今日22日に香港で行われた女子日本代表の今年初のテストマッチ。今年秋に行われるWXV2への出場権、並びに来年にイングランドで行われるW杯のアジア予選という位置づけで香港、カザフスタンと戦います。日本協会HPで発表されたメンバーは、こちら。直前に変更があり15番で出場予定だった西村選手が欠場になり、もともと11番で出場予定だった今釘選手が15番に回りました。
試合前の注目点としては、春先から合宿を重ねてきたFW陣がどれだけ香港相手に圧倒できるか。それと初キャップになる香川選手、町田選手が代表でどんな活躍を見せるか、と個人的には思っていました。
試合は前半2分、敵陣22mでのマイボールラインアウトでモールをG前まで押し込みますがそのままトライには結びつかず、相手G前のチャンスでもたつくような展開になります。先制トライはG前スクラムからのアタック、最後は初キャップの11番香川選手が相手のタックルを抜け出してインゴールに手を伸ばしてたたきつけるような形。その後も大塚選手の飛距離のあるキックを有効に敵陣22m付近で攻めるチャンスを得るも、なかなか得点できず。香港のDFが良いというよりは日本のアタックの目指す形、ゲームプランが見えなかった印象です。
その中で追加のトライは、自陣中央から大塚選手のキックで敵陣22mラインアウトのチャンスを作ると、それまでジャンパーに投げていたボールを一番前の長田選手に短いスロー、そこで前に出るとスローワーの谷口選手にリターンしG前に迫り、相手DFをひきつけて再び長田キャプテンがボールを貰いトライ。相手のプレッシャーを上手くかわす形でのトライでした。
前半を終えて日本が12-0とリード。試合を見ていて活躍が目立ったのは接点で激しいプレーを見せた6番向来選手、攻守に素早く反応していた9番津久井選手、精度の高いキックでエリアを前に進めた10番大塚選手でしょうか。それと初キャップの11番香川選手は先制トライも奪いましたし、ボールをいい形で貰う場面が増えればもっと活躍できそうな期待を持てました。
迎えた後半。開始してすぐのアタックでは日本が前に出ようとする意識がはっきり見えて良くなりました。一方で前半の上手くいかない流れを受けて、テンション上げてきた香港が攻める時間が増え、前半のように敵陣でアタックするチャンスが作れません。それでも日本のDFが崩される感じはしないのですが、タックルエリアでボールに絡む中で惜しい反則も取られたりで香港が攻め込み膠着状態に。この試合に向けて鍛えてきたのを感じさせてくれました。
後半26分にようやくPGを決めて追加点を奪うも、直後に香港にG前まで攻め込まれてしまいラックサイドを飛び込まれて反撃のトライ。日本もすぐに反撃し相手の反則から交代出場のSH阿部選手がクイックでリスタート。一気にG前に攻め込んでチャンスを作るとFWが何度もコンタクトして、最後は永田選手が押し込みトライ。その後も中盤のアタックで大塚選手がオフロードで畑田選手に繋いでDFの裏に抜け出すとポスト下にトライ。
最後は香港に2トライ目を許し、終盤に得点を奪い合う展開で29-12で試合終了。試合を終えて振り返ると、正直ストレスを感じることが多い内容というか、日本のゲームプラン(特にアタックの場面で)が見えなかった印象で、去年の秋のWXV2の時の方が全然良かったです。もしかしたらコーチングスタッフが変わった影響はあるのかもしれませんし、西村選手や今回コンディション不良でメンバー外の松村選手など、選手の入替によるものかもしれません。
ただ前半からG前でのチャンスに大外へのキックパスを狙っていたのは残念。個人的にはテストマッチではまずゲームの流れを掴むのが大事で、そのためにどうアタックし、どうディフェンスするかのゲームプランが見えるとよいのですが、今日の香港戦はちょっと見えにくかったです。序盤はもっと体を当てて、接点でのバトルを挑んで欲しかったです。ただ27日に控えたカザフスタン戦に向けて、チーム全体でうまく調整して、良い戦いを見せてほしいですね。それが秋のWXVに繋がると思います。以上。