サクラセブンズが活躍したセブンズW杯が終わったばかりですが、来月にニュージーランドで行われる女子の15人制W杯は開幕まであと24日。昨日、その大舞台に挑む女子日本代表サクラフィフティーンの選手32名が発表されました。日本協会HPの発表はこちら、選手1人1人のコメントや試合予定含めた遠征スケジュールも掲載されていますね。またJSPORTSのラグビーコラムでも記事になっています、こちら。
前回2017年のアイルランドW杯を振り返ると、ベスト8進出を目標に掲げるも予選プールで初戦のフランスに大敗、アイルランドに逆転負け、オーストラリアにも敗れて3敗で9位以下トーナメントへ。そしてイタリアに負けて、最後に同じアジアから出場した香港に快勝して11位で終えました。あの悔しい結果からもうすぐ5年、前回大会に出場したメンバーは当時高校3年生、チーム最年少で大活躍を見せた津久井萌、あとは大学生も多く若い代表チームでした。2大会連続で選ばれた選手は9名ですが、クラブチームに所属する選手が多く、大学生の選手は少なくなりました。なお今回の最年少メンバーは大学1年生で選ばれた向来桜子ですね。若いですが、運動量とタックルに長けた選手で、今後の更なる成長が楽しみです。
これまでと同様に顔触れを見るとFWの選手が多い
選ばれた選手の顔ぶれを見るとFWが19名、BKが13名という構成。大まかなポジション別で見ればPRが6名、HOが2名、LOが5名、FLが5名、No.8が1名(永井彩乃)、SH2名、SO3名、CTB3名、WTB2名、FB3名といったところです。もちろんユーティリティーな選手もいるので、そのポジション以外でも活躍してくれるでしょう。
ここ最近のテストマッチでも、リザーブにFW6名、BK2名という形が多いので、遠征メンバーにもFWが多いです。個人的にはPRとLOの人数が多いな、CTBかWTBにもう少ないな、という印象です。イングランドで活躍し、今はリハビリ中の小林選手がいない一方、同じチームで今シーズンはリハビリが多かった加藤選手が、この前のアイルランド戦で復帰し、そのまま代表入りしました。
専門職のHOが2名ですが、スローイングに関してはFLの齋藤選手、鈴木実沙紀選手も放れるので、カバーできるということでしょう。個人的にはスローイングが優れた公家選手が外れてしまったのは残念です。あとは昨年の遠征での大怪我から手術、リハビリに励んでいた前回大会も経験しているLO櫻井選手、インパクトプレーヤーのライテ選手の2人も最終合宿のメンバーから外れました。FWはしっかりとコンタクト局面で活躍できる選手、攻守に苦しい時間帯でも規律を保てる、フィットネスのある選手を選考したのかもしれませんね。
BKを見ると、これも前回大会を経験したCTB黒木選手が外れてしまいました。WTBも出来るユーティリティーな選手ですが、残念ですね。SOは3名ですが、山本選手はCTB、今釘選手はWTBもカバーできるので、アイルランド戦の時と同様に大塚選手を軸にしていくと思われます。また気になるのは松田選手のポジション、先日のアイルランド戦ではFBで出場し、外で相手DFを振り切ってトライを奪う活躍を見せていました。別の試合ではCTBでも出場しましたが、いずれにしても日本の活躍には欠かせないキープレーヤーになりそうです。
レスリーHCはオンラインの会見で大会中の活躍を期待する選手としてSH阿部選手、PR加藤選手、FB松田選手の3名の名前を挙げました。SHは前回大会でドリームチームに選ばれた津久井選手もいますし、2人のポジション争いは白熱しそうですね。24日には優勝候補で開催地のNZ代表BlackFernsとテストマッチを行いますが、予想スタメンが難しい。ただ直近のアイルランド戦で勝利したメンバーが中心になるのは間違いないでしょう。リザーブ含めた23名を考えると、BKは枠が少ない可能性もあるので、頑張らないといけませんね。
それと大事なのは長い大会の中でチームの雰囲気を作るベテラン選手。例えば2015年のイングランドW杯では廣瀬選手がその役割を担い、トレーニングに励みつつ相手チームの分析を行ったり、練習相手としてサインプレーを研究していました。サッカーの日本代表でも決勝トーナメントに進出したチームには、そういったチームを支える、盛り上げるベテラン選手の頑張りがあったと聞いています。
女子日本代表のベテランと言えばやはりCTB鈴木彩香選手でしょうか。もちろんFLの齊藤選手は最多キャップ保持者ですし、鈴木実沙紀選手は2013年に行われた前々回のW杯アジア予選から代表入りしている。女子ラグビーが本格的に強化に取り組む少し前から代表入りしていて、この大会が集大成という思いもあるかもしれません、そして常に周りの選手、スタッフに気を配れると思います。試合に出る、出ないにかかわらず、それぞれが自主的にチームに貢献するべく、取り組んでいければ、きっと良い結果に繋がるはずです。
目指せ、ベスト8!世界を驚かそう、サクラフィフティーン!!