昨日、日本協会から発表がありましたね。この状況なので中止になるかなと想定はしていましたが・・・正式に決まるとやはり残念。日本協会のHPはこちら。全大会の中止に伴い、今回の降格昇格は無しということになりますが、昇格を目指していたチームも含めて残念しかないですね。出場チームの準備状況が不公平になり得る、という理由もありましたが、なんとも言えませんね(与えられた環境で出来るだけの準備をしていたとは思います)。
今の状況はプロ野球やJリーグ、Bリーグなど他の競技も同じで、スポーツそのものが自粛しなければならないような雰囲気です。落ち着いてきたときにどういう状態なら再開できるのか、判断が難しいところです。学校も休校していますし、今は2ヶ月くらい前のような普段の生活に戻れるのを願って、まずは一人ひとりが感染防止に努めましょう。
Twitterをみていると選手がSNSを通じて動画でメッセージなど発信する機会が増えています。継続して発信し続けて、ファンの興味や獲得に繋げて欲しいですね。
2014年W杯の予選プールでの番狂わせ、NZ対アイルランドの試合
さて今回も女子W杯の試合を見ながら、振り返ります。2014年を振り返ると、私は女子ラグビーに関わり始めた1年目、TKMでコーチをしていた頃です。女子日本代表は前の年のアジア予選でカザフスタンに惜しくも敗れて出場を逃していました。夏に行われたW杯のハイライトはYoutubeにUPされていたので、編集してコメント入れたりしてTKMの選手に見せたりしていました。
そんな2014年W杯、確かイタリア開催で優勝したのはイングランドですが、優勝候補のNZが予選プールの結果、4強入りを逃した大会でした。確か3つのプールがあって、各プール1位と2位で最上位(勝ち点と得失点差)の国が4強なのですが、別のプールで確か2勝1分けで並んだのがあり、2勝1敗のNZが悔しい思いをしました。その原因となるアイルランドとの番狂わせの試合がYoutubeにUPされたので、見ようという訳です。
試合を見る前にコメントを見たら、レフリングがひどかったというコメントもありましたが、序盤は互角の展開。むしろアイルランドの動きが良く、SHの選手が上手く捌いてアタックをリードしていますが、NZのDFもしっかり止めていました。最初の20分はほぼアイルランドがNZ陣でアタックし、NZが我慢して守る展開でした。自陣からのキックでアイルランド陣にようやく入ると、30:00過ぎに正面のPGを決めて3点を先制。その数分後にはターンオーバーから素早く展開して最後は15番のSelicaがトライ。
一方のアイルランドは相手のキックオフレシーブのミスをきっかけに敵陣でチャンスを得て、G前に攻めるとFWがサイドアタックを何度も続け、45:00過ぎにポスト脇に飛び込んでトライ。前半終了間際には自陣G前で相手ラインアウトのピンチを向かえますが、ミスもあって何とかボールを奪い返して8-7、NZのリードでハーフタイム。アイルランドはFWを強みにラインアウトからのモール、スクラムでプレッシャーをかけていました。それとNZは9番から裏への大きなキックを多用していますが、それに対してBK3を後ろにポジショニングさせて、しっかりケアをしていました。
後半はまずNZが正面のPGを決めて3点を追加。その後も敵陣22mに入ってチャンスを作り攻め続けますが、ミスが出て流れにのれません。アイルランドのDFは本当に集中していて、カバーをサボらず、接点でもプレッシャーをかけ続けていました。そして1:18:00過ぎにこの試合1番のプレー、NZのキックをキャッチしたアイルランドの15番がカウンターからラインブレイクして11番に繋ぎ、独走して左コーナーにトライ。15番がしっかり下がってポジショニングし、前に出ながらキャッチすると迷わず仕掛けた結果、DFとすれ違うように抜け出しました。そしてトライ後のコンバージョンも成功し、14-11とこの試合で初めてアイルランドがリード。
追いかけるNZは交代した選手のラインブレイクで縦に抜け出し敵陣22mに攻め込むと、相手がラックで反則をしてPGを選択して同点に。勝負の分かれ目はその後、NZがハーフウェイライン上のスクラムからのアタックで1次攻撃でミス。そしてアイルランドが中央スクラムから展開して右ライン際を上手く抜け出して敵陣22m付近に攻め込むとNZはノットロールアウェイの反則、アイルランドが右45度からPGを決めて再びリード。NZは自陣から攻めてラインブレイクもしますが、焦りからかハンドリングエラー。そしてアイルランドの15番の素晴らしいキックでエリアを挽回し、残り3分を切ってのスクラムでは押されてボールを上手く出せず、外に展開するもノットリリーズザボールで最後のチャンスを失いました。
最後はG前に攻め込んだアイルランドが時間を確認して外に蹴り出し終了。試合後に大喜びする様子を見ていると、W杯で番狂わせを起こす活躍を見せた日本代表を思い出しました。アイルランドの勝因は粘り強いDFで失トライは1つのみ、14失点に抑えたことですが、ベストプレーを引き出した理由の1つはFWがスクラムで優位に立つ強みがあったことだと思います。ボールが動いた状況、例えばエリア中盤のDFではNZのラインブレイクを何度も許しましたが、リスタートでは落ち着いて立て直しました。
2017年W杯では女子日本代表サクラ15が予選で戦ったアイルランド相手にスクラムトライを奪いました。Youtubeで改めて見ても伝わります。番狂わせを起こすためにも絶対的な強みは必要、過去の歴史を振り返ってもスクラムの勝敗はゲームの流れに大きく影響しますね。
W杯アジア予選の開催時期も未定、太陽生命WSSも中止になり、先の読めない状況ですが、選手は引き続き自分を鍛えて、世界との力の差を縮めて欲しいと期待しています。