いよいよトップリーグが開幕!明日は瑞穂で全国女子選手権!

2月20日、開幕直前に延期になったトップリーグが開幕しました。今年は最後のトップリーグ、そして2019年のW杯で活躍した海外の代表選手の加入もあり、注目が集まっていると感じます。どの試合も見所がありそうで、楽しみですね!

強風の成田で行われたクボタとサニックスの開幕戦はクボタが快勝

昨日から暖かい天気が続いた関東地方。成田で行われた開幕戦も雲のない良い天気でしたが、試合の2時間前から風が強く吹き始めて、試合中もバックスタンドのフラッグが大きく真横になびくくらいの風が吹いていました。

前半は風上のサニックスに対して、クボタはあまりキックを蹴らずスクラムを中心に攻め込みました

前半は開始からクボタがG前に攻め込みますが、サニックスもしっかりDFしてラックでのファイトからボールを奪い返します。クボタが先制し、その後も攻め込みますがサニックスのDFがパスをインターセプトをして同点に。その後も拮抗した展開になりましたが、終了間際に相手の反則から攻め込んだクボタが、強みのスクラムに拘ってG前のスクラムを押し込み、No.8の末永選手がトライ。17-7でハーフタイム。

後半は風上に立ったクボタが良いアタックを見せて、20分までに4連続トライを奪い、勝負を決めました。BKがワイドに展開してのトライ、敵陣深くに攻め込んで外にポジショニングした外国人選手がDFをかわしてのトライ、相手ラインアウトからのパスをインターセプトしてのトライなど、様々なパターンでのトライを奪いました。そこでリザーブの選手を入替えるも、36点差を追いかけるサニックスが粘りを見せて2トライを返しました。クボタはファンが注目していた早稲田OBの岸岡選手も出場。得意のキックやDFの裏に抜け出したプレーもありましたが、追加点は奪えず43-17で終了。

試合後に発表されたMOM(Man of the Match)はクボタ2番のマルコム・マークス選手。前半からスクラムをリードし、ボールを持てば強引に前に出て、DFではジャッカルを決め、後半にはトライを奪うなどの活躍を見せました。後半途中からミスが増えて苦しい展開にはなりましたが、トライした場面以外にも、良いプレーがたくさんあったので次の東芝戦も楽しみですね。

クボタは風上の後半は敵陣でプレーする時間が多く、たくさんのチャンスを作っていました

明日行われる全国女子選手権は試合登録メンバーが発表

そして今日、トヨタと東芝の開幕戦が行われたパロマ瑞穂ラグビー場で明日は全国女子選手権、関東代表のMorning Bears(アルカスクイーン熊谷と自衛隊体育学校の合同チーム)と関西代表の三重PEARLSの試合が行われます。今年はW杯アジア予選を控えていたこともあり、昨年行われた準決勝はなく東西代表の決勝戦のみを行います。試合メンバーも協会HPに発表されています ⇒ こちら

両チームとも試合登録メンバーは23人を満たしていません。女子ラグビーも選手が増えてきましたが、まだまだフロントローの選手が少なく、15人制のプレー機会も十分ではありません。そんな中、日本一を決める明日の試合はどんな試合になるか。関西代表の三重PEARLSはバックローの3人、伊藤選手、末選手、齋藤選手が日本代表経験のあるプレーヤー、SOの山本選手はキックに長けた選手。2年前は日体大の主将として日本一を経験しています。それと突破力のある2人の外国人選手も注目ですね。

一方で関東代表のMorning Bearsは先日の関東大会の決勝戦と同じ先発メンバー。リザーブに立正大の谷山選手、元セブンズ代表の鈴木陽子選手が入りました。PEARLSを相手にスクラムで圧倒できるかどうかが勝負の鍵です。前半でPEARLSのアタックを粘り強いDFで止めて、強みのセットプレーで優位に立てば、得点を積み重ねる展開にもなるかもしれません。交代で出てくる選手も前に出たり、キックに長けた強みのある選手なので、PEARLSは前半から積極的に仕掛けてリードしたいですね。

私の予想では序盤はお互い接点で激しくぶつかるなかで、どちらが反則せず、相手にプレッシャーをかけられるか。個人で一気にトライまで持っていける選手がいないとなると、チームとしてDFでプレッシャーをかけてターンオーバーからチャンスを作れるか、ですかね。拮抗した展開が続けば、後半に層の厚いMorning Bearsが優位に立つかなと思います。いずれにせよ、日本の女子最高峰のプレーを見せて欲しいですね。

試合はYoutubeでLIVE中継されるので、Twitterで実況でもしながら楽しく見たいと思います。頑張れ女子ラグビー!

遅くなりましたが関東大会最終節を振り返って

2日に関東大会を終えてから、次は21日の全国選手権、そして来月のW杯アジア予選だ、と思っていましたが10日にアジア予選が再び延期との報告がありました。日本協会HPの記事はこちら。もともとは昨年3月に行われる予定でしたが、新型コロナの影響でついに1年以上も延期になっています、9月にNZで行われる本大会の半年前になっても参加12か国は決まらないようですね。国際大会の開催は未だ厳しい状況です。

国内は延期になったTLの開幕が近づいていますが、その影響で2日の関東女子大会の取材はこれまでで一番多かったです。本当にありがたいですね。試合の内容もそれぞれ最終節にふさわしいレベルの高い内容でした。

最終節は日体大、Morning Bearsがそれぞれ勝利

大会の様子については、すでに大友信彦さんがフォトレポートと大会ドリーム15をUPしていますので、そちらをご覧頂き、プレーの激しさを感じて欲しいですね。
3位決定戦レポート ⇒ こちら
決勝戦レポート ⇒ こちら
大会ドリームフィフティーン(有料記事) ⇒ こちら

3位決定戦は2月なのに暖かく、熊谷なのに風もほとんどなく素晴らしいコンディションでした

3位決定戦は接戦が予想されましたが、前半に1本ずつ取り合ってからの中盤で日体大が13番小林選手の自陣10m手前からの独走トライを含む3連続トライを奪い、24-7と大きくリード。RKUグレースは厳しい状況の中、15番寺内選手がDFの裏にショートパントを蹴って自ら取ると捕まりながらもオフロードで4番ジェニファ選手に繋ぐと、さらに外にサポートした11番星選手に繋いで走りきりトライを返しました。このトライはもし大会ベストトライがあればノミネートされるくらい素晴らしいトライでした。

日体大はセットプレーでも、FWが工夫をして良いアタックに繋げました

後半もリードしている日体大が敵陣で攻める時間が多く、優位に進めました。後半終了間際には敵陣22mでのラインアウトから、交代出場の21番中山選手が抜け出してトライ。高校生で日本代表デビューした中山選手、秩父宮で行われた香港戦を私も観戦していましたが、CTBでボールキャリアーでどんどん前に出る印象がありました。大学に入学してからは怪我に悩まされて、なかなか思うようなパフォーマンスを発揮できていなかったのが正直な印象ですが、最後のトライ場面はそういった想いがこもっていたかもしれませんね。後半のグレースは得点を奪えず、36-12で勝利しました。

決勝戦は予想通り、最後まで見応えのある80分でした

ラインアウトの攻防、アルカスの公家選手、フェニックスの鈴木選手は風が強まる中でもしっかりしたスローイングを見せて、試合をリードしました

決勝戦のキックオフを迎える頃には風が強まり始め、後半途中でテントを片付けるくらいの強さになりました。決勝戦は開始早々にMorning Bearsの8番黒川選手が敵陣10m過ぎからPGを狙い、惜しくも外れましたが、キックスキルが高くて驚きました。少し前だったらプレースキックが苦手で試合でPGを狙うことがそもそもなかったのが女子のレベルでした。試合もお互いDFで相手をひっくり返すようなタックルやスクラムでの押し合いなど、お互いが全力でぶつかり合う見所がたくさんありました。

そんな中で勝負を分けたプレーの1つが前半終了間際のMorning Bearsの2トライ目でした。元はTKMフェニックスが自陣中央でペナルティーを獲得し、そこを起点に仕掛けようとスクラムを選択。それに対してMorning Bearsがスクラムを押し込んでペナルティーを奪い返しました。敵陣でチャンスを得た結果、G前に攻め込んだ左のラックから外に大きく展開して13番伊藤選手(PTS)が追加のトライを奪いました。

10-3とMorning Bearsがリードして向かえた後半も風上のMorning BearsがPGを決めて10点差にすると、その後もG前に攻め込んで、交代出場の20番今釘選手がDFの裏にショートキックを蹴って追いかけてきたDFに競り勝ちインゴールで抑えて20-3とリードを拡げます。TKMフェニックスは追いかける厳しい展開の中でもアタックで前に出続けます。交代選手を投入して苦しい終盤の時間帯に3トライを奪う反撃を見せましたが届かず、25-20でMorning Bearsが勝利しました。優勝したMorning Bearsは21日にパロマ瑞穂ラグビー場で行われる全国選手権で、関西協会推薦の三重PEARLSと日本一をかけて戦います。関東代表として、ぜひとも日本一になって欲しいです!

決勝戦と表彰式の終了後には、囲み取材の密を避けるのもあり、簡易的に記者会見を行いました。

今年の関東大会は全勝チームがない大会でした。予選プールでは単独チームの日体大、RKUグレースがそれぞれ強みを見せて、接戦をものにしていました。決勝に進出した2チームは11月の予選1試合目から試合を重ねる毎に、チームの成熟度が上がり、ミスが少なくなり、さらにプレーの激しさも加わり、強くなりました。決勝戦も3位決定戦も本当にレベルの高い戦いでした。関係者の話では、2019年のW杯でも使用された熊谷Aのロッカールームは、入るだけでテンションが上がるみたいで羨ましいです。今は試合日程を無事に終えることが出来、一安心しています。今後も関東大会で厳しい試合を経験することで、日本代表の強化にも繋げてほしいですね。

最終節を無事に終えた熊谷ラグビー場第2グランド、素晴らしい試合をありがとうございました。

関東女子大会決勝戦は明後日7日

2月に入りました。今年の節分は2月2日だったのが朝からずっと違和感あったのですが、124年ぶりだったことを知ったのは夜遅くでした。立春を過ぎて春が近づいてきたか、今週末の関東地方はかなり暖かくなるようです。7日に行われる関東女子大会の最終節も良い天気の中で行われるみたいです(前回は雪の心配をしていたので・・・)

3位決定戦はRKUグレースと日体大の大学生対決

1月24日に行われた準決勝では、RKUグレースはMorning Bearsに0-29、日体大はTKMフェニックスに12-17でそれぞれ敗れました。先ほど関東協会から発表された先発登録メンバーに準決勝から若干の変更がありました。試合前の予想としては前回の戦いぶりを見ると、運動量に勝る日体大が有利かと思います。日体大はキックを上手く使いながら敵陣でのプレー機会を増やせるか。RKUグレースは強力FW陣がスクラムとモールでどれだけ優位に立てるかですね。FW戦での勝敗が試合に影響を与えそうです。

大学4年生は明後日が所属チームで最後の試合になるかと思います。最後に勝利して卒業したいですし、4年生の決意がぶつかるような試合になりそうで、楽しみです。

日体大のバイスキャプテンは柏木選手、パワフルなボールキャリアーは日曜もNo.8で出場予定です

決勝戦は両チームとも日本代表選手が多く、接点が激しい試合になりそうです

決勝戦は準決勝で昨年度優勝のRKUグレースを相手に、接点と運動量で圧倒したMorning Bearsと、運動量に優れる日体大を相手に試合終盤に逆転トライを奪ったTKMフェニックスの試合になりました。個人で試合を動かすようなプレーが出来る選手が多く、勝敗の予想は難しいですね。TKMフェニックスはフィールドを幅広くポジショニングし、外にいる強力なランナーがアタックをリードします。Morning Bearsはキックを上手く使いつつ、粘り強い連携の取れたDFを見せていました。接点でのバトルは激しくなりそうで、終盤まで競った展開になると予想します。その中で後半に出てくる交替選手がインパクトを与えるプレーやキックを上手く使ってエリアを進めるMorning Bearsが接戦になると優位かと思います。TKMフェニックスはDF時の反則をどれだけ少なく、規律良く試合を出来るかが鍵ですね。いずれにせよ、前半開始からまずはどちらがのチームがゲームの流れを掴むか、注目です。

Morning Bearsの中心選手、自衛隊体育学校の平山選手はFBで出場予定。正確なプレースキックと後ろからチームをリード出来、日本代表でも活躍しています。
TKMフェニックスはこれまえリザーブスタートだった、レイヤモ・アテカ選手が14番で先発予定。Morning Bearsの対面のWTBである本間選手、谷口選手は共に日本代表選手。外の1対1は注目ですね。

全国選手権は関東王者と関西代表の三重PEARLSと21日に行われます

関東大会の優勝チームは21日に行われる全国選手権に出場します。日本協会のHPにも開催情報がアップされました ⇒ こちら。会場は瑞穂ラグビー場で相手は関西協会推薦の三重PEARLSになります。PEARLSはこの1年で唯一の公式戦だとか。どんな試合になるのか楽しみで、LIVE中継も行われるそうです。2年前はここで東西対抗戦が行われましたが、この時期に瑞穂ラグビー場で女子ラグビーの試合が出来るのは嬉しいですね。

当時の東軍メンバーの多くが日本代表でも活躍しています
東軍の野澤ヘッドコーチと大田尾アタックコーチ、短い準備期間でチームを仕上げました

まずは日曜の3位決定戦、決勝戦が無事に終えられるように頑張ります。その後は全国選手権、そして来月はW杯のアジア予選が香港で行われる予定です。女子ラグビーには大切な春です。しっかり盛り上げていきましょう。