先週末は高校女子セブンズも男女セブンズもYoutubeなどで見れる試合がたくさんあり、それに加えてW杯イタリア戦もあり、結果は期待してものにならないのが多かった。それでもチームの成長とか、選手の頑張りとか必死さとか、伝わってくるものは多く、どのカテゴリーも頑張った選手、スタッフの皆様は本当にお疲れ様でした。
いちおう簡単に振り返ると全国U18女子セブンズは石見智翠館が3年ぶりの優勝、推しだった麗澤はプレート戦決勝で追手門学院に10-26で負けて全体6位、アジアセブンズシリーズラウンド1タイは男女日本セブンズ代表がそれぞれ準優勝、W杯イタリア戦は8-22で負けでした。イタリア戦のレポートはRUGBY JAPAN 365さんのサイトから「ディフェンス機能するも3連敗で大会終える」
Twitterを見て自分なりにこう考えている、捉えているのを書いてみた
ここからはいつもより少しラフに書きます。批判的に感じるような内容ももしかしたらあるかもしれません。1ファンとして、なんて都合よく言いません。これまでおよそ8年半、日本の女子ラグビーに関わり、現場を見たり、離れたところで見たり、聞いたり、調べたりした自分の意見。そういえば2014年にTKMでフルタイムのコーチとして女子ラグビーに関わる前は、女子ラグビーってほとんど見たことなかったな。2013年にスリランカに派遣された時も女子生徒に体験レベルでボール遊びしたくらいか。
日本の女子ラグビーの環境って恵まれているのかどうか。これは他の国と比べてね。正直、わからない(苦笑) ただ年々、良くなっているとは感じている。小学生のガールズで交流する機会だったり、試合する機会も、色々な関係者皆様のおかげで増えているんじゃないかな。
そして高校カテゴリーでも、全国U18女子セブンズには惜しくも進めなかったチームが全国各地にいて、そのまま大学カテゴリーでもラグビーを続ける選手は増えているんじゃないかな(これはあくまで感覚で、実数はわからない)。競技人口はサッカーとかバスケとかバレーとか国際大会でメダルを取るような他の競技と比べて決して多くないけれど、悪い環境ではないと思う。さっきもJRFUのHPにRacingGirls発掘プロジェクト実施のお知らせ、もアップされたし、それ以外でも自分が知らない色々な試みがあるんだと思う。あとは選手が個々にSNSなどで色々なアクションを起こせるのもあるよね。
だからこそ日本代表、サクラセブンズもサクラフィフティーンも強くなってきた。今のトップレベルの選手は10年前と比べると体も大きく、スピードもあり、違いが明らかだと(それはラグビーに限らずだけれども)。環境も良くなる中で、世界の舞台で結果を出そうとチャレンジすると、海外の強豪との高い壁を感じることばかりで、それでもと果敢にチャレンジをし続けてきた。だからセブンズも15人制もW杯で高い目標を掲げて、達成できなかったけれども、戦える実感(?)はそれぞれあったりなかったり。
で選手の環境に関する話が長くなったけれども、日本代表チームが目標とする結果を出せずに終わり、次に活かすための反省、そこからリスタート。このサイクルがなんか上手くいかないような印象。思い出すのは昨年の東京五輪、母国開催で強化に励んできた男女セブンズはそれぞれ11位、12位。ラグビーファン以外の一般の人々には何も残せなかった。そこから新体制になってのサクラセブンズの今の成長ぶりは、本当にあっぱれ。そして15人制ね。
そもそも前回2017年大会も予選プール3試合で3敗、全体では11位。ベスト8には届かなかったけれども、決して遠い距離でもないと選手、関係者の多くが感じた(JRFUのHPで2017W杯の試合記録を見ようとしたら掲載がないのはどうかと思う)。そこからおよそ1年半の間、代表活動が行われない中で、サクラセブンズのスポットコーチだったレスリーさんが代表ヘッドコーチに就任することが発表されて、そこから今回のW杯までのチャレンジがようやくスタート。2019年にはヨーロッパ遠征でスコットランドに逆転勝利、そして2022年には世界ランクで格上の豪州、アイルランドにそれぞれ勝利。W杯開幕前にはNZとの初対戦も行いました。あと今回のW杯に向けたラグビー女子日本代表応援サイトもできましたね。
本題に入るまでが長すぎた、すみません。W杯を終えてレスリーHCがオンラインで取材、コメントした記事が出ました「経験値足りなかった」ラグビー女子HCが総括。えーっとですね、確かにそうなんです。そこがメディアからの最初のタイトル、メッセージで届いてしまうのも致し方無い。でもね、それは前回も、これまでも同じく感じたわけ。はっきり言えば、今の日本の環境で、15人制の経験値が海外の強豪国と同じになることは当分ない。
前回大会の時はW杯予選やAsianNationsなどアジアの国とのテストマッチもあったけれど、今は行われていない。国内の大会も選手、チーム数が増えてきて、試合数も若干増えてはいるけれどもまだまだ。今回のW杯でも活躍した加藤選手、山本選手らが挑戦した英プレミアのような環境(リーグ戦を毎週のように戦い、プレシーズンも含めたら全部で20試合弱だったかな)は日本ではまだ整えられない。「経験値足りない」は戦う前の前提であり、戦った後の理由にしてはいけない。
ただ男子の代表も色々な強化を試みては挑んだW杯で20年間勝てなかった。そこを変えたのがエディーさんとそれに引っ張られた代表スタッフ、協会の関係者、ユースカテゴリーの指導者、そして何よりハードワークし続けた代表選手たちの頑張りね。結果を出すには、出るまで挑戦し続けるしかない。そこまで導けるかがHC含めたコーチングスタッフの力だと思う。
経験値以外の話をすると得点力。去年の秋のヨーロッパ遠征、3連敗で終えて振り返った時のブログがこちら「女子日本代表の英国遠征で感じた課題」。ここで書いた内容は読んで思い返して欲しい。前回2017年のW杯では予選3試合で7トライでしたが、今回は5トライ。また選手のコメントに「来年のワールドカップに向けては、セットピースを安定させること、精度を上げることや、攻撃のオプションを増やすことが重要になってくる」とありました。8月のアイルランド戦では5トライ奪いましたが、結局のところは抱いていた課題を大会までの期間では解決できなかった。そんなストレスを感じることが多かったです。
ダメだ、まとめるの下手すぎて長すぎた。改めて整理して書きます。あとブログを書いている間に、SNSを見直してたらレスリーHCと浅見さんのオンラインの大会総括会見の記事がJSPORTSのサイトにアップされたので、こちら「15人制はもっともっとやれる」
わかりやすい内容。それでも一言だけ、苦言を言いたい。「前回の大会を終えた後と大して変わらんわ。」立場のない自分と立場のある方の違い、当然ありますよね。すみません。今回は以上です。