先週は花園ラグビー場でトンガに勝利した日本代表、今日は秩父宮ラグビー場でフィジーと対戦し、12-35で敗れました。選手入場時のフィジーの赤と黒のスタイルには驚かされました。来月に開幕するフランスW杯を前に国内での最終戦でしたが、前半の早い時間帯でラピース選手が危険なタックルでTMO判定の結果、レッドカードで退場。試合の残り70分以上を1人少ない14人で戦う状況になり、前半は終始プレッシャーを受けている印象で、日本の良いところを探すのが大変なくらい、フィジーの仕上がりが良かった。特に接点では激しくファイトして、日本はいい形で前に出れなかったですね。日本0-21フィジーというスコア通り、日本は得点チャンスが作れずでした。
そんな苦しい状況で迎えた後半に日本は一気にフロントローとSHの4人が交代、そこからゲームの流れが一気に変わりました。開始からSH流選手が積極的にボールを捌いて、自陣からもアタックを仕掛けます。1人少ない中でFWの選手を当ててラックにすると、流選手が素早く捌いて、BKは外のスペースに動かしてマシレワ、ナイカブラの両WTBが走る場面が増えました。その中で松島、長田がそれぞれ個人技でいいランニングを見せます。課題だったスクラムも後半は修正し、クイックで安定した球出しが出来て、日本の良いプレーが増えました。
後半のフィジーは日本のミスを一気にトライに結び付けますがTMO判定の結果、ノートライになる場面もありました。終盤には疲れも見えてくると満員の観客の声援を受ける日本が2トライを奪って追い上げ、後半だけでいえば日本12-14フィジーと、トライ数は2本ずつでした。前半を見る限り、大差がつく可能性もありましたが、ハーフタイムに修正して後半は非常に良かったと思います。それでもフィジーの強さを感じさせる試合でしたし、ラピース選手の退場がなくても厳しい戦いにはなったと思います。
W杯に向けて勝利という結果は得られませんでしたし、仕上がるにはまだ時間がかかるとも感じました。ここから15日の大会登録メンバー発表、国外でのイタリアとのテストマッチが予定されています。W杯本大会に向けて、ここから一気に仕上げて、2019年の時のように素晴らしい試合を見せてくれるのを期待します。