関西女子大会最終節、三重PEARLSが6連覇

前回からほぼ1か月振りの更新になります。先週は府中朝日フットボールパークで行われた関東大会の2試合も観戦していましたが、帰ってきてからバタバタしていてあっという間に週末になっていました。第1試合は前の週で日体大に敗れた横河武蔵野アルテミスターズと苦戦が続いているYOKOHAMA TKMオーバルズ(弘前サクラオーバルズとの合同)が戦いました。この試合は前半と後半最初の得点はSH津久井選手が抜け出したFWの選手をサポートしてトライを奪いました。またDFでも粘り強く、相手が攻め込んでピンチになりそうなときにジャッカルを決めるなど、終始アルテミペースで完封勝利しました。TKMは所々で外に展開して良いアタックを見せるも、タックル後のブレイクダウン周りでの反則が目立って、ちょっと残念な戦いでしたね。関東協会HPの公式記録はこちら

第1試合目はアルテミスターズが34-0で快勝

第2試合はRIA(立正大、国際武道大、アルカス熊谷の合同チーム)とRKUグレースの試合でした。この試合はRIAの永田選手が先制トライを奪うも、徐々にRKUグレースが流れをつかみました。10番大塚選手が敵陣への大きなキック、前に出てきたDFの裏に転がすキックなど、チームを前に進めるキックががとても有効でしたし、前半最後にはスクラムトライを奪いました。後半はRIAも2トライを奪いましたが、グレースは逆転を許さず24-17で勝利しました。

そして昨日は流通経済大学ラグビー場で東京山九フェニックスとYOKOHAMA TKMオーバルズの試合が行われ、フェニックスが13-5で勝利しました。関東協会HPに大会の勝敗と勝ち点の乗った星取表があります、こちら。全国女子選手権に向けては1敗で並ぶ日体大、フェニックス、アルテミの3チームの争いでしょうか。星取表では日体大とTokyo LaDieSの試合が中止扱いですが、日体大の不戦勝なので勝ち点5が加わり、日体大がリードしている印象です。

関西大会は三重PEARLSが大会6連覇を達成

昨日はスポーツの杜鈴鹿のラグビー場で行われた関西大会を観ましたが、天気予報通りというかそれ以上に寒さを感じる1日でした。観ている方もですが、グラウンドの選手、MO、関係者は大変だったと思います。第1試合はともに初勝利を目指す2チームでしたが、IRIEが57-0で大勝。IRIEは9番、10番、12番の大学生選手がアタックを上手くリードし、トライを重ねました。Central Rhinorsは何とか1トライを奪おうと攻めましたが、2度インゴールに入るもグラウンディングが認められず、相手の粘りもあって惜しいプレーでした。

そして第2試合は勝った方が優勝ということで、三重PEARLSと九州ながと合同が戦いました。それまで関西大会の試合映像は見たことなくて、なんとなくPEARLSが勝つんだろうと思っていましたが、開始10分で九州ながとが2トライを奪いリード。PEARLSはそこから相手の反則で攻め込むと、ラインアウトモールを押し込んでトライ。前半は九州ながとがPEARLSをしっかり分析してよい準備をしてきたと感じさせる内容でした。10番下村選手のキックも50-22ルールが適用される場面があったり、DFでジャッカルを決める場面も多く、PEARLSは我慢の時間が多かったと思います。15-7と九州ながとがリードして前半終了。

後半ですが、開始から20分は得点が動かず。PEARLSが攻める場面が多い中、九州ながとの粘り強いDFが目立ちました。それでもPEARLSが敵陣22mに攻め込み、相手が反則した場面。治療する選手がいて試合が止まる中、PEARLSベンチからは「ショット」の声、まず3点を確実にとって1トライで追いつく状況にしようという意図だったと思います。しかしグラウンドの選手はそれを聞いたうえでトライを狙いに行く積極策を選択した結果、FWの選手が奮闘してトライを奪い、流れをぐっと引き寄せました。この判断の見方は様々あるかもしれませんが、PEARLSというチームの底力を感じました。そしてこの直後に先日のW杯でも活躍したサクラ15の齊藤聖奈選手が出場。その後も残り時間少ない中、自陣から相手の反則、ラインアウトの繰り返しでG前に攻め込むとその齊藤選手がラックサイドに飛び込み決勝トライ。19-15と劇的な逆転勝利で6連覇を飾りました。

https://twitter.com/RugbyPearls/status/1604419337133006848
関西大会最終戦、PEARLSと九州ながと合同の試合は最後まで白熱した展開でした

優勝したPEARLSはW杯にも出場した日本代表選手が多くいますが、そのPEARLSを相手に九州ながとも本当に奮闘していました。15番大内田選手は確かながと所属だったかな。相手のキックをキャッチし、鋭いステップでタックルを外して、リスタートの起点になっていました。またPEARLSがBKに展開した時もしつこく捕まえると、隙があればブレイクダウンでプレッシャーをかけて反則を奪うなど、判断よくプレーしていました。

そんな最終戦で戦った両チームはともに留学生ら外国人選手がいましたが、彼女たちがキープレーヤーでもある一方で、それに頼りすぎることなく、チーム全体が良い動きを見せていました。日本人でも活躍が目立った選手がそれなりにいて、視察に来ていたレスリー日本代表HCも満足していたのではないでしょうか。この2チームが年が明けて1月22日から始まる全国女子選手権に出場します。開催地はまた鈴鹿なので、関東のチームを相手にどんな戦いを見せてくれるか、楽しみですね。