昨日27日の夜に行われた女子日本代表サクラフィフティーンとカザフスタンのテストマッチは日本が10トライを奪い64-0と完封勝利。見事に今年の秋のWXV2と来年のイングランドW杯の出場権を獲得しました。日本協会HPの試合結果は、こちら(コメントも追加されました)
カザフスタンのキックオフで始まった前半、日本のアタックはスピード、モメンタムもあって、キックからのDFもカザフスタンの大柄な選手のアタックに見事なタックルを見せるなど、香港戦と違いゲームの流れを掴むような入りでした。勢いそのままにターンオーバーからアタック、狭いスペースで細かいパスを繋いだり、テンポよく継続して最後は加藤選手が飛び込み先制トライ。続いて7分に相手のキックをチャージした弘津選手がそのままボールを拾って走り切り2トライ目。
カザフスタンのアタックはラックから1パスか2パスで走り込んだ選手がヒットしてラック、の繰り返しでしたが、日本は時折狙いすましたタックルを決めたり、押しこんでターンオーバーするるなど固いDFを見せました。今日の日本はどの選手も動きが早く、攻守に渡ってカザフスタンにプレッシャーをかけられたと思います。前半21分にこれまで良いタックルを見せていた5番吉村選手がシンビンを受けますが、アタックではボールを動かす日本とFWがぶちかましのカザフスタンの構図は変わらず。日本はダブルタックルで止めるなど、カザフスタンにゲームの流れを渡さず、さらに長田選手、佐藤選手がトライを追加して前半を31-0で終了。
後半は引き続き日本が優勢に進めると予想する中、さらにゲームを動かすアクションができるかと交代で出てきた選手が勢いをもたらすことができるかに注目していました。キックオフから敵陣でプレーする時間が多く、G前まで攻め込む場面もありましたが、カザフスタンの粘りもあって追加のトライは後半12分。その後のキックオフでも大外への展開から一気に敵陣へ、さらにG前に攻め込んで最後はラックサイドに飛び込み連続トライ。これまでのアタックではハンドリングエラーも少し目立ったのと、エリアを取るキックがダイレクトタッチになるなどありましたが、前回の香港戦よりも積極的にスペースを見つけてボールを動かすことが出来た印象です。またカザフスタンの選手が疲労で足が止まる中で、よりラインブレイクして前に出ることが出来、日本が目指すゲームに近い形に持ってきました。
残り20分になってからも運動量で上回る日本は交代で入った安藤選手がミスマッチを見つけてDFの裏に抜け出すと、フォローに来た阿部選手に繋いでトライ。カザフスタンも体格に勝るFW中心にアタックを仕掛けてきますが、日本も春先から合宿を重ねてきたFWがタフなディフェンスを見せて相手に決定的なチャンスを作らせず。日本はゲーム終盤にも交代出場で初キャップの町田選手、大塚選手がトライを決め、大塚選手はコンバージョンも10本中7本成功させる活躍を見せてくれました。
試合後のインタビューでは長田キャプテンが「相手より自分たちがやること、やってきたことにフォーカスして試合に臨んだ」と話していました。香港戦直後のブログで、個人的には「ゲームプランが見えない、ストレスを感じる内容」と書きましたが、このカザフスタン戦ではその辺りが修正されていましたし、何より交代で出てきた選手がそれぞれ目立ったプレーを見せ、やはりゲームの流れを掴むとチームに勢いが出て、良いプレーが生まれるのを改めて感じました。今日は活躍が目立った選手が多かったです。また合宿を重ねてきたFWがパワー勝負を挑んできたカザフスタンを相手に真っ向勝負で挑み、ダブルタックルやカウンターラックを何度も見せて前に出れたのが良かったですね。ラック回りやハンドリングでの細かなミスは少し多かったですが、ここは意識とポジショニングである程度、修正できると思います。
最後に協会から来月のフィジー遠征が発表され、フィジーと2つのテストマッチを実施予定。さらに国内でのテストマッチも調整中とのことです。パリ五輪を控えたサクラセブンズとともにサクラフィフティーンも世界に向けて、強化をしっかり進めていきたいですね。頑張れ日本!