前回のブログから1か月以上空きました。その間に太陽生命WSS静岡エコパ大会の応援にも行ったり、鈴鹿大会もYoutubeで2日目の試合を観戦したりしていましたが、結局ブログを更新せず・・・そうしていたら、シリーズ最終戦の弘前大会も終了しました。
シリーズ初開催の弘前大会を制したのは東京山九フェニックス
ちなみに太陽生命WSS(ウィメンズセブンズシリーズ)は2014年から始まりました。私は当時、TKM(現YOKOHAMA TKM)のコーチをしていたので、初年度から参戦していました。当時は龍ヶ崎、札幌定山渓、横浜のYCACの3大会だったかな。あれから秩父宮開催の東京大会、秋田大会、神奈川の保土ヶ谷大会、静岡の裾野大会、三重の鈴鹿大会など開催地が拡がっていく中、今回は青森県。6月中旬、梅雨の時期としては、良かったのではないでしょうか。
そんな弘前大会はシリーズ最終戦、総合成績も決まる大事な大会。前回の鈴鹿大会から、新たにセブンズ女子日本代表候補(SDS)に入った選手など代表候補選手はフランス遠征により不参加。チームの層の厚さ、総合力も試されるような大会でしたが、SDSのフランス遠征に4名の選手を派遣した東京山九フェニックスが、予選プールではTKMを相手に4点差で勝利。2日目は準決勝で三重PEARLSを相手に3点差で勝利し、決勝では総合優勝争いをするながとブルーエンジェルスに21-12と勝利。7-7の後半に見事なアタックでリードを奪うと、粘り強いDFで逆転を許さない試合展開で、王者にふさわしい戦いでした。
個人的に総合優勝できた要因を考えると、今シーズン加入した米国セブンズ代表経験のあるニア・トレバー選手の圧倒的な得点力、そして粘り強いチームDF力ではないでしょうか。シリーズを通じて負けた試合は、熊谷大会の決勝TKM戦(0-17)、鈴鹿大会の決勝ながとBA戦(7-35)の2試合のみ。静岡エコパ大会と鈴鹿大会の1日目の予選では3試合とも完封勝利。2日目のトーナメントもほとんどの試合では相手を3トライ以下に抑えていると思います。そして今シリーズのトライ女王ニア・トレバー選手は4大会で通算41トライ。1試合平均で2トライ近く。相手チームが警戒しても、それでもトライを奪ってしまう強さと速さは凄かったですね。
アタックとDF、ともに強力でしたが、それを最大限に発揮するチームの戦術、戦略の完成度が高かった印象です。アタックを見ていても、2人目のサポートの速さ、ボールの展開に意図を感じました。特に鈴鹿大会のトーナメント準決勝、三重PEARLS戦の2トライ目、自陣10m付近のラインアウトからアタック、大竹選手が外を大きくゲインしてラック、ワイドに展開し、走りこんだ原わか花選手がコーナーに飛び込んだトライが、印象に残っています。
4大会とも4強の顔ぶれは変わらず、クラブと大学チームの差が出てきた2022
日本協会HPにある年間総合順位のお知らせは、こちら。またRUGBY JAPAN 365で弘前大会のドリームセブンと個人得点ランキングがUPされました、こちら。今年のシリーズは強豪クラブであるフェニックス、ながとBA、TKM、PEARLSのクラブチームが毎大会ベスト4に進出、大学生チームは日体大の総合5位が最上位でしたが、総合ポイントは48。4位のPEARLSとは12ポイントの差でした。クラブチームと比べると大学生は外国人選手のリクルーティング、チームの強化費用など差はありますが、フェニックスや三重PEALSの主力選手には大学生もいますし、実力のある大学生選手は各地で育っていると感じました。
その一方で厳しいシリーズだった北海道BBディアナ、サクラフィフティーンの豪州遠征中の熊谷大会で負傷者が出たことで大会途中で棄権したPTSなど、登録選手を集めるのに苦労しているチームもありました。所属選手が多いと練習でも試合形式など出来ますし、選手の確保、リクルーティングは今も悩みの種かもしれません。チャレンジチームはセブンズユースアカデミーの高校生主体で厳しい試合ばかりでしたが、強豪相手に果敢に挑み、惜しい試合もありました。前半は相手の勢いを受けて劣勢になるも、ハーフタイムで修正して、後半に素晴らしいプレーを見せる試合もありました。ただ個人的には太陽生命WSSよりも、接戦が期待できるリージョナルセブンズに出場させるべきかなと思います。
今シリーズは各チームの強化に加えて、リージョナルセブンズからの招待チームの参加もあり、素晴らしいシリーズとなりました。運営してくださった協会、大会関係者の皆様、そして参加チームのスタッフ、選手の奮闘に感謝です。女子ラグビー、今後も益々盛り上げていってほしいですね。