土曜に行われた日本代表サクラフィフティーンとイタリア代表のテストマッチ。日本にとっては来週に南アフリカで開幕するWXV2を控えた試合でしたが、格上のイタリア代表を相手に力の差を見せられて8-24で負けました。試合後のレスリーヘッドコーチ(HC)、長田キャプテン、出場した選手のコメントは、こちら。またWorldRugbyのWebサイトでの記事は、こちら ⇒「女子日本代表、WXV2前哨戦でイタリア代表に黒星、修正点確認で本大会へ」
試合はLIVEで見ましたが、まずホームチームのイタリアのパフォーマンスが良かったですね。日本の粘り強いDFにミスもありましたが、ボールキャリアーの接点での圧力は強く、日本のDFを押し込んでいました。前半の序盤は日本が攻め続けていましたが、終盤の10分で2トライを奪いましたし、最後のモールをきっかけに奪ったトライはTMOの結果で無効になったものの、FWは力強かったですね。
試合後の長田キャプテンのコメントにも「テンポよくスペースに運ばれて、コンタクトで前に出られずディフェンスが難しかった。ほかのチームに比べてイタリアは接点に入る際のフットワークが優れていて、個人的にやりづらく、結果的にディフェンスが受け身になった。」とありましたが、戦った選手も力の差を感じたのではないでしょうか。試合を見ていて先日のアメリカ戦のような勝てそうな雰囲気はなかったですね。
そんな厳しい試合でしたが、目立った活躍を見せていたのがFWでは永田選手。もともとはHOでしたが、この試合では右PRで出場し安定したスクラムを日本にもたらし、相手FW選手へのタックル回数も多く、そこから素早く起き上がってのセットなど、良い動きを見せていました。BKでは古田選手。ここ数試合のテストマッチでも活躍を見せていましたが、イタリア戦でも攻守に奮闘してチームをリードし、試合終盤の時間帯にもキックチェイスで素早く前に出てカウンターを狙うイタリア選手を捕まえていました。この試合はリザーブにいたBKがSHでこの日が代表デビュー戦の妹尾選手、キックとランに優れた松村選手の2名でしたが、前半途中にSOの山本選手が松村選手と交代。BKは試合前のプランとは違う形になったと思いますが、大きく崩れなかったのは古田選手の活躍もあったと思います。
WXV2に向けて、気になるのは得点力不足ですね。これまでのフィジーとのアウェー2試合、米国とのホーム2試合、そして今回のイタリア戦合わせて5試合で奪ったトライは10本(3,2,3,1,1)。試合を重ねてきましたが、トライ数は減っています。今回のイタリア戦は前回のエコパでのアメリカ戦に比べて、ボールをスペースに動かくという点ではよく修正されていたと思います。一方で敵陣22mに入ったときに得点まで繋げるようなプレーはまだ足りない。試合開始から敵陣に攻め込みましたが、トライは奪えず16分にようやくPGで先制という流れでは勝利に繋げるのは難しいと感じました。
WXVに向けて、レスリーHCは試合後のコメントで「私たちの1週間の努力、前半のプレーを反映した結果とはなリませんでした。しかしこれがWXVに向けてのモチベーションの源となることでしょう」と話していました。確かにそうですし、本番はWXVなのでポジティブに捉えるのもわかるんですが、大丈夫ですかと(苦笑) 以前からブログでも触れていますが、私個人はレスリーHCについて世間というか関係者が思う評価とは違っていると思います。またレスリーHCを支えるスタッフの体制も充実してきていると感じています。
WXVは27日の初戦南アフリカにしっかり勝利する。そしてランク上のスコットランドとウェールズに来月5日、11日と戦う中でこれまでのテストマッチで得た自信、そして課題を修正してどんな戦いを見せるか。特にアタックでどうトライを奪うかが見えるようなプレーに期待しています。