高校日本代表はイタリアに勝利して遠征終了

日曜の夜にイタリアで行われた高校日本代表とU19イタリア代表との試合、20日水曜の試合では最後の10分で2トライを奪われて20-22と惜敗してからの最終戦を36-27と勝利して、イタリア遠征を1勝2敗で終えました。協会の尽力もあり、YoutubeでLIVE観戦できたのはありがたい。これは女子の国際試合含めて、JSPORTSの中継がない試合では続けてほしいですね。

https://twitter.com/JRFUMedia/status/1771929489234379220
茗溪のキャプテンだった森尾くんは14番で出場、後半に2トライを奪う活躍でした
これは試合終了間際のトライ場面かな、この後足を攣ってましたが本当にナイストライ

日本協会HPの試合結果のお知らせは、こちら。当日の試合写真も見れますね。また試合内容についてはラグリパさんで得点の推移含め書かれているので、こちら「高校日本代表がツアー最終戦でU19イタリア代表を撃破。城主将「持ち味十分に発揮できた」

LIVEでチャット欄を見ながらの観戦でしたが、やはりDFが良かったというコメントは多かったですね。実際、ラックからの1stレシーバー(主にFW)に対して素早く前に出て1人目が低く刺さり、2人目が上に絡んでダブルタックルで相手を押し返す場面は多かったですし、イタリアも嫌がっていたと思います。その中で前の試合でもトライを奪ったラインアウトモールという自信のあるオプションを持っていたので、素早いDFで相手の反則を誘い敵陣に入ってプレーする、またキックチェイスで確実に捕まえて相手の重たいFWを後ろに下げる、日本が意図したゲームプランを遂行し、4連続トライを奪い前半はG前ラインアウトからモールをずらしてトライを奪われた終盤まで日本がゲームの主導権を握っていました。

後半は逆転を狙う5分にイタリアがラインアウトモールからトライを奪い12点差に詰めますが、それでも日本は慌てずに前半同様、DFでしっかり走ってプレッシャーをかけてほぼ敵陣でプレーし続けて14分に外に展開して14番森尾くんがトライ。その後も優位に進めますが、追加点が取れず。そしてイタリアが外に展開し、1対1の状況を個々の強さで突破し、オフロードで繋ぐようになると日本のDFが対応しきれず。ラインブレイクから一気にトライを許すなど、29分、33分、35分と立て続けにトライを許して4点差に追い上げられます。しかし追い上げるイタリアはトライ後のキックをすぐにDGで狙い失敗するなど、SH井上くんの正確なキックもあり、リードしたままのラスト。最後はキックできないイタリアのアタックを止め続けてカウンターラックから外に素早く展開しダメ押しのトライを奪いました。

花園で活躍した選手の集まりなので、今年は強いチームになるなと感じていましたが、それでも遠征初戦は負けました。選手、監督のコメントを見ても「自分たちがやりたいこと、個々がやるべき事が出来なかった」とあり、高校日本代表というコンバインドチーム、そして強豪国の選手との戦いでなかなか自分たちのチームとしての力を出し切るのは大変だったでしょう。それでも遠征で共に過ごす日々の中で大きく成長しての勝利だったのかなと思います。改めてどのカテゴリーにおいても厳しい試合の中で、どれだけ自分たちのラグビー、ゲームプランを遂行できるかの大切さを実感しました。選手、スタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。

春の高校選抜大会は8強が決まり30日に決勝戦

最後に春の選抜大会を少しだけ。九州王者の東福岡が初戦で目黒学院にラストで逆転負けというのが話題になり、いまブログを更新している中で準々決勝が行われています。茗溪学園は初戦で高鍋に勝利、日曜に行われた2回戦で中部大春日丘に14-21で敗れました。キープレーヤーの怪我もありますが、茗溪はほぼ春は毎年のようにFWのバトルで相手に押し切られて勝てない試合が多いです。ここからパワーもスキルも上げて、強くなっていくと思います。今年は8強に関東から4校も進出しましたし、高校ラグビーがどう展開していくかも楽しみです。

リーグワン観戦、Div.2の上位争いは浦安DRが競り勝つ

17日日曜はパロマ瑞穂ラグビー場で行われた豊田自動織機シャトルズ愛知と浦安D-Rocksの試合を観戦に行きました。シャトルズのコーチングスタッフの古川さんは2013年に一緒にJICAのプログラムでスリランカに派遣されて、1月の試合後に撮った写真では「お互い当時と変わらんな~」なんて話をしました。

古川さんは私の3つ上ですが相変わらず若い

試合の方はお互いDiv.1を目指す者同士、激しいぶつかり合いとなりました。前半はシャトルズの反則からG前ラインアウトのチャンスを作ったD-Rocksが2トライを奪いリード。シャトルズも反撃のトライを狙い攻め込みますがD-RocksのDFを突破できず、それでもPGを2本決めて8点差で前半を折り返し。お互い外国人選手を中心に接点では激しい攻防でしたが、前半はD-Rocksの方が攻守にわたってシャトルズを上回っていたと思います。

前半ラストプレーのPG、シャトルズ10番元イングランド代表フレディー・バーンズ選手のキックは素晴らしかった

そして勝負の後半、先に得点を奪ったのはシャトルズ。D-Rocksのキックからのカウンター、逆サイドのタッチライン際へのキックパスが追いかけたWTBの選手の手に収まる見事なトライに会場は大盛り上がり。トライ後のキックは惜しくもポストに当たり失敗しますが、11-14と追い上げます。その次はD-Rocksがエリア中央の攻防からオフロードパスでWTBの選手がラインブレイクするとサポートの選手に上手く繋いで突き放すトライを奪い、結局この3トライ目が決勝点になりました。

シャトルズは正面のPGを決めて5点差にしますが反撃はここまで

改めてハイライトを見ると得点シーンばかりですが、お互い接点での攻防は激しかったですが、その中でホームのシャトルズの選手が見せるハードなタックル、ボールキャリアーへのしつこい絡みは見事で(モールパイルアップが3回くらいあったような)D-Rocksのアタックを何度もターンオーバーするなど、DFで奮闘した試合だったと思います。一方でアタックではキックカウンターからの1本のみなど、敵陣でのチャンスをトライに結び付けられなかったのが残念でした(もちろんシャトルズのATを防いだD-RocksのDFが見事だったのもあります)。

この2チームがDiv.1の下位チーム(おそらく近鉄ライナーズは三重ホンダヒート)との入替戦に進みますが、やはりアタックをもっと得点に繋げられないと厳しいかなと思います。スクラムではお互い反則を取られる場面もありましたが、ラインアウト含めたセットプレーでも互角に戦えれば入替戦は面白くなりますね。また機会が合えば応援に行きたいと思います。

リーグワン観戦、三重Hは開幕からの連敗を脱せず

10日日曜は鈴鹿で行われたリーグワン第9節、三重ホンダヒートとリコーブラックラムズ東京の試合を観戦してきました。昨シーズンは現地観戦できなかったリーグワン、今年は三重、愛知、静岡の東海エリアの試合を訪れていますが、ヒートの試合は今季4試合目(スピアーズ、サンゴリアス、ヴェルブリッツに続いて)になります。

入場時に貰うマッチデイプログラムには後輩の植村君が表紙でコメントしていました

今季、昇格した三重ホンダヒートは開幕からいまだに勝利なし。序盤のクボタスピアーズ東京ベイとの試合では完封負けでしたが、徐々にチームの仕上がりは上がってきていますし、先日のパロマ瑞穂でのトヨタヴェルブリッツとの試合でも戦える場面は増えていたと感じました。

選手入場時、スモークを出したり、観客はスティックバルーンをたたいて盛り上げていました

対してブラックラムズも厳しい試合が続いています。昨季王者のスピアーズとの試合は試合終了直前にリードを奪うも、そこからPGを決められてまさかの逆転負け。ヒート相手にしっかり勝ってリーグ後半戦に向けて勢いをつけたいと思います。試合開始から激しいぶつかり合いでしたが、先制はブラックラムズ。ヒートの反則からG前ラインアウトのチャンスを作るとモールは押し切れませんでしたが、そこから10番中楠選手がショートサイドに走り込んで先制トライ。その後もヒートがシンビンを出た直後、再びG前ラインアウトをきっかけに追加トライを奪います。

1人少ないヒートの反撃はワイドなアタックで12番クリントン・ノックス選手がライン際をブレイクして敵陣に入って攻め続けると最後はG前のラックから10番呉選手が抜け出してポスト下にトライ。1人少ない状況で5点差に追い上げたのですが、そこからハーフタイムまでの少ない時間、トライを奪った直後にトライをあっさり返されて、さらに終了間際にもトライを奪われたのが大きかったです。前半を終えて7-24とスコアが開いてしまいました。

ブラックラムズは前半終了間際に4トライ目を奪ったのが大きかった

後半は風上になったヒートが開始から積極的に攻めて、キックを交えたエリア争いでも優位に進めます。リーグ序盤では大外に展開した時のハンドリングエラーが目立ちましたが、この試合ではかなり前に出れていました。それでも時間が経つにつれて、ここぞという場面でミスも目立って得点に繋げられないのが悔しいところ。後半はブラックラムズを0点に抑えたものの、返したのはモールを押し込んだ1トライのみ。14-24で開幕からの連敗を止めれずでした。前半トライを返した直後に失点しなければ、初勝利を狙える展開に持ち込めたと思います。

ヒートはキャプテンの古田選手を怪我で欠いたり、チーム状況は厳しいかもしれませんが、試合内容は良くなってきていると思います。この試合、セットプレーは安定していたと思いますが、ATではいかにイージーなミスを減らせるか、DFではいかに反則を減らして相手のチャンスを少なくできるか、当たり前ですがそこの部分が改善できれば良いですね。ホンダは再来週24日にダイナボアーズ、来月21日にブレイブルーパスをホームで迎え撃ちますが、また現地観戦に行ければと思います。頑張れ三重ホンダヒート。

サクラセブンズは見事な逆転勝利でLA大会9位

今日の未明から朝にかけて行われたLA大会3日目、女子日本代表サクラセブンズはスペインに14-12で競り勝つと、9位決定戦ではイギリスにリードを許すもチームを引っ張ってきたキャプテン平野選手が3連続トライを奪って24-17と見事な逆転勝利を見せてくれました。

頼れるキャプテン平野選手、これまで苦しい戦いが続く中での見事な勝利

朝6時頃に行われたイギリス戦は後半の途中までLIVE観戦していました。最初のキックオフでターンオーバーしての1stアタックを継続し、先週から縦に走り込むラインブレイク連発、絶好調の三枝選手が先制トライ。次のキックオフでもターンオーバーして攻め続けるなど素晴らしい入りでしたが、イギリスも徐々にアタックからリズムを掴むと、追いかけた平野選手がタックルに入った際に手がボールに当たるアンラッキーなノッコンでシンビンに。ここから前半のうちに逆転されたものの、6人でイギリスのアタックを我慢して止め続けるなど、これまでの戦いでの課題を修正して、仕上げてきた力を見せつけてくれました。

スクラムから持ち出して同点に繋げる独走トライを奪った平野選手

追いかける後半もシンビンが出て6人のイギリスのアタックを止めきれずに追加のトライを奪われる厳しい状況でしたが、そこからアタックを仕掛け続けてG前のラックからショートサイドに走り込んで追撃のトライ、マイボールスクラムから一気に走り抜けて同点につながるトライ、さらにラストプレーで攻め続けて逆転トライを奪っての勝利。大会最終日の後半に何度もインゴールまで走り切る平野選手のフィットネス、勝負強さにはあっぱれです。

奪ったトライはどれも鮮やかですね

日本協会HPにある大会後の選手コメントは、こちら。今年のシリーズは全8大会あり、5大会を終了。昨年のセブンズシリーズを過去最高の成績で戦い抜いたチームに新たな選手も加わり、パリ五輪に向けてチーム作りを進めてきました。ほかの国の強化も進み、なかなか大会上位を狙う8強入りを果たせずに来ましたが、今回9位で終えたことは4月の第1週に行われる香港大会に向けて良いですね。予選プールの組合せはカナダ、米国、スペインと同じになり、日本にとっては相性の良い相手だと思います(今大会は不調で11位になったフィジーと別で良かった)。この1か月でさらに鍛え上げて予選プールで2勝出来たらあっぱれですね。

4月5日から7日に行われる香港大会のプール組み合わせ

ブログ再開、今週末はセブンズLA大会

前回のブログが11月の第1週だったので、およそ4か月ぶりの更新になります。ワールドセブンズシリーズを戦った昨年は、久しぶりの大会8強入りを果たすなどコアチーム残留を果たした女子日本代表サクラセブンズ。今年のシリーズでは4大会を終えて未だに8強入りは果たせず、厳しい戦いが続いています。先週のカナダ、バンクーバー大会では予選プール初戦で豪州と2点差の接戦になるなど、実力は確実に高まっていると感じます。

シリーズ前半の4大会を終えての総合ポイントは12、スペインと並んでいます
バンクーバー大会のトライ場面を見るとFWの選手のトライが目立ちました

実際に試合を観ていると昨年に続き攻守にわたって周りの選手と連携を取り、プレー時間が長く続いても安定して質の高いプレーが出来ていますし、豪州戦は特にこれまででも過去最高のパフォーマンスだったと感じました。奪った2トライの場面も自陣からアタックを継続して取り切ったものです。DFでも左右の選手と協力してボールキャリアーを捕まえて、簡単なラインブレイクを許しませんでした。一方で簡単にトライを許してしまったフィジー戦は残念でした。DFではいかにして1対1のようなシチュエーションを減らすかが勝負の鍵です。

そんな女子日本代表、今週末は米国LA大会が行われます。バンクーバー大会では10位になり、今週末の予選プールではフランス、オーストラリア、アイルランドと同じになりました。日本協会HPにある大会登録メンバーと第1日、第2日のスケジュールは、こちら。オーストラリア、アイルランドとは1トライ圏内の接戦だっただけに何とか8強に進出したいところ。

昨年のシリーズでも活躍した主力選手を中心に、今年は代表復帰した堤選手、田中選手に加えて、このシリーズから新たに代表争いに加わった内海選手らが活躍していて、選手間の連携も大会を重ねるごとに高まっています。その一方でパリ五輪を控えたこのシリーズはほかの強豪国の強化も進んでいて、昨年は圧倒的に勝っていたNZも苦戦したり、アイルランドがシリーズ初制覇を成し遂げたりと大会ごとに順位の変動が多いので、日本もそれに加わりたいですね。頑張れ日本!