まず昨日のブログは長すぎたので、簡単に整理してみると
・日本の女子ラグビーの環境は年々、良くなっている
・日本代表は強くなっているが、国際大会では高い壁を感じてきた
・海外の強豪国と比べて15人制の経験値が足りないのは、当分変わらない
・昨年の英国遠征で出た課題は、W杯までに解決できなかった
というのが、自分が感じたこと。それとは別にTwitterで、女子の環境整備に関する呟きを見ました。「会長にはリーグワン各チームに女子チームへの投資を義務付けて頂きたい」とありましたが、個人的には賛同はしません。親企業の体力があるかどうかは全く関係ないです。チームの強化と、普及活動は別物なので。
女子ラグビーの普及と強化を含めて、男子チームとの協力はこれから自然と増えていきます。社会の流れがそうですし、お互い大小メリットはあるはず。私としてはそれを押し付けるのではなく、協力したいもの同士で良い形を作っていくことに価値があると思います。女子日本代表サクラフィフティーンは今日、NZから帰国したようです。改めてお疲れ様でした。開幕前のNZ戦から約1か月、出場の有無に関わらず、タフな遠征だったと思います。まずは心身共にリフレッシュして、秋冬のシーズンに向けてそれぞれ動き出して欲しいです。
粘り強いDFなど3試合で一番の奮闘を見せたサクラフィフティーン
さて土曜の試合の振り返り。改めて試合経過のレポート、試合後のコメントはRUGBY JAPAN 365さんのサイトがわかりやすくまとめられています、こちら。この試合はパブリックビューイングの会場で見ていました。一度もリードすることは出来ませんでしたが、後半途中で同点に追いつき、終盤まで6点差と逆転できる範囲内で試合を進めることが出来ました。開始15分のゲーム展開を見て、ベスト8進出よりもいかにこの試合に勝利するかにシフトしました。
ターニングポイントとなったのは後半、SHが阿部選手から津久井選手に交代して、ゲームが大きく動いたと思います。イタリアは日本の粘り強いDFに反則を連発した前半からハーフタイムを挟んだ後半、明らかにギアが変わりました。接点でのインパクト、周りの選手のフォロー、日本の選手のコメントにも出てくるモメンタム(勢い)が増しました。その中で津久井選手はテンポ良く捌きながら、相手のDFの裏へのキック、相手の反則からクイックで仕掛けるなど、チームを前に出すプレーを見せました。
日本のハーフタイムの指示はわかりませんが、勝つならアタックでどんどん仕掛けるしかない、というようなものはあったかなと。特にDFからATへの切換(トランジション?)で勝負したいところで、チームとして完遂出来なかった。残念だったのはそこでの仕掛けであっさりターンオーバーを許した場面があったこと。具体的にはペナルティーからのクイックでボールを継続できなかったり、タッチキックがインゴールを割ったり、ラインアウトが失敗したり。DFの時間が長いとATでの余裕が生まれず、どうしてももったいないミスが出てしまう。もしかしたらこの辺りを「経験値が足りない」という言葉に表しているのかもしれません。選手もミスをしたい訳ではないですし、積極性からのミスもありますしね。ただそれが勝敗に繋がるのも事実。この試合中の負担やストレスをいかにコントロールするか、今後の課題です。
今のラグビーの傾向の中で、体の小さい日本がDFで粘り勝ちするのはおそらく無理です。私も例えば花園で高校生が強豪校を相手に、必死のタックルで押し返すような試合を見せてくれると、凄く応援してしまうんですが、テストマッチではそうはいかないですね。南アフリカのような激しいフィジカルを持ち、DFで体を当てることに楽しさや快感を感じるなら別ですが(苦笑) そういう意味で、前回のブログでも触れましたがアタック力。これも課題です。
SNSで日本代表のファンのコメントを見ると「よく頑張った」とか「世界との差は少ない」とか見かけます。選手もそれを読んで勇気を貰っているのかもしれません。一方で、2017年W杯を11位で終わった時も似たような思いをしました、「世界8強への道のりはセブンズよりも近い」。2022年、サクラセブンズはW杯で過去最高の9位になりました。そしてサクラフィフティーンは勝ち点0で12位、奇しくも昨年の東京五輪のサクラセブンズと同じ順位。セブンズはパリ五輪まであと2年、15人制は次のW杯まであと3年です(開催地はイギリスだったっけ?)
最後に女子日本代表の今後として、来年秋に新たな国際大会が開催する予定で、3試合は行われるかと。大会のフォーマットを見ると日本はおそらくアジア1位扱い(もしアジア予選あれば勝ち抜く前提で)で2部に入り、予想される相手は、オセアニア1位のフィジー、アフリカ1位の南アフリカ、米国or豪州、ヨーロッパからはイタリア、ウェールズ、スコットランド、アイルランド辺りでしょうか。もし最下位になると3部に降格することになるので、それは絶対に避けたい。だからこそレビューを行い、早く新体制を作って発表するべき。タイミング的にはどうしても国内15人制シーズンの終了後、来年になるよな。個人的にはアタッキングラグビーを目指す、それが出来る指導者を選ぶべきです。今回も長くなりました、以上。