昨日15日は関東女子大会の最終節が行われ、全国選手権出場をかけたプレーオフと予選プールの敗者が集まる順位決定戦が行われました。結果、プレーオフで勝利した横河武蔵野アルテミスターズとRKUグレースが、来週23日に行われる全国選手権への関東代表に選ばれました。
今年度は11月に日本代表サクラフィフティーンがヨーロッパ遠征を組んだ影響もあり、関東女子大会は12月開幕から1か月半の短期間で行い、優勝チームは決めずに、全国選手権に出場する2チームを決める形になりました。RKUグレースは予選2位から、1位の東京山九フェニックスを破っての出場決定、お見事ですね。アルテミとPTS立正の試合は今回もYoutubeでLIVE配信があり、私はアーカイブでチェック出来ました。
試合は開始から両チームともミスが少なくボールが繋がる展開。キックに関する試験的ルールである50-22を利用して、風下のアルテミが敵陣22mに入ってラインアウトのチャンスを作ると、そこが起点となり最後は外を抜け出したWTB名倉選手に素早くサポートしたSH津久井選手がボールを貰って先制トライ。アルテミはLO村上選手、FL小西選手やWTB名倉選手などパワーランナーにボールを集めてアタックを継続、接点でもタックルを上手くずらしたりして、サポートが寄る時間も作り、しっかりボールを継続します。PTS立正はスクラムで押されるも、ダイレクトフッキングから素早く球を出すなど上手く対応して攻めますが、なかなか敵陣深くに入ってチャンスを作れません。
前半22分に相手の反則から敵陣22mに入ってラインアウトのチャンス、後方へのスローをHO公家選手がしっかり投げ入れて攻め込み、G前でFWがトライを狙いますが、アルテミのFL小西選手がジャッカルを決めてピンチを脱出。その後もPTS立正のアタックを堅いDFで受け止めると、キックキャッチからアタックを継続して、CTB高木選手が裏に抜け出し、最後はWTB名倉選手が相手を振り切って右隅にトライ。その後も1トライを追加したアルテミが19-0とPTS立正をリードして前半終了。アルテミの攻守に素早い動き、粘り強いDFが光りました。
後半は逆転を狙うPTS立正の反撃から。LO秋田選手が裏に抜け出してチャンスを作り、そこを起点にG前の混戦に持ち込み、最後はラックサイドに飛び込んでトライ。そこからは両チームとも中盤での競り合いが続きチャンスを伺う中、点が動いたのは後半17分。アタックを継続し、アルテミがG前に攻め込み、ラックサイドをFL小西選手が飛び込んでトライ。続いて後半22分にもラインアウトからモールを押し込んで最後はFL小西選手がハットトリックの3トライ目。その後もキックオフレシーブからキックを蹴らず、攻め続けて敵陣に入り、最後はラインアウトからモールを押し込む展開で2トライを追加。後半40分を過ぎても攻め続けたアルテミが43-7でPTS立正に快勝しました。
MIPはトライにジャッカルに80分間、活躍し続けたといっても過言ではない小西選手が受賞したようですね。アルテミは攻守に圧倒していて、この大会で一番良い試合だったのではないでしょうか。PTS立正は初戦にフェニックスに負けてからの1か月で、リハビリから復帰した選手もいたり、チーム力を上げてきたと思います。このプレーオフに向けてアルテミ対策をしてきたとは思いますが、逆転を狙った後半、最初にトライした場面以外はチャンスがなかったような印象。個々の力で劣る部分はあったかもしれませんが、それくらいアルテミが自陣からアタックをしっかり継続して攻め勝ちました。
来週23日からは全国選手権が始まります、三重PEARLSの連覇なるか
7チームで争った関東女子大会、短期間の日程だったとはいえ15人制の公式戦が多いチームで4試合、少ないチームだと3試合。女子選手のチームや人数も増えてきたなか、日程の関係もあり、試合数がなかなか用意できていない現状があります。個人的には、来年度は9月か10月の秋に開幕を早めて、総当たり戦で出来ないものかなと。代表強化に直結するわけではないですが、日ごろから頑張る選手にも応援する人にも多くの試合機会を作っていく必要はあるのかなと感じています。それが大会の価値、女子ラグビーの価値を高めるものになって欲しいです。
そして関東と関西の代表チーム4つで争う全国選手権が23日に鈴鹿で行われます。関西大会で優勝した三重PEARLSとプレーオフの得失点差により2位扱いとなったRKUグレースが戦いますね。もう1つの試合は九州合同チームと横河武蔵野アルテミスターズになります。私も今のところ、現地へ応援に行く予定なので楽しみです。
最後に女子15人制だけでなく7人制も熊谷で合宿をしたり、高校生も先週に横浜市女子セブンズ大会があったりで、活動が活発化しています。新型コロナの変異株が猛威を振るい、感染が拡大している中、大会が予定通り開催されることを願っています。