10日日曜は夕方16時から女子、20時から男子の日本代表戦が行われ、共に勝利してよいスタートを切りました。女子のフィジー戦の試合レポートはRUGBY JAPAN 365のサイトに掲載されています ⇒ 「新しい力が躍動、フィジーに勝利」また日本協会HPにあるギャラリーにも当日の写真が掲載されています、こちら。
相手のフィジーは現在世界ランキングで19位、日本が5月に大勝したカザフスタンは18位です。それでもランク以上の実力はある国。私はインゴールの裏から試合を見ていましたが、前半はフィジーにやりたいことをさせずむしろストレスを与えるくらい日本の良いプレーが目立ちました。相手の反則もあって敵陣でプレーする時間も長く、フィジーの得点チャンスも粘り強く守り抜きました。その勢いの前半最後に敵陣でアタックしながらも外にキックを蹴って終わらせたのはちょっと残念でした。
上記の試合レポートでも触れていましたが、それがきっかけになったのか、試合後のインタビューでもフィジーのキャプテンが「目が覚めた」と語ったように後半はフィジーが修正。アタックでは前に出る日本のDFに倒される前に細かくオフロードパスで繋いで前進し、ノーホイッスルトライ。その後も前半の流れから変わってフィジーのアタック時間が増えて、日本はDFでの反則が増えました。ただ追い上げられ、プレッシャーを受けながらもアタックする意識を保ち、攻め込んで生まれたチャンスをサクラ15のデビュー戦だった松村選手が2トライ。前半のリードを守り切って29-24で勝利しました。
活躍が目立った選手が多かったサクラ15、これからさらに仕上がるはず
この試合ではテストマッチ経験の多い選手の活躍が目立ちました。重たいフィジーのFWを相手に安定したスクラム、アタックにタックルに攻守で80分躍動した1番加藤選手、昨年のW杯以来の代表復帰でいきなりの先制トライ、相手のスキを見逃さないジャッカル、そして後半途中からはLOに入ってスクラムを押した6番齊藤選手。ボールを持てば細かいステップで相手をずらしては前に出続け、接点でファイトし続けた12番小林選手。ここ数年のサクラ15を支得てきた選手たちがトライを奪ってチームを勢いづけました。
一方で活躍が目立った若手選手もいました。デビュー戦2トライの活躍の松村選手は前半でもライン際を抜け出す場面もあり、期待以上のプレーを見せていました。長い距離のキックも蹴れる選手と聞いているので、次のパフォーマンスにも期待ですね。今年から代表入りした15番西村選手はこれまでの試合でも見せたキックに加えて、この試合ではフィジーのDFのギャップを見つけてランを仕掛けてチャンスを作っていました。DFでもランに長けたフィジーの選手をしっかり止めていたと思います。
他にも良い活躍を見せていた選手も多い中、後半は試合の流れをフィジーに渡してしまい、反則も目立つなど課題もありました。これから来月のWXV2まで1月半以上も続く代表活動の序盤なので、テストマッチでは勝つことが第一ですが、この長期の活動の中での強化のプランニングもあるでしょう。まずはゲームプランなど目指すパフォーマンスを試合本番で見せること。そして試合後に振り返って出てきた課題を1つずつ改善して、パフォーマンスを上げて成長し続ける姿を見せて欲しいですね。個人的にこうした方が良いのでは、と感じた部分もありますが今回は割愛します。
そして次は16日土曜に東京に場所を移して再びフィジーと戦います。なかなか男子と同じように国内でのテストマッチの機会は多くない女子日本代表。今回選ばれなかった選手もまずは試合登録メンバー入りを目指して頑張るでしょうし、チーム内での競争が出場選手のパフォーマンスアップにも繋がるはずです。東京では福岡以上に多くのファンが観戦に来ると思うので、更に良い試合を見せて、海外遠征に繋げていきましょう。