昨日に続いてのブログ更新になります。今回はイングランド代表Red RosesとNZ代表Black Fernsの試合。この試合はW杯に参加していたサクラフィフティーンの選手も会場で観たと聞きました。女子は参加12チームの順位決定戦があり、この決勝の前に香港と戦って44-5で勝利し、11位で終えました。来年NZで開催予定のW杯ではベスト8が目標ですね。
まさに女子ラグビーの横綱同士の決戦です。前回の2014年大会、NZは予選プールでアイルランドにまさかの惜敗、結果ベスト4進出を逃し、まさかの5位。イングランドは連覇を目指しての注目の決勝戦でした。
試合はまずイングランドが果敢なアタック。12:30過ぎにはラインアウトから狭いサイドを抜け出した3番の選手がパワフルなランニングを見せ、G前に攻め込みます。イングランドはキャリアーに対して2人目がバインドしてドライブするハンマーを多く使っていましたがNZがパスミスを誘って耐え抜き、始めから決勝戦にふさわしい攻防でした。すると18:00過ぎにNZがオープンサイドのキックをキャッチした15番のSelicaが独走、ワイドなポジションからの短いアタックで効率よく先制のトライ。
その後、イングランドがPGを返します。NZはDFでは上半身めがけてボールを殺すようなタックルで体を当てて、しっかり止めていました。29:30過ぎの相手ラインアウトの場面でもモールにわざと入らずに相手のオブストラクションを誘うなど、しっかり対策を練っていました。ただ31:40過ぎに激しいタックルを見せた7番サラ・ゴス選手(セブンズ代表でも活躍)が危険なタックルでシンビンを取られてしまうと、その後も反則を重ねてG前のラインアウトのピンチに。イングランドは41:00過ぎにG前スクラムを押し込み、ペナルティートライを奪って逆転。
さらに48:50過ぎにはフェイズを重ねると12番がラインブレイクしてラックを作ると、外の選手に飛ばしパスをしてライン際を駆け抜けて追加のトライ。コンバージョンも決めてイングランドが17-5とリード。NZはその後のキックオフチェイスから敵陣で攻め続けてG前ラインアウトのチャンスを作ると、56:20過ぎにFWのラックサイドを攻めると見せて1パスを入れてトライ。17-10で前半終了しました。
NZはキャリアーがアウトコースに走って大きいイングランドを相手に正面衝突を避けてテンポの良いアタックを見せていました。9番のKendra選手はゲームコントロールが上手で周りにどんどん声をかけてリードしてますね。サクラ15のSHでこの大会で大活躍した津久井萌もW杯から帰国したときに「NZのSHは自分よりもぜんぜん上手かったです」みたいな話をしていたような気がしました(当時は私が監督していた千葉ペガサスの選手でした)。
後半が始まり、NZはFWがラックサイドを素早く攻めて、DFのお腹の部分に潜って足を搔いて前に出続けます。同点に追いつくと直後の1:09:30過ぎの自陣スクラムからのアタックで、敵陣に蹴ったボールを蹴り返されたのを8番の選手が逆サイドのライン際までしっかりカバーしてキャッチすると、さらにカウンターアタックを仕掛けていて驚きました。
イングランドがPGを決めて再びリードすると、さらに試合はヒートアップし、ここからNZの猛攻が始まります。1:12:30過ぎにはCTBの選手がトップスピードでボールを貰い裏に抜け出し、G前に攻め込んで5番が飛び込み逆転のトライ。さらにその後のキックオフからNZのキックをキャッチしたイングランドの14番がそのままDFを振り切って再逆転のトライ。すると今度はNZが再びラックサイドを攻め続けて1番がピックアンドゴーから抜け出してポスト下に再び逆転トライ。
さらにNZはG前まで攻め込んでラックサイドに仕掛けた9番がトライ。後半残り20分を切ったこの時点で後半のスタッツが出てきたのですが、逆転したNZのポゼッションが脅威の78%。タックル回数がイングランドの68回に対して、NZはたったの10回でいかに攻め続けたかがわかりますね。そして1:34:00過ぎのG前ラインアウトから最後は外にポジショニングしたWTBへのキックパスからコーナーに15番Selicaが飛び込み、この日2トライ目。怒涛の3連続トライ、17点を追加して41-25とリード。
NZはイングランドを分析していましたね。中央付近ではFWが少人数でラックサイドを攻め続けて、DFを上手く内に集めてからBKに展開して外のスペースを狙うアタックが有効でした。それとフロントローの運動量、イングランドは追いかける展開でゲーム中盤から交代選手が入ってきました。NZは3番の選手が後半途中で負傷交代しましたが、1番の選手が残り5分、キャプテンの2番の選手が残り2分を切る終盤まで出続けていました。イングランドは終盤にモールを上手くずらして押し込み、1トライを返しますが、最後はNZがボールを敵陣でキープして41-32でNZが勝利。
日本と比べると両チームともCTBの2人の選手が大きくて速い。そこでラインブレイクする場面が目立ちました。日本はサイズある選手がFWになることが多いですが、これから世界を目指す上で、BKで攻守にファイトできる選手を育てていかないとですね。
その辺りは今月中に自分の頭の中を整理したいですね。せっかく時間もあるので。今はJAPAN RUGBY TVでトップリーグや花園の試合も観れるので、今度は戦術の分析にもチャレンジしたいです。最後に、頑張れ日本。