同級生でプロキッキングコーチの君島良夫(Japan Elite Kicking代表)も度々キックセッションに来てはSNSで発信していました。実は私も12月に見学させていただきました。このことはまた別の機会に、ブログで書きたいと思います。

3チームが2勝2敗で並び、結果を分けたのは僅かな差

2位から4位は2勝2敗で並びましたが、グレース相手に1点差の惜敗でBPを1獲得して勝ち点を上乗せしたアルカス八戸アルテミが2位、RKU龍ヶ崎グレースとSweetsは得失点差で順位が決まりました。最終戦でもし日体大が38点差で勝利した場合、順位が入れ替わってRKU龍ヶ崎グレースが4位になりましたが、得点力のある日体大を相手に25失点に抑えたDFでもぎ取った3位ともいえます。

本当に残念だったのがSweets、実は最終戦でのラストプレーが最終的な結果を分けました。後半残り僅かでスコアは6-19、風下の苦しい中で敵陣22mに入ってスクラムのチャンスを作り、そこからWTBが外を抜け出してトライを奪い11-19と追い上げ、最後のキックが決まると6点差となりBPを1獲得できて、グレースの勝ち点を上回ります。しかし前半に2PGを決めたヴェロニカ選手は後半途中に入替、10番佐藤選手が蹴ったボールはポストを外れて、勝ち点9のままで終了しました。

アルテミアルカスは後半に3トライを獲得し、15番田坂選手が そのうち2本のコンバージョンを成功し貴重な追加点をもたらし、2位獲得に貢献しました。田坂選手は4試合に出場し、トライ後のキックを8本中7本成功し、大会中のゴール成功率は87%の大活躍を見せました。

同じ日に行われた関西大会は三重パールズ主体のチームが圧勝し関西制覇

関西大会では優勝争いをしていたPEARLSと名古屋レディースが対戦し、PEARLSが84-0と大勝して終わりました。来月3日の全国選手権、会長杯を争う関東と関西の1位同士の決戦は昨年と似たカードになりました(昨年の関西1位も三重パールズ主体のチームでした)。小田原で行われる全国選手権の詳細が小田原市のウェブサイトにあるので紹介⇒「第5回全国女子ラグビーフットボール選手権大会(一般の部)が開催されます

今回は最終結果に絞って書きましたが、次回はまた試合の観戦記を書く予定です。熊谷に吹く風がゲームに影響を与えますね。女子でも上手くキックを使った攻防が出来るよう、スキルをもっと上げていきたいですね。