週末にフランス、トゥールーズで行われたワールドセブンズシリーズ最終戦、3日目に日本代表サクラセブンズは予選プールで負けたイギリスに14-5とリベンジをすると、5位決定戦では前の試合でフィジーに勝利し、総合ポイント5位となって翌年のパリ五輪出場を決めたばかりのアイルランドを相手に、14-0と完封勝利して、過去最高の5位。予選プールで負けたイギリス、フィジーより上の順位で大会を終えました。そして総合ポイントでは大会前の28P(9位)から12Pを追加して40P。36Pで総合8位だったカナダが9位決定戦でスペインに14-15で敗れて10位となり3Pを加えて39Pになり、カナダを逆転。正直、カナダとの差は大きくて逆転は無理だろうなと思っていました・・・本当にすみません。トゥールーズ大会HPにあるの女子の試合結果一覧は、こちら。
そして今シリーズの総合ポイントは、こちら。アイルランドは前2大会で成績が不振な中で挑んだトゥールーズ大会で予選でフランスに勝つなど、いい戦いを見せていました。最終戦はそんな大喜びの後、なかなか気持ち的に難しかったでしょう。日本との試合では何としても勝つという姿はあまり見えなくて、その日本との気持ちの差がプレーにも出ていたかもしれません。何はともあれ、ここ数年はコアチームへの昇格、降格を繰り返していた女子日本代表がこのシーズンは8年ぶりの8強進出を果たし、総合ポイントでも8位となったのは最高です!
トゥールーズ大会は初日に2敗した試合は見れませんでしたが、そのあとの4試合はLIVEで観れました。勝った3試合は本当にベストゲームに近いというか、相手のプレッシャーにも慌てることなく、落ち着いてプレーし、個々の選手がしっかり繋がり、自分たちの力を出し切って勝った印象です。セブンズではどうしてもミスから流れを掴めずに惜敗することもありますが、本当に素晴らしい試合ばかりでした。最終戦のアイルランド戦でも前半終了間際、自陣G前でアタックを繰り返す中でもミスすることなくボールをキープ。ライン際のラックで相手に球を奪われるも何とかタッチに押し出して7-0で折り返したのが大きかったですね。
一方で王者ニュージーランドとのトーナメント準々決勝は7-29と完敗。粘り強く守れても球を奪えず、自陣G前でポーシャ・ウッドマンを捕まえに行くも倒せない。このシリーズを通じて攻守にMVP級の活躍を見せた大谷選手も、相手選手のステップからの急加速に振り切られてトライを奪われるなど、これまで以上に個々の差を感じる試合でした。でも今はそれでいいというか、悲観的にはならなくて良いと思います。今年は今回勝利したアイルランドやイギリスを相手に常に良い試合が出来る、言い方を変えれば大敗しないチームになって欲しいです。今の女子ラグビーを相撲の番付でいえば、シリーズ6大会のうち5大会を制した横綱NZに対して、大関が豪州で、関脇は米国とフランスといったところでしょうか。この4強から勝利するには、個々のフィジカル、スピードの更なるレベルアップが必要かなと思います。
来週から始まる太陽生命WSSでもサクラセブンズの選手たちはそれぞれの所属チームで期待以上に活躍してくれるでしょうし、以前の報道などでもあるように世界トップクラスの選手も参戦します。そんな中で新たな代表入りを狙う選手のパフォーマンスにも期待せずにはいられません。ここから更にサクラセブンズが強くなるためには、個々の選手が強く速く大きくなっていく、その中でも横の選手との繋がり、連携が出来れば、またこの大会のように素晴らしいパフォーマンスを見せてくれると思います。なお男子は予選プールで大敗するなど、この大会でも上位進出を果たせず13位決定戦でケニアに敗れて、14位に終わりました。
シリーズを戦った選手、そしてサクラセブンズをここまで強化し、導いた鈴木HCをはじめとした代表を支えるスタッフの皆様、本当にお疲れ様でした。総合順位8位から更に上を目指して、頑張れ日本!頑張れサクラ!