サクラセブンズのカナダ大会初日を振り返る

5月に入りました。今日1日は女子日本代表がセブンズ、15人制ともに海外で試合があります。国内では太陽生命WSSの期間中ですから、代表選手の派遣に協力してくださるチーム関係者の皆様には感謝ですね。女子ラグビー、トップレベルの選手の層が増えてきましたが、インターナショナルレベルの選手育成については、まだまだこれからでしょうか。

およそ2年ぶりのシリーズ大会、強豪国との差を改めて感じた初日

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高校生も含む新たな若手も加わったサクラセブンズ、主将はサクラセブンズではベテランの平野優芽選手、落ち着きあるプレーは頼りになります。
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昨年のW杯アジア予選からチームを率いる鈴木貴士HC、頼りになります

今回は招待チームとして参加する女子日本代表サクラセブンズ、初代表の選手も加わり、自分が知らない選手も増えてきました(苦笑)。日本協会HPの遠征レポートはこちら。開催地のビクトリアは結構冷え込んでいるようですね(記念撮影の日は晴れて、スタッフもみな半そでですが)。ワールドシリーズではここ何年も昇格や降格が続いて、どの相手も格上という厳しい試合展開になりますが、カナダ大会初日も苦しい3試合でした。

第1試合 VSアイルランド  7-22●負け 
第2試合 VSフランス    5-41●負け 
第3試合 VSブラジル   12-38●負け

予選プール全敗で4位、戦いぶりを見ても試合開始からおよそ1分で相手に先制トライを許してしまったり、トライを奪った直後であっさり独走トライをされてしまったり、自分たちが目指す戦いがさせて貰えなかった印象です。ワールドシリーズでは以前から予選プールで勝てないなか、日本は強豪国を相手にどんな戦いを見せてくれるのかに注目しています。カナダ大会の初日は日本の戦いというより、相手の日本対策がはっきり見えました。具体的にはキックオフ、ブレイクダウンでプレッシャーをかける、個々のサイズを活かしてアタックで無理せずに継続するといったところで、日本のDFは取り組んできた倒す、倒れるから素早く起き上がる動きは伝わってきましたが、ボールを奪い返すような激しさは足りませんでした。

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東京五輪を戦った3人、梶木選手、大谷選手、平野選手は厳しい試合の中でも安定したパフォーマンスを見せてくれました

その中でも梶木選手のジャッカル、大谷選手のランにタックルなど、所々ではおおっ、と思わせるプレーもありました。なかなか勝利に繋がる試合展開になりませんが、タフな経験は重ねてきています。本当にワールドシリーズ大会ではコアチームから勝利するのが難しい。そして海外の強豪国のプレー(特にフィジカル)に驚かされています。昨年の東京五輪では最終戦で12-21と惜敗したブラジル相手に6トライを奪われるとは、正直予想外でしたが、相手のスピードランナーに走られると、日本の選手は追いつけないですね。

大会2日目、9位‐12位トーナメントに向けて

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ブラジル戦の最後に三枝選手が相手をかわしてのトライ、その前の大谷選手のビッグゲインから見事なアタックでした

明日2日目は下位4チームでのトーナメント。相手はおそらくイングランドです(他はブラジルとメキシコでしょうか)。日本が勝利に近づくためには敵陣でのアタックの機会を増やしたいところです。ブラジル戦は前半、アタックの時間は多かったのですが、自陣でのプレーが多く、ターンオーバーからあっさりトライを奪われるなど、良くない試合展開でした。敵陣でのチャンスを常にトライに結び付けるアタックが出来ないと勝つのは難しいですね。相手のプレッシャーの中で個人個人が閃き、チャレンジして、ポジティブな経験を重ねてほしいです。

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ブラジル戦の1トライ目は敵陣22mのスクラムから2フェイズ目で原わか花選手がトライ!

そして今日の午後には豪州でサクラ15のフィジー戦

最後にセブンズだけでなく15人制のほうも。昨年秋のヨーロッパ遠征では悔しい試合が続いたサクラ15、2年半ぶりのテストマッチ勝利に向けて、世界ランクでは下位のフィジーと豪州で戦います。相手の15人制の情報はあまりないですが、豪州で行われているスーパーラグビーの女子大会、SUPER Wに参加している選手が中心でしょうし、手ごわい相手だと思います。

フィジー戦の登録メンバー、注目は2017年W杯以来の出場(?)8番ライテ選手の爆発的アタック。

フィジーには2016年12月、W杯の予選で大勝していますが、まずは安定したセットプレーでプレッシャーをかけていくの勝利の鍵。特にヨーロッパで苦戦したラインアウトがどれだけ改善されているかですね。あとはキックを上手く使い、敵陣でのプレー時間をどれだけ作れるか。フィジーは良いランナーが多いと思いますが、キックは上手くないと思いますし、15人制では横の選手と連携して気持ちよく走れるスペースを与えなければ大量失点はないと思われます。日本のアタック力を考えると、接戦にはなりそうですが、フィジーを20点以下に抑えれば勝てると思います。頑張れサクラフィフティーン!!