タイ大会は男女ともに決勝に進出、相手はともに香港でした
サクラセブンズの先発メンバーはFWにライチェル、田中、三枝でBKには原、須田、西、そして今回初キャプテンに選ばれた吉野の7人。今回はSHに原選手を起用する新しい形でした。前半はオフロードパスを多用して攻め込み田中選手、三枝選手がトライを奪って前半10-0。日本の連携の取れたDFは香港にラインブレイクを許さず、ほとんど敵陣でプレーしました。
日本が優位に試合を進める中、後半も自陣10mライン近くのスクラムからSHに入っている原選手が持ち出しすと追ってきたDFを振り切って約60mの独走トライ。その直後にも交代出場の水谷選手がショートパスに走りこんでラインブレイクしてトライ。香港に1トライ返されるも、最後はノータイムでも攻め続けて水谷選手が倒された後、すぐに起き上がって走るとおよそ40mを独走し、香港DFは追いつけずにダメ押しトライを奪って29-5と快勝。9月の韓国大会に続いて優勝し、交代で入った選手も活躍するなど、良い内容で来月のパリ五輪予選に向けて選手の底上げが出来ているのかなと。日本協会HPにある大会後のコメントは、こちら。
続いて行われた男子の決勝、相手の香港はアジアでの最大のライバルと言ってよいでしょう。香港のキックオフから日本自陣でのプレーが続く中で、まずは香港が大外にいた選手が内側に切れ込むと日本のDFが捕まえられずにラインブレイクを許し40m独走の先制トライ、前半3分でした。その後、日本は香港DFの裏のスペースへ深く蹴りこんでチェイスするとG前で相手選手をタッチラインに押し出してチャンス。そこからG前でオフロードパスをもらった林選手がトライし7-7で同点。残り時間が1分を切る中で香港は自陣からキックを蹴って日本は自陣22mまで戻されてのアタック。外に蹴りださずにアタックを試みると倒されたところに4番松本選手がうまく走り込んでラインブレイクし一気に90m独走トライ。12-7とリードして前半を折り返します。
勝負の後半でしたが、日本はシンビンが出て1人減っている間に香港に2トライと2ゴールを決められて逆転を許します。そこから逆転を目指して残り2分、日本は自陣G前のスクラムから攻めるも敵陣まで進めず。さらに香港に再び攻め込まれてトライを許し12-26と逆転負けで準優勝に終わりました。男子は女子と比べてほかの国との力の差がほとんどなく、この決勝でもアタックでは香港のDFを上手く突破できず、DFでも相手ボールを奪うような機会はなく、内容的には劣勢は否めません。来月の五輪予選での優勝を目指す中で、どう強化を進めて挑んでいくのか引き続き注目ですね。
W杯フランス大会は準々決勝、IREとNZLの戦いは素晴らしかった
そして今日明日と行われるW杯フランス大会の準々決勝、予選プールを振り返ればプール1位はヨーロッパ勢の北半球、プール2位は豪州を倒して2007年大会以来の8強に進出したフィジーを含む南半球になり、北VS南の4試合となりました。土曜の2試合はアルゼンチン、ニュージーランドの南半球が勝利し、予選プールの負けから修正してトーナメントに向けて調子を上げてきたといったところでしょうか。
特に日本時間15日未明に行われた世界ランク1位のアイルランドとラグビー王国ニュージーランドの1戦は世界中で注目されていたと思います。W杯の歴史の中でいまだにベスト4進出を果たせていないアイルランドがテストマッチ17連勝中で迎えた準々決勝、いよいよ呪いみたいなものを敗れるかと自信を持って挑んだと思いますが、ニュージーランドが勝負強さを見せました。詳しい試合展開などはここでは書きません。ただ終盤に4点差を追いかけるアイルランドが見せた30フェイズ以上のアタックに、反則をせずに止め続けて最後はベテランの選手がジャッカルを決めてDFで勝ち切ったニュージーランド。言葉も出ないというか見逃さないように見守る、そんな凄まじい攻防で試合が終わった後も大喜びする選手はいない、徐々にお互いの健闘を称えあうような光景でした。
今もこのブログを更新している間にイングランドVSフィジーが始まり、そして4時からは開催国フランスVS前回王者南アフリカの激戦必至な戦い。アイルランドとNZの試合のような予想を超えてくるような激しい戦い(できればお互い規律も保って退場者が出ないように)に期待します。