サクラ15と10月のWXVの話

まず前回のブログの続きを少しだけ。男子の日本代表はW杯に向けて期待が高まっている中で、サモアに惜敗しましたが4年前は母国開催もあって準備期間が長かった。4年前と比べると準備期間は短い中でチーム強化に取り組んでいて、コンディションの調整も含めて、もう少し時間がかかるのかなと感じました。相手が世界ランクでも格下ということで勝利をどうしても期待してしまいますが、良かったところ、改善すべきところなど中身をしっかり見て、今後の活躍に期待したいなと思います。

女子日本代表サクラフィフティーンですが、16日未明に行われたスペイン遠征の2戦目、テストマッチは27-19(前半12-14)と逆転勝利でした。日本協会HPの試合メンバーはこちら当初は3番にラベマイまことが登録されていましたが、当日はコンディション不良だったのか、左高裕佳が入りました。スクラムは終始安定して、ラインアウト含めたセットプレーも良く、アタックの起点になっていましたね。

映像を見るとARの旗が揺れるくらい強めの風が吹いていましたね

試合の経過と写真、また試合後のレスリーHCや選手のコメントについてはRUGBY JAPAN 365の記事のリンクを貼っておきます。⇒「サクラ15、スペイン代表に勝利
試合は私もLIVEで観ていました、後半はYoutubeのチャット欄にも出てきていますね。結果としては2戦続けてキッキングゲームをしっかりできて勝利を掴みました。もちろんハンドリングエラーなど修正点はありますが、大きな視野でみると、エリアを意識して自陣22mでのプレーを避け、中盤から相手陣でのプレータイムを増やせたことは大きいです。その中でラインアウトもスローワーの公家選手を中心に安定していて、ラインアウトモールを得点に繋げていました。スペイン相手にFWがしっかり戦えたのは良かったところです。

BKについてはアタックが前の試合より良くはなったものの、得点に繋げるまでには至らず。引き続き課題としては残るものの、SH津久井、SO大塚、CTB小林、古田のフロントスリーは安定感、ゲームコントロール、強さなど今の時点では一番のコンビだと思います。さらにSH阿部、SO山本、CTBにパラキゆき、この試合が初テストマッチだった弘津などもポジション争いに加わることで成長していけるんじゃないかと期待しています。BK3についてはFB西村がロングキック含め、50-22で得点チャンスを作るなど、この試合でも活躍していました。WTBらと連携して、カウンターアタックを常に狙う姿勢を持つと良いかなと思います。

この試合、23人登録メンバーでしたが、リザーブから出場したのはPR小牧、CTB弘津、FL向来の3名のみ。暑い中での試合、接戦にはなりましたが、もう少しリザーブ選手も使った戦いが出来たのではないかというのは正直なところで、レスリーHCなりの考えはあるかと思いますが、よくわかりません。レスリーHCはとりあえず来年までの1年契約ですが、秋のWXV2の結果次第では次のW杯に向けてのスタッフの体制がどうなるかも注目です。そして今年の秋から始まる女子の交流大会「WXV」参加国とカテゴリー分けが決まりました。

イタリアがスペインにホームで23-0と勝利し、予想通りWXV2に入りました

日本が入るWXV2を世界ランク順に並べると、7位米国、8位イタリア、9位スコットランド、11位日本、12位南アフリカ、16位サモアの順になります。以前のブログでも触れましたが、この中で10月14、21、28日と3試合を戦います。プール分けは地域性や世界ランクが影響されると思います。日本は下位の国にしっかり勝って、下のカテゴリーに降格しないことが大事です。上位の国から勝利を得るためには接点でしっかり戦いつつ、FW陣がセットプレーを安定させ、BK陣のアタックが相手に脅威を与えらえるかですね。キッキングゲームを戦う上では、キックチェイスでどれだけプレッシャーをかけられる、さらに磨きをかけないとです。

フィジーとサモアのハイライト、残り3分でフィジーが逆転トライ、その後サモアが逆転PGで19-18で勝利

そして9月にフィジーを国内に招いて福岡と東京でテストマッチを行うことが先日、日本協会のHPでも発表されました。昨年5月にもオーストラリアで戦ったフィジーとは今後も定期的に試合を行えればと思いますね。個人的にはアジアとオセアニアのラグビー大会(パシフィックネーションズ的な大会の女子版)を実施出来たら、ランクで上位と下位に分けて大差のないテストマッチの機会を提供できるんじゃないかなと思います。

またこれで2023年だけで女子のテストマッチは7試合(スペインとの親善試合を除く)実施されることになります。昨年はW杯の3試合を合わせて10のテストマッチを実施しました。着実に女子の国際試合の機会が増えているのは嬉しいですね。日本協会の関係者のアクションに感謝です。サクラセブンズも強くなっていますが、サクラ15にも引き続き注目です。

土曜はサモアに惜敗、日曜はカレッジセブンズで日体大が2連覇

先週末は地上波(日テレ)で日本代表とサモア代表の試合が放送されたので、フルで観ました。立ち上がりは良くて先制トライも奪いましたが、スクラムでうまく対応できずに、押されたり、反則を取られたりでサモアのペースに。そして前半30分過ぎのTMO判定によるリーチ選手の退場が痛かったですね。最後は逆転を狙って敵陣で攻めるも反則があって、22-24とサモア代表が勝利。コロナ禍が過ぎ去ってから強豪国との試合も増えましたが、なかなか日本代表の勝利が見れないのは本当に悔しいところです。

https://twitter.com/JRFUMedia/status/1682658604208504833
https://www.youtube.com/watch?v=NZJPwUbo_f0

試合直後から色々な記事が出ていて、選手スタッフのコメントもありましたし、昨日のNHKサンデースポーツでも元プロ野球選手の内川さんが五郎丸歩さんと一緒に観戦している様子が放送されていました。山中選手のロングキックに驚いていましたね。山中選手は相手のキックへの対応もしっかりしていて、本当に安定したプレーが良かったと感じました。キックチャージからトライを与えた場面もありましたが、あれはラック横のFWの選手がブロックできるポジショニングをしていなかったのもあります。この場面もですが、後半の日本はPGでリード直後にミスが出てあっさりサモアに逆転されたのはよろしくなかったですね。結果的に決勝点になったサモアの3トライ目も、PGを決めた後のキックオフレシーブでノッコンして、スクラムを与えてしまったところからでした。

W杯で戦うサモア相手にホームで負けるという結果は残念ですが、試合時間の半分以上を14人で戦うというのは貴重な経験だったと思います。良くなかったところはスクラムの対応の遅れだったり、反則の多さだったり、はっきりしているので、次に控えるトンガ、フィジーとのテストマッチに向けて、良くしていけばと思います。そして後輩のSH福田健太選手もテストマッチメンバーに選ばれるべく奮闘していると思います。JAPANのジャージを着た姿が見たい。頑張れ、応援しているぞ、福田!

立正大学で行われた学生7s大会、日体大がフェニックスに勝利して連覇達成

太陽生命WSSで活躍した松田選手などがSDSに選ばれていなくても強さは健在でした

日本協会HPにある大会情報のリンクは、こちら。来月に行われる太陽生命WSS入替戦2023に出場するチームも多く参加していますね。その中でコアチーム残留を決めたチームを上回る3位に入ったBRAVE LOUVEはサクラ15のスペイン遠征に参加した安藤選手、安尾選手が戻ってきて、調子を上げてきたようですね。試合映像は見れていませんが、Twitterでの速報を見たりすると、後半に大逆転する試合が目立ちました。決勝に進出した日体大もフェニックスも準決勝では、前半にリードを許すも後半にトライを重ねて逆転勝利という展開でした。

太陽生命WSSでは外国人選手が勝負を決めるような活躍を見せる場面が多い中で、学生というカテゴリーチーム間の実力差は少ないのかもしれませんね。その中で日体大はどの試合も相手を2トライ以下に抑えるなど、粘り強いDFが強みだったのかもしれません。そんな日体大の背景が、ラグビー部部長の松瀬さんのブログにも書かれているのでぜひ。改めて連覇を達成した日本体育大学の皆様、おめでとうございます!近いうちにRUGBY JAPAN 365の方でも大会レポートが上がると思うので、楽しみにします。

日本、スペインとの親善試合に大勝

月曜の未明にマドリッドで行われたスペインとの親善試合、直前にJAPAN RUGBY TVのYoutubeチャンネルで中継されることが決まり、LIVEで見ることが出来ました。試合も終始、優位に進めて8トライを奪い、44-12(前半22-0)で大勝しました。日本協会HPの試合後コメントは、こちら。選手のコメントで、レスリーHCのコメントはないですね。珍しい。

親善試合に変更になりリザーブ選手も多く出場し、良い戦いでした

試合経過については、RUGBY JAPAN 365さんの記事に写真とともに書かれています
⇒「サクラフィフティーン、古豪に快勝!

20時のキックオフの時点でも30℃超えらしく、暑い中でもよく動いて戦いました

ここでは記事を見ながら、試合を見て感じたことを中心に書きます。まず前半ですが、非常にいい試合内容でした。開始から敵陣に入ったスクラムでBKが鮮やかに外を抜け出して11番今釘選手が先制のトライ。最初のアタックで得た1stチャンスをタックルされることなく得点に結び付けて、勢いを掴みました。

前半で4トライを奪いましたが、日本の勢いを加速させたのは10番大塚選手のキックですね。自陣22m内からハーフウェーライン付近まで確実に蹴りだす飛距離、相手DFの裏のスペースへのキック、共にしっかりコントロールされていました。対してスペインはキッカーの動きを見ても、飛距離、スキル共にいまいち。裏へのキックに対しても、スペインの戻りよりも、日本のチェイスの方が上回る場面が多く、結果的に日本にチャンスを与えていました。

それに加えてFW陣は大きなスペイン選手を相手に奮闘しました。セットプレーではスクラムも安定していましたが、特にラインアウトでクリーンキャッチする回数も多かったです。後方へのロングスローがしっかり決まった場面もありました(動画15:50過ぎ)。またキャッチからSHへのトスも早くて良い練習が出来ているなと感じました。そして前半さらに突き放す2トライはともにラインアウトモールが起点でした。スペインからすれば、敵陣でのプレーもほとんどなくやりたいことをさせてもらえなかった前半だったと思います。

日本は長身の川村さんをFLで起用するなど、ラインアウトからチャンスを作りました

後半は交代出場した選手も活躍していましたが、トライ数は4本‐2本。スペインが奪った2トライはどちらも良かったですし、後半はアタックで前に出る場面も増えてホームの声援を力にファイトしてきました。日本もタックルを外されてゲインを許したり、マイボールのラックのボールをしっかりキープできなかった場面もありました。あくまでイメージですが、DFラインの出るスピードを上げてもう2m前に出れたらしっかり捕まえて倒せると思います。選手のコンビネーション、連携が来週のテストマッチに向けて、より良くなれば良いですね。

リザーブ選手も奮闘、ラベマイまこと選手は後半激しいタックルを見せていました

またアタックではBKラインがキックを多用していたのもあり、浅めのラインになって、スペインDFに捕まって前に出れない場面がありました。点差が離れて、自陣22mから左右に大きく展開してアタックを試みた場面でも、大きくゲインはできずに、結局キックでエリアを前に出す判断になりました。またスペインが奪った2トライ目は、日本がワイドに展開して大外で捕まったラックでのボールがこぼれたのを拾われて、日本の選手がいないスペースを走られてしまいました。この辺の選手間の連携や繋がりも来週に向けての課題ですね、ここからテストマッチに向けて、準備して戦えるのは良いですね。

最後に、当初のゲームプランはわかりませんが、キッキングゲームを徹底する方向だったのであれば、チェイスから再獲得する場面も多く、試合のラストプレーでもスペースへのキックからダメ押しのトライを奪うなど、手ごたえを感じられる内容だったと思います。一方で見ていてキックを選択するのが多いなとも感じました。それは点差が離れて、もう少しチャレンジングなプレーをしてほしいという個人的な願望もあるかと思います。ただ先述した通り、キックを意識するゆえに、アタックラインが浅くなったところもあるので、そこはコミュニケーションをとって、うまく使い分けてさらに有効なアタックに繋げられたら、良くなりますね。また秋のWXV2を見据えたときに、チームのアタックがどれだけ通用するかを把握するためにも、来週はもう少しBKから前に出るオプションを試すべきですね。

親善試合とはいえ、遠征初戦をいい内容で勝って振り返るのは本当に良いです。試合外のメンバーもメンバー入り目指して頑張っているでしょうし、次のテストマッチも楽しみにしましょう。

太陽生命WSS2023の振り返り

日曜は晴れて全国的にも蒸し暑くなる地域が多かったみたいですね。花園ラグビー場で行われた太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ花園大会、シリーズ最終戦はながとブルーエンジェルス(BA)が優勝、シリーズ無敗の完全優勝を成し遂げました。また総合2位に終わった日本体育大学女子ラグビー部は4大会すべてでながとBAに敗れるも、他のチームには全勝でシリーズを終えました。OGの堤選手もいますが、ほぼ学生のチームでこの結果は本当に見事ですね。

https://twitter.com/TS_Womens7/status/1675406870457253888
年々競技レベルの向上を感じる中での完全優勝、本当に快挙です

前回のブログでは個人的な注目選手も紹介していましたが、活躍はそれぞれ。ナナイロの中村選手は勝負所でジャッカル決めたり、見事な活躍でした。またRUGBY JAPAN 365のWebでは参加チームの記事がいくつかアップされているので、紹介しますね。
ながとブルーエンジェルスがグランドスラム達成!太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2023
⇒後半の村杉 徐司ハイパフォーマンスディレクターへのインタビューが面白かったです。
堂々の2位!日本体育大学ラグビー部女子、サクラフィフティーンにも招集された、向來桜子・大内田夏月に訊く
⇒大会後にサクラ15のスペイン遠征に合流する2人の話、セブンズでも大活躍でした。
大躍進!ナナイロプリズム福岡・総合4位で最高の成績
⇒もし新人王があれば有力だった活躍を見せた大橋聖香選手、力強く駆け抜けるランは近いうちに日本代表での活躍を期待させますね。

コアチーム残留に向けての争いを抜け出したのは日本経済大学女子ラグビー部

来年後のコアチームに残留できる11位から14位までのポイント差は5、し烈な争いでした

そして16チームとなった今年度のシリーズ、来年度は再び12チームになるため、どのチームが8月に行われる入替戦を回避できるかにも注目していました。私自身も千葉ペガサスの監督として2016年から2018年にかけて入替戦優勝して昇格、コアチーム残留、シリーズ下位になり入替戦3位で降格、という経験をしています。またワールドシリーズを見ているとコアチーム残留の1つの目安としてシリーズ大会での8強入りというのがあります。思えば日本代表サクラセブンズはコアチームに昇格するも、8強の壁を突破できずに降格、を何年も繰り返していました。そしてこのシリーズでは第1回熊谷大会でアルテミスターズが、第3回鈴鹿大会ではRKUグレースが、それぞれ8強入りを果たすもほかの大会では苦戦した結果、入替戦に進むことになりました。2チームはともに5月の熊谷大会、この花園大会でサクラ15の海外遠征に選手を派遣しています。入替戦での戦いは本当に厳しい戦いになりそうですね。

その一方で11位に入った日本経済大学女子ラグビー部AMATERUSは全大会で11位でした。4大会すべてで予選プールを3位で通過していますが、四国大学から2勝、RKUグレース、北海道バーバリアンズディアナからそれぞれ1勝を挙げ、2日目の9位トーナメントでは勝ちあがれず、という今シーズンでした。正直、抽選の組合せには恵まれたと思います。一方で2日目に勝利して何とかもう1試合、というチャレンジを重ねたシーズン。だからこそコアチームとして来年に向けて準備できる権利を獲得できたことは大きいですね。

またシリーズの過去の試合を改めて振り返ると、昇格1年目で総合4位まで駆け上がったナナイロプリズム福岡、熊谷大会の予選プール最終戦ではディアナと後半6分に追いついて14-14の引き分け。この大会での9位から4強入り、決勝進出とこのシーズンを一気に駆け上がっていきました。ただ順位に限らず、このシリーズ大会を重ねて大きく成長を遂げたチームは他にもあったと思います。またRKUグレースは8強入りを果たした鈴鹿大会ではブレイブルーヴ、PTSを相手に後半に逆転し、それぞれ2点差で勝利。サクラ15の司令塔大塚選手の活躍が目立ちました。シリーズ初年度から参戦してきたグレースは過去に入替戦も経験しています。今年は厳しいシーズンになっていますが、ここから入替戦に向けての奮闘に期待しています。

そんな入替戦ですがおよそ1か月後に、静岡エコパで8月11日、12日(金土)に行われます。下位5チームに加えて、アザレアセブンなど昇格を狙うチームが参加し、今回も10チーム前後の参加になるのかなと思います。12日の土曜は現地観戦できればと思いますが、時期的にもかなり蒸し暑くなりそうですね。来年度のシリーズ参戦に向けて、この1か月は厳しい暑さを乗りこえる、メンタル的にもきつい時期ですね。またもうじき発表されると思いますが全国大学セブンズや各地域で国体ブロック予選に向けての活動も本格化してきますので、引き続き女子セブンズの話題を楽しみにしたいと思います。

花園大会初日の観戦記とコアチーム残留のはなし

片道3時間かけての太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ(WSS)花園大会、雨がちの天気予報が選手、関係者の祈りが届いたのか、曇り空で雨に悩まされるようなことはない1日でした。私は第1試合の後半途中から第24試合の最後まで、ほとんどをスタンドから観戦できました。日本協会HPの第1日試合結果は、こちら。またYoutubeの配信は下に。

予選プール1巡目で前回11位の追手門学院が7位のチャレンジを、前回10位のアルカスが8位のRKUグレースを破るupsetを達成。予選で勝てずに苦しいシーズンを過ごしている四国大学は圧倒的なアタック力を持つフェニックスを相手に14-24の接戦。初の花園ラグビー場での開催は観客の声援もあって、面白い試合が見られる中、2巡目では前回13位のPTSが前回6位のPEARLSを17-12で破るBIG upsetを見せてくれました。予選プールの最終戦では昇格して2連続の4強入りを果たしたナナイロプリズム福岡を相手に、昨年は常に4強に入りながら今年は2日目初戦で厳しい結果が続いていたYOKOHAMA TKMがスタンドのサポーターの大きな声援を受けて15-0と完封勝利して予選プールを1位で通過しました。

https://twitter.com/TS_Womens7/status/1675081225927819266
結果的には予選の全プールで前回下位のチームが上位を食うupsetがありました

upsetという番狂わせを中心に振り返りましたが、その中で上位3強であるながとBA、日体大、フェニックスは試合を重ねるごとに調子を上げてきました。序盤は選手の組合せを試していたのもあるかもしれませんね。そして明日の組合せは9:15からの初戦がまさかの今日の最終戦と同じナナイロとTKM、またフェニックスとアルカスも予選プールの再戦になりますね。まあトーナメントの初戦の相手が予選と同じなのは、残念な気持ちにもなりますが、よくあるといえばありますね。ワールドシリーズでも日本がNZと同じ日に2回戦ったとか。そして最も注目なのは、ながとBAのシリーズ完全優勝なるか。明日の組合せは順調に上位チームが勝てば準決勝で日体大とぶつかりますね。

上位トーナメントに進んだ各チームの個人的な注目選手を考えてみました。まずながとはSHでゲームをコントロールする平野優芽選手、今日もPEARLS戦で追い上げられた後半最初のキックオフでインゴールに入ったボールを抑えて中央からのリスタートで、誰よりも先に準備して速攻を仕掛けてトライをアシストしていました。接戦の時にこそ活躍できる選手です。そしてそんなゲームに1プレーで流れを引き寄せるインパクトを与える大谷芽生選手、これまで大会MVPは貰っていない2人ですが、シリーズMVPを貰う可能性は十分にありますね。

追いかける日体大は松田凜日選手、今日も力強いランで何度もゲインしていました。BKラインでCTBに入って、チャンスをたくさん作ってくれるでしょう。日体大はリザーブ含めて選手の組合せや戦術が多い印象なので、明日はどんなメンバーで挑むかも楽しみです。フェニックスはBKラインを動かす大黒田裕芽選手ですね。BKラインの大外に原わか花選手、ニア・トレバー選手というトライゲッターを持つフェニックスですが、トーナメントでは相手の徹底したマークに抑えられて、ゲームの流れを掴めずにやられてきました。今日の試合を見ているとDFの裏へのキックが増えた印象です。DFで強いプレッシャーをかけて流れを掴めると、大黒田選手の仕掛けが面白くなるかなと思います。

そして明日の初戦で再びぶつかるTKMとナナイロ。両チームの日本代表選手に注目です。TKMはこの大会で復帰した松永美穂選手、今日も後半最初のキックオフでビッグタックルを見せて、流れを掴みました。ナナイロは中村知春選手、永田花菜選手、小笹知美選手らがいますが、中村選手が躍動するような場面が出てくるとチームの勢いもつくのではないでしょうか。そして他のチームでも日本代表経験者の活躍に期待しますし、サクラセブンズに加わってくるようなパフォーマンスを見せる選手が出てきてほしいですね。

最後にサクラ15のスペイン遠征に大会期間中にも関わらず、選手をリリースしたブレイブルーヴ、アルテミスターズは予選プールで3敗、RKUグレースも前回の8強から順位を落としました。一方でアルカス熊谷は8強入りを果たしました。チーム事情はそれぞれありますが、入れ替え戦回避を目指すチーム状況の中で、選手を代表に派遣したチームには明日も、そして8月の入替戦でも出場選手の活躍に期待したいと思います。