関東新人大会、都県対抗戦@中台運動公園

16日土曜に成田市の中台運動公園で行われた試合を観戦してきました。JR成田駅から道を真っ直ぐ進んで徒歩10分程度で来れました。試合会場としてはアクセス良いほうですね。

球技場で行われた都県対抗戦、Aブロックは青の神奈川が東京に勝利。レフリーは後輩の荒井。

球技場で行われた都県対抗戦、関東新人大会への出場を果たせなかったチーム(各都県の3位以下)の選手で構成される選抜チームを4ブロックに分けて行われています。Aブロックでは強豪の神奈川と東京の対決、スキルの高い両チームでしたが神奈川が終始、優位に立って47-12で快勝し、翌年のAブロック残留を決めました。

この試合、レフリーは後輩の荒井くんが担当していたのもあり、この日フルで観戦た唯一の試合です。荒井くんは東福岡を倒して花園ベスト8を達成した学年でHOを任され卒業後にレフリーの道を志し、今は社会人として仕事をやりつつ、関東協会のB級レフリーとして活動しています。この試合でも自分が見る限り、早めの判断といいタイミングで笛を吹き、良いマネージメントをしていると感心しました(私は過去に茨城県C級レフリーの資格を取っています)

接戦になるかと思いましたが、神奈川が攻守ともに素晴らしく、東京を上回っていました。Twitterで見つけたメンバー表を見ると10番キャプテンの池戸選手(東海大相模)が目立ちました。最近はスクリューで長いキックを蹴る選手を見るほうが少ないのですが、池戸選手のキックは大学生のように飛距離が出ていました。トライ後のキックも蹴った瞬間の音がちょっと違いましたね。神奈川のBKは全員が東海大相模の選手でしたが、彼のキックと素早いDFで神奈川は前半の7割くらいを敵陣でプレーしていたかと思います。

東京もキャプテンの3番吉田選手、5番トコラヒ選手(ともに目黒学院)が接点で前に出る場面もありましたが、少しフォローが遅れたり、タックル後のファイトが疎かだったりすると、神奈川にターンオーバーされていました。戦い方含めてチームの成熟度が得点差に現れたのかと思います。都県対抗戦の結果は以下。
Aブロック 神奈川47-12東京 (来年東京はB降格)
Bブロック 千葉20-7群馬  (来年千葉がA昇格、群馬はC降格)
Cブロック 埼玉71-0茨城  (来年埼玉がB昇格、茨城はD降格)
Dブロック 山梨74-7栃木  (来年山梨はC昇格)

各都県でチーム数だったり上位2校と3位以下の学校で差があるのが、実力差にも繋がりますね。個人的にはCとDのようなミスマッチは減らしたいので、上下で4チームずつに分けてトーナメントを行いA4位とB1位が入れ替えみたいな方式はどうかなと思いました。大会を1日で終わらせるのであれば、30分1本でするとか・・・邪道な方式ですみません。

Dブロックは大型FWを擁する山梨が栃木に圧勝、レフリーは小菅礼子さん。高校の関東大会のカテゴリーで女性がレフリーを吹くのを見たのは初めて。

関東新人大会は流経大柏、桐蔭学園が大勝して決勝進出

陸上競技場では新人大会の順位戦と準決勝が行われました。順位戦は勝者がそのまま全国選抜大会への出場権を獲得しますが、慶應義塾が佐野日大を、國學院栃木が日川をそれぞれ勝利。準決勝は流通経済大柏が先週、茗溪学園と慶應義塾に勝利して勝ち上がった早稲田実業を相手に後半に6トライを奪って52-0で完封勝利。そして桐蔭学園が本郷に50-15で大勝し、明日行われる決勝戦に進みました。

ともに後半途中から観戦しましたが、流経大柏、桐蔭どちらもトライを奪ったあとのKOをキャッチすると蹴らずに展開して自陣から継続したアタックをしていました。流経大柏はFW周辺というより、SOから外の辺りのDFのギャップに走りこむのを意識してアタックしていた印象で、裏に抜け出したあとそのまま外のフォローに繋いで自陣からトライを奪うシーンもありました。桐蔭はもっと戦略的というか、どこに展開して、どこでコンタクトして、というのがチームとして予め決まっていて、その中にパスかヒットかオプションがあってその場でコールを出して判断しているのかもしれません。当たり前なことかと思いますが、その精度と個々の強さが抜けていますね。

桐蔭のNo8佐藤選手は花園でも話題でしたが、この試合でも良い突破を見せてトライも奪っていましたね。桐蔭は少人数のラックを何度も継続してテンポよくフラットにアタックしながら、数的優位が出来たところで裏に出て一気にトライを奪う、そんなイメージです。後半の少しの時間しか見れませんでしたが、チームの成熟度の高さを感じました。

明日は決勝戦が行われますが、ここまで大勝続きで勝ち上がってきた2校が決勝戦で競った展開になったときに、どちらがより自分たちのスタイルを発揮して前に出れるかが注目です。前評判は桐蔭学園だと思いますが、どうなるか。

私は熊谷に向かって女子の関東大会に行ってきます。

追記。Youtubeに動画がUPされていたので、貼っておきます。
 ⇒桐蔭学園(神奈川)vs本郷(東京)前半戦 後半戦

関東新人大会 茗溪学園 VS 早稲田実業

この3連休、高校ラグビーは各地で地域大会が行われていました。関東は水戸で新人大会が行われ、4強に進んだのは王者桐蔭学園、東京1位の本郷、昨年花園ベスト4の流通経済大柏、そして茗溪学園、慶應義塾との接戦をものにした早稲田実業。この4校は春の全国選抜大会の出場も決めました。

10日の茨城新聞の記事、写真はplanetsurfさんのTwitterから拝借

茗溪学園と早稲田実業の試合がYoutubeにあったのでチェックしました⇒前半(5-7) 後半(14-17)

開始から攻め込むも得点できず、徐々にミスが目立った茗溪学園

前日から雪の予報が出ていた水戸、当日は気温も低く、厳しいコンディションでした。茗溪のキックオフから始まった前半、開始から素早い攻防が続きキックもタッチに蹴らずに3分もプレーが途切れませんでした。序盤は茗溪が敵陣で攻め込む場面が多く、早実は粘り強く守ります。茗溪はSH大越がテンポよく球を動かし、継続してアタック、前進するもハンドリングエラーからチャンスを失ってしまいます。

茗溪のアタックを防いだ早実はキックから茗溪陣に攻め込むと、前半19分に中央ラックから外に展開、WTBがタックルされる直前に内に球を蹴ると15番が拾って抜け出して先制のトライ。茗溪の反撃は27分、敵陣ラインアウトからSH大越が抜け出しG前まで進み、中央ラックから大外に展開して11番が左隅にトライし、5-7で前半を終えました。

キックを上手く使い、少ないチャンスを得点に結びつけた早稲田実業

前半は攻めた茗溪、守った早実という展開。どちらが先にトライを奪うかが勝負の分かれ目になりますが、後半開始から早実が攻め込み、前半と違って茗溪陣でプレーする時間が増えます。すると7分に中央ラックから大外の14番に飛ばしパスして右隅に飛び込むと、続く9分に中央のラックで相手ボールを奪い、DFの裏に転がしたボールを拾って繋いでインゴールまで走りきりました。茗溪も逆転を目指して自陣から攻めますが、塗れたボールにハンドリングエラーが出ると、そこから展開され早実8番が抜け出してトライ、後半16分で19点差をつけました。

茗溪は後半25分、31分に攻め込んで2トライを返すも届かず。後半は早実が敵陣でプレーする場面も多く、得点力の高い茗溪を堅守で抑えました。茗溪学園は全員が素早く動き、左右にテンポの良いアタックが目立ちましたが、冷えこんだ厳しいコンディションの中で時間が経つにつれてミスが増えてしまいました。早稲田実業はDFが多い時間帯にも素早いセット、プレッシャーから茗溪のラインブレイクを許さず、アタックでは自分たちの意図したプレーでトライを重ね、自分たちの展開に持ち込みました。

厳しいコンディションの中で力を出し切った早稲田実業、アタックでのミスから自分たちの展開に持ち込めなかった茗溪学園

当日のメンバー表、 茗溪は花園でプレーしたPR亀山、LO目崎がメンバー外。planetsurfさんのTwitterから拝借。

試合の勝敗を決める上で、自分たちのスタイルをどちらがより出せるか、というのが大きな要因になります。茨城県で決勝でも100点ゲームと圧勝して勝ちあがった茗溪、東京都で接戦をものにしながら東京2位で出場した早実。組合せを見て早実がチャレンジャーとして茗溪に挑むような構図を想像していました。茗溪としては序盤に攻め込んだ時に先制して、そのまま突き放す展開を考えていて、守り勝つようなスタイルではない。早実は茗溪のアタックを止めて接戦に持ち込むような展開を予想していたのかもしれません。スピードは茗溪優位でしたが、捕まえると接点では早実がプレッシャーをかけて、茗溪を押し戻す場面も多かったです。

茗溪は昨年の花園でもプレーしたPR亀山、LO目崎など主力がメンバー外でした。その中で追いかける後半にまさかの3連続トライを奪われ、新チームとしての未熟さも出てきて焦りが出たと感じました。テンポよくボールを左右に動かすアタックは勢いに乗ると脅威ですが、この試合では逆にテンポが良すぎるようにも見えました。SH大越の球を捌くテンポが一定で、早実のDFは守りやすかったように感じました。BKが裏に抜け出してチャンスを作りたかったのですが、ハンドリングエラーが目立ちましたし、BKが得点を奪えないと厳しいですね。

1回戦で負けてしまったために、茗溪は春の全国選抜出場を逃しました。課題は色々あると思いますが、全国を勝ち上がる上でもっと個人の力で突破できる選手が増えること、その上でアタックのオプションを増やすことが必要かと思います。まだシーズン序盤、残念な結果になりましたが上手くいかない試合を振り返り、どう次の勝利に繋げていくかが大事です。この負けを次の爆発的な成長に繋げて結果で応えてくれるのを期待しています!