今更な感じはありますが、ワールドセブンズシリーズ2023-2024の最終戦、マドリード大会が先週末に行われました。それまでのシリーズの総合順位で9位だった日本はチャレンジャーシリーズの上位4か国が入る昇降格プレーオフに参戦。予選プールではアジアのライバル中国に惜敗するも、開催国スペインを相手に快勝すると、勝った方がコアチームになる最終日のアルゼンチン戦では26-12と快勝しました。
RUGBY JAPAN 365のサイトでは大友信彦さんが大会レポートを挙げています。また鈴木貴士HC、選手のコメントもありますね。開幕まで50日を切ったパリ五輪に向けての決意も書かれています。
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ハイライト動画ではトライ場面が中心ですが、スペイン戦とアルゼンチン戦をLIVEで見た印象としては日本の強みはボールのリサイクル(倒されてラックにしてからボールを出すまで)が早いのと、試合終盤の苦しい時間帯で相手に走り勝つ運動量を持っていることです。きっとシリーズで世界の強豪国と戦う中でサクラセブンズとして意識的に取り組んできたと思います。実際、スペイン戦もアルゼンチン戦も後半は日本がゲームを優位に進めましたし、スペイン戦の後半は相手のアタックをしっかり止めてチャンスを作らせず、ほぼ敵陣でプレーし続けてかなり良いパフォーマンスでした。
また昨シーズンのハイライト動画を見ると、主なトライパターンとして須田選手のキレキレステップからのトライ、原選手がタッチライン際で相手を振り切るトライがありました。今シーズンはポジション争い、コンディション不良などによる選手の入替もある中で、アタックのバリエーションも増えた印象です。東京五輪にも出場した堤選手の鋭いラン、先日の太陽生命WSS昇格大会でもMVP級の活躍を見せた三枝選手のDFのギャップに走り込んでぶち抜くようなランが目立ちました。また今回のマドリード大会、前回のシンガポール大会でも大会のドリームセブンに選ばれたベテラン中村選手のDFの隙をついてラインブレイクからの独走トライもありましたね。パリ五輪を前にパフォーマンスを上げて活躍する選手が増えているのは素晴らしいです。
パリ五輪に向けての強化が順調に進んでいる日本ですが、マドリード大会の最終日の優勝争いはまたレベルの違う争いでした。優勝したオーストラリアは準決勝のNZ戦、残り1分の時点で12点差でしたが、ラストプレーでNZに追いつくと5mライン近くの難しいコンバージョンを決めて逆転勝利。もう1つの準決勝、フランスとカナダの試合は逆転を狙うカナダが攻め続けて試合が終わった瞬間はインジャリータイムが3分も経過していました。この4か国がパリ五輪でもメダル争いの中心になると思います。
今日からフランスで世界学生選手権が開幕、男女学生日本代表が参加
そして日本協会のHPでは世界学生選手権に参加する日本代表の遠征メンバーが発表されています、こちら。この大会については私も詳細は把握できていないのですが、男女ともに10か国が参加、予選プールでは5チームで争います。以前の大会でも大学を卒業して1,2年目の選手も参加できるルールです。日本の女子もアルカス熊谷の松井選手、三重PEARLSの村田選手など先日の太陽生命WSSでも活躍した社会人選手が選ばれていますね。
日本の女子代表の予選プールの顔触れを見ると、正直「えっ、これフェアなのか」と思ってしまいました。グループAは日本、南アフリカ、ポーランド、スペイン、メキシコ。そしてグループBはフランス、カナダ、オーストラリア、アイルランド、インド。学生代表の大会とはいえ、マドリード大会で4強に入った内の3か国が同じグループに入りました。一方で日本のグループは昇降格プレーオフに参加した4か国にメキシコ。初戦のメキシコ戦は今日の18:25から、次のポーランド戦は22:25からの予定です。ぜひとも全勝で優勝して欲しい、期待します。