サクラ7sは順調に準決勝進出、仕上がりが最高に良い

南米チリの首都サンティアゴで行われている、ワールドセブンズチャレンジャーシリーズ大会。日本は予定通り、予選プールを3勝で全体2位通過。今朝行われたトーナメント1回戦のベルギーを相手に31-0と快勝して、ベスト4進出を決めました。これまでの勝ち上がりはJRFUの写真と共にRUGBY JAPAN 365で大友さんがまとめています、こちら⇒「サクラセブンズ昇格大会、順調に準決勝へ

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ベルギーとの試合は昨年の東京五輪以降で見た試合の中で一番の出来と感じた試合でした。

好調の要因は豊富な運動量と粘り強いDF

サクラセブンズはこれまでの4試合で得点が122点、失点が22点。予選2試合目のコロンビア戦では前半リードされて折り返すも、後半に梶木選手の2トライの活躍もあって逆転勝利。それ以外の試合でも前半に先制トライを奪ってそのままリードを拡げてトライという展開でした。ワールドセブンズシリーズへの昇格を目指す大会とはいえ、数年前と比べて参加する各国の強化が進み、南米やヨーロッパの国の選手のサイズやフィジカルは日本以上ですね。

それに対して、日本は素早いサポートと起き上がりのリアクションで勝っています。これまでの大会と比べて、アタックではDFに絡まれてのノットリリースザボールがほとんどないですし、キャリアーが簡単に倒れないようファイトしている。サポートも低く強い姿勢で絡んでくるDFをはがせていて、SH役の選手もすぐに球を捌いて再び攻める。相手はDFでプレッシャーをかけきれずに、やりたいアタックが出来ていて、しかも原わか花選手の7トライなど、得点に繋げています。DFではしっかり体を当てて、足を掻いてキャリアーを簡単にコントロールさせないバトル出来ているのが良いですね。そして倒した後の起き上がり、ラックサイドに立つリアクションの早さは参加チームで一番でしょう。チーム内でも横と連携して素早く前に出る、この選手を狙いすましてタックル、チャンスがあればボールを奪う、というイメージが出来ている。それくらいこの大会のサクラセブンズは鍛え上げられている、仕上がっている印象です。応援しているファンも、安心して見られているという声がSNSでは多いですね。

ワールドセブンズシリーズではそれでも海外の強豪国がフィジカル、スピードで個に勝る部分が多く、タックルを決められずに繋がれたり、外のスペースを走られたりで失点を重ねてしまうのが多かったです。チャレンジャーシリーズ大会ではそれらの部分が見られないくらい、むしろ大きな相手を押し込んで倒すハードタックルが見られる、良いDFが出来ています。残り2試合、更なる強豪国を相手に同じスタイルをどれだけ貫けるか、楽しみです。

ケニア、中国、ポーランドを相手にどう戦うか、事前の準備と一貫性が大事

準決勝はこの後深夜にケニアと戦います。そして明日の朝行われる決勝戦、相手はこれまでに試合を見る限りポーランドが有力ですが、中国も昨年の東京五輪のような戦いが出来れば、勝ち上がってくるでしょう。ここからの負けられない2試合、相手をどれだけ分析できるかが大切です。それは直前の試合を見るだけではありません。ケニアは初戦、中国に勝利した後、チリとの試合は序盤にリードを許すなど、あれっと思う試合もありましたが、準決勝ではきっと調子を上げてくるでしょう。WTBは三重PEARLSでもプレーしていた選手ですし、手ごわい相手です。それでもアタックでキックを用いるようなスキル、奇襲的なものはないと思うので、日本はこれまでやってきたスタイルを貫く一貫性を大切に、戦ってくれると思います。DFで粘り強く守り、プレッシャーをかけて、自分たちのペースに持ち込めれば良いですね。

そして決勝戦、ポーランドを相手と想定すると、これが強敵です。今年、招待参加したワールドセブンズシリーズ大会でもベスト8入りを果たすなど、日本より格上と言ってよいでしょう。トーナメント初戦でも日本が予選で戦ったコロンビアを相手に36-0と快勝。日本と同様の仕上がりの良さ、と言って良いくらいです。アタックではループプレーを入れて仕掛けてきますし、DFでもしっかりセットし、前に出てくる。ジャッカルを狙う選手のリアクションも早い。日本もアタックでは原わか花選手が警戒されて、外を簡単には抜け出せないと思いますし、縦の突破も交えながらミスなくアタックしていかなければいけません。そんなポーランドとの戦いは、お互いの強みを出せた方がそのまま勝利してくれると思います(当たり前すぎて、すみません)。一方で相手の予想を上回るプレー、一発で抜けるサインプレーだったり、前に出たDF裏へのキックだったりも準備としては必要でしょうね。競った展開になれば、ポーランドのほうが経験は浅い分、ミスも出てくると思うので、日本が優勝するチャンスは十分にあると思います。

厳しい2試合になると思いますが、それでもこれだけ期待を持たせてくれるサクラセブンズは個人的には久しぶりです。それだけ活躍を見せる選手が多い。リザーブの選手もいい状態でしょう。なのでPCの前でしっかり応援したいと思います。頑張れサクラセブンズ!

最後にサクラフィフティーンも来週のアイルランド戦に向けて、釜石で早朝からトレーニングに励んで、仕上げています。協会HPの合宿レポートはこちら。写真を見ると櫻井選手もヘッドキャップ被ってますし、南アフリカ戦は出番のなかった公家選手、津久井選手も良い顔しているので、こちらも楽しみです。頑張れ日本!頑張れサクラ!