明日はW杯2戦目、激しいファイトになりそうですね

ラグビーW杯2021の話をする前に、国内のサクラセブンズの話題を。SDS合宿が12日から熊谷で行われています。JRFUのHPにあるレポートはこちら秋に行われるアジアセブンズシリーズに向けたこの合宿メンバーから選ばれた選手が、16日に国立競技場で行われるTOKYO2020開催1周年記念イベントの中で、フィジー代表と試合を行うとか。国立で女子ラグビーの試合が行われるのは、これから先もほとんどないんじゃないかな。相手のフィジー代表は先日のセブンズW杯のトーナメント場面と初戦で戦い完敗でしたが、フィジーと日本、双方にとってこのイベントはとても名誉なことではないでしょうか。試合映像はどこかで見れるようにしてほしいですね、とても楽しみです。頑張れサクラSDS!!

米国戦、試合開始からボールを動かせるかに注目

World Rugbyのチャンネルでのハイライト、大きなFWとCTBを止められるかが勝敗の鍵か

日本、米国ともに初戦に負け、しかもボーナスポイントも逃した2チーム。RWC公式サイトの大会ルールの勝ち点を見ると、4トライの獲得もしくは7点差以内の負けで1ポイントが入ります。なので3戦目に戦うイタリアが米国相手に4トライを奪ったのはベスト8進出に向けては非常に大きいです。日本はもちろん勝利を目指しますが、その中で8点差以上、もしくは4トライを奪えるか。ちなみに同点引き分けだと勝ち点は2点ずつですが、その場合だとともにベスト8進出を逃す可能性が高くなります。

JRFUのHPにある試合登録メンバーはこちら。カナダ戦の先発からの変更は2番に谷口選手、FLに細川選手が入り、齊藤選手がNo8に、そしてBKにはカナダ戦の後半に負傷した中山選手に替わって入った山本選手がそのまま先発に、リザーブにFBの庵奥選手が入りました。どこかの記事で見ましたが、三重PEARLSの選手が多いですね(23人中7人が三重)。国体でも優勝した三重、国内外で選手の活躍が見れるのは地元の関係者、サポーターには嬉しいですね。またラベマイまこと選手、鈴木実沙紀選手は今回、メンバーから外れました。個人的に縁のある2人が外れたのは少し残念ですが、切り換えて頑張ってくれているでしょう。

米国との試合は日本時間で13:30(現地のNZ時間では17:30)から、夕方の時間帯となるとボールが少し滑りやすくなるかもですね。接点でのパワー、しつこさがハンドリングエラーに影響しそうです。勝敗の鍵ですが、あえて1点。ずばりアタックでボールを動かせるかどうか。前回のカナダ戦は前半、それが出来ずにDFの時間が増えてゴリゴリやられてしまいましたし、米国の方もFW中心に、BKもサイズのあるCTBがガツガツ当たってくる、そんなゲームプランで来ると予想します。それを止めるのに精一杯だと、カナダ戦と同じ展開になりますし、米国がキックを蹴った時には、積極的にカウンターを仕掛けてほしいと期待しています。1発でラインブレイクしなくてもいい、前に出て起点を作り、そこから継続してテンポ良く球を捌いてアタックすれば、相手がペナルティーする可能性も高いです。ボール保持率、アタックタイムを増やす、ここに注目です。そこから日本の展開になれば、色々と狙いが上手くハマるかと。

残念ながら、この試合をLIVEでは観戦できないのですが、何とか4トライを奪って勝利して欲しい。それは相手の米国も同じはず。厳しい戦いになると思いますが「勝ちたいもの同士が戦うから勝負になる」そんな言葉を高校時代に学校の先生から聞いたのを思い出しました。カナダ戦から更に成長したサクラフィフティーンの戦いに期待します。頑張ろう日本!頑張れサクラフィフティーン!!

W杯初戦はカナダのパワーに押し込まれて負け

ラグビーW杯2021が開幕しました。初日は優勝候補のフランス、イングランド、NZがそれぞれ勝利。そして2日目、日本代表サクラフィフティーンは世界ランク3位のカナダを相手に、1トライしか奪えず5-41で負け。その他、同じ予選プールはイタリアが勝利、ウェールズとスコットランドは最後まで接戦となるも、ウェールズが勝利しました。

齊藤選手は途中のポジション変更含めて80分間フル出場、攻守に良いパフォーマンスを見せました

予想通りの力を見せたカナダに対し、DFに時間を費やしてしまった日本

https://www.youtube.com/watch?v=LFw0KGq1gC4

日本代表サクラフィフティーンは前半開始早々にキックチャージから先制トライを許すも、そこからすぐに反撃して5番高野選手が同点のトライ。その後はカナダFWのパワープレーになかなか流れを掴めず、反撃の得点を奪えずに5-41で負けました。36点差は今後の展開を考えるとぎりぎりかもしれませんが、後半は2トライに抑えたとも言えますね。試合展開とレスリーHC、南主将や選手のコメントはRUGBY JAPAN 365のほうで記事にまとめられています

得点差はともかく、トライ数は日本1本に対してカナダ7本。半分以上はG前まで攻め込まれてモールを押し込まれたり、ラック近くに飛び込まれました。懸念とされていたセットプレーでの反則から、ラインアウトモールに持ち込まれると、1発目はしっかりまとまって止めていましたが、そこからジワリと押し込まれてずらされて、走られるとなかなか止められません。前半は敵陣でアタックする時間はほとんどなく、どうしても相手のキャリアーにしつこく絡んでオフロードをさせず、粘り強く守る時間が多かったですね。後半はラインアウトモールに対してファイトせず、キャリアーを引きずり倒して対応しました。一方でNZ戦でもやられたピック&ゴーの連続にゲインを許しました。相撲の立ち合いのように間合いがない状況では、どうしてもサイズに上回る方が優位なので、今後の試合でもここは相手に狙われそうです。

アタックに関しては前半のトライの起点は10番大塚選手の見事なキックから、マイボールラインアウトをキープして攻め続けました。ただその後はラインアウトでもオーバースローが目立ち、攻撃の起点としては上手く作れず。カナダのキックに対しても、相手DFをひやりとさせるようなカウンターは出来ず。接点で思いっきりファイトしてくるカナダに対して、DFラインを素早く上げて対応していましたが、その分帰りが遅れたかもしれません。13番古田選手が戻ってカウンターアタックに加われれば、チャンスを作れそうな気がします。後半に入って、日本が自陣からワイドに攻めて外でゲインし、継続して相手の反則を誘ったりして、敵陣22mに入ることも出来ました。次は前半からそういうテンポ良く前に出続けるアタックが出来れば、おのずと失点も減り、自分たちの展開に持ち込めると思いました。

選手のパフォーマンスについては、個人的なWOM(Women of the Mtach)は10番大塚選手でしょうか。安定したキックは劣勢のなか、チームに落ち着きを与えていました。FWでは3番加藤選手のハードワークにタックル、4番佐藤選手の接点のファイトもありますが、この試合では6番齊藤選手、7番長田選手のパフォーマンスが良かったですね。後半途中から出場したリザーブ選手もそれぞれ、浮足立つことなく期待通りのパフォーマンスを見せていた印象です。南主将の交代が少し早いかなと思いましたが、ラベマイまこと選手は持ち味のハードタックルを見せていました。BKの山本選手、津久井選手もしっかりゲームコントロールとDFで良いプレーを見せました。右膝を痛めたような12番中山選手が心配ですが、山本選手やベテラン鈴木選手がしっかりカバーしてくれると思います。

15日に戦う米国はイタリアに10-22で負け、ベスト8進出に向けて必勝

https://www.youtube.com/watch?v=MVzna9fKhkQ
前回大会で9位のイタリアは後半にBKが躍動、強豪米国を相手に勝利し、ベスト8進出に向けて前進

試合後のコメントを見ると、ポジティブに振り返っていました。少し思うことは正直ありましたが、まだ大会初戦。最後まで成長し続けるのを目指すチームには、良い点はしっかり自信に繋げて欲しいですね。次に戦う米国はイタリアを相手に、G前に攻め込んで強力なFWがトライを奪っていましたが、イタリアの快速BKをDFが捕まえきれずに負けていました。日本がカナダ戦での課題を修正し、自分たちのやりたいスタイルに持ち込んで初試合初勝利を期待したいですね。具体的にはアタックではセットプレーでボールをキープして起点を作る、BKはプレッシャーを受けても仕掛ける。DFではダブルタックルでオフロードを許さない、ラックサイド周辺のDFの再構築でしょうか。ベスト8進出に向けて得失点差も考えると接戦になりそうですが、1トライ差以上で勝ちたいですね。

前回大会は試合間隔が短く、試合をするたびに負傷者が出て追加召集が多かったですが、今回は5日間以上開けて行われます。またカナダ戦の登録メンバー以外も含めてしっかり準備して、ベストパフォーマンスを見せて欲しいですね。頑張ろう日本、頑張れサクラ!

国体は三重が優勝、サクラ15はW杯開幕直前

栃木で開催されている国体、前回は2019年でしたか、女子セブンズ競技は開催県の茨城が優勝し、ラグビーウィークリーでも取り上げられたような気がします。それからコロナ禍で延期や中止があり、今回の大会。今日は雨の中、ネットで幾つかの試合を見ましたが、昨年の開催が中止になった三重県(PEARLS)が1年越しの初優勝を飾りました。

選手のSNSでも、この大会にかける意気込みや思いなどを見ました。おめでとう。

三重県は元日本代表の末選手、エースの保井選手、ベテランの片嶋選手らが中心となって、雨の中ミスの少ない、まとまりのあるチームだと感じました。改めて2日目の試合結果を見たら、1回戦の大阪戦が17-14の3点差ですが、準決勝、決勝としっかり調子を上げて快勝。W杯を控えた女子日本代表、サクラフィフティーンにも多くの選手を送り出した中での優勝、凄いですね。三重PEARLSの選手、スタッフ、関係者の皆様、おめでとうございます。

して準優勝の神奈川は1回戦、準決勝と延長戦にもつれながらも勝ち上がってきました。雨のコンディションの中、トライ後のキックが上手くいかなかったのもありますが、TKMの新原選手、鈴木選手、角川選手を中心に、そして関東学院六浦の選手は年上のお姉さん方を相手にもしつこくハードなDFを見せるなど、見どころのあるチームでした。そして開催県の栃木は3位決定戦で福岡に完封勝利しての3位。茨城国体では茨域チームで大活躍した内海選手、元日本代表の小西選手ら國學院栃木OGを中心に戦い抜きました。栃木は少年男子が1回戦で今年の高校ラグビーをリードする報徳学園が主力の兵庫県に1点差で勝利し、準決勝に進出。青年男子もセブンズで5位入賞、開催県としてしっかり大会で活躍したと思います。そういえば三重は成年男子がホンダヒートの選手の活躍で優勝したので、男女ともにあっぱれですね。

他のチームも結果はそれぞれ、チャレンジの多い2日間だったと思います。来年以降もこの時期(10月、それとも11月??)に女子の国際大会が行われる予定なので、代表選手が出場する可能性はあまり高くないのかもしれません。それでも代表入りを目指す選手、また若くてこれからの成長が楽しめる選手を見る機会、という意味で国体の開催は引き続き、楽しみだなと個人的には感じました。神奈川の鈴木彩夏、栃木の内海春菜子辺りはすぐに代表入りして欲しい。

サクラ15はW杯に向けて調整中、国内の関心も高まってきたかな

日本協会HPには、W杯に向けたサクラ15の遠征レポートが更新されています、こちら。試合ジャージを着てのフォトセッションの様子もありますね。それぞれの個性が見える、かもしれません。今週に入って、女子日本代表に関する記事(レスリーHC含め)もたくさん見られるようになったと感じます。私も先日、ananの記事をさっと読みましたし、新聞などでも小さな記事などSNSで見かけますね。J SPORTSさんのサイトでもラグビーW杯について上手にまとめられているようです、こちら(5ページありますが、途中までしか読んでいません)

ラグリパさんでも朝日新聞の野村記者が記事にしていますね、ありがたい

4年に一度のW杯が近づき、期待と共に多くの記事が見受けられるのは本当にありがたい。その一方で、期待が高まりすぎるのはちょっと怖いなと、私は正直感じてしまいます。このブログ、SNSをフォローしていない選手も見たりしたと聞いたこともありますし、この前も知り合いの方からブログを読みました、とのメッセージを頂きました。大会を前に気持ちを高めていく時期に、水を差しますがちょっと私が今感じている本音の部分を書きますね。きっと良く思わない方もいると思います。いまそう感じたら、たぶんこの先は読まなくて良いです(苦笑)

まずレスリーHCについて、あくまで個人的にはですが、あまり評価していません。先ほど紹介したリンクにある記事の通り、多くの選手から尊敬を集めていると思いますし、合宿以外のアクション含め、良いチーム作りをしてきていますし、レスリーHCの縁やきっかけで海外に挑戦できた選手も多いと思います。一方で候補選手の選考や、試合のメンバーなどで、「うーん」とか「何でだ?」と感じることが結構ありました(もちろん誰もが100%満足、納得することなどないでしょうが・・・)。エディーさんと比較するのは、ちょっと違うかなと。

そしてこのW杯に向けて準備をしてきた女子日本代表、前回の大会からフィジカル、スキル共に高めてきました。特にFWの選手のサイズアップを見ると、本当に鍛えてきたんだなと感じます(もちろんBKの選手も鍛えてます)。何より、先日の南アフリカ、アイルランド、そしてNZとのテストマッチを組むなど、世界と戦う準備をしてきたなと。予選プールで戦うのは試合順にカナダ、米国、イタリア。どれも世界ランクでは日本より上、イタリアは前回W杯でも予選プールの後、トーナメント初戦で戦っていますね。この時は完封負けでしたが、テストマッチが続くタフな試合経験の差が出たのかもしれません。

2017年の9位以下トーナメント初戦では0-22で敗れました

予選プールからビッグチャレンジ、タフな戦いになります。その中で「常に成長し続ける」というコメントには期待です。懸念はW杯本番で初めて戦うカナダ、米国がどういう戦いをしてくるか。カナダはレスリーHCの母国ですし、ランクは一番上でも実は戦いやすいのかもしれません。想定としてはFW,BKともに接点、フィジカル勝負で削りに来る、密集で反則を得たらキックで前進、ラインアウトモールで押し込んでくるでしょうし、エリア中盤でのハイパントや裏へのキックはあまりないんじゃないかと予想。DFの接点でプレッシャーを受けるか、止めるか、勝敗の分かれ目はそこかなと。先日のNZ代表BlackFernsとの試合では、接点で食い込まれてオフロードを繋がれてはボールを繋がれましたので、そこは少し修正するかと思います。あとはアタック、テンポ良く球を捌き、DFを振り回していくので、BKがどれだけ頑張って前に出れるか、敵陣22mに入ってのチャンスを一気に仕留められるかですね。ラインアウトは毎試合、苦戦していますが、いざという時にスペシャルなサインを準備して、完璧に抜け出して相手を驚かすようなトライを取りたいですね。

いまNZにいるサクラの代表選手、そして惜しくも代表に選ばれなかったサクラの候補選手、本当に多くの選手が前回大会の悔しい結果から、このNZ大会に向けて頑張ってきました。目標はベスト8進出、それを考えると本当にタフな予選プールで何とか1勝、狙い目は米国か3年前の遠征で引き分けたイタリア(先日フランスに勝利して好調ですが)か。そして得失点差を考えると、大量失点はNG。あとはそう考えるとアタックの時間、特に敵陣でのプレー時間をいかに増やしていくか。得点力の高いNZやイングランドと違うプールなのはプラスに捉えましょう。初戦のカナダ相手にどれだけDFでファイト出来るか、それで予選の戦い、雰囲気(相手国の対応含め)が大きく変わります。きっとサクラフィフティーンも相手を分析して、それぞれ対策を準備しているはずです。それを本番で100%出し切れば、結果はついてくるはず。

長くなりましたが、国内のラグビーが盛り上がり、サッカーW杯も開幕が近づく中で始まる女子ラグビーのW杯、少しでも国内に歓喜の話題を提供して欲しいと願っています。選手、スタッフの頑張りが報われて欲しい。頑張ろう、日本。頑張れ、サクラ!