週末は花園で女子セブンズ、天気が気になりますね

女子日本代表サクラフィフティーンはスペイン遠征に飛び立ちましたが、今週末は太陽生命WSSの最終戦、花園大会が行われます。これまでは開催地が東日本中心でしたが、今年は九州からの参加もあり、遂に東大阪市花園ラグビー場での開催になりました。2014年に始まったシリーズなので、静岡、三重と来てようやく大阪までといったところでしょうか。日本協会の当日情報は、こちら。試合だけでなく各チームのブールやイベントも楽しみです。

今日は大会登録メンバーも発表されました。チームによっては、サクラ15の方に選手を派遣していますし、大会後に遠征に向かう選手もいます。チームの事情はそれぞれあると思いますが、太陽生命WSSよりも代表活動を優先して選手を派遣しているチームは、とてもありがたいというか、代表チームをリスペクトしてくれていて、素晴らしいです。

注目はながとブルーエンジェルスの完全優勝(個人的には予選含めての全勝という意味合い)なるか、おそらく完全優勝は2014年、初年度のアルカス熊谷以来ではないでしょうか(未確認ですが)。そんなながとは日本人選手で若干の入替がありますね。プールAは前回6位のPEARLS、9位のブレイブルーヴ、13位のPTSと強豪が集まる死のプール感があります。PEARLSは注目していたNZのサラ・ヒリニ選手、そしてトライゲッターの保井選手も前回大会の怪我もあって登録外です。苦しい状況かもしれませんが、出場選手には花園のフィールドで思いっきりプレーして欲しいですね。

ほかの予選プールを見ると、日体大は4年生の松田凜日、高橋沙羅が登録メンバー入り。そしてサクラ15の遠征メンバー入りしている向来選手、大内田選手もいます。4大会連続の決勝進出なるか。同じプールの追手門学院女子ラグビー部VENUSは大阪開催のホーム戦、上位を争うチャレンジ、アルテミスターズを破っての8強入りなるか。この辺りは入替戦回避に向けてもし烈な戦いになりそうですね。花園大会はコアチーム残留に向けて、ポイント上位の基準となる8強入りをどのチームが果たすかにも注目です。なお入替戦は8月11,12日に静岡エコパで行われます。いちおうこの大会の案内もリンク張ります、こちら

そして梅雨時の気になる天気。今のところ、予報では土曜は雨のち曇り、日曜は晴れ間が出るみたいです。Yahoo天気の東大阪市はこちら。私は土曜に観戦に行く予定ですが、早朝から移動するので朝の雨が心配です。

ほかのカテゴリーだと、この後21時からはU20JAPANがウェールズと戦いますし、週末の関東は大学オールスター戦が行われます。サクラ15の遠征だったり、来週にかけてブログをまめに更新していく予定です。見ていて面白く、盛り上がるような試合に期待します。

サクラ15のスペイン遠征、良いマッチメイクですね

女子日本代表サクラフィフティーンがスペインに遠征してテストマッチ2試合を行うことが発表されました。今日は遠征参加メンバー(スタッフ含む)も発表されました。協会HPのリンクは、こちら

先月のカザフスタン遠征メンバーを中心に新たな選手も加わりました

まず対戦相手のスペインについて、最新の世界ランクでは11位の日本に次ぐ12位です。昨年NZで開催されたW杯はヨーロッパ予選でスコットランド、イタリアに敗れて出場を逃しました。2017年大会では11位で終えた日本より上位の9位、セブンズではワールドセブンズシリーズでコアチームとして何年も参加し、女子ラグビーの強豪国の1つです。ヨーロッパは強豪国が6か国対抗で毎年テストマッチを重ねる中、スペインは入れず。そしてスペインは来月の22日にイタリアとのテストマッチを控え、勝利すると秋のWXVでは2部、負けると3部に入ります。ここでイタリアに勝って、秋のWXV2で強豪国とのテストマッチを重ねたい。そんなスペインとのマッチメイクはお互いにとってメリットがあり、良いマッチメイクだと感じています。協会関係者のスケジューリング、素晴らしいです。

そして遠征参加スタッフには、今回新たに女子日本代表のハイパフォーマンスアドバイザーに就任した元イングランド女子代表HCのサイモン・ミドルトン氏、また新たにスキルコーチが加わりました。W杯の後に「日本代表の課題はアタック力」という話をしましたが、今回実績のあるコーチが加わることで、サクラフィフティーンが大きく成長するのを期待しています。準備期間は多くないですが、大勝したカザフスタン戦の勢いをさらに増して、2試合とも勝利して欲しいですね。この辺の詳細は来月にでもまた書ければと思います。

スペインは4月1日に南アとマドリッドで戦い、20-35で敗れていました

そして今週末は太陽生命WSS花園大会、シリーズ最終戦ですね。ながとの全勝優勝なるか、それを阻止するチームは出てくるか。そしてPEARLSのサラ・ヒリニ選手がもし出場するなら、会場の空気が変わるかもしれませんね。天気が気になりますが、私も土日どちらか現地に観戦予定です。

U20日本代表は3連覇を目指すフランスに大敗

昨日の夜はYoutubeでLIVE中継されていたU20チャンピオンシップの日本とフランスの試合を観ていました。このU20チャンピオンシップという世界大会は4年に1度開催のW杯の次に位置づけされている大会で、サッカーでいえばU23代表が参加するオリンピックのような位置づけでしょうか。ここ3年はコロナ禍で開催が中止されていましたが毎年開催されるため、強豪国でもユース世代の強化はかなり力を入れていると思われます。フランスは2018年大会、2019年大会を連覇するなど、今年フランスで開催されるW杯に向けて、ユース世代の強化を進めていて、今年の大会でも優勝候補ではないでしょうか。

そんなフランスを相手に、2019年にワールドラグビーU20トロフィーという下部大会で優勝して今回昇格したU20日本代表は開始10分で3連続トライを奪われるなど、力の差を見せつけられるような試合で12-75と大敗。ラグビーリパブリックの記事はこちら
「U20世界選手権で日本は黒星発進 前王者フランスに75失点大敗」

試合前のU20JAPAN、この世代はコロナ禍で海外遠征もできない世代でした

私はWorld RugbyのYoutubeチャンネルでのLIVE中継で見ていましたが、チャット欄は日本のファンのコメントが多かったですね。その中にはネガティブというか、非難的な見方で、嫌な気持ちになるようなコメントも出てきますよね、正直なところ(苦笑) 個人的には「トンガ人留学生が~」とか「帝京だったら~」とか、試合と関係ないことコメントするなと。あとは「やっぱりプロと大学生の対決だから力の差はあるよね」みたいな、わかりきった感出してくるもの。

はっきり言って、プレー環境から生じる力の差は試合を観ていて感じます。フランスの選手は日本のDFを突破して前に出ると捕まっても余裕をもってオフロードで繋ぐ場面も多くありました。日本代表は懸命にファイトするもフィジカルでは劣勢、大きく強く速いフランス選手とのバトルは厳しいもので、スコア通りの力の差を感じました。

https://twitter.com/WorldRugby/status/1672607606093799424
後半のフランスの1トライ場面、自陣から抜け出すと一気に走り切りました

U20日本代表が奪ったトライは前後半共に1つずつ。ともに起点はG前ラインアウトからでした。中盤からアタックを仕掛ける場面もありましたが、フランスのDFを突破する場面は少なく、G前から自陣まで戻される場面もありました。それでも全員で声を掛け合って、必死に我慢強くプレーできていたと思います。試合直後のインタビューで大町キャプテンが話した「僕らのラグビーは最後まで諦めない、タフな精神を持ち続けるのが持ち味。結果として負けてしまったが、あと4試合ある。そこへ向けてしっかり準備していきたい」という言葉を信じて、応援します。この後戦うウェールズ、ニュージーランドも1点差の接戦で、厳しい戦いになると思います。

他の予選プールの試合スコアはこちら
写真はJRFUのFacebookから、試合後のハドルでしょうか。勝って笑う姿が見たい

次は中4日で29日にウェールズとの試合です。どうしてもフィジカルで劣勢になるとは思いますが、その中で攻守にどういったプレーを見せるのか。チームの成長も楽しみにしたいと思います。頑張れJAPAN。

鈴鹿大会の登録メンバー発表

6月も半ば、全国各地で梅雨入りしていますが、今週末は雨を避けられそうな天気ですね。太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ(WSS)2023も後半に向けて折り返し。今週末はPEARLSの地元、三重県鈴鹿市で大会が行われますが、2日前の今日は大会登録メンバーが発表されました。日本協会HPの大会当日情報は、こちら

2大会を終えての成績とシリーズポイントはこんな感じ

プールAから順番に見ていくと、前半2大会で連続優勝中のながとブルーエンジェルス(BA)は先日のサクラフィフティーンの試合にCTBで出場したパラキゆき選手がメンバー入り。地元開催のPEARLSはベテラン齊藤聖奈選手がメンバー入り。またファン含めて注目していたNZのサラ・ヒリニ選手は今回もメンバー外。追手門学院はこの大会もオール大学生でサクラセブンズの須田倫代選手の活躍に注目。そして熊谷大会では8強入りを果たしたアルテミスターズはサクラフィフティーンを支える津久井萌選手、そしてリハビリからいよいよ復帰の小林花奈子選手の活躍に注目です。このプールAはながとBAがこれまで同様、大量得点を狙う中で、他3チームがどんなチャレンジを見せるか、ちょっと楽しみです。

アルテミの津久井選手は3月のエコパでも活躍し、コアチーム昇格に貢献していました

続いてプールB。2大会連続準優勝の日本体育大学ラグビー部女子はこれまで大活躍の松田選手が外れ、サクラセブンズ入りした吉野舞祐選手がメンバー入り。半数以上が20歳以下の若いチームで鈴鹿大会では悲願の優勝を達成できるか。そしてそんな日体大と仲良しなのか、毎大会で戦っているYOKOHAMA TKMは元日本代表の鈴木彩夏選手がメンバー外。もしかしたらコンディション不良の選手が多くて、苦労している今シーズンかもしれませんが、まずは4強入りを果たせるか。日本経済大学、四国大学の学生2チームも何とか上位進出を果たしたいところですね。

大会2日目を素晴らしい戦いで盛り上げる日体大、鈴鹿でもベストパフォーマンスを見せられるか

そしてプールC。前回の秩父宮大会ではPEARLS、東京山九フェニックスを破って見事3位を果たしたナナイロプリズム福岡。鈴鹿大会でも勝負所で永田花菜選手が活躍を見せるか。PTSは前回1勝2敗で3チーム並ぶ中で得失点差で上回っての8強入り。この大会でもサクラセブンズの梶木選手がゲームをリードしてほしいですね。そしてコアチーム残留に向けてポイントを稼ぐためにも、この大会で8強入りを目指すBRAVE LOUVEとRKUグレース。このプールCの4チームの実力差は一番少ないかもしれませんし、得失点差の争いも注目です。

最後にプールD。2大会連続の4位に終わった昨年総合優勝の東京山九フェニックスは鈴鹿大会で優勝を果たせるか。まずはアルカス熊谷、チャレンジ、北海道バーバリアンズディアナとの3試合で大量得点を奪って予選全体1位を目指したいところで、注目はサクラセブンズの原わか花選手ですね。前回の秩父宮大会ではSHで出場していましたが、チームでの連携も深めて挑む鈴鹿では会場を盛り上げるようなプレーに期待。アルカス熊谷はサクラフィフティーンの主将長田いろは選手に注目、特に接点でボールに絡む活躍に期待です。そしてディアナにはサクラセブンズの三枝千晃選手がメンバー入り。チームを上位進出に導けるか、ボールを持った時の推進力に期待です。

サクラセブンズのトライゲッター原選手の快走が上位進出のカギになるかも
キャプテン長田選手の活躍はアルカスを上位進出に引き上げるか

私は鈴鹿大会はYoutubeチャンネルで観戦し、花園大会はどちらかで現地観戦を予定しています。ながとBAが連続優勝を果たすと、いよいよ何年かぶりのシーズン完全優勝が見えてきますが、鈴鹿ではどのチームが「ストップながと」を達成できるかも注目ですね。当日は会場でのイベント企画など、天気にも恵まれたらたくさんのファンが集まるのではないでしょうか。参加選手の活躍で会場をどんどん盛り上げてほしいですね。

秩父宮大会はながとが連続優勝、大変面白い2日目でした

この週末、秩父宮ラグビー場で行われた太陽生命WSS秩父宮大会、大会前は台風の影響による大雨、交通網への影響もあって、どうなるか心配でした。それでも1日目の途中からはしっかり晴れて、今日4日は2週間前の熊谷大会のように、良い天気で行われたようです。日本協会HPの試合結果のお知らせは、こちら。なお大会MVPはナディーン・ルース選手でした。

https://twitter.com/TS_Womens7/status/1665273866648788992
表彰式に上がった3チームはそれぞれ達成感を感じたのではないでしょうか

2日目は8強のカップトーナメントを中心にYoutubeで見ていました。まず準々決勝の初戦でナナイロプリズム福岡がPEARLSに22-14で勝利する番狂わせ。前半7-14のビハインドから、追い上げて残り1分から永田選手が自陣から仕掛けるとDFをスピードの強弱とハンドオフで振り切って逆転トライ、直後のキックオフでは永田選手が低く速いボールを蹴ると、PEARLSはキャッチミス、拾って繋いでダメ押しのトライを10秒もかからずに奪いました。永田選手はこの後の2試合でも活躍し、チームの3位入賞に導くMVP級の活躍だったと思います。

永田選手の巧みなランニングは24:20過ぎから

9位以下のトーナメントでは日本代表選手の活躍が目立ちました。追手門学院女子ラグビー部VENUSの須田選手はこの日もキレキレのステップ、安定したキックを見せていました。BRAVE LOUVEは先週のカザフスタン戦にも出場した安尾選手が細かいステップ、難しい位置からのキックを成功すれば、安藤選手はアタックでDFと駆け引きしながらランニングで仕掛けてトライチャンスを作りました。

決勝戦のカードは前回の熊谷大会と同じながとブルーエンジェルス(BA)と日本体育大学ラグビー部女子になりました。ともに準々決勝は快勝、準決勝では2点差で終盤の猛攻を逃げ切って勝利する厳しい試合でした。前回の熊谷大会では31-0とながとBAが快勝し、試合前もながとBA優位に進むと思っていました。開始2分で辻崎選手が先制トライを奪いましたが、その後は日体大が松田選手、大内田選手の連続トライで逆転して12-7とリードして折り返し。迎えた後半、ながとBAがギアを挙げて反撃し平野選手、ブルーニー選手、ナディーン選手の3連続トライで24-12とゲームをひっくり返しましたが、そこから試合終了までは劇的な展開でした。

東あかり選手がトライを奪って7点差に追い上げて、残り1分を切った状況からのキックオフ。10m過ぎに上手く蹴って日体大が競り勝ってキープするも、ながとのDFがキャリアーを絡んでスクラムのコールが出てからノータイムのホーン。このままながとが外に出して終わりとほとんどの人が思っていたでしょうが、スクラムから出したボールをノッコンして日体大が再びボールを獲得。相手の反則から攻めると9番向来選手が中央をブレイクして一気にG前まで迫ると、最後はラックサイドを新野選手が飛び込んでトライ。そして同点を狙うキックは難しい位置ではなかったですが、蹴られたボールは左のポストに当たり惜しくも失敗...24-22でながとBAが優勝を果たしました。

惜しくも敗れた日体大への観客の拍手はもしかしたらながとより大きかったかもしれません

前回の熊谷大会でのながとBAの戦いぶりから、今年のシリーズは「ストップながと」がテーマになるかと思っていましたが、準決勝と決勝ではともに2点差の試合になるなど、戦い方次第で大きく変わるセブンズの面白さを感じた今日の2日目でした。

シリーズ総合ポイントでは決勝に進出した2チームが大きく抜け出し、3位以下は混戦模様になりました。昨年度総合優勝の東京山九フェニックス、2大会連続でまさかの4位と厳しい状況になりました。しかしニア選手、原選手など爆発力を秘めたチーム、DFを修正して接点で激しく戦えれば、アタックの勢いもついてくのではないかと。他のチーム含め、上位争いはどんな戦いを見せてくれるか。2週間後の鈴鹿大会では予選プールでホームのPEARLSがながとBAと同じ予選プールAに入りましたし、今日のような白熱した戦いを期待しています。

https://twitter.com/TS_Womens7/status/1665240110063910912