コベルコカップ女子の部を振り返る

まず前回のブログから2週間近く更新が滞ってしまいました。話題は色々とありましたが、落ち着いて書くような時間が作れずでした。今回は先日、菅平で行われたコベルコカップ2019を振り返ります。

今年は例年以上に暑かった菅平、女子のレベルも上がっていました

開会式では男女共に全国9ブロックから集まった高校生を前に、岩淵専務理事がお話をしていました。開会式後には中央のステージでスキマスイッチと高校生が共に歌うMVを撮影して盛り上がりました

女子の部を振り返るということで、まずは大会結果から。5地域の代表で日本一を争う決勝リーグ、中国ブロックの石見智翠館が4戦全勝で15人制になって初めての優勝を飾りました。関東ブロックは2勝1敗1分け、得失点差で九州ブロックを上回り2位、そして九州、近畿、東海という順位でした。4地域で争う育成リーグでは3地域が2勝1敗で並びましたが、得失点差で北海道・関東が1位に、2位四国、3位北信越、4位東北という順位になりました。各試合結果は日本協会のHPにありますのでチェック。

私は女子の試合はほとんど観戦することが出来ましたが、今年も全体のレベルは上がっていました。具体的にはキックも含め、ボールがより動くようになりました。3,4年前は全体が浅いラインで外までボールが回ることも少なく、キックもしっかり蹴れる選手があまりいなかった印象でした。今年はキックでエリアを取れるチーム、ATで深いラインからワイドに展開して外のスペースを有効に使うチームが増えました。育成リーグでも四国チームは良いアタックを見せていたと思います。一方でDFでボールを奪えるチームはまだ少ないですね。ジャッカルで絡む場面は増えましたが、素早いDFからFWの圧力で球を奪いにいく場面がもっと増えると、ゲームの強度も上がるかなと思います。

優勝した中国ブロック、石見智翠館のまとまりと強さは抜けていました

決勝リーグで優勝した中国ブロック。4試合で9トライを奪い60点を獲得、失点は僅か8点、九州との最終戦では前半の1PGのリードを守りきっての初優勝でした。先日のオーストラリア遠征で日本代表デビューした今釘小町選手を中心に、個々の強さとまとまりは他のチームを圧倒していました。試合を見ていた大会関係者から、石見智翠館の選手が大きく見えるという声も聞こえたほどです。関東ブロックとの試合では、キックオフ直後のラックで関東FWを押し返してターンオーバーを勝ち取るなど力強いFWに加えて、深いラインからワイドに展開して、ゲインを重ねて最後は外のWTBが狙い通りにトライを奪うなど本当に強いチームでした。

もちろん中国ブロックは石見智翠館単独で、他の地域は選抜チームという部分でのチームの完成度、まとまりの差は否めません。もしかしたらGWに行われたサニックスワールドユースを終えてからおよそ3ヶ月、コベルコカップ優勝という目標達成に向けて今まで以上に準備を重ねてきたかもしれません。その理由の1つは昨年まで春に太陽生命WSSが行われていたので、セブンズに取り組む時間ばかりで15人制への準備期間が足りなかったのだと思います。今年はチャレンジチームに選ばれる選手もいましたが、他のチームと比べて完成度は高かったと思います。来年は他の地域ももっと力を入れて取り組まないと勝つのは難しい、そう感じさせる戦いっぷりでした。

2位の関東ブロック、ハードなDFを強みに良い戦いを見せました

最終戦を前に。佐野の石井先生、関東学院六浦の梅原先生を中心に優勝を目指した関東ブロックは、昨年の3位を上回る2位。選手は試合を重ねる毎に、ハードなDFという強みを理解し、成長していきました。

そして私も帯同してサポートした関東ブロック、昨年までは高いキックスキルと判断力を兼ね備えた高木萌結が10番司令塔としてチームをリードしていました。FWの秋田若菜やBKの高橋沙羅、安尾琴乃など昨年も関東ブロックに選ばれた選手が軸になるものの、快速WTBや力強いFWなどずば抜けた選手はいない中で、優勝を目指してどう戦い抜くか。振り返ると試合を重ねる毎にわかりやすく成長することが出来た3日間でした。

関東ブロックの9番高橋沙羅は4戦フル出場、近畿との最終戦では3トライ全てに絡む大活躍を見せてブロック優秀選手に選ばれました。写真はせんしさんのTwitterから拝借。

私は主に試合前のウォームアップを担当、試合中はビデオ撮影をしていて試合中は選手に具体的なアドバイスはせず、見守っていました。初戦は昨年優勝の九州が相手、チームもまだ不安な要素が多く、試合前のアップでも選手間でのコミュニケーションが足りないというか、確認ばかりでまとまらないといった様子で、心配していました。結果は0-0のスコアレスドローでしたが、前半の慌てた時間帯にDFでハードタックルを連発し、ゲームの流れを徐々に引き寄せると、後半は10番松尾凜子のキックで敵陣に進み、最後の数分間は敵陣22m内で攻め続けました。もちろん勝てなかった悔しさはありますが、良いスタートは切れたと感じました。

次の中国戦、前半は相手のミスに助けられる場面もありながらも、自陣からのキックで敵陣に攻め込み、12番安尾琴乃が先制のトライ(その前の場面でノッコンがあったように見えましたが・・・)。しかし後半は開き直った中国が狙いすましたハードタックルから流れを掴むと2トライを奪われて逆転負け。しかしこの2試合の接戦の中で自分たちの強み、戦い方を理解したと思います。その後の2試合では3トライを奪い、快勝しました。

近畿との最終戦を終えて、応援してくれた保護者にチーム皆でお礼の挨拶、キャプテンの2番粂日向子、バイスの9番高橋沙羅を中心に良いチームになりました。もっと強くなれると感じた分は花園に向けて。

今年の関東ブロックは、チームでDFするという意識が今までよりも高かったと思います。それがはまる場面が多く見られ、自陣のキックから敵陣までエリアを大きく進めて、相手のミスを誘い、敵陣でアタックする、という場面が多かったと思います。その一方でG前まで攻め込むも、FWを絡めたオプションが少なく攻めあぐねる場面もありました。最終戦の近畿に奪われたトライは、G前で攻め続けるもトライを奪えず、BKに展開したところでミスから一気に切換えされてしまいました。この辺りは自分含め、コーチ陣が限られた時間の中で落とし込みきれなかった部分かもしれません。

もちろん関東ブロック以外でも、北海道チームに加わった関東の選手をはじめ、多くの原石が活躍していました。どの試合も選手の必死さ、ひたむきさがあり、決してつまらない試合などありませんでした。今後もラグビーを続けてほしいですね。

今年は11月に行われていた三地域対抗戦(全国選手権高校の部)が行われないらしく、花園の東西対抗戦に向けては秋にセレクション合宿が行われて、そこで代表選手を選ぶそうです。関東ブロックの選手たちには怪我に気をつけながらも、夏、秋と更に個々がレベルアップを重ねて、花園のフィールドで活躍して欲しいなと思います。

注目されたU17の部は関東ブロックが圧勝、8番桐蔭学園の佐藤選手の圧倒的な攻撃力など本当に強いチームでした。茗溪学園の亀山、勝矢もチームの一員として頑張っていました。

今回は簡単に振り返ることが出来ず、2週間あいていたのもあって、長くなりました。W杯開幕まで50日を切り、毎週2回は更新できるよう、色々とラグビー情報を探しながらやっていきます。

関東ブロック女子の集合写真、2年ぶりの帯同でしたがたくさん学ばせてもらいました。もっと自分の役割を果たして勝利に貢献できるような指導者を目指して頑張ります。

女子日本代表は第2戦に完敗、U20男子はJWRT優勝

1週間ぶりのブログ更新になります。週末は3ヶ月ぶりに帰ってきた両親に会いに行っていて、少し忙しかったですが、オーストラリアやブラジル、菅平高原から色々なカテゴリーのラグビーの結果が届いてきましたね。

オーストラリアとの再戦はノートライに終わり3-46の完敗

オーストラリアのトライばかりのハイライト、1トライ目のNo8の独走トライをはじめ、相手にやりたいようにやられてしまい、DFで粘れなかったサクラフィフティーン

19日金曜の夜に行われた女子日本代表サクラフィフティーンと、オーストラリア女子代表ワラルーズとのテストマッチ第2戦。第1戦からどう修正して挑むか注目していましたが、結果は残念ながら更に得点差が開いての完敗でした。日本協会のHPにある試合結果はこちら

前半にPGで先制を許すと4トライを奪われ24点差を追いかける展開になり、後半はオーストラリアも余裕を持ってプレーできたと思います。その中で後半25分まではトライを奪われていませんでしたが、26分、30分、33分と続けざまに3トライを許してしまいました。テストマッチは後半残り20分からが本当の勝負、などと以前に男子の代表試合でよく聞いた言葉ですが、この試合ではまさにその勝負の時間帯で、崩れてしまいました。

ハイライトを見る限り、前半の1、2トライ目は共に中盤で相手の大きいランナーにラインブレイクを許してしまったところからでした。1トライ目に関しては、ラック周りのDFが移動してセット仕切れなかったところを狙われたのと、2トライ目はセットしていたもののFWが並んでいたところに13番が上手く仕掛けて抜いていきました。そのあとの2トライは共にG前まで攻め込まれて、上手く外に展開されて飛び込まれたもの。後半の3トライはG前でパワーランナーを捕まえるも止めきれずに繋がれたり持ち込まれたりするようなトライでした。

テストマッチまでにどうDFの準備をしてきたのかわかりませんし、ハイライト以外の場面では粘れている場面もあると思います。それでもフィジカルに優れた相手にしっかりタックルに入れない、倒せない、接点での個々のファイトである程度は戦えないと勝利するのは難しいですね。実際、世界ランクで上の相手とのテストマッチ2試合で奪った得点は8点のみでした。このタフな経験を今後、選手各々、そして代表チームがどう活かしていくのかが大事ですね。

男子U20JAPANは終盤に逆転して見事優勝、来年の昇格を勝ち取りました

フル映像はありましたがハイライトはなく、後半終盤の逆転したシーンなどいくつかチェックしました。

まず日本協会のHPにある試合結果はこちら開始10分で2トライを奪い14点をリードするもそこからシンビン2人出してしまったりで、逆転を許すと後半は競った展開に。後半26分にG前スクラムを押し込んでペナルティートライを奪い取って1点差に詰め寄った直後。KOをキャッチして自陣からアタックするも22mライン上でノットリリースの反則。そこからG前ラインアウトになり、攻め込まれてラックから展開されてタッチラインから5mのところにトライを奪い返されて追い詰められるも、ライン際から狙ったゴールは外れて6点差で残り10分。そこからG前に攻め込みポスト下にトライを奪ってキックも成功して逆転、最後はラックを重ねてボールキープして、ノータイムを迎えて何とか勝利しました。

上記の動画の1:53:00辺りから後半のトライ場面を振り返り始めますが、日本がモールやスクラムを押し込んだり、ポルトガルはG前で一気にワイドに展開して飛び込んだり、私の想像していたトライの奪い方とは違った展開でした。本当に激戦だったと思いますが、勝利を手繰り寄せたのは強力なFWだったかもしれません。スクラムで常に優位だったのが、終盤の追いかける時間帯でも、強い気持ちを保ってファイトし続けられたのだと思いました。

何より良いチームだなと感じたのが、最後のトライの場面や試合終了直後にリザーブの選手がフィールドに入って一緒に喜んでいるシーンを見たからです。あまり見ない光景でしたが、間違いなくリザーブの選手も交代した選手も一緒に戦っている、素晴らしいチームだなと。

実は先日行われたJWCではスコットランドが最下位になり、来年はこの大会に降格してくることが決まっていました。今年昇格できないと来年はスコットランドに勝利しないと昇格できない。そんな中、遠い南米のブラジルでの大会で優勝し、来年のJWC昇格を勝ち取ったU20JAPAN、おめでとうございます!

最後に菅平で高校生の全国セブンズ大会、アシックスカップも行われていましたが、こちらは試合映像全く見れていません。母校の茗溪学園はプレート準優勝、カップ優勝は春の選抜大会を制覇した桐蔭学園が2冠を達成しました。以上。

サクラ15は初戦は6トライを奪われ負け、四国大学が太陽生命WSSコアチーム昇格!

先週末は金曜のトップリーグ観戦から、土曜は医学ラグビーの応援、関東高校女子の強化合宿、日曜はレフリーに打合せにと忙しく過ごしていました。

金曜はトップリーグで活躍する後輩の応援に。中学のころから見ていますが、今はサントリーの9番を着て、一緒に組む10番は元ワラビーズのマット・ギタウ。凄いですね。
試合はサントリーが日野に39-3で快勝、サントリーは攻守にアグレッシブでした。9番大越もチームの2トライ目を奪ったり、DFではフィールドを幅広く動き回るなど、大活躍でした。
筑波大医学チームは信州大医学チームとの対抗戦に28-14で勝利、ここ数年は勝てていなかったみたいで久しぶりの快勝、春シーズンの締め括りをよい形で終えました。

サクラフィフティーンは5-34でワラルーズに敗退、第2戦は金曜に

女子日本代表は13日にオーストラリア女子代表ワラルーズとのテストマッチに挑み、5-34で負けました。日本協会HPにある試合結果のお知らせはこちら初キャップの選手が多く、若いチームでしたが勝利を奪うことは出来ず。

トライ場面を中心に試合のハイライト動画を豪州ラグビー協会がUPしてくれました

試合経過を見ると前半9分に先制されるも、そこから粘り強く戦い39分に2トライ目を奪われるまでは5点差で競った展開に持ち込んでいました。後半開始の大事な時間帯で得点を奪い返せば接戦に持ち込めたかも知れませんが、開始3分で追加のトライを奪われて、そこからは相手にも余裕を持たれたのか3トライを奪われてしまいました。

試合のフル動画は見れていませんが、得点の取り合いでは世界ランキングでも格上の強豪相手には勝てないと思います。 勝つ展開に持ち込むとすれば まずは相手を2トライに抑えるのが前提で、そこからどう3トライを奪うのか。今回のハイライトを見るとG前でパワフルな選手にやられたり、そこでDFの人数を削られて外の広いスペースにボールを展開されてトライされていたりしてますね。女子ラグビーを見ていると、どのカテゴリーでもG前のラックやスクラムがトライの起点となっていることが多いです。エリア中盤から抜け出して繋いでトライを奪うような場面はあまりないです。それはスピードやパススキルが足りないのが原因かもしれません。もしG前5mでラックになったら、個人的にはBKに展開せず、時間をかけてでもラック周辺を攻め続けてトライを狙ったほうがよいのかなと。勝負に拘るなら。

そしてワラルーズとのテストマッチ第2戦は19日金曜に行われます。サクラフィフティーンとして以前に記者会見で「サクラウェーブ」というキーワードがありました。第2戦に向けてどういうプランを描いているのか気になりますが、更によい戦いを見せて欲しいと思います。

入替戦は追手門学院が残留、四国大学が昇格し、横河アルテミは1年で降格

関東高校女子のコベルコカップに向けた強化合宿があり、入替戦の応援には行けませんでしたが、創部3年目の四国大学女子ラグビー部が2日目の順位決定戦で日体大UNICORNSに勝利して、来年度のコアチーム昇格を決めました。RUGBYJAPAN365に掲載されている記事のリンクはこちら「四国大が初昇格。追手門が残留・アルテミが降格」

Youtubeで探してみたところ、順位決定戦の追手門とアルテミの試合がUPされていました。コアチーム同士の戦いは総合順位でも上回っている追手門がアルテミ相手に3トライを奪い快勝しました。

四国大学については、以前にリージョナル7sの関東大会を観戦に行った時にも書きました。その後リージョナル7sの関西大会でも優勝し、昇格を狙うチャレンジャーとして迎えた入替戦の初日。予選での大一番、横河アルテミとの対決は前半で2トライ2ゴールを奪われるも、そこから追い上げて最後のプレーで逆転したそうです。2日目の決勝では延長戦の末、追手門学院に敗れたものの、入替戦の主役は四国大学と言ってもよいでしょう。もちろん来年の太陽生命WSSに向けて、まだまだ力不足なところはあると思います。ただ伸び盛りの若いチームが加わること、そして四国という地域から国内最高峰のリーグに参戦するチームが出てきたことは嬉しいですね。

今週末は女子のテストマッチ以外でも高校男子のアシックスカップもあり、トップリーグカップの予選最終戦もあり、また忙しくなりそうです。ノーサイド・ゲームも話題を集め、ラグビーの話題ばかり。このまま9月のW杯まで突き進んでいきましょう。

ユニバの金メダル獲得と太陽生命WSSの成果を考える

まずは前回のブログでも書いていたクボタと三菱重工の試合の観戦レポートがクボタのHPに掲載されていたので、リンクはこちら。

そして日曜深夜に行われたユニバーシアードで男女日本代表が共に金メダルを獲得、そして本日、日本協会から東京オリンピックに向けた「第1次オリンピックスコッド」と「トレーニングスコッド」の発表がありました。会見とスコッドのメンバーについてRugbyRepublicの記事はこちら

まずはユニバ、男女共にチームの完成度が他の国よりも高かった日本

昨年のアジア大会では果たせなかった男女同時優勝、大学生を中心とした若い世代が大活躍しての金メダルでした。写真は日本協会のTwitterから拝借

Youtubeに決勝のハイライトがアップされていますが、男子も女子もボールを動かし続けるアタックで相手のDFを翻弄、DFでもしっかり連携して守り、相手のミスを誘ったり、ジャッカルして反則を誘ったりしていました。個々の強さ、速さが勝負を決めるセブンズですが、そこにチームの戦略、戦術をしっかり落とし込んで、チーム一丸となって戦った日本は金メダルにふさわしいチームでした。

トライシーンを中心にしたハイライト男子決勝は5:30~、女子決勝は15:45~、共に自分たちのスタイルを貫いて快勝、金メダル獲得という素晴らしい結果を持って帰国しました
男女のスタッフも混じっての記念写真、男子の鈴木貴士HC(前列右端)は7年前にクボタスピアーズで通訳をする機会を頂いたときにお世話になり、今回がHCとして初の大会。本当に嬉しい優勝です!

セブンズの経験値が高かった日本、女子は太陽生命WSSが実践の場に

最終日の準決勝、決勝はLIVE中継があったので見てみましたが、日本は男女ともに相手よりもセブンズ慣れしていました。男女共にアタックで孤立する場面はほぼなくフォローがしっかりついて、倒れる前に繋いでラックにせずにボールを動かしていこうという意図が見ながらわかりました。男子は準決勝のロシア戦、自陣G前でのDFでもタックルミスはほとんどなく、相手のミスも誘って前半を我慢するとハーフタイムの時点でロシアの選手はバテバテ、後半は2トライを奪っての完封勝利。決勝の南アフリカ戦も相手にリードを許すことなく、南アの2トライは共にDFの裏のスペースにキックを蹴ってスピードのある選手がトライを奪ったものの、DFは崩されませんでした。

女子は春になってSDSの召集は何回かありましたが、チームの本格的な指導は6月に入ってから。北海道のピリカモシリ7sの前に合宿を行い、大会で実戦を積んで、チーム作りを進めてきました。最終日は準決勝でロシア相手に、決勝では予選ではノータイムからトライを奪って勝利したフランス相手に、共に5トライを奪う圧勝で、暑さ関係なし、文句なしの強さを見せました。

ユニバーシアードという学生カテゴリーでは、大学ラグビーがさかんな日本は世界のトップレベルかもしれません。男女共に中学や高校でユースアカデミーに選出された選手が多く選ばれていたと思います。男子だと東芝の桑山選手や関東学院大学の川崎選手ですかね。女子だとすでにトップのフル代表を経験している選手が半数以上でした。協会HPにある選手団の名簿はこちら

そんな中、女子に限って言えば2014年から始まった太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ、今年で6年目を迎えましたが、ここで実戦経験を積んだ選手が多くいますね。例えば原わか花、黒木理帆は石見智翠館高校のときから大学生、社会人を相手に必死に喰らいつくかのように戦っていました。堤ほの花、永田花菜、長田いろはも高校は九州ですが当時からチャレンジチームの一員として参戦し、活躍していました。そういった実戦での経験値は、ユニバーシアードという大会では他の国に比べて明らかにアドバンテージがあったでしょう。勝負どころをわかっているというか、太陽生命WSSで見せている普段の実力をしっかり出して勝つべくして勝ったという印象ですね。

女子は半数以上のメンバーがアジアシリーズやワールドシリーズに参加したことのあるメンバー、キャプテンを務めた平野夢芽は高1のころから太陽生命WSSに参戦、セブンズに特化したイメージですね

ユニバーシアードで金メダルを獲得したとはいえ、男女共に次のワールドセブンズシリーズにはコアチームとして参戦出来ない状況です。それでも今回、こうしてよい結果を出せたことは今までのセブンズ強化のシステムによるものが大きいです。個々がしっかり戦い、相手をしっかり分析し、自分たちのペースを掴めれば、どんな国にもしっかり勝てる。そんなことを再確認できたような大会でした。ワールドシリーズに向けては、個々が更に強く速くなることがまず前提でしょうね。強豪国に限らずどの国もメンバーをある程度固定して年間計画で強化を進めていると思います。

ユニバーシアードのように圧倒できないのが、世界の強豪国が集まるワールド7sシリーズです。そして来年の東京オリンピックに向けて、強化スケジュールも本日発表されましたが、どうチャレンジしていくか。期待していきましょう。

9日に帰国した代表選手団は早速、取材攻めにあったみたいです。女子キャプテンを務めた平野夢芽はまだ19歳、大役お疲れ様でした。写真は日本協会のTwitterから拝借。

個人的には女子は代表選手を中心としたSDSでチャレンジチームとして来年の太陽生命WSSに参戦、オリンピックに向けて国内の競合と競い合って(もちろん圧勝して)、準備していくのもありだとは思いますが・・・協会はどう強化するのか注目。

オーストラリアに遠征中のサクラフィフティーンは13日にテストマッチ初戦

5日金曜に日本を飛び立ったサクラ15は現地のチームと合同練習、写真は日本協会のTwitterより拝借。

最後になかなか情報は拾えませんが、15人制のサクラフィフティーンも13日の豪州とのテストマッチに向けて準備中です。選手が入れ替わってどんな先発メンバーになるのかわかりませんが、フィジカルに優れたオーストラリア相手に、どんな戦い方をして、どう挑むのか。注目しています。頑張れニッポン!頑張れサクラ!!

クボタスピアーズはカップ戦3連勝、ユニバは準決勝進出、金メダル獲得なるか

東京は梅雨らしい日が続いていますね。昨日は夕方から秩父宮ラグビー場へ。カップ開幕戦に続き、クボタスピアーズの応援に行ってきました。

第1試合のキャノンとコカコーラの前半終了間際に到着、バックスタンドを見ても観客が少ないのが残念。それでも雨予報のなか、見に来てくれたファンには感謝ですね。
クボタスピアーズのウォームアップ、30分前から始まり、テンポよく進んでいました。リザーブに入っていない選手も相手役としてアップに参加していましたね。

雨は降らなかったが風下だった前半、2トライを奪ってリード

クボタのキックオフでスタート、左から右に時折強い風が吹くコンディションで両チームともキックをどう使かがプレーにも出ていました

試合開始直後は三菱重工がエリア中盤からDFラインの裏へのキックを上手く使い、クボタ陣22m内に入る機会が何度かありました。それでもクボタはラインアウトでしっかりボールをキープして蹴り返す。そこを起点に三菱重工がまたアタックしてはタッチライン際を狙ってキックして、というのが繰り返されました。そして前半11分にクボタが自陣からラインブレイクして一気にG前まで攻め込むとPR海士選手がインゴールに飛び込み先制のトライ。

その後は得点が生まれず膠着状態に。風下のクボタはラインアウトでノットストレートが2回ほどありましたが、それでも堅いDFは乱れず自陣でも余計な反則を犯さずにしっかり守っていましたし、FB桑江選手がエリアを大きく取り返すキックを見せていたり、チームとして対応。時間が進むに連れて、敵陣でのプレーが増えてきました。そして待望の2トライ目は、前半37分に中央スクラムから最後はCTB立川選手がトライを奪って12-0とリードして折り返しました。

前半の終わりに敵陣でチャンスを作ったクボタは中央スクラムから左を攻めて、ライン際を抜け出したWTB白井選手がG前で内側へパス、転がった球を拾った立川選手が2トライ目

後半はキックの蹴り合いが増えて、混戦になるも何とか勝利

迎えた後半は風上になり、更に追加点を重ねると思いましたが、まさかの無得点。三菱重工は自陣から無理にアタックせず、SOとFBの外国人選手がクボタ陣に大きく蹴り込むのを徹底。クボタはそこから蹴り返したり、カウンターを仕掛けるも敵陣深くでチャンスを作る前にミスが出てアタックを継続できず。そして三菱重工は数少ないチャンスから後半26分にトライを奪い5点差に。

ラインアウトが多かった試合、クボタは三菱重工のラインアウトにもよく競りにいってボールを奪うなど、対応できたのが最後のターンオーバーにつながりました

その後も逆転を狙う三菱重工と、逃げ切りを図るクボタとの攻防は続き、後半残り10分を切って三菱重工が22m内に攻め込みます。そこでDFから相手の反則を誘って敵陣へ行くと残り5分をきって、クボタは22mラインでショートラックを繰り返してボールキープ。そのまま終わるかと思いきや、ラックからボールがこぼれそうになったところでオーバーザトップの反則を取られて、相手ラインアウトでラスト1プレー。そして最後は後ろに投げたボールの奪い合いでこぼれたボールをクボタが奪って蹴りだして終了。最後まで目の離せない試合となりました。

12-5という接戦は最近ではあまり見る機会のないものでしたが、風の強い状況の中でキック合戦、エリア取りに多くの時間を費やしたゲームでしたが、その中でも上手く対応したクボタが試合を優位に進めました。3連勝のクボタは同じプールに入ったトヨタ自動車が出場辞退しているので、来週のキャノンとの試合に勝つとプレーオフ進出が決定、頑張れクボタ!

ユニバに参加している男女7s代表は共に決勝進出、この後LIVEチェック

というわけで見出しの通り、ナポリで行われているユニバーシアード大会、男子も女子も日本時間の夕方に行われた準決勝、共にロシアを相手に快勝して決勝に進出しました。この後まさに決勝が行われます。頑張れ日本!!目指せアベック優勝、目指せ金メダル!!