関東女子大会OTOWAカップ第2節を見て

本日6日に行われた関東女子大会、第1試合はRKUグレースとArtemi-IBU-stars(横河武蔵野と国際武道大学の合同チーム)、第2試合はL.B.S(BRAVE LOUVE、世田谷レディース、北海道バーバリアンズディアナの合同チーム)と日本体育大学ラグビー部女子でした。昨日は雨も降って冷え込んだ1日でしたが、今日は良い天気の中、好ゲームでした。

第1試合は後半に突き放したRKUグレースが勝利し、予選プール1位通過

第1試合は昨年度の管藤大会の決勝と同じ組合せ(当時は横河武蔵野が単独出場)。その時はRKUグレースが勝利し、その後の熊谷ラグビー場で行われた全国選手権の決勝でも再び戦い、白熱した戦いは同点で両チーム優勝でした。当時のブログはこちらこの試合でも激しいぶつかり合いが予想されましたが、両チームとも先週の熊谷でのチャレンジマッチに出場した代表候補選手がコンディション不良で欠場。お互い万全とはいえない状況だったかもしれません。

RKUの10番大塚選手、Artemi-IBUの10番高木選手は共に日本代表候補に選ばれていて、先週は同じチームでプレー。昨年度から出場していてキックが強みの両チームの司令塔の出来が勝敗を左右するかもしれない試合。先制点はArtemi-IBUがSH津久井選手とSO高木選手がテンポ良くボールを動かして敵陣22mに入ると、最後は大外にいたNo.8小西選手が1対1で相手をハンドオフでかわしてそのままインゴールに飛び込みトライ。RKUグレースもワイドにポジショニングし、徐々に前に攻め込み、前節でも活躍した強力なFW陣を中心に攻め込みチャンスを作ります。RKUグレースは前半終了間際に5点差を追いかける状況の中、大きくワイドに展開して大外を抜け出し同点のトライ、そして難しい位置からのコンバージョンを大塚選手が決めて14-12と逆転して前半終了。

後半は2点差を追いかけるArtemi-IBUが自陣でのアタックからオフロードで繋いでラインブレイクすると一気に敵陣G前に攻め込んでラックに。そこからの展開でポスト下にトライし19-12と逆転。そのまま流れに乗るかと思われましたが、ここからRKUグレースが強力なFW陣のアタックで試合のペースを掴みました。相手の反則から大塚選手のタッチキックで前に出ると、そこからアタックを継続してG前へ。FWが密集戦に拘ってトライを重ねました。DFでも抜かれてしまう場面はあったものの、局所でしっかりボールに絡んで相手の反則を誘うなどチャンスを与えず、最終スコアは29-19で逆転勝利しました。

80分を振り返ると、前節と同様RKUグレースの底力というかチームの一体感を感じるゲームでした。安定したセットプレー、G前でも慌てずに我慢して攻め込んでトライを奪う姿は逞しかったですね。Artemi-IBUはフロントローが可能な選手に怪我人が多く、登録メンバーが18人と厳しい状況の中、激しいファイトを見せました。特に日本代表キャプテンの南選手、代表候補選手の2番永田選手がボールキャリーで何度もゲインすれば、津久井選手と高木選手はアタックを巧みに操って何度もチャンスメイクしていました。次節はTKMフェニックスとArtemi-IBUが戦います。勝ったほうが予選2位ということでさらに激しい試合になると思います。共に日本代表の選手が多く、強度の高い試合を経験することが、代表の強化にも繋がるので、楽しみな一戦ですね。

第2試合は日体大が快勝、L.B.Sも2トライを奪い成長を見せました

第2試合は今大会初出場の日体大と、前節はMorning Bearsに完封負けしたL.B.Sの試合でした。結果を言うと、日体大が55-10と大勝しましたが、試合内容は得点差ほど感じさせないぶつかりあいでした。L.B.Sも大学1年生の選手などの若手、日体大のOGやこの試合は前節参加できなかった北海道BBディアナの社会人選手が混ざり、ボールを我慢してキープし左右に動かしながら攻めていました。日体大のDFも良い連携を見せてプレッシャーをかけていたので、ミスも多かったですが、L.B.Sの2トライは前半はモールを押し込んで2番の山選手がトライ。もう1つは後半に敵陣22m内での相手ラインアウトのオーバースローをキャッチして一気にインゴールに飛び込みました。後半途中で足がつる選手も続出していましたが、リザーブ含めて持てる力を出し切るような試合でした。

日体大も日本代表経験のある選手がコンディション不良で欠場するなど、万全とはいえない状況だったかもしれません。その中で出場している選手は自分たちのスタイルをしっかり理解して戦っていたと思いました。元日本代表キャプテンの菊谷さんがスポットで指導しているFWはラインアウトを中心に安定していましたし、BKも先週のチャレンジマッチに出場した13番小林選手、15番古屋選手を中心に何度もゲインラインを突破していました。後半が進むにつれて主力選手を交替させて、途中出場した選手も独走トライを奪ったり、チャンスを作ったり、活躍していました。やはり単独チームだからこその一体感は女子ラグビーでは強みになるかなと感じました。

第2節の2試合を振り返りましたが、MIP(印象的だった選手、Most Impuressive Player)はRKU10番大塚選手、日体大4番阿部選手でした。2人以外にも活躍する選手が多かったのが両チームの強みだと思います。日体大は次節、Morning Bears(朝霞自衛隊体育学校とアルカス熊谷の合同チーム、朝熊)と予選1位をかけて戦いますが、この試合はほんのちょっとしたミスや反則で試合の勝敗が動きそうですね。どんな試合になるか楽しみです。

最後に今日の2試合もレスリー日本代表HCや代表スタッフが視察に訪れていました。この大会で活躍した選手が日本代表に選ばれて、来年のW杯予選で日本代表入りして欲しいと期待しています!