サクラ7sもサクラ15も活動中、大事な8月

8月中旬、お盆休みの時期にまとまったお休みを頂いています。女子ラグビーは7月にサクラ15が南アフリカのとのテストマッチを1勝1敗で終えてから、国内ではコベルコカップや菅平女子セブンズ、ユース世代の中高生の大会が行われていました。そして8月、タイトルの通り、サクラ15はアイルランドとのテストマッチに向けて釜石で再び合宿に入り、サクラ7sは遠く南米のチリで開催されるワールドシリーズのチャレンジャーシリーズ大会に参加、日本時間深夜に行われる大会はライブ中継で見れるそうです。チリ遠征のレポートは、こちら

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サクラ7sの登録メンバー、太陽生命WSSで活躍した大黒田選手や大竹選手が久しぶりの代表入り。

サクラ7sは12日から3日間で行われるチリ大会、優勝して昇格なるか

日本はコアチーム入りと降格を繰り返すような時期があり、5年ほど前は当たり前に決勝まで進み、優勝していたのがこの昇格大会でした。今回の大会では12チームが参加、他のプールには昨年の東京五輪で日本に勝ったケニア、中国もいます。過去の大会の中でもこの大会にこれほど強豪国が集まったのは初めてかもしれません、それだけこの数年の間に海外の各国の強化が進んでいるのでしょう。

男子と並行して行われる大会、試合時間は深夜でも早朝でもなんとか応援したい。

日本は予選プールで戦う3チームを見ると、コンディションに問題なければ1位通過は問題ないでしょう。その後のトーナメントで戦うであろう、ヨーロッパ勢、そして中国、ケニア相手にしっかり戦えるかどうか、ある程度の緊張と余裕を持ちながら、3日目にピークを持って行って欲しいですね。東京五輪でも活躍し、その後も代表に定着している梶木選手、大谷選手、そしてキャプテンの平野選手には注目ですが、東京五輪への出場を逃しながらも懸命にトレーニングに励んで代表に復帰した大黒田選手、大竹選手がどんな活躍を見せるか注目ですね。特に大竹選手は日本代表の中でもフィジカル、スピードに長けているので、彼女が活躍する場面が増えると、勝利に近づくでしょう。

勝ちパターンとしては、まずセットプレーの安定、キックオフの攻防で負けないことが前提。そしてアタックでは素早いサポートでしっかりボールをキープして攻め続ける。DFでは反則をせずに粘り強く守る。外のスペースでスピードランナーと1対1になると厳しいので、サイドからのアタックは素早く前に出るDFで止める。サクラセブンズの試合は久しぶりに見れるので、どのような進化をしているか、楽しみにライブで見たいと思います。

サクラ15は強豪アイルランドとの試合に向けて、選手のセレクションに注目

そしてサクラ15、熊谷で行われた南アフリカとのテストマッチは2連勝するかと思っていましたが、DFでは強力なランナーに走られて敵陣からトライを奪われ、ATではチャンスを作るもハンドリングエラーや勢いに乗った相手の粘り強いDFに後半ノータイムでトライを奪い返すのがやっとでした。熊谷での試合映像はハイライトでしか見ていませんが、Twitterで実況してくれる方もいたので、印象はどちらかと言えばミスで自滅してしまったのかなと。夏のこの時期なので夕方にキックオフ、ナイターに近い状況でボールが滑り、ミスが生まれやすい状況だったかもしれません。いずれにせよそれを試合中に修正して逆転に繋げられるか、そこもW杯への準備としては良い経験だったのではないでしょうか。

サクラ15も勝ちパターンを考えると、まずはDFで相手を止め続けられるかどうか。熊谷での失点場面のように敵陣でプレッシャーをかけつつも、少しのDFの連携ミス、タックルミス、少しのカバーの遅れが致命傷になります。まだ海外勢とのフィジカル、スピードの差は否めない。その中でどう勝利を手繰り寄せるかは、選手もスタッフもわかっていると思います。アタックではいかに敵陣22mに入るかですね。テンポ良いアタックで前に出ながら、キックも交えて敵陣に入っていく。そしてターンオーバーを狙うようなシチュエーションを意図的に作れるようにならないと、W杯では厳しいでしょう。

またG前のアタックのオプションが気になりますが、今のところFW中心で拘っていくと感じています。なので昨年からの課題であるラインアウトでスローもリフトもミスなく安定できるかどうか。改善してきた中で、スクラム含めてセットプレーで余裕を持てると、FWの力をより発揮させることに繋がります。そしてBK。南アフリカ戦では以前より、ワイドに素早くボールを動かすプレーが増えたと感じています。一方でDFラインを切りに行く、トップスピードで走りこんで一気にラインブレイクするようなプレーもあればいいと思いますね。

そしてW杯に向けて今回の釜石合宿では参加メンバーも絞られてきました、協会HPのお知らせはこちら。オーストラリア遠征のメンバーを中心に、代表に復帰してきたFWの加藤選手、櫻井選手、BKの谷口選手の名前もありますね。前回の大会から比べると、本当に選手の層が厚くなってきたなと感じます。この中からW杯登録メンバーに向けてのセレクションを考えると、まずは経験の浅い大学生選手がいかに練習からアピールできるか。もちろん全員が毎日必死に戦っているとも思いますが、チームが成長していく中でやはり若手の思いっきりの良さは大事ですし、リーダー陣はそれも含めてしっかりまとめ上げて欲しいですね。

そんなサクラ15と戦うアイルランドですが、昨年のヨーロッパ遠征でも戦っていて、日本より格上の印象です。W杯出場は惜しくも逃したものの、強化は進めていますし、2019年のW杯でアイルランドと戦った、静岡エコパで女子のテストマッチを行うとは、日本協会も粋な計らいをしましたね。W杯の予選プールで戦う米国、カナダ、イタリアに向けて、自分たちの力量を図るうえでも非常に良い相手だと思います。一方でW杯を見据えて、ベストメンバーで戦うのか、ポジション変更などチャレンジングなメンバーで戦うのかも注目です。その辺りは今後の合宿のレポートや選手のSNSを見ながら、考えていこうかなと思います。