今日の熊谷は良い天気でしたが、熊谷駅に下りたら冷たい風が吹いてました。試合会場のAグランドもやはり思っていた通りの冷え込みで、風も吹いていましたが、その中での決勝戦は激しい戦いでした!
風の影響が強い熊谷、風上のチームが優位に進めました
2週間前の準決勝は前回のブログで少し触れました。大勝したRKUグレースと接戦をものにしたアルテミスターズ。試合登録メンバーもお互いベストメンバーに近いと思われました。Twitterでは結果について色々と話題を集めているようで、とりあえず日本協会HPの試合結果はこちら。風上のチームが7,8割を敵陣で戦い、共に1トライずつ奪いました。
両チームともキックをあまり蹴らず、継続重視のアタック。その中でグレースはBKを中心にワイドに展開してゲインを狙い、アルテミは強力FWが体を当ててラックから素早い球出しでゲインを狙う。極端に言えば、グレースは早稲田、アルテミが明治のような試合でした。セットプレーではお互いラインアウトで苦戦していましたが、スクラムは終始アルテミが押し込む展開。グレースはNo8に入ったセブンズ日本代表の鈴木彩夏選手がSHのように素早くボールを捌いたり、工夫していました。
両チームの戦術はわかりませんが、個人的にはもっと中盤のエリアではキックを敵陣コーナーに向けて蹴るような場面が多いほうが優位に進められたのかなと思いました。ただキックチェイスの練習を十分にしてきてはいないから、この日まで練習で取り組んできたことを強みとして出していこうとお互いが激しいぶつかり合いを見せていました。その中で足がつる選手もいましたが、両チームとも良く走っていましたね。前半にグレースの鈴木選手が自陣から抜け出して独走トライを奪った走りは見事でした。
表彰式が始まる前に会場を離れましたが、FWのMVPはRKUグレースの鈴木選手、BKのMVPはアルテミスターズの津久井選手でした。鈴木選手は前半の素晴らしいトライを含めたラン、津久井選手は相変わらずの素早いボール捌きに、DFでも幅広くカバーに走っていました。同点終了で抽選で優勝を決めたことについては、疑問やクレームが多かったですし、その通りだと思います。来年度に向けて、直すべきところは直すべきですね。両チームとも優勝で良い、そんな試合でした。
来年のW杯に向けて決勝戦を見て感じたこと
ここからは来月に香港で行われるアジア予選と絡めながら、世界ランク1桁台の強豪国レベルと比較して感じたことを書きます。厳しめですが、ご了承ください。
改めて今日の決勝戦は素晴らしい試合でした。こういう80分間、緊張感のあるタフな試合が国内で多く行われることで、女子のトップレベルも上がっていきますね。しかし試合の強度、特にBKのコンタクトをより強く、強度を上げていかないと、強豪国相手には通じないなと。FWに関しては、今日出場した選手を見ていても何人かは本当にサイズアップしたなと。接点でもしっかり体を当ててファイトしていました。しっかり練習して合わせればスクラムでもかなり戦えると思います。
一方でBKの選手はパススキル、スピードは上がっていますが、コンタクトの部分では物足りない。DFでも狙ったタックルを外す場面や倒しきれない場面も多かったですし、ATでは個人でDFを突破できる選手がいないのはきついですね(相手のDFや相性のようなものもあるかとは思います。)。パススキルはあるので、ラインを深くしたり、スタートのタイミングをしっかりためて、勢い良くもらえる選手が増えて欲しいです。それが出来てようやく海外の強豪相手にアタックできるのかなと。上の動画で言えば1:30頃のイングランドの13番、世界最優秀選手を受賞したエミリー・スカーレット選手の独走トライを見て欲しいですね。
3月のアジア予選に向けて、サクラフィフティーンも今月、来月と合宿を重ねていくかと思います。来月の試合日程は18日(水)にカザフスタン、中3日で22日(日)に香港。W杯でのベスト8進出を目指すなら、2試合とも接点で前に出て、最低でも20点差はつけて勝利したいところ。世界を驚かすためにも、選手の更なる頑張りと活躍に期待しています!