女子の新たな国際大会「WXV」について

昨日16日にWorld Rugbyから発表がありました。最近はWorld Rugbyの公式HPが日本語でも見れるようになっていますね。今回の発表の記事はこちらです。もしかしたら女子日本代表には協会サイドから事前に伝えられていたのかもしれませんが、突然の発表に驚きました。SNSを見ていると各国の協会からは、好意的なコメントが出ていますね。

様々な発表がありましたが、とりあえずRugby Republic(ラグリパ)さんがわかりやすくまとめていたので、その記事も紹介します ⇒ こちら。ワールドカップ開催の年は実施しないと言うことで、開始は2023年とのこと。開催時期は9月~10月ですが年間に2つの国際試合期間(ウインドウマンス)が組まれることになるそうで、おそらく春にアジアチャンピオンシップ、秋にWXVという年間のカレンダーが2023年から決まりそうです。

まず国内の女子ラグビーのスケジュールの話をすると、セブンズはワールドシリーズやアジアシリーズが行われていたり、五輪やアジア大会など先のスケジュールが早めにわかることで国内の大会の日程も調整してきました。その中で女子セブンズの国内最高峰、太陽生命WSSは春と秋に分かれて行う時期もありましたが、ここ数年は大体4月から6月に行うようなフォーマットで動いていました。そこから夏は各チームで7人制を続けたり、15人制に取り組んだり、国体に向けて各地域で強化に取り組んでいます。そして国体が10月上旬に行われると、秋から冬にかけては15人制の公式戦(関東大会、関西大会)が行われます。このように年間カレンダーが定まることで、強化スケジュールが作りやすくなりますね。

一方で国際大会のスケジュールですが、女子についてはあまり定まっていないのが正直な印象でした。まずアジアでの試合ですが、5,6年前はAsia Rugby Championship(ARC)の女子大会が春に行われていましたが、2017年のW杯イヤーから行われなくなったと言うか、日本は参加していません。2017年は春にヨーロッパに遠征してウェールズやアイルランドと交流試合(ノンテストマッチ)を行い、その後W杯を控えた香港とホーム&アウェイでテストマッチを行い、W杯本大会(5テストマッチ)を戦いました。その後チームが解散してからおよそ1年半、代表活動は全く行われず、ヘッドコーチも決まっていない残念な状況から、2019年にレスリーHCが就任。それから2年が経ちましたが、行ったテストマッチはオーストラリア遠征の2試合とヨーロッパ遠征のイタリア、スコットランドとの2試合のみ。

前述の通り、2017年に行われたテストマッチは7試合ですが、W杯後の3年半のなかで行われたテストマッチは4試合のみ。それ以外の国際大会の機会は延期になっているW杯のアジア予選のみでした。これが海外の強豪国だと欧州の6ネーションズだったり、北米のアメリカやカナダ、NZやオーストラリアは定期戦や招待大会を企画したりしてテストマッチを重ねています。このテストマッチが少ない状況はW杯で勝ちあがろうとする上で、良くないですね。それを解消するチャンスがこの「WXV」になるかもしれません!

そしてこの「WXV」は3部制で行われ、日本がいるアジア1位は2部の6チームの1つにカウントされます。以前のブログでも触れましたが、今の世界の女子ラグビーは、世界ランクの上位5,6カ国がティア1に位置され、その下の7位から12位の日本辺りがティア2に当たります。「WXV」でティア2の国とのテストマッチが組まれるのは、世界ランキングを上げるためにも貴重な機会になりますね。2年後の大会ですが、来年のW杯、再来年のWXVと目指す大会がはっきり決まっていると強化スケジュールも立てやすいですし、ユース含めた代表の育成から強化のシステムが出来上がれば、何より選手のモチベーションも一層高まるかと思います。

他にもWorld Rugbyからは「スーパーチャージ」という言葉の通り、WXVに向けて積極的な投資(2年間で約10億円)を行い、より商業化、収益化を目指す姿勢が発表されているので、各国協会とも前向きな発言が多いのかなと思います。日本もそれに乗り遅れないようにしないとですね!