昨日は開催されるか朝まで不安でしたが、天気予報が外れて雪は降らずに予定通り開催できました。多くの関係者の願いが通じましたね。準決勝の試合もトーナメントにふさわしい内容でした。
Morning BearsがRKUグレースの強力FWを抑えて快勝
Morning Bearsは先週の試合を不戦勝で勝ちあがり、RKUグレースは予選で2勝し、前の試合から1ヶ月以上空けての試合でした。試合は開始4分に正面のPGを狙ったMorning Bearsが惜しくも外しますが、その後も敵陣でアタックする時間が多く、先制のPGにG前ラインアウトからモールを押し込んで3番藤本選手がトライを奪い、8-0とリード。グレースも敵陣22mに入ってからFWがモールを押し込んだり、ラックサイドを攻め込みますがトライを奪えず。前半の最後にはMorning BearsがG前スクラムのチャンスを得ると、8番梶木選手がそのまま持ち込んでトライし、15-0とリード。グレースはFWで得点を取りきれず、相手に流れを許してしまいました。
後半はMorning Bearsがハーフ団をPTSの二人から立正大のSH阿部選手、SO今釘選手に交代し、これがはまりました。自陣では今釘選手がDFの裏に正確なキックを蹴りこみ、相手のカウンターアタックをしっかり止めて、グレースは敵陣深くチャンスを作れず。雨でぬれた状況もあり、この日はボールをこぼす場面が多かったです。予選の2試合で活躍した大塚選手がハーフタイムで交代したのもあり、キックを蹴ってエリアを挽回するような場面が作れませんでした。Morning BearsはDFでも声を掛け合って、接点ではプレッシャーをかけ続けましたし、タックル後の起き上がりも早く隙がありませんでした。アタックでも追加のトライの後の難しいキックも平山選手がしっかり決めるなど、自分たちのラグビーを出し切って、29-0と快勝しました。
終盤にキープレーヤーが活躍したTKMフェニックスが日体大に逆転勝利
準決勝のもう1試合はTKMフェニックスと日体大が対戦、キックオフの頃には雨はほとんど止んでいましたが、冷たい風が吹くコンディションでした。赤のTKMフェニックスが攻撃し、紺と水色の日体大が素早く前に出るDFで倒し続けるような場面が続き、前半20分を経過してもスコアは無得点。前半33分に相手の反則からG前に攻め込んだ日体大がラックの連続から3番小牧選手が飛び込み先制トライ。そのまま終わるかと思いきや、前半途中から交代で入った23番アテカ選手が敵陣22m付近の外でボールを貰うと一気に加速してDFを抜き去り、同点のトライを奪って5-5の同点で折り返し。
後半も一進一退の攻防が続き、両チームともG前のラックの連続からFWの選手が飛び込み、後半残り20分で日体大が12-10とリード。競った展開が続く中、エリア中盤でぶつかり合う場面が増えてなかなか攻め込んで得点のチャンスを作れませんでしたが、終盤に来て敵陣22mに入ったTKMフェニックスが攻め続けると、後半39分にボールを受けた8番永井選手がDFを突き破って抜け出すとそのままの勢いでポスト下に飛び込み逆転のトライ。Gも成功して17-12とリードし、最後はキックオフのボールをしっかりキープして外に蹴り出し、決勝進出を決めました。
TKMフェニックスは先週の試合から出た課題をしっかり反省し、さらに成長したプレーを見せてくれました。日体大の激しいDFを受けても、ボールキャリアとサポートが粘って簡単にターンオーバーを許さず、接点で我慢できたことが終盤の逆転に繋がった印象です。予選から今日で4試合目、チームとしての戦術、戦略がしっかりかみ合ってきましたね。日体大は鍛え上げた粘り強いDFで、何度も狙い済ましたダブルタックルで接点で前に出るなど力を発揮していましたが、前後半の終盤で相手のキープレーヤーに活躍を許してしまいました。強度も高く、どちらもベストを尽くしたような試合で、観戦に来ていた日本代表のレスリーHCも満足していたかも知れません。
今日の2試合を通じて感じたことは、怪我人の状況でチーム力が大いに変わることでした。もちろんチームによっては多くない人数で戦っているのもあります。ただ新型コロナの影響がトレーニングに出ているのか、どのチームも予選で出場していた主力選手の何人かがここに来てコンディションの不良からか、登録外になっている気がします。その中で今日活躍した永井選手は先週の試合で外れていた分、コンディションを整えられたのはあるかもしれません。3位決定戦と決勝戦は2週間後ですが、どれだけ選手の調子を上げれるかが勝利のキーになりますね。
何とか2試合を終えることが出来、一安心です。コロナ禍でトップリーグや高校ラグビーが試合できない状況もあり、今日はいつもより多くの取材が訪れていました。次の最終戦に向けてまずは選手、スタッフの皆さまにはしっかり体調を崩さぬよう、休んで欲しいですね。何とか止めずに最後まで終えられるよう、関係者皆で引き続き協力していきましょう。スポーツを止めるな。女子ラグビーを止めるな。