高校ラグビー決勝戦の振り返り

2022年になって、2週間経ちました。私事ですが仕事の関係で、1か月ほど前に5年少し住んだ千葉県から大阪府に引っ越しました。これまでのようにラグビーを観戦したりするのは難しくなりましたが、今年も女子ラグビーを中心に細々と更新していきます。

花園は東海大大阪仰星が優勝、終わってみれば圧倒的な強さでした

先週8日に行われた高校ラグビーの決勝戦、準決勝で王者桐蔭学園を破った國學院栃木、春の選抜王者の東福岡を破った東海大大阪仰星の組合せとなりました。國栃は栃木県勢初のベスト4進出という勢いがありましたが正直、國栃があの桐蔭学園に勝つとは...しかも2トライに抑えての勝利、予想していませんでした。

対して東海大仰星は西のAシードの評判通りの勝ち上がり、堅いDFからのターンオーバー、速攻でトライを奪う高いレベルのチームです。それに対して東福岡はキックオフチェイスからボールを奪い、開始直後に先制トライを奪うも前半のうちに仰星が逆転。最終スコアは42-22と快勝でした。ちなみに仰星は3年前の全国中学大会でも優勝しています、決勝戦の相手は私の母校の茗溪学園で現地で観戦しましたが、高校と同様に個々の強さとチームの完成度が高くて本当に中学生のチームなのかと驚きました。

そして8日の決勝戦。ライブでは見れなかったので、毎日放送の花園のサイトにあるアーカイブで見直してみました。これまで順調に勝ち進んできた東海大大阪仰星が有利と予想していましたが、やはり開始から仰星が國栃陣内で攻める展開になり、前半7分に先制トライを奪いました。そのあとのキックオフでも國栃がタッチに出してしまうミスから敵陣でチャンスを作り、そこから攻め続けて2トライ目。國栃はなかなか敵陣深くでアタックできませんでしたが、反則からG前ラインアウトのチャンスを作り、前半22分にモールを押し込んでトライ。前半はその後仰星がPGを加えて、スコアは15-5でしたが両チームのDFの速さ、強さが目立ちました。國栃は素早く前に出るDF、仰星は堅い守りを見せつつ、タックル後にターンオーバーのチャンスがあれば数人が一気に押し込んでターンオーバーする場面もありました。

後半、逆転を狙う國栃はFBの青柳選手がラインブレイクをするなど、アタックを試みるのですが、仰星は堅い守りを見せては、國栃の陣内に入ってアタックする前半と同じ展開が続きました。後半12分過ぎにようやく國栃が敵陣22mに入ってアタックしますが、それもG前で倒した後すぐに他の選手がジャッカルに入り、守り切りました。そして久しぶりに反則から敵陣22mに入るとモールを押し切って後半20分過ぎに追加のトライ。まさに横綱相撲という感じで、相手のアタックを受けてからの攻撃でした。DFは本当にチーム全員が繋がって、同じ判断が出来ている印象で、隙が無いです。結局、ゲームを支配し続けた仰星が後半30分過ぎから2トライを加えて最終スコアは36-5。ともに自陣からアタックを試みてトライまでミスなく繋ぐ崩しは驚きでした。

國學院栃木、初めての決勝戦にも臆することなく、自分たちの力を出し切るような戦いでした。それでも試合が進むにつれて選手の表情も険しいというか、戦える手応えを感じれない悔しさというか、東海大大阪仰星の強さはそれを寄せ付けないような感じでした。またTwitterではSOの吉本選手のキックのコントロールが話題になっていました。自陣から敵陣22mを狙ってのタッチキック、素晴らしいですね。決勝戦でも前半に2回、上手くけり出して自陣からチャンスを作りました。相手DF、特にBK3へのプレッシャーにもなったと思います。

決勝戦での東海大大阪仰星のプレーは、本当に王者らしいものでした。そして果敢に挑んだ國學院栃木のプレー、モールで奪ったトライはお見事でした。そして新型コロナの変異型が急拡大する前とはいえ、無事に全チームが陽性者を出さずに大会を終えられたことは素晴らしいです。

最後に先週末は大学選手権決勝、リーグワンの開幕、関東女子大会などラグビーシーズンは続きます。日付が変わって今日15日は関東女子大会のプレーオフ、勝った2チームが全国選手権に進出します。引き続き感染予防に努めながら、素晴らしい試合が見れるのを期待します。