来年のニュージーランドW杯予選の話

新型コロナの第5波もだいぶ落ち着いてきましたね。大学ラグビーのシーズンも開幕し、ラグビーの話題が増える季節になってきました。女子日本代表は今日から26日まで市原市で合宿を行っています。予定されていたアジア予選の直前合宿のスケジュールで、FW22名、BK18名参加メンバーはこちら、大学生以下のTIDは13名ですね。もし予選が行われるとして、実際の遠征メンバーの数は30数名くらいになりますかね。テストマッチも2年弱行われていないので、先発メンバーも予想がつきません(苦笑)

来月行われる予定だったアジア予選、Asia Rugbyのサイトのカレンダーを見ても開催時期が未定になっています。どうなるかさっぱりわかりませんが、先週末はU18女子のセブンズ大会がウズベキスタンで行われるなど、徐々に国際大会も行われているのは良い流れですね。

ヨーロッパ予選は最終日を前に4チームが1勝1敗で並ぶ大混戦・・・

https://twitter.com/rugbyworldcup/status/1439662561138552839
ラグビーの試合でリーグ戦の4チームが1勝1敗で並ぶのは本当に珍しいですね

19日の深夜に行われたヨーロッパ予選の第2節、第1節で負けていたアイルランド、スコットランドが勝利し、上にある画像の通り、大混戦です。試合のフル動画はWorld RugbyのYouTubeチャンネルで見れます。

19日のスペインとスコットランドの試合のハイライト、開始早々に先制トライをしたスペインが快勝するかと思っていましたが、予想外の展開になりました。
19日のイタリアとアイルランドのハイライト、ホームのイタリアを相手に初戦のスペイン戦に負けて後がないアイルランドが魂のラグビーを見せて15-7で勝利

予選1位が本大会出場を決め、2位が最終予選に回り、3位以下は予選敗退となります。そして1位のチームが来年のW杯で日本と同じ予選プールBに入るだけに注目です。最終予選もこのヨーロッパ予選と比べると格下が相手になると思います。得失点差で1位のイタリアですが、次の相手はスペイン。調べたら2017年のW杯で戦っていますね、日本は同じ日に11位決定戦で香港に勝利して11位でした。

2017年のアイルランドW杯では最終日の9位決定戦で激突、HTでは3-3の同点でしたが、後半に3トライを奪ったスペインが22-8で勝利しています

そして2位のアイルランドはスコットランドと対戦。他の2チームに比べると、スコットランドは実力が劣りますし、過去に6か国対抗で毎年のように試合をしているので、優位に進めるでしょう。19日のイタリア戦はDFの激しさでイタリアを圧倒し、魂を感じさせる素晴らしい試合でした。Twitterに2トライ目の場面がありましたが、11番の走りが良かったので紹介。いずれにせよ、25日の試合で勝った2チームがW杯出場すると見てよいので、負ければ予選敗退の地獄。ホーム開催のイタリアは難敵スペイン相手でも負けられませんね。

自陣でキックをキャッチした11番の選手がイタリアのDFを何人もかわしてビッグゲインすると、そのラックから展開してトライ。ゲームを優位に進めました。

2試合ともしっかりフルで見たわけではないですが、2017年のW杯の時と比べると、選手全体のサイズ感、フィジカルが大きく増している印象です。日本の選手たちも大きくなったと前にブログで話しましたが、ヨーロッパの国々も同じでした。特にスペイン以外は6か国対抗で強豪のイングランドやフランスと毎年のように戦っているので、強化もそこに注力せざるを得ないのでしょう。今年、日本の平野選手がスペインの国内リーグに挑戦していましたが、男子はあまり強くないのに女子はセブンズでもワールドシリーズのコアチームにいますし、15人制でもW杯の常連なので、どういう強化をしているのか気になりますね。

一方で細かなスキルはまだこれからというか、日本のほうが優れているようにも感じます。2017年のW杯でも感じましたが、スクラムやラインアウトのセットプレーで優位に立ち、接点の攻防で簡単にやられない、粘ってラインブレイクを防いでいければ、十分に勝つチャンスはありそうです。来年のW杯に向けて試験的ルールの「50-22ルール(?)」を上手く使ったキックの攻防を身につけること、あとは個々のタックル力をつけて、1対1の場面で捕まえる(大きく走らせない)ことが出来るかどうかですね。2019年の日本W杯の日本代表のようなイメージ、女子の選手たちも持っているのかもしれません。ヨーロッパに渡って、海外リーグに挑戦する選手も増えて、本当に良い流れは来ています。後は国内の試合の充実ですね(苦笑)

目指せベスト8!頑張れ、サクラフィフティーン!頑張ろう、日本!!

女子15人制代表はW杯予選まで残り1か月

9月になりオリパラで暑かった夏も終わりに近づいていますね。五輪を終えたセブンズ代表が一休みしている中、女子15人制日本代表は来月行われるW杯予選に向けて、強化合宿を行いました。HPの合宿レポートはこちらFWのメンバーを中心にここ数年でウエイトトレーニングに励み、しっかりサイズアップしている印象です。海外の強豪を相手にするうえで、接点、コンタクトのファイトで戦える力が身についてきたのかなと思います(実際に戦う機会がないので実感するのが難しいのもありますが・・・)。

釜石市での合宿では日本代表のジャージを着ての試合形式練習も行われています。一般公開もしていましたが、実際に観戦できた方はうらやましいですね。レポートにある写真からそれぞれのチームの顔触れを見ると、紅白戦といったところで、これから来月のW杯予選に向けて、メンバーを固めて成熟度を上げていくのかなと。また岩手県大槌町出身の平野恵里子選手がメディアの取材対応で意気込みを語っていましたFNNのリンクはこちら。またラグビーリパブリックにも記事が掲載されていました、こちら。参加した選手のTwitterなどを見ても、非常に充実した合宿だったと伺えます。

一昨年11月のスコットランド戦から2年近くテストマッチを戦っていませんが、選手個々のサイズアップの努力と、合宿を重ねてきてW杯へ向けての強化は順調に進んでいる印象です。また15人制の試合経験を増やそうと海外に出る選手も増えてきています。昨年は横河の加藤選手、アルカスの鈴木選手が英プレミア、現在はアザレアセブンに所属している平野選手がスペインに渡って活躍していましたが、今年は春に日体大を卒業し横河に加入した小林選手、パールズの山本選手が新たに英プレミアにチャレンジするべく海を渡りました。そして英プレミアは昨日、開幕しました。

英プレミアについて、詳しくは知らないのですが、リーグ戦は長期に渡って行われます。試合映像も登録すればWebで見れるようです(私はまだ未登録です・・・)。日本国内では女子の15人制の公式戦は年間で5,6試合程度ですが、英プレミアは二けた、あわよくば20試合くらい戦うのかな。いずれにせよW杯ベスト8進出に向けて、インターナショナルレベルの選手が10名ほどいるのが条件だと考える中、レスリーHCが海外チームへ移籍するきっかけを作っているようです。思えば男子のエディーさんも2015年のW杯を前に豪州のスーパーラグビーのチームに選手を派遣するきっかけを作っていたと聞いたことがあります。少し前はNZに留学してチャレンジする選手もいましたが、遠いヨーロッパの地で活躍する選手が増えるのは驚きとともに、大きく成長してくれるのを期待せずにはいられません。

なお来月に行われるアジア予選について、未だに会場は発表されていませんが、2日土曜にカザフスタンと7日木曜に香港とそれぞれ戦います。World Rugbyにある世界ランキングでは日本が12位、カザフスタンが15位、香港が18位です。相手の情報も少ない中での戦いになりますが、アジア予選を圧勝して来年NZで行われるW杯に繋げたいですね。ぜひ生観戦したい。

またアジア予選を1位で突破すると予選プールで米国、カナダと戦います。これまでヨーロッパ遠征や豪州遠征を行ってきましたが、北米の強豪2チームとは15人制で試合をしたことがおそらくありません。ベスト8進出に向けて、本大会までに試合する機会を作ることで、相手を知り、より具体的な対策を練れるかと思います。ただレスリーHCはカナダ人ですし、この辺りは協会のマネジメントになるのかもしれませんが、何とか実現させてほしいですね。

大学ラグビーもいよいよ開幕しますが、女子ラグビーも大事なW杯予選に向けて、一層強化に励んでほしいですね。頑張れサクラフィフティーン!