1月30日にレズリー・マッケンジーHCの就任記者会見が行われました。日本協会のHPにも記者会見の様子がUPされています。
先日のブログでは参加メンバーについて書きました。今回の会見は多くの取材陣が集まり、他にも多くの記事を読みました。ここではラグビーリパブリックの記事のリンクも載せますね⇒「サクラウエーブで独自性。女子15人制代表・マッケンジーHC、強化展望語る。」
レズリー(Lesley McKenzie)HCの経歴も載せてみました。日本協会のHPにも掲載されています。W杯にはカナダ代表で2回出場、加えてNZでもコーチング歴があるのは素晴らしいことだと思います。私も2015年にウズベキスタンの男子15人制と女子7人制を指導しましたが、それはあくまで経験。コーチングをしっかり学ぶ上でNZという環境を選んだのは間違いないでしょう。
●選手歴
1999-2006 ブリティッシュコロンビア大学 HO/FL
2004-2011 カナダ代表 HO(カナダ代表25Caps、女子ラグビーワールドカップ出場2回=2006年、2010年)
2008 ジョンソンヴィル・ラグビークラブ(NZ・ウェリントン) WTB/FL
2009-2012 ワイヌイオマタ・ラグビークラブ(NZ・ウェリントン) FL/HO
2008-09 ワイヌイオマタ・ラグビーリーグ(NZ・ウェリントン) セカンドロー・フォワード
●指導者歴
2008-2011 ブリティッシュコロンビア大学女子ヘッドコーチ
2012-2015 ウェリントン・ガールズ&ウィメンズ デベロップメントコーディネーター
2012 カナダ FISU セブンズチーム ヘッドコーチ *FISU 国際大学スポーツ連盟
2015-2018 ワンガヌイ デベロップメントオフィサー(Wanganui NZ)
2015-2018 ハリケーンズU18デベロップメントキャンプ リソースコーチ
2016-2017 ワンガヌイ女子セブンズ ヘッドコーチ(Wanganui NZ)
2016-2018 ハリケーンズU20バーバリアンズ、U20ハートランド アシスタントコーチ
2017-2018 ワンガヌイ・マリスト・セルティック男子Div 1 ヘッドコーチ
2018- 女子7人制日本代表アシスタントコーチ
2017-2018にNZの男子のDiv.1のクラブのヘッドコーチをしています。私も2012年にNZにコーチング留学させてもらい、ノースハーバー地区のクラブチームで4ヶ月ほどお世話になりました。NZのクラブのトップチームで指導した経歴が気になったので調べてみました。ワンガヌイ地区はNZ北島の南、首都ウェリントンから北におよそ200km離れた地区です。
ワンガヌイ地区のプレミアリーグの戦績(英語)を見ると、8チームのリーグで8勝6敗と勝ち越して5位でした。ボーナスポイント見ると1位のチーム(10勝4敗)と同じ11ポイントなので、上位チーム相手にも接戦が出来ているわけのではないでしょうか。私も女子の指導に苦労しましたが、女子が男子を指導するのはそれ以上の苦労がある気がします。何よりそういった経験のある女子の指導者を見たことは正直ないというか、聞いたことはありません。
昨年5月のNZヘラルド紙に、レズリーHCがワンガヌイ協会を離れることが記事になっていました⇒Wanganui Rugby Union development officers Justin Lock and Lesley McKenzie leave the nest
軽く目を通しましたが、ワンガヌイ協会にたくさんの貢献をしていたのが伝わってきました。 レズリーHCは2021年のW杯に向けて「サクラウェーブ」という言葉を挙げたそうです。イメージは上記のリンク先にも書かれていますが、私は男子代表HCのエディーさんやジェイミーさんと同様、「日本ラグビーの独自性」「オリジナル」といった部分を強みにしていく意向なんだと思います。今の時代、国際レベルでオリジナルのスタイルを築き上げるのは非常にハードルが高く、難題です。
サクラセブンズと比べて、選手を集めての合宿など拘束時間など強化費用も限られる中でどれだけ強化を進められるか。正直、今の環境のままでは頑張って鍛えても2017年W杯と同様の結果になるかと個人的には予想しています。協会がどのように代表チームの強化を進めていくかのビジョンを提示したり、代表に関するスケジュールなどの情報を公開して、周りの関心を高めるかも含めて今後の動向に注目しています。
ともあれようやく動き始めたサクラフィフティーンの活動、W杯出場を目指す選手たちのモチベーションは高まっているでしょうし、2月は関東大会に加えて関西大会も行われます。代表も7月にオーストラリア遠征を予定しているみたいで、もしかしたらオーストラリアのスーパーラグビーの女子チームと試合する機会などあるかもしれません。まずは国内で15人制の試合経験、それも80分間なるべく高い強度で最後まで勝敗がわからない接戦を戦い抜くような経験を積み重ねて欲しいですね。その先に日本人よりもサイズもスピードもある海外の強豪国とのテストマッチの勝利を信じて。
最後にヨーロッパでは伝統のある6カ国対抗戦がいよいよ開幕します。女子の試合も行われ、2017年W杯で日本と戦ったフランス、アイルランドなどの強豪チームはここで試合経験を積み重ねています。今週末は女子のワールドセブンズシリーズのオーストラリア大会もありますね。時間があればYoutubeで海外の試合も見て、ブログに観戦記を載せられたらと思います。