サクラ15、米国とのテストマッチ1戦目は惜しい引き分け

昨日11日に北九州市で行われた女子日本代表サクラフィフティーンと女子米国代表とのテストマッチ、18時キックオフとはいえ日本の夏らしい厳しいコンディションだったと思いますが、スコアは17-17の同点引き分け。トライ数は日本3-2米国と上回りました。日本協会HPの試合結果は、こちら。試合前の世界ランクは11位の日本に対して、米国は7位と格上。一昨年のW杯では予選プールで戦い17-30と敗れました。試合映像はハイライトでしか見れていないので、今回はお互いのチーム状況を中心に書いていきます。

ハイライトでもいいプレーがたくさん見られました

様々なバックグラウンドを持つ世界ランク上位の女子米国代表

7人制ラグビーでも強豪の女子米国代表は先日のパリ五輪でも初戦でサクラセブンズと戦い快勝、そしてトーナメントでも3位決定戦で強豪オーストラリアに14-12と勝利して銅メダルを獲得しました。15人制の方は5月に行われた「パシフィック4シリーズ」という大会で女子豪州代表ワラルーズに32-25で勝利。秋に行われるWXVでも日本より上のリーグに入る中で、この日本との2試合は新しい選手を試す良い機会と考えていたと思います。

前半に豪州に3トライを奪われるも、後半に強力なFWを中心に4トライを奪って逆転勝利

JUST RUGBYの記事で、女子米国代表が紹介されていました。
 ⇒ 「ハーバード大卒に馬術出身。パワーと個性あふれる女子アメリカ代表」
米国内のリーグもありますが、英国のプレミアシップでは20人ほどがプレーしていて、国際レベルの選手も多いと思います。日本と明らかに違うのは子供のころからラグビーをプレーしている選手が少ないことですね。それでもチーム的にはフィジカルに長けていて、シンプルに強い。キャプテンも「このチームは、いろんなスポーツ経験がある選手たちで構成されているのも強みのひとつ」と先ほどの記事で話しています。女子ラグビーでは北米のカナダ、米国は強豪国という印象で、そこは昨年のフランスW杯では大陸予選で敗退した男子とは違いますね。

日本とのテストマッチに向けては「ツアーメンバーが揃ったのは日本到着時の空港」、それまではリモートで繋がりながらトレーニングを重ねてきたとのこと。チームの連携は日本に来てから仕上げていくような印象で、北九州での第1戦までの準備期間は4日。故にシンプルな戦い方をしてきたかもしれません。それは日本にとっては対策しやすかったと思います。試合後の米国代表の記者会見の内容を見ても、日本のプレッシャーを受けてしまったようです。日本の暑さに苦しめられていますが、静岡での第2戦に向けて確実に調子を上げてくるでしょう。

フィジー遠征を1勝1敗で終えて、WXVに向けてリスタートのサクラ15

日本は8月の頭から福岡のJAPAN BASEで強化合宿を行い、米国とのテストマッチに向けて1週間準備を重ねてきました。春の香港戦、カザフスタン戦、6月のフィジー遠征と以前より代表活動の時間が増えて、チームの連携も高まってきた中での国内での試合。8月の暑さにも慣れていて、米国よりも良いコンディションで試合に臨んだと思います。

試合について、お互いの先発15人のキャップ総数を調べてみました。日本は合計で264(FW135、BK128、20キャップ超えは6人)、米国は合計219(FW108、BK111、20キャップ超えは5人)でFW、BKともに日本が上回っていました。また米国はリザーブに初キャップの選手が3名いましたが、日本のリザーブには代表最多42キャップを持つPEARLSの齊藤聖奈選手や英国でプレーしていた山本実選手など20キャップ超えが4名いるなど、これまでの4試合よりも経験値の高いメンバーで挑みました。

なのでラインアウトモールをきっかけに先制トライを奪い、前半を12-14の2点ビハインドで折り返し、後半6分に逆転するなど、日本が優位に試合を進めることが出来ていたと思います。試合のレポートについては、JUST RUGBYの記事を載せておきます ⇒ 「タックルの日。PGで引き分けに持ち込まれるも、サクラフィフティーン、アメリカ相手に引かず