前回のブログでは、ジェイミーJAPANのアイルランド戦に向けての準備について、「犠牲」という言葉をキーワードに書きました。時間なり、体力なりを目標達成のために費やす、 簡単に使えない言葉だなと。
タイトルに出てきた「ピーキング」という言葉。先日、お世話になっている平林泰三レフリーのお話を聞く機会があったときに出てきました。「アイルランドはおそらく決勝トーナメント進出を見据えて、ピーキングをそこに合わせてくるはず。ジェイミーJAPANは開幕戦のロシアも重要だったと思うが、ピーキングはこのアイルランド戦に持ってきたはず」という内容。
そして今朝、この記事を読んだときに色々と納得できました。⇒ 【清宮克幸】アイルランドに勝利する準備はできていた リンク先の文中から「 事実、この数カ月のあいだ、清宮は「ベスト8は達成できる」とメディアの前でも話し続けている。 」
格下の日本を相手に、対策という準備はなかったアイルランド
先日の平林レフリーの言葉を引用させてもらうと「じゃあNZ相手にも日本のときと同じプランで戦うのか」ということでした。アイルランドは4年前の南アフリカを破った日本代表のイメージはありましたし、警戒はそれなりにしていたでしょう。ただ「それなりに」です。おそらくはスコットランド相手にも圧倒した自慢のFWとフィジカルで、日本にも圧倒できると思っていたのではないか。しかし、そう思うようには進まなかったですね。
リンク先の清宮副会長の言葉には様々な理由が詰まっていました。「選手のコンディションが良すぎた」「試合経験を積まずに準備する」「できるところまで追い込みたい」「アイルランドというチームがこの数年間で出している傑出したパフォーマンスというのは、準備にこそ秘訣があった。」その上でアイルランドのキープレーヤー、10番セクストン選手の欠場や、夕方の蒸し暑さによる走り負け、などいくつかの要因が重なっての番狂わせ。
で最初に戻りますが、ピーキングをどこに持ってくるか。優勝を目指すチームであれば、それは決勝トーナメント、理想は決勝戦にベストパフォーマンスを持っていきたいと予選から考えてくるでしょう。しかしいわゆる格下の参加国は予選4試合でいかにして勝つか、どの相手に勝利を狙うかにピーキングを合わせているはずです。4年前の南アフリカ戦も大会初戦でコンディションはお互い万全でしたが、ピーキングは間違いなく違ったはずで、エディーJAPANはベスト8進出をめざし、予選の1戦1戦が勝負でした。
今大会の組合せを見ると大会序盤に決勝トーナメントを狙うもの同士の組合せが多かったと思います。例えば大会2日目のNZと南アフリカ、フランスとアルゼンチン、そして3日目のアイルランドとスコットランドですかね。だからここにまずはピーキングを合わせたはずです。そして2戦目はどうしても下がる。平日にも試合が組まれる予選の日程、高い強度、常にベストメンバーでベストゲームは出来ないのがW杯です。
その中で日本代表は毎試合ベストで戦いきるための厳しいトレーニング、鍛錬を重ねてきて迎えた母国開催のW杯。ロシアとの開幕戦も、アイルランド戦の先発メンバーと比べると3番具、4番トンプソン・ルーク、8番マフィらが先発から外れていました。本当のターゲットは2戦目のアイルランドだったはずです。
優勝を目指すNZは2日のカナダ戦で先発11名を入れ替え
わかりやすくメンバーを大幅に入れ替えて、4トライのBPを奪って計算どおり勝ったのがNZ代表AllBlacksですね。バレット3兄弟全員がトライを奪うという話題つきでした。南ア戦でまずピーキングを迎えて、残りの予選は決勝トーナメントを見据えて、選手のコンディションや組合せを考慮して戦うはずです。
こうやってピーキングをキーワードに平林レフリーや清宮副会長の言葉を引用して振り返りましたが、今のジェイミーJAPANは間違いなく、過去最強の日本代表だといえます。予選全40試合も明日から後半戦です。我々ファンは日本代表が決勝トーナメントに進出するために、BP含めた勝ち点の計算をしがちですが、最終戦のスコットランド戦を終えたときに「そんな余計なこと考えなくても全勝して1位通過したんだな、強いぜジェイミーJAPAN」と言える様な活躍を期待せずにはいられません。
まずは次のサモア戦で4トライ以上奪っての勝利、勝ち点5を掴みとってもらいましょう。私は5日は注目のイングランドVSアルゼンチンを現地で観戦します!