昨日は鈴鹿で全国女子選手権の観戦に行きましたが、試合を見ながらTwitterでサクラセブンズの試合経過を確認したり、最終戦のイギリス戦をLIVEで見たり、隣で一緒に見ていた知り合いの保護者が苦笑いしていました。そして最後は追い上げ届かず、惜しくも敗戦とはなりましたが改めて過去最高の6位という結果、本当におめでとうございます!
昨日の全国女子選手権について、RUGBY JAPAN 365の方に写真と試合経過のレポートがさっそくあがっていました。とりあえず2試合目のレポートのリンク、貼っておきますね
⇒ 2冠まであと1勝!全員で「攻めたぎる」
鈴鹿の個人的な観戦レポートはまた改めて。今日は引き続きサクラセブンズの振り返りを。
日本協会HPのハミルトン大会2日目の結果お知らせは、こちら。
試合結果は、VSニュージーランド●12-43、VSフランス○19-12、VSイギリス●10-14
フランス戦の試合経過を見ると、前半4分に内海選手が先制、そのあと逆転を許すも、後半4分に平野選手、6分に須田選手がトライを奪っての逆転勝利でした。日本協会HPの遠征レポートは、LIVE中継のなかったフランス戦の写真をたくさん載せていますね。
イギリス戦については、グランドとスマホを同時に見ながらでした。前半開始から敵陣に攻め込んで、外の原選手がボールを貰って大外を走るもタッチライン際で止められていました。その後、イギリスが日本のDF裏に大きくキックを蹴ってチェイスして、スクラムのチャンスを作り、そこから外に展開して走り切り先制トライ。日本は粘り強く守るも、ホーンがなってから1分過ぎに奪われた2トライ目が厳しかった。そこからよく2トライを返したなと思います。
この梶木選手の1トライ目の場面も、自陣からワイドに球を動かし、素早いサポートで相手にジャッカルを許さず、アタックを継続して敵陣へ。そこからループプレーを入れてDFを引き付けて大外の梶木選手という流れでした。今のサクラセブンズはこういったアタックがハマっていますね。ただ外に回して走るとかではなく、クイックセットして常にDFに仕掛けていく。キャリアーがつかまりそうなときには近くの選手が素早くサポートに走って孤立させない(ここでオフロードパスをするか倒れてラックにするかの判断が絶妙)。そして仕掛けられない時はいったんペースを落として、DFとの間合いを取ってリセットする。その動きの質が、大会を重ねるごとに良くなっている印象です。
DFでは3~4人がセットした状態から前に出るスピード、左右の選手との連携が良いですね。相手ATとの1対1では正直分が悪いですが、横との連携が取れていると焦って飛び込んでタックルミスすることがありません。相手を見て冷静に対応できている。結果、トーナメント初戦のNZ戦以外は相手を4トライ以下に抑えています。この試合はターンオーバーされてからの速攻だったり、スーパーエースのウッドマン選手に弾かれたりで、トライを与えてしまいました。この辺りは今後の課題ですが、2日目にこういう戦いができた経験は大きいですね。
今のサクラセブンズの強さって何だろうな、と考えてみましたが、個人的には「当たり前のことを当たり前に出来るようになってきた」という印象です。「何それ~」と思われそうですが、スピードもフィジカルも上の強豪相手に、それが出来るようになってきたっていう意味です。チームの戦術理解と共有が出来ていて、練習で取り組んできていることをしっかりパフォーマンスで出せている結果、慌てたりプレッシャーを受けてのミスが少ない。
中村選手(プレイングコーチ)が「自分たちでもまだ強くなっている実感が持てていないのが現状」とコメントしていますが、試合を見ているファンの方々は、以前と比べて画面の前で「あぁ~」とか「うわぁ~」とか言いながら頭を抱えるようなことはあまりないのではないでしょうか。それくらい今のサクラセブンズの戦いは安定感を感じる一方で、この戦いぶりを見て強豪国も日本を意識してくるでしょう。例えば日本の素早いDFに対しての対策として、自陣から大きなキックが増えるかもしれませんね。トライ後のキックオフの攻防も激しくなると思います。なので次の大会は真価を求められる、新たなレベルに進めるかのチャレンジです。
今週末のシドニー大会に向けて、6位はかなりのアドバンテージ
最後に次のシドニー大会に向けて。シリーズ大会HPにある女子順位表を見ると、日本は今回勝ち点10を加えてトータル15点、これはスペインと並んで全体8位。ちなみに1つ上の7位はフィジーですが、トータル26点。この11点の差は常に8強入り出来るチームとそうでないチームの差です。太陽生命WSSでも総合の上位3,4チームとそれ以外の中位以下で勝ち点が大きく離れるのも同じようなものですね。
シドニー大会の組合せはまだ発表されていませんが、ハミルトン大会で6位になったことで、予選プールの中に招待参加含め、ランク下位の国が入る可能性が高いです。今のサクラセブンズの力をしっかり出して、下位の国から確実に1勝し、上位国から勝利を目指して競った展開に持ち込めば、連続で8強入りする可能性は十分にあります。女子のシリーズは全部で7大会、ちょうど真ん中の4大会目は、コアチーム残留に向けても大きな大会です。
そんな今週末のシドニー大会、サクラセブンズの更なる活躍を期待して、楽しみにしたいと思います。頑張れ日本、頑張れサクラセブンズ!