セブンズ日本代表は男女ともに明日メダルに挑戦

ブログの更新が滞っているうちに杭州アジア大会が開幕し、7人制ラグビー競技も2日目が終了。金メダルが期待されている男女のセブンズ日本代表はこの2日間を全勝で男子は明日行われる香港との準決勝、女子はライバル中国との決勝にそれぞれ進出しました。

試合映像は見れていませんが、大谷選手のダイナミックな走りは今回も健在ですね

サクラセブンズに関していえば、以前のブログでこのアジア大会の登録メンバーはサクラセブンズ史上最強みたいな話をしましたが、これまでの4試合で奪われたトライは香港の1本だけ。スコアを並べると57-0、45-0、22-5、26-0と順調な印象。ライバル中国は準決勝の香港に33-0と快勝し、ホームの声援を力に調子を上げてきている印象です。明日の決勝戦は18:40から、19時には速報が出ると思います。前回のインドネシア大会での決勝はロースコアで最後までしびれるような展開だったと思います。今年は力の差を見せつけて連覇を果たしてほしいですね、頑張れ日本!

写真は前回大会での表彰式、明日も金メダルをぶら下げて欲しい

そして男子の方は、日本協会のHPでも結果が記載されています、こちらまた中国遠征レポートを見ると、ミーティングでの試合ジャージのプレゼンテーションではプレゼンターを柔道の井上康生さんが務めたそうです。これもアジア大会ならでは、ですね。これまでの3試合はスコアだけ見れば苦戦することなく勝ち上がっています。明日の2試合は接戦になると思いますが、男女のアベック優勝を果たして、ラグビーW杯フランス大会を戦う日本代表、そしてイタリア遠征中のサクラフィフティーンに勢いを与えたいですね。頑張れ日本!

サクラフィフティーンはWXV2に向けてまずはイタリア遠征に出発

国内でフィジーを相手に連勝した女子日本代表サクラフィフティーン、24日にイタリアに出発しました。協会HPでは遠征メンバーが発表されています、こちら。私が現地観戦できた福岡での1戦目で担架で運ばれて交代したベテラン櫻井選手が外れているのは残念。RUGBY JAPAN 365掲載の秩父宮でのフィジー戦の試合レポートはこちら ⇒ 「サクラフィフティーン、テストマッチ2連勝!長田いろはが苦しい時間帯で見せた「キャプテンズトライ」!」

https://www.youtube.com/watch?v=9N38rjlJjHs

ハイライトを見る限り、フィジーのオフロードパスにだいぶ苦戦していたようですし、フィジーも日本のDFから得点を奪うにはそこで勝負に来ていたはずです。36失点はテストマッチでは負けるスコアですが、それ以上に得点を奪って同じ相手に連勝できたのは良かったですね。課題を引き続き修正して、日本時間30日土曜の深夜2時からイタリアとのテストマッチ。サクラフィフティーンについては、今週中にまたブログで更新出来ればと思います。以上。

W杯第2戦目はノートライの負け、茗溪学園中学が全国優勝

昨日18日は未明4時からラグビーW杯の日本代表とイングランド代表との試合が行われました。前回大会で準優勝、過去に10試合戦っていまだに勝利したことのないイングランドを相手に後半途中まで良い戦いを見せて接戦に持ち込むも、トライを奪えずに終盤に突き放されて12-34で負けてしまいました。

この試合、前半は非常によく戦いました。相手に1トライを与えて9-13というスコアでしたが、昨年秋の試合ではスクラムでやられてゲームの流れを掴めませんでしたが、この試合では互角以上に組みました。相手のDFライン裏へのキックに対しても松島選手、マシレワ選手の負傷で急遽出場したレメキ選手らが良く対応してチャンスにするような場面もありました。ただ日本からのキックに対しては相手のFBスチュワート選手が196㎝の高さとジャンプでコンテストに勝っていましたね。日本が準備してきた戦いをしっかりフィールドで見せられたことが9-13というスコアにも表れたと思います。

一方で後半は徐々に疲れも出てしまい、終盤に攻め切ることが出来ずトライを奪われていました。これについては、前イングランド代表のエディーさんがWEB媒体の「THE ANSWER」で特別観戦記を投稿していました⇒「日本は前回W杯以来、最高の40分間だったが…」 両国とも指揮したエディー・ジョーンズが見た後半暗転の深層【特別観戦記】

エディーさんは記事の中で「メンタルフィットネス」という言葉を用いていました。精神的なタフさと持久力、日本は強豪イングランドを相手に最後までそこが持たなかったというところです。日本代表はこの10数年でW杯で決勝トーナメント進出を狙うくらいに強くなりましたが、それでも格上の強豪国に勝つには80分最後まで自分たちのラグビーをやり切らないと勝てない。それが2015年の南アフリカ戦だったり、2019年のアイルランド戦、スコットランド戦だったと思いますし、多くのファンもそれは感じているところだと思います。次のサモア戦、予選プール最終戦のアルゼンチン戦も、後半に勝負を決めるトライを奪えるかが注目ですね。

茗溪学園中学が全国優勝、単独での優勝は高校生含めて初ですね

私より25歳下の後輩たち、地元茨城で念願の単独優勝!! 写真はJRFUのHPから拝借

そしてこの3連休に水戸市で開催された太陽生命カップ2023、全国中学大会ですが中学校男子の部で茗溪学園中学が優勝しました。これは嬉しかったですね。第2回から水戸市での開催になった太陽生命カップ。地元茨城の茗溪は過去に10年前の第4回大会では決勝に進出しましたが、台風の接近に伴い決勝戦は中止となり、奈良の天理中学と両校優勝になりました。その後、第9回大会でも決勝に進出するも東海大仰星中等部が前回大会に続いて優勝。昨年は8チームを前期、後期の日程に分ける4チームのトーナメントで開催して優勝していましたが、今年は全国の予選を勝ち抜いた強豪8チームのトーナメントを勝ち抜いての優勝。やりました。

18日の朝に行われた大阪の東生野中学との決勝戦はこちらで見れます(うまくはめ込みできませんでした) ⇒https://www.youtube.com/watch?v=Layc9PQJI9o

去年も感じましたが、最近の中学生プレーヤーはサイズが大きい。この決勝戦までの戦いでも、初戦の宮崎の富島中、準決勝の京都の藤森中もFWには本当に大きくて強い選手がいて、茗溪はアタックで攻め込むもラックを作った際に接点のバトルでやられてターンオーバーを許す場面もありました。それでも茗溪学園伝統のハンドリングラグビーに加えて、相手DF裏のスペースへの鋭いキック、DFでは鋭いタックルで相手を倒し、前後半の40分しっかり走り勝つラグビーを見せていました。決勝戦では後半開始してG前のスクラムから東生野に逆転を許しますが、そのあとのアタックで攻め込んで再逆転したのが大きかったですね。両チームとも中学生らしい積極的なプレー、ミスも目立ちましたが、最後まで一進一退の攻防を見せていました。逆転を目指した東生野が自陣から攻めて、裏のスペースへキックを蹴って追いかけるも懸命に戻った茗溪の選手が外にボールを蹴りだして終了。14-12で見事な勝利でした。

茗溪にはいい走りを見せる選手もいたので、今後セブンズユースアカデミーに呼ばれたりするかな

ここ数年はなかなか母校に顔出す機会がなく、中学生の様子もあまりわからない中で、ラグビー部の先輩のご子息が活躍している縁で情報が入ってくるようになりました。決勝戦でも逆転に繋がるトライを奪った三森君のお父さんは私の6学年上、慶応義塾大学時代に学生日本一を達成した三森卓さん。ご子息は私がラグビーを始めた地元のラグビースクール、ツクバリアンズJr.の後輩でもありますね。中学生は秋冬に行われる東日本大会、そして茨城中学選抜として出場する全国ジュニア選抜大会もあるので、引き続き高校生とともに強くなって、冬にユースラグビーを盛り上げて欲しいと思います。

中学校の部の結果、秋田の将軍野中も素晴らしい戦いで5位ですね

サクラ15はフィジーに逃げ切り勝利、伸びしろたくさん

10日日曜は夕方16時から女子、20時から男子の日本代表戦が行われ、共に勝利してよいスタートを切りました。女子のフィジー戦の試合レポートはRUGBY JAPAN 365のサイトに掲載されています ⇒ 新しい力が躍動、フィジーに勝利また日本協会HPにあるギャラリーにも当日の写真が掲載されています、こちら

https://www.youtube.com/watch?v=LR5dxC4ChOw
5トライを奪って快勝したサクラフィフティーン

相手のフィジーは現在世界ランキングで19位、日本が5月に大勝したカザフスタンは18位です。それでもランク以上の実力はある国。私はインゴールの裏から試合を見ていましたが、前半はフィジーにやりたいことをさせずむしろストレスを与えるくらい日本の良いプレーが目立ちました。相手の反則もあって敵陣でプレーする時間も長く、フィジーの得点チャンスも粘り強く守り抜きました。その勢いの前半最後に敵陣でアタックしながらも外にキックを蹴って終わらせたのはちょっと残念でした。

上記の試合レポートでも触れていましたが、それがきっかけになったのか、試合後のインタビューでもフィジーのキャプテンが「目が覚めた」と語ったように後半はフィジーが修正。アタックでは前に出る日本のDFに倒される前に細かくオフロードパスで繋いで前進し、ノーホイッスルトライ。その後も前半の流れから変わってフィジーのアタック時間が増えて、日本はDFでの反則が増えました。ただ追い上げられ、プレッシャーを受けながらもアタックする意識を保ち、攻め込んで生まれたチャンスをサクラ15のデビュー戦だった松村選手が2トライ。前半のリードを守り切って29-24で勝利しました。

活躍が目立った選手が多かったサクラ15、これからさらに仕上がるはず

この試合ではテストマッチ経験の多い選手の活躍が目立ちました。重たいフィジーのFWを相手に安定したスクラム、アタックにタックルに攻守で80分躍動した1番加藤選手、昨年のW杯以来の代表復帰でいきなりの先制トライ、相手のスキを見逃さないジャッカル、そして後半途中からはLOに入ってスクラムを押した6番齊藤選手。ボールを持てば細かいステップで相手をずらしては前に出続け、接点でファイトし続けた12番小林選手。ここ数年のサクラ15を支得てきた選手たちがトライを奪ってチームを勢いづけました。

消耗の多いPRのポジションで80分フル出場の加藤選手、大活躍

一方で活躍が目立った若手選手もいました。デビュー戦2トライの活躍の松村選手は前半でもライン際を抜け出す場面もあり、期待以上のプレーを見せていました。長い距離のキックも蹴れる選手と聞いているので、次のパフォーマンスにも期待ですね。今年から代表入りした15番西村選手はこれまでの試合でも見せたキックに加えて、この試合ではフィジーのDFのギャップを見つけてランを仕掛けてチャンスを作っていました。DFでもランに長けたフィジーの選手をしっかり止めていたと思います。

他にも良い活躍を見せていた選手も多い中、後半は試合の流れをフィジーに渡してしまい、反則も目立つなど課題もありました。これから来月のWXV2まで1月半以上も続く代表活動の序盤なので、テストマッチでは勝つことが第一ですが、この長期の活動の中での強化のプランニングもあるでしょう。まずはゲームプランなど目指すパフォーマンスを試合本番で見せること。そして試合後に振り返って出てきた課題を1つずつ改善して、パフォーマンスを上げて成長し続ける姿を見せて欲しいですね。個人的にこうした方が良いのでは、と感じた部分もありますが今回は割愛します。

そして次は16日土曜に東京に場所を移して再びフィジーと戦います。なかなか男子と同じように国内でのテストマッチの機会は多くない女子日本代表。今回選ばれなかった選手もまずは試合登録メンバー入りを目指して頑張るでしょうし、チーム内での競争が出場選手のパフォーマンスアップにも繋がるはずです。東京では福岡以上に多くのファンが観戦に来ると思うので、更に良い試合を見せて、海外遠征に繋げていきましょう。

いよいよラグビーW杯仏大会開幕直前、女子もセブンズも話題たくさん

9月8日、ラグビーW杯がいよいよ開幕しますね。大会初戦は開催国フランスと強豪ニュージーランドの組合せ、KOは明日未明の4時。NHKで生中継されるみたいなので、おそらく前半途中から観れそうですね。YoutubeやSNSでもラグビー日本代表の話題を見ることが多くなりました。明日9日の夜にはNHKの100カメでラグビー日本代表が密着されていますが、カメラ160台以上だとか。番組のリンクは、こちら。予選プールを全勝で勝ち上がり8強入りを果たした前回大会の興奮を多くの人が思い出しているのではないでしょうか。なので日曜の初戦、チリを相手に良い戦いを見せてまた一気に盛り上がりたいですね。頑張れ日本!

サッカー日本代表の森保監督からのエールも届きました。目指せ決勝トーナメント!

男子も女子も日曜はテストマッチ、日本らしいひたむきなプレーに期待

日曜の試合を前に今夜にはそれぞれテストマッチに向けた試合登録メンバーが発表されると思います。まず男子ですが、これまでの戦いを考えると直前のイタリア戦のメンバーから大きく動かすことはないと思います。4大会連続で選ばれた堀江選手、リーチ選手も先発で出るのではないかと。全員がキープレーヤーだとは思いますが、相手のチリは接点の激しさ、フィジカルバトルを挑んでくるはずなので、そこを大きく展開して日本の松島選手を中心としたBK3が走る展開が多く見たいですね。これまでの試合では展開を試みてハンドリングエラーの場面がありましたが、W杯本番の仕上がりに注目します。

そして女子はW杯の裏であまり話題にはなりませんが、10日と16日の福岡、東京でフィジー代表とテストマッチを戦います。フィジーとは昨年5月にオーストラリア遠征で戦い、逆転勝利しました。当時のブログは、こちらこれまでの合宿では新たなコーチも加わり、良い調整を続けてきたと思います。日曜の会場、JAPAN BASEでのテストマッチは初開催でしょうし、楽しみですね。KOは16時ですが私も現地で観戦することを決めたので、フィジーのオフロードを絡めたアタックを粘り強く止めて、そこからたくさんボールを動かして多くのトライを見たいですね。

今回BKコーチとして加わったイーリ・ニコラス氏、BKのアタック力に注目
サクラフィフティーンのトレーニング動画は珍しいかも

男女セブンズ日本代表はアジア大会に向けた代表選手団を発表

日本協会のHPでは、中国・杭州で開催される第19 回アジア競技大会に参加するラグビー日本代表選手団が発表されました、こちら。試合は24日から26日の3日間で行われます。先日のアジアセブンズシリーズ韓国大会ではともに優勝を果たした日本代表、アジア大会でもぜひ金メダルを獲得して、W杯を戦う日本代表を後押しして欲しいです。

女子の大会メンバーについては、ワールドシリーズを戦い抜いたメンバーに加えて、代表復帰を果たしたメンバーが加わりました。今年の太陽生命ウィメンズセブンズシリーズでも活躍した日体大の堤ほの花選手は東京五輪以来の代表ではないでしょうか。この1年でサクラセブンズのエースに成長した原わか花選手と同じWTBのポジション、良い争いが生まれそうですね。また松田凜日選手はコンディション不良で東京五輪出場を逃しましたが、パリ五輪出場に向けてセブンズを頑張りたいと聞いています。FWでもBKでも活躍できるサイズとスピードがあるので、試合にインパクトを与えられる選手、活躍に期待です。

ほかにも注目選手はたくさんいますが、このサクラセブンズは史上最強と言ってよいでしょう。それくらい選手のパフォーマンス、層の厚さが仕上がっている印象です。大会までけが人が出ないよう、しっかりコンディションを整えて、大会本番では素晴らしいプレーをたくさん見せて、アジアに力を見せつけて欲しいです。

最後にフランスの大会イベントに参加しているU15女子日本セブンズチーム、昨日行われたセブンズ大会の決勝ではニュージーランドのチームに勝って優勝を果たしたそうです。素晴らしい。中高のジュニア世代で国際大会を経験することは、必ず将来の代表強化に繋がりますね。今回のチームの活躍を日本のラグビーファンに多く伝わって欲しいですし、来年の太陽生命ウィメンズセブンズシリーズでも何かしらプレーだったり、お祝いする機会を作ってあげられないかなと感じました。

そんなわけで9月に入り、ラグビー日本代表はどのカテゴリーでも重要な大会に向けて盛り上がっています。国内では大学ラグビーも公式戦が始まりますし、毎日が楽しみですね。頑張れ日本!盛り上げよう日本ラグビー!