今日の南アフリカ戦、サクラ15の戦いに注目です

7月の終わりに近づき、夏らしい天気になったようで、たまに梅雨みたいな天気にもなったり。そんな中でラグビー女子日本代表、サクラフィフティーンは岩手県釜石市で強化合宿を行いながらW杯前の国内テストマッチ4連戦に向けて、強化に励んでいます。日本協会の発表では、選手やスタッフから新型コロナの陽性者が若干名出ているようですが、男子と同様に上手くコントロールしながら活動を継続していますね。協会の合宿レポートは、こちら

https://twitter.com/JRFUMedia/status/1551015557604192256

試合メンバーは初キャップ含め若手を上手くミックスしています

14番磯貝選手は初キャップでスタメン、19番川村選手、23番向来選手も交代出場で初キャップなるか

今回のテストマッチシリーズは男子のテストマッチが終わり、リーグワンのチームはオフシーズン中、大学ラグビーも春シーズンを終えて夏合宿の前、そんな状況もあってかJSPORTSさんが積極的に女子ラグビーをPRしている印象。相手の南アフリカは世界ランクでは格下ということもあり、チームの情報はあまりわかりませんが、それでも勝って当たり前という印象はあります。そんな相手に対し、日本代表はチャレンジングなメンバー。レスリーHCのメンバー発表に関するコメントは、こちら

PR1番南選手、FL6番齊藤選手、WTB11番名倉選手は昨年秋の豪州遠征、5月の豪州遠征から主力として活躍していて今回も先発メンバー入り。PR3番北野選手、No8小西選手などは久しぶりのメンバー入りでしょうか。試合をコントロールしていく9番10番はアルカス熊谷の阿部選手、今釘選手、春のフィジー戦でも活躍していました。そして代表デビューは14番磯貝選手、昨年から代表には選ばれていましたが、なかなか試合メンバーに入れない中で今回、先発のチャンスを掴みました。そしてリザーブの2名、川村選手と向来選手も初のメンバー入り。特に向来選手は昨年秋には熊谷で行われた全国U18女子セブンズで、関東学院六浦の優勝に貢献する大活躍をしていました。後半にはFLで出場予定かな、出てきたら注目です。

リザーブには他にもハードタックルの16番江渕選手、出たらジャッカル決める17番鈴木選手、そして英プレミアに挑戦し、たくさんの経験を積んで大きくなった22番山本選手もいます。そんな山本実選手の英プレミアでのレポートを大友信彦さんがアップしてくれています、こちら。試合メンバーを改めてみると、どんなプレーを見せるのか楽しみですね。

チームとしては課題のセットプレー、アタックの出来に注目

そんな楽しみなメンバーが挑むテストマッチ、個人的には課題と考える2点、セットプレーとアタックに注目です。まずセットプレーですが、スクラムはある程度計算が出来る中、ラインアウトはまだ不安なところがあります。豪州遠征では公家選手が強みのスローイングの正確さを見せて、精度が上がってきました。今日は国際武道大学の永田選手が先発、昨年秋の豪州遠征では良いボールキャリーを見せ、チームを前に進めていました。セットプレーの安定に向けてアピールして欲しいですね。

アタックについては、チームのアタックのストラクチャー(であっているかな?)をやり切ってのトライという場面が見られるかどうか。G前に進んでFWがトライを奪う場面が多いサクラフィフティーンですが、自陣から敵陣に入って、BKが展開してトライを奪うようなアタックをテストマッチで見せられるかどうか。それがW杯でのベスト8入りに向けて、必要になってきます。そして豪州遠征に続き、元パナソニックのべリック・バーンズがスポットコーチとして釜石合宿にも参加しています。現役の時も素晴らしいキックを見せていましたが、サクラ15にもキックやアタックの指導を通じて、レベルアップに大きく貢献していると期待します。

https://twitter.com/jsports_rugby/status/1549736805565857793

そしてアタックの中で、個人のパフォーマンスがどれだけ出てくるか、8番の小西選手は2019年のスコットランド戦では後半に出場すると、ボールキャリーでチームをどんどん前に進めて、終了間際の逆転に繋がる勢いをもたらしました。あとは13番古田選手が攻守にわたって毎試合良いプレーを見せてくれていますし、今回15番に入った松田選手が良いボールキャリーをする場面が増えれば、おのずとトライチャンスも増えてくるでしょう。釜石で行われるテストマッチ、個人的には勢いを掴んで4トライ以上獲得して欲しいですね。

今日の南アフリカ戦から国内では熊谷、静岡、東京でテストマッチを行う女子ラグビー。W杯を前にファンの注目をたくさん集めるためにも、選手スタッフが勝利に向けて日々励んでいると思います。今日のテストマッチではその成果をたくさん見れるのを期待しています。頑張れサクラフィフティーン!!

日本とフランスのテストマッチ振り返り

7月2日に豊田スタジアムで行われたテストマッチ、気温も35度近くになる猛暑で、世界ランク2位のフランス相手にどのような戦いを見せてくれるか注目でした。前半はリードを奪う時間もあり同点で折り返しましたが、勝負の後半に突き放されて、23-42で敗れました。

https://www.youtube.com/watch?v=iaYy7A3Cy3M

強豪フランスにしっかり戦えた前半、相手にペースを上手く握られた後半

前半の立ち上がり、キックオフレシーブからのアタックをDFに絡まれて自陣22m内でモールパイルアップを取られると、そこからのスクラムで触れられずに先制トライを奪われる悪いスタートでした。しかし、すぐにPGを決めて差を詰めると、自陣から連続アタックで敵陣G前に進み、最後はNo8のテビタ・タタフ選手がDFを突き破って逆転のトライを奪うなど、素晴らしいプレーを見せました。フランスはDFで反則が目立つものの、所々で個々の強さ、特にDFでキャリアーを押し返すようなプレーを見せ、若手主体と言われていても強烈でした。11番で出場したフィフィタ選手も試合後のインタビューで「フィジカルのところは今までやってきた中で一番強かったんじゃないかな」と話していました、こちら。そのフランスを相手に前半を同点で折り返し、後半はどういう試合になるか期待を抱いていました。

迎えた後半はフランスが開始から攻め込んでモールを押し込みチャンスを作ると、BKがラインブレイクしてトライ。前半は日本のキックカウンターから攻め込まれていましたが、後半はビッグチャンスを作らせず。タックル後のブレイクダウンでも隙が無い。試合を徐々に優位に進め、追いかける日本は焦りもあったかもしれません。ハーフタイム時の期待とは裏腹にフランスが試合をコントロールし、オフロードパスを重ねてラインブレイクしたり、連続トライを奪って突き放し、勝負を決めました。フランスの修正力の高さ、底力を感じた試合でした。一方で、日本も勝負できた時間帯もありましたし、次の国立での試合が楽しみですね。

試合後の両チームのインタビューがわかりやすい、次の国立でのリベンジに期待

照明の関係か暗く見えますが、こういう現場レベルの動画が見れるのは良いですね

試合後のフランス代表チームのインタビューの内容が記事になっています、こちら。この記事を読むと、フランス代表がいかにハーフタイムで問題点を整理して、修正できたかがわかりました。それに対して、日本代表のジョセフHCと坂手主将のインタビューも記事になっています、こちら。日本代表も何人かの主力選手にコロナ感染の疑いがあり、急な入替が出てきた状況の中で、チームとして対応できたことを前向きに捉えているようでした。これは先日の女子日本代表でも起きていましたが、チームとしてしっかり準備していることの証明ですね。それぞれW杯に向けて、選手だけでなくスタッフも対応力が上がっています。素晴らしい。

個々の選手で見れば、ワイルドナイツ所属のFLガンター選手、CTBライリー選手の強さが目立っていましたし、サンゴリアス所属のタタフ選手のアタックはフランス相手にも脅威でした。そしてコベルコ神戸スティーラーズ所属のSO李承信選手、テストマッチは先日のウルグアイ戦に続き2試合目、先発は初めて。まだ21歳ながらキッカーを務め、PGをしっかり決めて、ボールを上手く動かしてゲームをコントロールしました。後半にはタックルを弾かれて、相手のトライの起点を作ってしまったり、敵陣でペナルティーからのG前ラインアウトを狙ったタッチキックを失敗する場面もありました。この厳しい試合から多くを学んだと思います。次の日本代表のSOはワイルドナイツ所属の山沢選手だろう、と思っていましたが司令塔のSOというポジションで競争が行われるのは良いですね。

7月9日は国立でフランス戦、観客は3万人以上は入りますかね。2日に行われたJリーグの試合では5万人を超えたようですし、たくさんの観客の前で、日本のフランス戦初勝利に期待しています!!頑張ろう、日本!!