30日深夜に行われたラグビー女子日本代表とイタリア女子代表のテストマッチ、前半に4トライを奪った日本が後半のイタリアの追い上げを振り切って25-24(前半22-7)で勝利。去年のW杯予選プールでのリベンジを果たしました。あっぱれ!!そしてWorld RugbyのWebサイトに掲載されている最新の世界ランクでアイルランドを抜いて10位にUPしました、こちら。
試合のレポートについては今回もラグビー専門Webマガジン「RUGBY JAPAN 365」の記事を載せておきます ⇒ 「アウェイの地でイタリアに初勝利!」
また試合後のレスリーHCや選手のコメントは日本協会HPに掲載されています、こちら。レスリーHCからも「両チームともに若い選手たちが出場していた」というコメントがありましたが、南アフリカで開催されるWXV2に向けてお互い試したい部分もあったのだと思います。それでも見事な戦いぶりを見せてくれました。
日本のアタックが過去最高の出来と言えるくらいはまった前半
試合の前に「サクラ15が目指す戦い方を感じられるような試合を期待」をポストしましたが、前半の内容はそれがしっかり感じられました。今のサクラ15のアタックは両FLがそれぞれワイド(タッチラインから10m辺りかな)にポジショニングし、外のスペースで数的優位を作ろうとしています。この試合では久しぶりにスタメン出場したSO山本実選手、いつも攻守にハイパフォーマンスを見せるSH津久井萌選手の2人がテンポよくボールを動かし、FWBK全員が良く走って早めにポジショニングし仕掛けるサクラのアタックがイタリアDFのプレッシャーをかわして、何度も前進しました。
キックオフから敵陣でプレッシャーをかけるもラインブレイクを許し、そこから前半7分にイタリアに先制トライを奪われたものの、前半13分、21分、33分、41分と連続トライを奪いました。スタッツ(統計)がないのでわかりませんが、前半の日本のパス回数はかなり高かったと思います。キックも上手く使いながら、イタリアに敵陣でのアタックの機会を上手く作らせませんでした。イタリアは最初のキックオフレシーブからキックを蹴らずにボールを動かして攻めてきましたが、時間が経つにつれて思うような戦いが出来ずに焦りもあったでしょう。結果的には、前半最後にG前に攻め込んで取り切った7点が大きかったですね。
15点のリードをもって迎えた後半、YoutubeのLIVEのチャットにも「後半開始の10分で激しく来るイタリアに流れを渡さないように」と書きましたが、予想通りイタリアが個々に強気なアタックで粘る日本のタックルを引きずるように前に出始めると10分、16分と連続トライを奪って22-19の3点差になり、勝敗の行方は残り20数分で分からなくなりました。もちろん日本も流れを渡したくて渡したわけではないですが、もともと格上のイタリアが相手。昨年のW杯の試合のように後半はいよいよ本気を出してきたとみる方が良いかもしれません。そして日本が前半のようなアタックで前に出る機会がほとんど見られず、必死にDFする時間が増えました。接点でのフィジカルバトルで上回るのは厳しいなかで、こういう流れの中でも自分たちのアタックで前に出ていくスキル、メンタルがWXV2へ向けての課題、伸びしろですね。
個々の選手のパフォーマンスもこうした国際レベルの試合で安定したプレーを見せられる選手が増えてきたと感じています。事前の国内での合宿期間が長くなり、若い選手も含めてチームで良い準備が出来ているのでしょう。このイタリア戦では個人的なMVPとして攻守に激しい強気なプレーを最後まで見せた6番FL向來選手をあげました。また今年15人制の代表デビューした12番CTB弘津選手ら大学生の若手選手も良いパフォーマンスでした。そしてPR加藤選手、SO大塚選手、CTB小林選手ら経験の多い選手がリザーブにいたことで、後半の厳しい時間帯でも上手く戦えると信じていましたが、26分に大塚選手が決めたPGの3点追加により、イタリアの4トライ目のコンバージョンが外れ、1点リードで逃げ切り勝ちに繋がりました。
イタリアに勝利した勢いで南アフリカで開催されるWXV2に挑めるのは本当に良いですね。そして遠征メンバーも日本協会のHPで発表され、新たに東京フェニックスの柏木選手が招集されました。豪州でのスーパーラグビーで経験を積んだ柏木選手、代表に新たな勢いを与えるかもしれませんね。また先日のフィジーとの試合で代表デビューした日本体育大学の畑田選手も再招集。この大会期間の中でサクラ15のレベルもますます上がると期待できますし、良い結果を続けられたら今後は北米の米国、カナダとの試合機会も生まれるかもしれません。
結果を出し続けることがチームに良い流れ、自信を生み、強くなるのはサクラセブンズを見ていても感じます。「サクラ15が自信をもって、やりたいことをぶつけていく」そんな戦いがWXV2でも見れるよう、女子日本代表を応援しましょう!