3月になりました。21日に行われた全国女子選手権では三重パールズが勝利し、その後はセブンズでも15人制でも日本代表の合宿が行われていました。世間の注目は開幕したトップリーグですが、女子ラグビーも世界に向けてチャレンジが続いています。
私の予想以上に強かった三重パールズ、関東代表のMorning Bearsを圧倒
1週間以上前の試合になりますが、女子ラグビーの日本一を決めるにふさわしい内容でした。Youtubeのライブ配信ではレフリーマイクの音声が良く聞こえたため、実況や解説がなくてもグランドの様子がしっかり伝わってきました。大友信彦さんがRUGBY JAPAN365で当日の試合について詳細なレポートを書いてくださったので是非 ⇒ こちら。また当日の試合写真も日本協会のHPのギャラリーにアップされています ⇒ こちら。
昨年はRKUグレースと横河アルテミスターズが7-7の同点により両方優勝になりました。ここ数年は関東のチームが全国選手権でも優勝していましたが、三重パールズは大学選手権を制した天理大学のような強者の戦いぶりで久しぶりに関西代表が日本一になりました。試合を見ていても早い時間帯で、パールズがMorning Bearsをしっかり研究、分析しているなと感じました(関東大会にもチーム関係者がリクルーターとして観戦に来ています)。
ただ前半の24-0と言うスコアは予想外でしたね。Morning Bearsは関東大会のトーナメントでは倒れてもすぐに起き上がってセットし、堅いDFを見せていました。パールズはワイドなラインでDFのいない外のスペースに上手く展開して、前に出続けましたね。接点でのファイトも上手く前に出るので、ボールをしっかり継続していました。Morning Bearsは前半開始のプレーで12番古田選手が敵陣でジャッカルを決めてチャンスを作りましたが、そこでボールをこぼしてしまい、相手に先に蹴られて自陣に戻されて、そこから先制トライを許してしまいました。このプレーで三重パールズがゲームの流れを一気に引き寄せました。
この試合での三重パールズのプレーは、女子ラグビーのトップレベルを引き上げるような戦いぶりでした。公式戦がなかった1年でしたが、近隣の男子高校生相手に試合形式の練習をしたり、日本一を目指して練習を積み重ねて、決勝戦でも安定したセットプレーと確かな実力を持ったチームでした。引退する選手もいますが、2021年は注目のチームですね。関東のチームも打倒パールズを目指して、それぞれ強くなって欲しいです。
サクラ15はアジア予選が再延期になりましたが、予定通り合宿を行っています
そして女子15人制日本代表、サクラフィフティーンは26日金曜から4日木曜まで和歌山で強化合宿を行っています。本来であれば、そこから香港で行われるアジア予選に向かう予定でした。予選の日程はまだ発表されていませんが、春のうちに行われないとなると9月の本大会に向けての影響もあるかもしれませんね。改めて日本協会のHPを見ると、全国選手権でラインアウト後方への安定したスローイング、キャプテンとしてチームをまとめたアルカスの公家選手が追加召集されていました。いいセレクションですね。
HPの強化合宿レポートはこちら。27日の土曜にはゲーム形式の練習も行ったようです。今回は多くの選手が召集されていますが、アジア予選、そして秋に行われるW杯に向けてのセレクションも最終段階かもしれません。どの選手がサバイバルを勝ち残るかも注目ですね。
サクラセブンズは宮崎延岡での合宿を終了、対外試合はいつになった出来るのか
女子7人制日本代表、サクラセブンズは熊谷・延岡での合宿を終えました。HPの合宿レポートは、こちら。なかなかプレーを見る機会はないですが、参加している選手が東京五輪に向けて練習を積み重ねて、実力をつけていると感じます。レポートでは試合形式のレフリーを務めたのは関西協会の神村レフリー。元日本代表のBKプレーヤーで先日の全国選手権でもARを担当していました。女子のレフリーも年々、増えてきている印象です。少しでもトップレフリーが増えて、海外でも活躍するようなレフリーが出てきて欲しいですね。
ほんの4,5年前まではセブンズと15人制、両方をプレーする代表選手も多かった印象ですが、女子ラグビーも強化が進み、選手層が厚くなって、本当に良い選手が増えたと思います。これから先も成長を続けるには、女子のフロントローを充実させて、スクラムやラインアウトなどセットプレーの強化に繋げたいですね。ユースのTID合宿も先日オンラインで行われましたし、ユース世代の強化と連動することで、将来のフル代表の強化に繋がると思います。これからも女子ラグビーに少しでも貢献できればと思います。頑張れサクラ、頑張れニッポン!