花園大会初日の観戦記とコアチーム残留のはなし

片道3時間かけての太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ(WSS)花園大会、雨がちの天気予報が選手、関係者の祈りが届いたのか、曇り空で雨に悩まされるようなことはない1日でした。私は第1試合の後半途中から第24試合の最後まで、ほとんどをスタンドから観戦できました。日本協会HPの第1日試合結果は、こちら。またYoutubeの配信は下に。

予選プール1巡目で前回11位の追手門学院が7位のチャレンジを、前回10位のアルカスが8位のRKUグレースを破るupsetを達成。予選で勝てずに苦しいシーズンを過ごしている四国大学は圧倒的なアタック力を持つフェニックスを相手に14-24の接戦。初の花園ラグビー場での開催は観客の声援もあって、面白い試合が見られる中、2巡目では前回13位のPTSが前回6位のPEARLSを17-12で破るBIG upsetを見せてくれました。予選プールの最終戦では昇格して2連続の4強入りを果たしたナナイロプリズム福岡を相手に、昨年は常に4強に入りながら今年は2日目初戦で厳しい結果が続いていたYOKOHAMA TKMがスタンドのサポーターの大きな声援を受けて15-0と完封勝利して予選プールを1位で通過しました。

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結果的には予選の全プールで前回下位のチームが上位を食うupsetがありました

upsetという番狂わせを中心に振り返りましたが、その中で上位3強であるながとBA、日体大、フェニックスは試合を重ねるごとに調子を上げてきました。序盤は選手の組合せを試していたのもあるかもしれませんね。そして明日の組合せは9:15からの初戦がまさかの今日の最終戦と同じナナイロとTKM、またフェニックスとアルカスも予選プールの再戦になりますね。まあトーナメントの初戦の相手が予選と同じなのは、残念な気持ちにもなりますが、よくあるといえばありますね。ワールドシリーズでも日本がNZと同じ日に2回戦ったとか。そして最も注目なのは、ながとBAのシリーズ完全優勝なるか。明日の組合せは順調に上位チームが勝てば準決勝で日体大とぶつかりますね。

上位トーナメントに進んだ各チームの個人的な注目選手を考えてみました。まずながとはSHでゲームをコントロールする平野優芽選手、今日もPEARLS戦で追い上げられた後半最初のキックオフでインゴールに入ったボールを抑えて中央からのリスタートで、誰よりも先に準備して速攻を仕掛けてトライをアシストしていました。接戦の時にこそ活躍できる選手です。そしてそんなゲームに1プレーで流れを引き寄せるインパクトを与える大谷芽生選手、これまで大会MVPは貰っていない2人ですが、シリーズMVPを貰う可能性は十分にありますね。

追いかける日体大は松田凜日選手、今日も力強いランで何度もゲインしていました。BKラインでCTBに入って、チャンスをたくさん作ってくれるでしょう。日体大はリザーブ含めて選手の組合せや戦術が多い印象なので、明日はどんなメンバーで挑むかも楽しみです。フェニックスはBKラインを動かす大黒田裕芽選手ですね。BKラインの大外に原わか花選手、ニア・トレバー選手というトライゲッターを持つフェニックスですが、トーナメントでは相手の徹底したマークに抑えられて、ゲームの流れを掴めずにやられてきました。今日の試合を見ているとDFの裏へのキックが増えた印象です。DFで強いプレッシャーをかけて流れを掴めると、大黒田選手の仕掛けが面白くなるかなと思います。

そして明日の初戦で再びぶつかるTKMとナナイロ。両チームの日本代表選手に注目です。TKMはこの大会で復帰した松永美穂選手、今日も後半最初のキックオフでビッグタックルを見せて、流れを掴みました。ナナイロは中村知春選手、永田花菜選手、小笹知美選手らがいますが、中村選手が躍動するような場面が出てくるとチームの勢いもつくのではないでしょうか。そして他のチームでも日本代表経験者の活躍に期待しますし、サクラセブンズに加わってくるようなパフォーマンスを見せる選手が出てきてほしいですね。

最後にサクラ15のスペイン遠征に大会期間中にも関わらず、選手をリリースしたブレイブルーヴ、アルテミスターズは予選プールで3敗、RKUグレースも前回の8強から順位を落としました。一方でアルカス熊谷は8強入りを果たしました。チーム事情はそれぞれありますが、入れ替え戦回避を目指すチーム状況の中で、選手を代表に派遣したチームには明日も、そして8月の入替戦でも出場選手の活躍に期待したいと思います。