2023年も7日目、前回のブログでは花園初日の女子エキシビションの試合のことを書いていたので、あっという間にトーナメントが進んでしまいました。一昨日に行われた準決勝はスマホのLIVE中継で見ましたが、Aシードの報徳学園、東福岡が力を見せつけて順調に勝ち上がりました。そして今日行われた決勝戦で高校生のラグビーは年度区切りといったところでしょうか(もちろん高校JAPANのセレクションは残っていますが)。
初優勝を狙った報徳学園を東福岡が退けて6年ぶりの優勝
決勝戦は毎日放送でテレビ観戦しました。小雨の天気みたいでしたが、それを感じさせない両チームの上手さと激しさ。試合は前半を12-7とリードした東福岡が、報徳学園のPG成功で2点差に追い上げられるもそこから4連続トライを奪って快勝しました。
報徳学園は母校の茗溪学園に快勝した國學院栃木を3回戦で破った東海大大阪仰星に、準々決勝で快勝して勝ち上がってきました。一方で東福岡は準々決勝で佐賀工業に苦戦するも順調に勝ち上がってきました。準決勝の戦いを見る限りでは、東福岡が優位と感じましたが、決勝の戦いを見ても、東福岡が接点で圧力をかけ、タックル後のブレイクダウンの争いでもターンオーバーを連発し、報徳学園に思うようなアタックを許しませんでした。実況の方の話では今年の東福岡は、練習でAT中心に取り組んでいたのをDF中心に変えたのだとか。勝負の後半にもDFの圧力は衰えず、前に出る報徳DFの裏を狙ったキックから奪ったトライで、試合の流れを一気に掴んだ印象です。6大会ぶりの優勝おめでとうございます。
女子関東大会はBPを含めた勝ち点争いになり日体大が優勝
花園決勝については、多くのラグビー有識者の方々がコメントしているので、簡単に振り返りました。そして全国選手権出場に向けて白熱した戦いが続いていた関東大会は最終日を迎え、日体大グランドで3試合が行われました。事前申請の有観客で行われましたが、先着順の事前申請の枠がすぐに埋まったみたいですね(苦笑) 限られた座席数とはいえ、試合を行う6チームのファンの方々は大変だったと思います。YoutubeでLIVE中継してくれた横河武蔵野Artemi-StarsとRKUグレースの試合はフルで見ることが出来ました。
まず横河は4勝1敗で迎えた最終戦、これまでの勝ち点は18で、19のフェニ、21の日体大はこの試合の後に最終戦を控えています。上位2チームが全国選手権に進むので、RKUグレースからはボーナスポイントを含む勝ち点5を得たい状況でした。そしてグレースは3勝2敗の勝ち点14でこの試合に勝てば3位の可能性があるといった状況でした。試合は開始2分で横河が先制トライを奪うと、その後もキープレーヤーがしっかり活躍し、前半だけで4トライを奪いました。グレースは前のR.I.Aとの試合ではSO大塚選手のキックを中心に試合を進めていましたが、この試合では横河がキック対策をしっかり準備していて、WTBの選手が後ろにポジショニングし、ノーバウンドでキャッチしてカウンターアタックに繋げていました。DFでも圧力をしっかりかけて、ブレイクダウンにもしつこく絡み、グレースの反則を奪っていました。
後半に入ってからはグレースが1トライを返し、前半より攻め込む時間が増えましたが、決定的なチャンスはなかなか作れず。横河は敵陣22mに攻め込むと、SO高木が上手く抜けだして5トライ目を奪い、後半だけのスコアは7-7の同点でした。関東協会の公式結果はこちら。試合で活躍したスターオブザマッチに選ばれたのはNo8の小西想羅選手でした。横河はW杯に出場した選手数名がコンディション不良なのか、関東大会は欠場し、大会中の怪我で外れたメンバーもいて、決して万全のチーム状況ではなかったと思います。その中でも粘り強いDFと強いセットプレーを軸に関東大会を5勝1敗、勝ち点23の結果で終えました。
そしてそのあと行われた2試合は、東京山九フェニックスがR.I.Aを53-7で、日本体育大学ラグビー部女子がYOKOHAMA TKMオーバルズを45-10でそれぞれ大勝し、勝ち点5を加えた結果、5勝1敗で3チームが並びましたが、1位日体大、2位フェニックス、3位アルテミ、という順位になりました。日体大はアルテミに33-14で勝利し、フェニックスに19-22で負けましたが、ともにBPを獲得したのが大きかったですね。日体大とフェニックスは今月22日に鈴鹿で行われる全国女子選手権に出場する予定です。新型コロナの感染拡大が毎日、報道で流れますし、参加予定のチームは引き続き感染防止に努めて、無事に行われることを期待します。
11月から参加7チームの総当たり戦で行われた関東大会、途中ブレイブルーヴを中心としたTokyo LaDieSが大会中に負傷者が出た影響もあって、途中で残り試合を棄権することがありました。それでも大差の試合が減ってきたというか、チーム間の実力差は少なくなってきた印象です。一方で上位4チームはすべて単独チームという結果になり、選手間の連携に時間がかかる合同チームの難しさはどうしてもあるのかなと思います。試合数の増加は負担も色々あるかと思いますが、参加する選手にとっては良い経験になります。以前から私は「国内の試合数増加=日本代表の強化にはならない」という意見ですが、勝敗の見えないタフな試合が増えることは選手の成長につながるので大歓迎です。そして高校、大学を卒業してもラグビーを続ける選手が増えて欲しいなと思います。
明日は国立で大学選手権決勝、早稲田と帝京の対抗戦決戦が行われるので、そちらも楽しみですね。テレビ観戦します。最後にサクラセブンズもワールドセブンズシリーズに向けて5日から沖縄合宿をスタートしています。2023年もラグビー界が盛り上がるのを期待しましょう。