パリ五輪、女子セブンズは2連勝で9位決定戦へ

女子セブンズ2日目、予選プールの最終戦、ブラジルを相手に7トライを奪って39-12と大勝するも全体9位扱いで下位トーナメントへ。そして南アフリカ戦、先制を許して終始追いかける厳しい展開になりましたが、残り3分を切ってから2トライを奪い15-12で逆転勝利。明日の9位決定戦に進出を決め、リオの10位を上回るチャンスを得ることが出来ました。あっぱれ。

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2日目は2戦2勝!いい表情!かっこいいね、サクラセブンズ!

初日は米国、フランス相手にまさかの大敗で苦しかった日本

メダル獲得を目指して挑んだパリ五輪、初日を簡単に振り返ると初戦は米国を相手にマイボールのキックオフからターンオーバー、そこからアタックを1分近く継続して攻め込み、最後は水谷選手が抜け出してポスト下にトライする最高の立ち上がりでした。しかし次のプレーで米国の選手の走りを捕まられずに同点にされると、そこからはフィジカルの優位性を強みに出した米国がキックオフでも競り勝って主導権を握ると、日本は防戦一方になりDFでも狙い通りのタックルが出来ず、米国に上手く繋がれて失点を重ね、7-36で敗れました。

そして開催国のフランスとの2戦目、0-49というスコアはちょっと予想外でした。フランスは初戦のブラジル戦に26-0と勝利するも内容はいまいちでした。そこから上手く修正して、さらにホームの大声援(Xでは観客数は6万を超えたとか)を受けて、日本を相手に圧巻のパフォーマンスを見せました。それはもう止められない、止まらないというか、言葉にならない感じで、トライチャンスも作れず、日本との力の差を見せつけられた試合でした。

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別のポストでは、unbelievable performance、と書かれたこのフランスは本当に強かった

ブラジル戦の快勝から勢いに乗って南アフリカを逆転で撃破

初日の大敗から8強入りはかなり厳しくなった状況で、切り換えて挑んだ予選プールの最終戦はブラジル。リオ五輪で2試合、東京五輪でも戦いましたがお互い強豪国を相手に勝利を掴めず、この相手には勝たないといけない。試合前はそんな気持ちだったかもしれません。日本は開始直後に堤選手がトライを奪って、勢いに乗り前半だけで4トライ。後半も3トライを奪ってブラジルの反撃を2トライに抑え、39-12で快勝。日本が目指すラグビー、やりたいプレーが出来たと多くの人が感じる試合内容だったと思います。

男子代表と同じく9位決定戦トーナメントにまわって迎えた南アフリカ戦。この試合はパリでの初勝利を目指す南アフリカが攻守に強気のプレーを見せ、サポートも早くて日本はDFの時間が多い試合でした。それでも良い連携を見せてボールキャリアーに食らいつき、反則もせずに止めると勢いは南アフリカから徐々に日本へ。5-12と追いかける状況で残り時間が減る中、相手の反則からすぐに攻めると終盤に梶木選手が2トライを奪って逆転。最後のキックオフでも相手にアタックを許さず逆転勝利。追いかける展開の後半には交代出場した選手を含め、皆が冷静に良いパフォーマンスを見せて勝った見事な試合でした。

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80mの独走で1トライ目を奪った原わか花、必死の表情がNZのエースにそっくり

パリ五輪、男子は12位で終了、そして次は女子セブンズ

日本時間の27日23時半から行われたウルグアイとの11位決定戦、日本は前半に3トライを奪われて追い上げるも10-21で敗戦。前回の東京五輪では韓国に勝って11位となりましたが、パリでは勝利を挙げられずに終わりました。

試合内容についてもキックオフで競りに行った後、ショートに走り込んできた相手にラインブレイクを許していきなり先制されると、さらにDFで粘れずに追加のトライを許す展開に。追い上げる後半、ウルグアイにシンビンが出て数的優位な状況の中で得たチャンスにもトライに繋がるアタックが出来ず。言い方は良くないですが、日本としてどんな戦いを見せて勝ちにいくのかよくわからない、伝わってこないそんな3日間でした。それでも選ばれた選手は必死に頑張ったと思います。お疲れ様でした。

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選手は全力で挑んだと思いますが、ほかの国との力の差は明らかでした。悔しい。

そして決勝に進んだのはリオ、東京に続いて3連覇を目指すフィジーと開催国としても大会初の金メダルを狙うフランス。予選プールではフィジーが勝ちましたが、決勝で再戦することになりました。前半を7-7で折り返した後半、交代出場した15人制代表でも活躍するSHデュポンが全てのトライに絡む大活躍を見せて、スタンドの大声援を受けたフランスが28-7で勝利。スコアほどの差はないですが、後半のフィジーはDFで反則が目立ったのが敗因ですかね。

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デュポン選手、まさにキングといった活躍でした。大会を盛り上げる金メダルおめでとう!

8強入りを目指しての戦いが始まるサクラセブンズ、期待は高まります

そして今日28日の夜から女子セブンズが始まります。大会の登録メンバーも発表されました。バックアップに大竹選手、辻崎選手というワールドセブンズシリーズでも活躍を見せる選手が控えているほど、充実している印象。最下位に終わった東京からの3年間、鈴木HC体制でワールドシリーズへの昇格、セブンズW杯など結果を出し続けてきた中で迎えるパリ五輪、活躍を期待せずにはいられません。初戦の米国戦は23:30から、そして3時半から開催国フランスと。

大友さんのポストから、一部の選手はワールドシリーズとの背番号が変わっていますね
昨日UPされていました、いいトライばかりだ

昨日の開会式、今日の男子セブンズと雨が降っていたのが心配になったのでYahooで調べてみましたが、今日からの3日間は晴れ予報(最高気温は30℃弱)。コンディションはだいぶ良さそうです。このシーズンの試合を見ていても、日本は簡単にトライを与えない粘り強いDF、ATでも素早い球出しからラインブレイクを見せるなど、強豪国にも攻守に渡ってしっかり戦える印象です。なので勝負の分かれ目として大事になるのがキックオフの攻防ですね。男子はここでレシーブが出来ずにトライを奪われてしまう場面が少し目立ちました。

予選プールの初日に戦う米国、フランスはともにフィジカルとサイズに優れていて、1対1の戦いになると正直分が悪い。このシーズンでも中央スクラムからの1次ATで止められずにトライを奪われたりしました。相手の国から見れば、日本にはシンプルに個々の勝負に持ち込んでくるはずなので、日本としては強みの連携を崩さず、DFではいつも以上に素早いプレッシャーをかけて良いアタックをさせず、ゲームの流れを掴みたいところ。ATでは素早い球出しからの仕掛けでチャンスは作ると思うので、あとは接点で絡まれた際にボールをミスせずリサイクルしたいですね。

協会HPの合宿レポートから、立動戦の文字に注目

パリ五輪、男子セブンズは4連敗で11位決定戦へ

前回の更新から1か月ほど空きました。今月上旬にはパリ五輪の男女登録メンバーが発表されたりしましたが、気づけば今日の深夜にパリ五輪の開会式が行われます。3年前の東京五輪からあっという間の3年間という気がします。開幕前に始まった球技種目、男女のサッカーの初戦が話題になる中、男子7人制ラグビーは24日と25日に試合が行われ、4試合とも大敗という残念な結果になっています。日本協会HPの2日目の結果お知らせは、こちら

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サモア戦後に行われた決勝トーナメント、南アがNZにリベンジするなど白熱した試合ばかり

もともとあった強豪国との実力差がそのまま結果に現れた男子セブンズ

全ての予選プールの結果を見ましたが、3戦3敗の日本の得失点差は-107、同じ3敗でもケニアは-59、ウルグアイは-51でした。日本のプールに入った国がNZ、アイルランド、南アフリカという15人制の現在の世界ランクの上位3か国という厳しい組み合わせとはいえ、未明に行われたトーナメントのサモア戦も含めてどの試合でも40失点以上取られています。私は南アフリカ戦を除く3試合をLIVEで見ましたが、ボールを大きく動かしてアタックするものの、相手DFにターンオーバーされてしまうとそのままトライまで持っていかれる場面が目立ちました。

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予選プールの勝敗と得失点差はこちら

パリ五輪を前に日本代表はワールドセブンズシリーズのコアチーム昇格を目指してチャレンジャシリーズに参戦していましたが、シリーズの合計ポイントで8位に終わり上位4か国が進む昇降格プレーオフに進めませんでした。東京五輪で11位に終わってからパリ五輪を目指した3年間、アジア予選は突破したもののそれ以外では正直思うような結果が得られないまま、パリ五輪本番でも強豪国を相手に厳しい試合ばかりです。

個人的な印象ですが、チームとして以上に個々の選手の力が大きく差があるのかなと。1対1のDfではボールキャリアーを止められずハンドオフで飛ばされたり、ステップで抜かれてそのまま独走されたりする場面を見ました。トライ場面もDF裏のスペースへのキックをチェイスして鮮やかに奪ってはいるものの、裏を返せばそれまでの仕掛け、継続からインゴールまでもっていく力が足りないのかもしれません。男子セブンズは開会式のある26日に試合は行われず最終戦は27日土曜の23時半から南米のウルグアイと戦います。日本代表が目指してきたプレーを見せて勝利して欲しいです。