WXV2のサモア戦を振り返る

21日土曜の夜に行われたWXV2の第2戦、強敵サモアを相手に女子日本代表サクラフィフティーンは4トライを奪いボーナスポイントを獲得して32-10で勝利しました。WXV公式サイトにあるサモア戦の試合経過は、こちら。またWXV2の順位も2連勝のイタリア、スコットランドに続く3位に上がり、同じ1勝1敗の米国を得失点差で上回りました、こちら

22番畑田選手に代わってリザーブ入りした安藤選手が4トライ目を奪う活躍

RUGBY JAPAN 365での試合のフォトレポートはこちら
 ⇒ 「サクラ15、4トライでサモアに快勝
試合は体格の大きいサモアのアタックに対して、日本のDFは規律を持ってしっかり連携してよく止めました。それでもサモアの1トライ目は自陣のG前で守る日本のタックルを吹き飛ばすランでインゴールに飛び込まれましたが、奪われたトライはこの1本のみ。

アタックについてはこれまで取り組んできた外のスペースに深いラインでボールを上手く運ぶアタックでチャンスを作りました。以前はラインが浅くなって捕まったり、ハンドリングエラーがありましたが、試合を重ねるごとに素早いポジショニングから全員が同じイメージをもってボールを動かすことが出来ている印象です。後半は16分、18分とサモアにイエローカードが出て数的優位の状況で、相手キックからのカウンターで弘津選手が鮮やかにインゴールに飛び込み勝利に近づく3トライ目を奪いました。スクラムでも重たい相手に前半から相手ボールを押し込むなど互角以上の戦いでプレッシャーを与えて、良い流れを作りました。サモアDFの強烈なタックルを受ける場面でも、ボールを失わずに継続出来ていたと思います。

試合後の選手コメントもチームで目指しているプレーが具体的にわかりますね

金曜の夜に行われるスコットランドは現在世界ランキングで9位。このWXV2では南アフリカに31-17、そして7位の米国に24-14と勝利しています。両WTBが相手DFとの1対1で抜き去ってトライを奪っていますし、相当の実力を持ったチームでしょう。ここ数年の間にもよく戦っている相手なので、日本の選手たちも相手のイメージはあると思います。スコットランドとしてはなるべく得失点差をつけてイタリアを抜いて逆転優勝を狙ってくるでしょう。サクラフィフティーンが今年最後のテストマッチでどんな戦いを見せてくれるのか、楽しみですね。

週末はW杯の準決勝、サクラ15が戦うサモアは予想よりも強敵かも

今週は月曜の早朝に行われたW杯の準々決勝、開催国フランスと前回王者の南アフリカの激戦から始まりましたが、あっという間に金曜になり、土曜の未明にはさっそく準決勝のアルゼンチンとNZの試合が行われます。これまでの戦いを見るとやはりNZ優位に感じますが、アルゼンチンがどの局面でNZを上回るプレーを見せられるかに注目ですね。

月曜の未明に行われた仏と南アの前半はトライの奪い合いに大興奮でした

前回のブログのあとに行われた負けたチームはW杯が終わる準々決勝、フランスと南アフリカも本当に激戦でした。拮抗した展開になるかと思いきや、開始10分でお互いがトライを奪い合い、前半だけで3トライずつ奪い合う殴り合いのような試合展開に大興奮でした。最後は1点差で南アフリカが勝利しましたが、振り返れば前半のコルビ選手のキックチャージが一番の注目だったかもしれませんね。

試合を見ているラグビーファンの誰もが驚いたであろうキックチャージ、ワイヤーカメラからで見るコルビ選手の一連の流れに注目

そして日曜の未明に行われるもう1試合は、前回大会の決勝と同じ組み合わせ。イングランドと南アフリカになりました。これも準々決勝の戦いから南アフリカ優位に感じていますが、イングランドが前回の雪辱を狙ってアップセットを狙ってくるでしょうし、お互いフィジカルバトルを仕掛ける中で、どこで上回ってプレッシャーをかけられるか。お互いキックを有効に使って勝ち上がってきたので、エリア中盤でのキックの攻防に注目ですね。

サクラ15は土曜の23時から負けられないWXV2のサモア戦、戦略が大事

WXV2は初戦を終えてランク上位の国が勝ちましたが、得失点差が少なく接戦模様

日本女子代表サクラフィフティーンは初戦のイタリアを相手に15-28で負け。試合映像はハイライドでしか見れていませんが、最後にリザーブから出場した選手を中心に外に展開して3トライ目を奪ったのは大きいですね。昨年のW杯では1トライしか奪えずに8-21で負けました。同じ13点差での負けですが、目指しているアタッキングラグビーが形になり、チームの中で自信を持ってアタック出来ているのだと思います。

サモアは初戦の強豪アメリカを相手に4トライを奪い、26-36で負け

対戦するサモアですが、チームスコッドの中には日本でプレーした選手が何人か。私も最近知りましたが、2017年に私が監督をしていた千葉ペガサスで秋の2大会でプレーしたHasting Leiataua選手も加わっていました。当時はSOのポジションに入り、キックオフやアタックの場面でしっかり活躍してくれました。WXVの公式サイトで試合登録メンバーが発表されていますが、日本との試合でも12番で先発出場予定です。

初戦の米国戦のハイライトを見る限り、注意しなければいけないのは1stフェイズのアタック。前半奪った2トライはスクラムからBKがラインブレイクしてトライを奪っていました。米国を相手にスクラムを押し込んでいるように見えますし、この試合でも日本のFWがセットプレーで互角に戦えるかが勝敗のカギになりそうです。一方で大きい選手も多い中、ラインブレイクされたとのDFの戻りは遅い。日本としては対策は男子と同様かもしれません。自陣でのプレーをなるべく避けて、SHやSOのキックでサモアの選手を下げつつ、マイボールのアタックで前に出れるか。キックチェイスと外のスペースに展開する判断、精度が大事です。

サクラは初戦と先発メンバーが何人か入れ替わっていますが、リザーブ選手含めてサモアを相手にどう戦って勝つかというイメージは出来ているはず。今年はどのテストマッチでも自分たちの目指すラグビーをやり切る自信を感じられます。サモアは世界ランク15位、お互い調子を上げてきている中で、何とか4トライを奪ってBP付きの勝利を勝ち取ってほしいです。

アジア7sタイ大会は女子が優勝、W杯準々決勝は予想以上の激戦に

タイ大会は男女ともに決勝に進出、相手はともに香港でした

サクラセブンズの先発メンバーはFWにライチェル、田中、三枝でBKには原、須田、西、そして今回初キャプテンに選ばれた吉野の7人。今回はSHに原選手を起用する新しい形でした。前半はオフロードパスを多用して攻め込み田中選手、三枝選手がトライを奪って前半10-0。日本の連携の取れたDFは香港にラインブレイクを許さず、ほとんど敵陣でプレーしました。

日本が優位に試合を進める中、後半も自陣10mライン近くのスクラムからSHに入っている原選手が持ち出しすと追ってきたDFを振り切って約60mの独走トライ。その直後にも交代出場の水谷選手がショートパスに走りこんでラインブレイクしてトライ。香港に1トライ返されるも、最後はノータイムでも攻め続けて水谷選手が倒された後、すぐに起き上がって走るとおよそ40mを独走し、香港DFは追いつけずにダメ押しトライを奪って29-5と快勝。9月の韓国大会に続いて優勝し、交代で入った選手も活躍するなど、良い内容で来月のパリ五輪予選に向けて選手の底上げが出来ているのかなと。日本協会HPにある大会後のコメントは、こちら

続いて行われた男子の決勝、相手の香港はアジアでの最大のライバルと言ってよいでしょう。香港のキックオフから日本自陣でのプレーが続く中で、まずは香港が大外にいた選手が内側に切れ込むと日本のDFが捕まえられずにラインブレイクを許し40m独走の先制トライ、前半3分でした。その後、日本は香港DFの裏のスペースへ深く蹴りこんでチェイスするとG前で相手選手をタッチラインに押し出してチャンス。そこからG前でオフロードパスをもらった林選手がトライし7-7で同点。残り時間が1分を切る中で香港は自陣からキックを蹴って日本は自陣22mまで戻されてのアタック。外に蹴りださずにアタックを試みると倒されたところに4番松本選手がうまく走り込んでラインブレイクし一気に90m独走トライ。12-7とリードして前半を折り返します。

勝負の後半でしたが、日本はシンビンが出て1人減っている間に香港に2トライと2ゴールを決められて逆転を許します。そこから逆転を目指して残り2分、日本は自陣G前のスクラムから攻めるも敵陣まで進めず。さらに香港に再び攻め込まれてトライを許し12-26と逆転負けで準優勝に終わりました。男子は女子と比べてほかの国との力の差がほとんどなく、この決勝でもアタックでは香港のDFを上手く突破できず、DFでも相手ボールを奪うような機会はなく、内容的には劣勢は否めません。来月の五輪予選での優勝を目指す中で、どう強化を進めて挑んでいくのか引き続き注目ですね。

W杯フランス大会は準々決勝、IREとNZLの戦いは素晴らしかった

そして今日明日と行われるW杯フランス大会の準々決勝、予選プールを振り返ればプール1位はヨーロッパ勢の北半球、プール2位は豪州を倒して2007年大会以来の8強に進出したフィジーを含む南半球になり、北VS南の4試合となりました。土曜の2試合はアルゼンチン、ニュージーランドの南半球が勝利し、予選プールの負けから修正してトーナメントに向けて調子を上げてきたといったところでしょうか。

特に日本時間15日未明に行われた世界ランク1位のアイルランドとラグビー王国ニュージーランドの1戦は世界中で注目されていたと思います。W杯の歴史の中でいまだにベスト4進出を果たせていないアイルランドがテストマッチ17連勝中で迎えた準々決勝、いよいよ呪いみたいなものを敗れるかと自信を持って挑んだと思いますが、ニュージーランドが勝負強さを見せました。詳しい試合展開などはここでは書きません。ただ終盤に4点差を追いかけるアイルランドが見せた30フェイズ以上のアタックに、反則をせずに止め続けて最後はベテランの選手がジャッカルを決めてDFで勝ち切ったニュージーランド。言葉も出ないというか見逃さないように見守る、そんな凄まじい攻防で試合が終わった後も大喜びする選手はいない、徐々にお互いの健闘を称えあうような光景でした。

今もこのブログを更新している間にイングランドVSフィジーが始まり、そして4時からは開催国フランスVS前回王者南アフリカの激戦必至な戦い。アイルランドとNZの試合のような予想を超えてくるような激しい戦い(できればお互い規律も保って退場者が出ないように)に期待します。

明日13日に開幕するWXV2、イタリア戦のメンバー発表

女子のWXV2に触れる前にラグビーW杯フランス大会を終えた日本代表が昨日帰国しました。また同じタイミングにYoutubeで公開された「Go With The Brave~Ep21~」、アルゼンチン戦の舞台裏を追ったムービーが最高に面白かった。アルゼンチン戦を見た人には、試合前の練習の様子を見て驚くかもしれません。コメントも見ると楽しいので、ぜひ見てください。改めて本当にこれまでのタフな戦い(もちろん試合以外含めて)、本当にお疲れ様でした。

さて数年前に開催が決まった女子の新たな国際大会「WXV」、いよいよ開幕しますがその第1戦女子イタリア代表戦の女子日本代表試合登録メンバーが発表されました、日本協会HPでこちら。またRUGBY JAPAN 365ではレスリーHCと長田キャプテンのオンライン会見のやりとりが掲載されています、こちら⇒「サクラフィフティーン、イタリア戦メンバー発表

サクラ15のFWの中では国際経験が豊富な加藤選手の活躍に期待

改めて先発メンバーをポジションごとにコメント。FWはPRに常にハイパフォーマンスで80分戦える加藤選手、鍛えた身体を武器に安定したスクラムでチームを引っ張る佐高選手の2人。HOにはラインアウトのスローイングで見せる公家選手、このフロントロー3人は今の代表でベストに近い顔ぶれだと感じています。この3人が活躍する場面が目立てば、日本はいい流れで戦えると信じています。

LOには昨年のW杯を経験している川村選手、吉村選手。昨年までは主力級の活躍を見せた佐藤優奈、ベテラン櫻井綾乃選手らがコンディション不良の中で、しっかりアピールを見せてきていますし、吉村選手はG前の混戦でトライを奪ってきました。ラインアウトは相手の高さ、プレッシャーをどうしても受けてしまいますが、公家選手のスローイング含めて、大事なセットプレーでの活躍に期待します。FLには齊藤選手、長田キャプテンにNo8永井選手。パフォーマンス、経験ともに豊かな3人は試合の流れを作るアタック、相手の流れを止めるタックル、ジャッカルに期待します。

そしてHBはSH阿部選手、SO大塚選手。昨年のW杯でも先発出場、前回のを含めイタリアの特徴は肌感覚で知っているでしょう。敵陣でプレーしたいイタリアの戦術を困らせるような大塚選手の強みのキック、敵陣に入れば阿部選手の強みの素早いテンポの球捌きでサクラを前に進めて欲しいですね。このゲームメイクにかかわる2人にはどんな状況でも強気にプレーしてほしいと思います。

古田選手は攻守に幅広い運動量でサクラ15のチャンスメーカーとしての活躍に期待

そして攻守に走り回るBK陣はCTBに小林選手と古田選手のベストコンビ。WTBは貴重なレフティーの今釘選手に国内のフィジー戦で活躍した松村選手、そしてFBは今年テストマッチに出場し続けて成長著しい西村選手です。今年の日本代表は安藤選手、弘津選手ら若い選手が良いパフォーマンスを見せていますが、この先発メンバーは攻守にバランスの良いメンバー構成だと感じています。特にBK3の3人はどれもキックを上手く使える選手ですね。リベンジを狙うイタリアをどんどん自陣に押し込んで、敵陣ではワイドに攻めていきたいですね。

上記のレスリーHCのオンライン会見でもメンバーの何人かについて触れていますね。コメント内容については「何を言っているのかちょっと解りかねるな」という疑問もいくつかありますが、そこは触れず(苦笑) ただ昨年のW杯までは強化を図る中でテストマッチの機会、代表の招集期間などで苦労することもあったかもしれません。いよいよ始まるWXV含めてこれまで国内外での合宿を重ねてチーム作りを進めて、テストマッチでは勝利を積み重ねるなど、良い準備が出来ていると思われます。リザーブの8名含めた試合出場に向けてのセレクションも大変でしょうが、チーム内で良い競争があるのは良いことです。W杯を戦っていた男子の代表チームの活躍も良い影響を与えていますね。

最後に相手のイタリアについては世界ランク8位ですが、9位スコットランド、10位日本とのポイント差は1.50少し。日本に連敗する訳にはいかないと最初から強気でプレーしてくると思います。前回と同様、自陣からキックを蹴らずに、シンプルに身体を当てて日本のDFを痛めるようなアタックを仕掛けるかもしれません。日本はアタックでボールを大きく動かして、イタリアを疲れさせて、自分たちの土俵に引きずり込みたい。セットプレー、特にラインアウトでしっかりアタックの起点を作れるか。前回の試合からどれだけ修正したパフォーマンスを見せられるかが楽しみです。

WXV2でイタリア、サモア、スコットランドと3週続きのテストマッチ、どれも国内より高い、激しい強度での試合になります。良い準備、ベストパフォーマンスで80分の最後まで勝負する戦いを期待。頑張れサクラ15!!

今更ですが、サクラ7sのアジア大会決勝を振り返る

日曜に中国杭州アジア大会も閉幕しました、7人制ラグビー競技が終わって2週間も経ちましたし、女子の決勝の動画も見つけたのは先週ですが、後半は後回しに。結果は21-22で負けて悔しい銀メダルになりました。今回は試合経過をレポートする形で書きますが、前半終えて0-22では勝つのは難しい。だかそこから日本の追い上げは素晴らしかったです。

中国と日本の決勝は20:40過ぎから

日本の先発メンバーはFWに梶木、三枝、田中、BKに平野、須田、大谷、堤でした。前半開始は中国のキックオフ。日本はキープして自陣からアタックを試みますが大谷選手が仕掛けて22m内で捕まったところでサポートが遅れたところを中国が見逃さずにラックでターンオーバー。そこからのアタックで日本のDFは対応が遅れて中国の選手を倒せずに繋がれてしまいポスト下に先制トライを許します。

さらに次のキックオフでもこぼれた球が中国に転がり、一気に自陣22m内に攻め込まれます。中国は外に展開してゴールラインに迫るも堤選手と平野選手が捕まえて外に押し出し、G前の日本ボールラインアウトをしっかりキープ。裏へキックを蹴ってプレッシャーをかけるも中国の選手は無理に仕掛けずにほかの選手の戻りを待ってボールキープ。そこから継続してG前に攻め込むと外に展開した中国の選手が捕まえに来た日本の選手を個の力で振り切って裏に抜け出し連続トライ。12-0とリードします。

中国が流れを掴んだ中での3度目のキックオフはまたしてもこぼれた球がプレッシャーをかけた中国選手にきれいに収まって再び自陣22m内でのDFに。中国からボールを奪え返せずに最後は外のスペースに展開した中国がインゴールに飛び込んで3トライ目を奪い、優位に進めます。次のキックオフで日本はボールをキープしますが、自陣でのアタックで中国のタックルに倒れるとそのラックで日本が反則。中国はスクラムを選択し、アタックを継続してG前に迫るとラックサイドを攻め込み、サイズに勝る中国の選手が日本のタックルを押し返すようにインゴールに飛び込み4トライ目を奪いました。

前半はホームの中国がDFからチャンスを作って、一気に先制トライを奪ったことで流れを掴みました。日本は決して悪い入りだったとは思いませんが、キックオフレシーブをしっかり確保出来ずに、こぼれ球がきれいに中国のボールになったことで、これまでの戦いでも見せた素早いセットから連携して前に出て止めるDFが出来なかった。そして勢いに乗った中国のアタックがはまりました。東京五輪で戦った時の状況と似ているのかなと(その時はキックオフ直後の日本のアタックを鋭く前に出てタックルで倒し1分も経たずに先制トライ)。

日本は逆転を狙う後半開始のマイボールキックオフ、梶木選手がターンオーバーに成功するもパスが乱れたこぼれ球を蹴られて一気に自陣G前に。堤選手が戻ってアタックを試みますがラックで反則を取られて一転ピンチに。ここで中国に得点されると逆転はかなり厳しくなりますが、大谷選手が相手を押し返すタックルからラックで中国の反則。すぐに仕掛けて最後は三枝選手が40m走ってトライを返し、15mラインより外側の難しい位置のキックを須田選手が成功し、7-22。

次のキックオフでは中国がキープするも、日本のDFが中国のアタックを押し下げて22m内で大谷選手が強烈なタックル。そこからまたしても中国が反則し日本のチャンスに。逆転を狙いに攻め込む中でタックルに入った中国選手の頭が田中選手の顔にぶつかりTMOの結果、危険なタックルでレッドカード。日本はG前のアタックで走りこんだ中村選手がDFに捕まりながらもオフロードパスで平野選手につなぎポスト脇に飛び込んで2トライ目。すぐにキックも蹴りこんで14-22と一気に追い上げます。

SEPTEMBER 26, 2023 – Rugby : Women’s Final between China 22-21 Japan at Hangzhou Normal University Cangqian Athletics Field during the 2022 China Hangzhou Asian Games in Hangzhou, China. (Photo by AFLO SPORT)

キックオフを確保した中国は人数が1人少ないのもあり、タッチラインから15mラインの間に6人が並んでアタック。ボールキープを主としてアタックしますがラックに倒れるように入った選手が反則。そこを起点に堤選手、大谷選手が抜け出してG前に攻め込むと中国の反則から平野選手がクイックで仕掛けてポスト脇にトライし、ついに21-22と一点差に。

残り僅かでのキックオフは、中国が競り勝って後ろにタップしボールキープ。日本もボールの獲得を目指して必死にDFしますが、ノットロールアウェイの反則を取られ中国はスクラムを選択。中国が自陣からアタックする中でノータイムのホーンが鳴り、外に蹴りだして終了・・・と思われましたが、プレッシャーを受けて後ろに蹴ったボールがインゴールに入り、堤選手と中国の選手が追いかけます。最後はわずかの差で中国の選手が蹴りだして逃げ切り勝ち。よく見れば蹴ったボールが中国の選手の方に転がった分だけ、追いついた感じでした。

日本協会HPにある決勝戦後の鈴木HCと選手のコメントは、こちら。中村選手のコメントに「中国は組織としての戦略が非常に明確で、波を一気に持っていかれてしまいました。」とありますが、この決勝戦では打倒日本に向けてかなり戦略を練って準備してきたと感じましたし、最初のプレーがはまって先制トライを奪ったことで一気にまとまりを見せました。日本は中国の気迫に負けたというわけではないですが、前半に4トライも取られたのは予想外だったと思います。そして逆転を狙った後半の戦いは本来の力を見せてくれたと思います。

サクラセブンズは今週末のアジアシリーズのタイ大会に参加するメンバーも発表しました、こちら大橋選手、西選手の大学1年生コンビ、アジア大会はコンディション不良で外れた水谷選手ら若い選手が入っていますね。ほかのメンバーの顔ぶれを見る限り、11月のパリ五輪予選に向けてのセレクションも兼ねていると思うので、それぞれがベストパフォーマンスを見せて優勝して五輪予選に勢いをつけたいですね。頑張れサクラセブンズ!!