サクラ15活動再開と茗溪VS天理を見直してみた

前回のブログから3週間近く経ちました。新型コロナの拡大が続いてなかなか収まる様子が見えないなか、年末の全国ジュニア選抜大会の中止が決定昨年はセレクターを務める機会があり、非常に残念ですが、各地域での予選大会を考えると仕方ないとしか言えないですね。後輩たちも秋の東日本大会が行われるかはっきりしないみたいですし、中学生が活躍できる機会があればと願います。

サクラ15は27日からFWメンバーがオンラインキャンプを実施

そんな中で良いニュースは、女子日本代表サクラフィフティーンが延期になっているアジア予選の開催時期が未だ決まらない中で、活動を再開しました。オンラインキャンプのレポートも素早く更新されています

こういうやり方があるのか、と正直驚いています。Yahooでも記事がいくつかありますが、レスリーHCと南キャプテンのポジティブなコメントも良いですね。久しぶりの再開と共にオンラインでも充実しているようです。

ラグビー女子15人制日本代表候補の“リモート”合宿がスタート 南早紀主将「顔を見ながらできてうれしい」

香港、カザフスタンとのW杯アジア予選がはっきり決まらない中で、チームとしてこういう活動が出来るのは強みですね。この時期で頭も身体もとことん鍛えることで強豪国との差を縮めて欲しいと期待しています。サクラセブンズも来月辺りから活動再開ですかね。頑張れ女子ラグビー!!

平成になる直前、大先輩の伝説的な試合をフルで見れることに感謝

先週末にYoutubeにアップされた花園名勝負列伝、想像していたのとは違った試合でした

Youtubeにここ10年以内の花園の名勝負がありましたが、先週末に昭和の頃も含めた過去の名勝負の試合映像がアップされました。本当にありがたいですね。連休中の夜に大学の試合含めて、色々見てたらあっという間に時が過ぎていました。今回、あの3人飛ばしパスで有名な茗溪学園と天理の試合を初めてフルで見ました。

この時、両校優勝した3年生の代は、私より13こ上の学年。中高の頃はひどい雨でグランド練習を止めて、過去の名トライを集めた「トライ・トライ・トライ」というビデオを見た記憶があります。先輩方の名トライを見て、茗溪らしい展開ラグビーを学んだのもありますね。

https://youtu.be/nYueLoJ8_g0?t=1968
探してみたら見つけたので紹介、花園のトライ集は30分過ぎ辺りからです

天理との試合は華麗なアタックより、我慢のDFばかりの激戦でした

実際に見てみると前半開始早々に伝説の3人飛ばしパスから先制トライ、その後も自陣からSH深津さん、SO赤羽さんらを起点に天理DFを切り裂くように抜く展開、そしてまさかの敵陣10mライン付近からDGで追加点、と驚きばかりでした。

しかし怒涛のアタックはそれから見る機会はほとんどなく、試合終了近くまでは自陣で粘り強く守る時間ばかりでした。天理はエリア中盤からは大外のWTBやG前へのパントキックを多用し、茗溪のBK3はキックを追いかけては外に出して、ラインアウトになる映像が続きました。スクラムでは時折押し込みますが、ラインアウトは天理優勢でした。2人並んでのショートラインアウトからSHへの素早いトスは、今でも通用するスキルだと思いました。30年少し前のラグビーはスクラム、ラインアウトはじめ今とは違う部分がありますが、見ていて本当に手の汗握るような展開がずっと続きます。

後半途中、11-9とリードする中で天理が逆転の正面PGを狙う場面があるとは知らず。難しくはない位置でしたが、ボールはポストから逸れました。茗溪はFWのメンバーが本当に良く走っていました。FLの2名のタックルは凄かったですね。ピンチの場面を何とか粘り強く守り抜いたことで、試合終盤にはようやく敵陣に攻め込み、追加点は取れませんでしたが、逃げ切って勝利しました!

細かいことを書こうとすると、色々あるのですが、思っていたよりも長分になったので割愛。ただ以前に思っていた華麗な試合では決してなく泥臭いDFで何とか勝利した試合だったと気づきました(この天理戦の前はAシードの新田高校と戦っています)。そんなレジェンドの先輩方と今では3月のOB交流戦などで一緒にプレーする機会があったり、仕事帰りに飲む機会があったり、本当に貴重ですね。

今年は我慢の夏ですが、早く以前のようにグランドでラグビー観戦できる日が戻りますように。

2017年W杯のアイルランド戦を見直してみた

久しぶりのブログ更新になります。間が開いてしまいすみません。前回はNZでスーパーラグビー再開でしたが、気づけば第4節まで進んでいますね。ハイライトでも見るのは楽しみです。

2:40過ぎ、ハリケーンズの15番ジョーディー・バレットの自陣から超ロング58mPGはあっぱれ
https://www.youtube.com/watch?v=FQaM5jz57TY
オーストラリアでも先週末から開幕しました

W杯予選プール、アイルランド戦は接戦をものに出来ず惜敗

2017年にアイルランドで行われた女子W杯、日本は予選プールの初戦でフランスに大敗し、2戦目のアイルランド戦を迎えました。目標のベスト8進出に向けて、絶対に勝たなければならない試合です。

先月フルタイムで公開されました。3年前も見ましたが改めて惜しい試合でした

3年前の試合なので、短めに振り返りますが、前半の開始10分は両チームともチャンスにミスをしてしまい先制できず。レフリングも「んっ?えっ?」というのは正直いくつかありますが、時間が経つにつれて日本ペースに。自陣からのアタックは中盤まで進むと、10番山本実のキックでエリアを前に進めます。FW陣はスクラムでプレッシャーをかけて、9番津久井萌がテンポ良く球を捌いて動かすアタックはアイルランドDFを振り回して、捕まえにいってはハイタックルを繰り返すなど、アイルランド陣でのプレー時間が多くなりました。

その中で先制トライはG前のスクラムを押し込んでのペナルティートライ。その後もG前のスクラムを起点に、BKに展開して15番清水がステップで相手をかわしてインゴールに飛び込み追加のトライ、キックも自ら決めて前半を14-0とリードして折り返し。おそらく試合前に描いていたゲームプランに近い、もしくはスコアを見る限りは予想以上の出来だったのかもしれません。

ハイライトから前半の2トライはそれぞれ0:30、1:40過ぎ。先制トライは現地の実況と解説も「ブリリアント!(素晴らしい!)」の連呼でした。

迎えた後半、アイルランドがハイタックルの繰り返しでシンビンが出て、さらに突き放すチャンスがありました。しかしラインアウトでミスが出てしまい、その後も自陣でのキックを2度続けてチャージされてトライを奪われます。前半、優位に進めていたスクラムもアイルランドがフロントロー3人を交代してからは押される場面も出てきます。その後もアイルランド陣でのプレーは多いものの、細かいエラー、攻め込んで倒れた後に絡まれてノットリリースを取られるなど前半のようなプレーが出来ず。

後半18分の時点で画面左下に後半のAction Areaが表示されましたが、アイルランド陣でのプレー時間は77%と日本がエリアで優位に進めていたのがはっきりわかりました。しかしその後もアタック場面ではエラーが出てしまい、追加点を奪えず。ホームでの声援を受けて勢いに乗ったアイルランドはG前に攻め込むと、シンプルなアタックでミスをせず19フェイズを重ねて逆転のPG。そして終盤は敵陣でのラインアウトから攻め込むと、G前でもFWを中心にフェイズを重ねて34フェイズ目でダメ押しのトライ。前半のリードを後半の試合展開に活かせず、24-14で惜敗。悔しい負けでしたね。

なぜ前半と後半で違う展開になってしまったのか。個人的には格上、いわゆるティア1の国との試合経験が少なく、時間が経過する中でフィジカルもメンタルも少しずつやられてきて、大事な時間帯でミスが目立ちました。男子の日本代表も同じようにW杯でやられた試合が過去にいくつもありました。そしてW杯のホスト国、アイルランドも日本相手に負けられない意地、開き直り、チームの勢いもあったでしょう。

私は現場にいないので実際に戦った選手、スタッフ、そして現地で見ていた観客の考えや振り返りはそれぞれ違うと思います。勝てる試合だった、と簡単には言えません。ただ来年にNZで開催が予定されているW杯では同じような試合展開で勝ちきれるチーム作りをしてくれるのを期待します。W杯のそれ以外の試合についても、Youtubeにあるので最終戦の香港戦などもレビューして、代表の戦いについて考えようと思います(また間が空き過ぎないように・・・)